死出の箱舟・■■の■ その一
(=ↀωↀ=)<投稿開始三周年です
(=ↀωↀ=)<今年は色々あって記念短編とかできませぬが
(=ↀωↀ=)<せめてもの気持ちで投稿早めます
□【装甲操縦士】ユーゴー・レセップス
砂上豪華客船【エルトラーム号】。
カルディナの各地を回る大型の砂上船で、就航したばかりの新造船。
主に富裕層の乗客に安全で快適な旅を提供するための船であり、船内にはカジノやショッピングモール、プールや劇場まで揃えている。
昔、子供の頃に家族旅行で使ったリアルの客船を思い出す。
……あの客船、私達が旅行に使った数ヵ月後に事故で沈んだんだっけ。
当時はそれが思い出までも沈んでしまったように感じられて、悲しくなったものだ。
ただ、この【エルトラーム号】はあのときの客船と大きく違うところが二つある。
まず、窓の外に広がるのは青い海ではなく、白い砂漠だ。
現実ではありえない光景なので、外の景色を見ているとかなりインパクトがある。
そして、視線を船体側面に映すと見えるものが、ある意味では砂の上を進む以上の違いだ。
側面に、ズラリと大砲が並んでいる。
……ワームをはじめとした砂漠のモンスターの接近に備えたものなのだろう。
リアルにはいないモンスターがいる世界だから、客船でもその対策は必要だった。
付け加えると、護衛のために武装した砂上船が何隻も並走している。
この<Infinite Dendrogram>で安全で快適な旅をするには重武装が必須ということだ。
「風情がないだろう?」
外の景色に取られていた私の意識を、同席者の声が室内に引き戻した。
ここは【エルトラーム号】内の展望レストラン、その中でも最も良い席。
乗船した私とキューコを「仕事の話の前にまずは食事だ」と誘った人物との会食中だ。
そう、【放蕩王】マニゴルドさんとの。
「……そうですね。この客船で旅をする人達は心休まるんでしょうか?」
「ティアンなら休まるとも。彼らは生まれたときから人を食うモンスターが傍にいるのが日常だ。身を守る力の必要性への理解は俺達の比じゃない。むしろ、大砲を並べるほど心休まるんじゃないか?」
……たしかに。私達にとっては非日常でも、ティアンにとっては日常なのか。
「だが、我々にとってはプラスにならん。料理の味は変わらなくとも、美味いと感じる心が色褪せる。次だ」
『食事がまずくなる』と言いながら、マニゴルドさんは高級そうな肉料理を平らげて、次の皿を催促していた。
「この船のコックは超級職ではないが、味はそれと遜色ないな。元々、料理がスキルの影響を受けづらいものだということもあるが」
「そうなんですか?」
「センススキルの《料理》は作る奴の作りたい味の料理が、スキルレベルに応じた完成度で作れる。だから結局は本人の味覚次第だ。味覚音痴が作ればどれだけスキルレベルが高くとも美味くはならん。それに技術があればスキルなしでも美味い食事は作れる。うちのイサラの料理も大したものだ」
「お褒めにあずかり光栄ですわ」
マニゴルドさんがそう言うと、背後に立っていたマニゴルドさんの護衛だというティアン女性――イサラさんが一礼した。
「なるほど……」
「もっとも、料理関係のスキルにしてもオーナーのような例外もないではないが……。次」
そう言いながら、マニゴルドさんは次の皿もすぐに空けてしまった。
食べながらも言葉が一切濁らず、咀嚼音もないのが謎だ。
「ふむ。匙が進んでいないようだが、苦手な食材でもあったか? ベジタリアンと、白いものしか食べない偏食家だとはあの色情狂に聞いていたがな」
「い、いえ。美味しいです。ただ、その……圧倒されてしまって」
圧倒される、というのはもちろんマニゴルドさんの食べっぷりだ。
以前、ネメシスの食事風景を見たことがあるけれど、あれに匹敵する。
あのときは『メイデンの食癖だから』と流せたが、マニゴルドさんは<エンブリオ>ではなく<マスター>だ。
ただ、これまで見てきた<マスター>とは大きく違う。
マニゴルドさんの見た目は、何と言うか……。
「くいすぎデブ」
「そう、ものすごく肥満体……ってキューコ!?」
いつになくドストレートに罵倒したね今!?
この人、今回の雇い主で<超級>なんだけど!?
「ふむ。食いすぎデブか。否定する要素がないな。どう思う、イサラ」
「ええ。主様は健啖家でございます」
「……丁寧に言われた方が引っ掛かるのは何故だ」
しかしキューコの毒舌も気にした様子もなく、マニゴルドさんは背後のイサラさんとそんな会話をしていた。
……実際、彼は肥満体だった。
さして高くもない身長が、前後左右に膨らんでいる。
特に腹部はボールを抱えているよう……というか胴体がボールのようだ。
その癖、顔は美形寄りなのである。
何と言うか……『普通に美形のアバターを作ったけどその後に太りました』という感じだ。
「あの、その見た目は……メイキングで?」
たまにモヒカンとかネタ寄りの見た目で始める人はいるし、私と姉さんもリアルとかけ離れた姿でやっているけれど……。
「ふふふ、違う。気をつけろよ。限度を超えて食いすぎた上にデスペナにもならずにいるとこうなるぞ。俺以外にアバターの体型がここまで太った奴は見たことがないし、検証したくて太ったわけでもない」
……気をつけよう。
師匠と別ベクトルの反面教師にしよう。
「しかし真逆のことを言うようだが、デンドロでの食事はいくら楽しんでもいいぞ。リアルと違って暴飲暴食が命に関わるわけでもなし。体を壊して死ぬとしても、デスペナから戻れば健康体だ。まぁ、ダイエットのために死ぬ気はないがな」
「…………」
そういう考え方もあるのか……。
「ついでに言えば、デンドロでは愛人も抱え放題だ」
「え?」
「こちらでどれだけ後ろ指を指されようが、リアルでは痛くも痒くもない。そして美女との出会いはこちらの方が多い。俺も愛人は何人もいるぞ。特に気に入っているのはイサラだがな」
「ふふ。主様は何人にそう言っているのでしょうか?」
マニゴルドさんはそう言ってイサラさんを見る。
……あー。そういう関係なんだ、この二人。
「ぞくぶつ」
「だからストレートすぎるよキューコ!」
マニゴルドさんを指差しながらまた直截的な罵倒を飛ばしたキューコにドキリとする。
だが、マニゴルドさんは一切気にした様子がない。
「いかにも、俺は俗物だ。美味い飯をたらふく食い、高価な酒を存分に飲み、美女と閨を共にするためにデンドロをやっているような男だ。何も恥じることはない。俺にはそれができるだけの金がある。金ならいくらでもある」
「…………」
【放蕩王】マニゴルド。
またの名を『<Infinite Dendrogram>で最も財を作る男』。
このレストランでの食事も、イサラさんをはじめとして何人もいるという愛人との関係も、その財産によるものなのだろう。
それにしても、こんなに堂々と俗物している人は初めて見た。
……父でももう少し取り繕っていた気がする。
「……RMT禁止法がなければ、リアルでももう少し……」
……なんかソーニャと逆のことをぼやいてる。
マニゴルドさんは気を取り直そうとしているのか、また料理の皿を空け始めた。
「ハングリーエロデブ」
「いかにも。ところで、キューコといったか。愛人にならないか? 月額一〇〇〇万からの交渉だ」
「人の<エンブリオ>をいかがわしい方向に誘わないでくれます!?」
さらっと爆弾発言しないでよもう!?
あのキューコでさえビックリして硬直してるよ!?
「ロリコンですか!? ロリコンなんですか!?」
「美女に年齢は関係ない。もっと言えば種族も関係がないと思っている。レジェンダリア人や、場合によっては人間範疇生物に限らなくてもいい」
性癖暴露堂々としすぎてませんか!?
「本当はレジェンダリアの<超級>じゃないんですかあなた!?」
「馬鹿を言え。あの変態と並べられてたまるか」
……私の中で、レジェンダリアの変態ハードルがすごく上がっていく。
そういえば、師匠も同じようなことを言っていたけど……。
「……もしかして、師匠ともそういう関係ですか……?」
あの人、男女どっちでもイケるらしいし……。
「……はァ?」
けど、予想に反してマニゴルドさんは凄まじくイヤそうな顔だった。
「……俺にも選ぶ権利はある。あんな色情狂のバカと閨を共にするなど想像しただけで寒気がする……」
「…………」
あ、分かった。
師匠がマニゴルドさんについて『人格に問題がある』とか色々言ってたけど、……この二人、完全に同族嫌悪だ。
性癖方面でほぼ同じタイプの人間だよ、これ……。
「あ。俺はアイツと違って同性は拒否する。だから、君との愛人契約はないぞ」
「頼みませんよ!?」
師匠よりまともなんだか駄目なんだか……!!
◇
そんな発言にドン引きし続ける食事も終わり、今は食後のお茶を飲んでいる。
キューコも硬直状態から回復して、今はラッシーのようなドリンクを飲んでいた。
「さて、そろそろ今回の本題に入ろう。と言っても、用件は二つあるのだがな」
「二つ?」
「AR・I・CAから聞いているだろうアルバイトと、あとは商談だな」
「?」
商談って、何の?
「まずはアルバイトの話だ。仕事内容は、俺の護衛だな」
「護衛?」
……<超級>が、私を護衛に雇う?
「必要あるんですか?」
「あるとも。俺は<セフィロト>の一員だが、戦闘力ではあの色情狂のバカ同様に下から数えた方が早い」
下から数えた方が早いって……あの師匠も?
「特に、ステータスでは貧弱だ。超音速機動戦闘などついていけんし、速攻で殺されるぞ。だからこそ、戦闘系超級職のイサラが俺の護衛で愛人だ」
「ふふ、そうですね」
マニゴルドさんの発言に、イサラさんが微笑みながら頷く。
戦闘系超級職……。なるほど、マニゴルドさんが非戦闘型の<超級>なら、護衛としてはイサラさんみたいな人が最適なのか。
<マスター>と違って、ティアンはずっとこの世界にいるのだから。
「でも、それならやっぱり私が追加で護衛につかなくても……」
「実はこの客船で例の珠を取り扱う」
「!?」
珠。
それは言うまでもなく、<UBM>を封印したあの珠だ。
コルタナでは、街中で巨大な怪物が暴れまわる羽目になったあの……。
「偶然にも珠を手に入れた人物がいて、その人物から譲り受けるための商談をここですることになっている。さて、前回のコルタナでの事件では、因果関係こそ不明だが【殺人姫】がコルタナにいたそうだな」
「はい……」
【殺人姫】エミリー。
不死身の<超級>。
どうしてか……殺人を繰り返していた少女。
彼女のことを思い出すたびに、『どうして?』、という思いが胸に湧き上がる。
どうして、彼女は……。
「大丈夫か?」
「……はい」
エミリーのことを思い出して俯いた私を、マニゴルドさんは気遣ってくれる。
……この人、肉食系で俗物すぎるところ以外はわりとまともなんだろうな。
「なら、話を進める。珠があるなら、今回もコルタナ同様に【殺人姫】やその仲間が出てくる可能性がある。あれが不死身だという話は俺も聞いているし、流石にうちのイサラも不死身なんてトンデモには勝てん」
「…………」
エミリーは死んでも何度でも復活する。
そして殺人の度に強くなる【殺人姫】。
常識的に考えて、勝つ手段がない。
「だが、そのトンデモと相性の良い<マスター>がいる。君だ」
それがあるとすれば……。
「つまり……私を護衛に雇うのは、【殺人姫】が出てきたときのため」
キューコによる同族討伐数に起因した問答無用の一撃凍結と、【ホワイト・ローズ】が持つ自殺阻止の《ブークリエ・プラネッター》。
エミリーに対して、天敵とも言える私達の力。
「そういうことだ。頼めるか?」
「…………」
少しだけ、悩む。
彼女と戦ってもいいのだろうか、という疑問はある。
それでも……。
「受けます」
それでも、エミリーがこの客船で……コルタナのときのように殺戮を行うならば止めなければならない。
止められるのが、私しかいないと言うならば……。
「依頼成立だな。感謝する。報酬は満足できるだけ用意しよう」
「よろしくお願いします。それで、もう一つの用件……商談というのは?」
「ああ」
マニゴルドさんはお茶を一服してから、私を見て話を切り出した。
「客船での仕事が終わったら、君の【ホワイト・ローズ】を一〇〇億で売る気はないか?」
「お断りします」
唐突に出された提案を、私は即座に断っていた。
それはきっと考えるよりも早い反射的なもので、金額が百倍だったとしても同じ返答をしただろう。
【ホワイト・ローズ】の製作費は提示金額よりも安いだろうけれど、お金の問題じゃない。
あれは姉さんが私にくれた誕生日プレゼントだから、誰かに売り渡すなんてありえない。
「即答か。分かった、諦めよう」
「……え」
断っておいてなんだけれど、マニゴルドさんがあっさり引き下がったのが意外だった。
「諦めの早さが不思議か?」
「……ええ、まあ」
「俺は金を積んで手に入るものなら手に入れるが、金で手に入らないものは諦める主義だ。俺が金しか持っていないのだから、それで頷かれないのならば打つ手はない。金を積み上げて答えが変わる相手ならともかく、君はそうではなさそうだからな。そして力で奪うなど論外だ」
「…………」
……この人、やっぱりちょっと師匠に似てる。
誰かを口説いてるときの師匠も、無理強いはしたことがない。
「手に入れるものは、金で買えるものだけでいい。俺が<セフィロト>にいるのも、そのためだからな」
「え?」
「AR・I・CAから聞いたことは……なさそうだな」
何のことを言っているのかすら分からなかったので、頷く。
「俺達<セフィロト>のメンバーは、カルディナ議会の要請でカルディナの<超級>が結集したクランだ。それまでフリーで活動していた者も含め、国の管理下に置いたわけだ。当然、自由度は落ちる。今回のように仕事を任されることもあるからな。だからこそ、加入と引き換えにある程度の特権が与えられた」
「特権……」
「俺の場合は、限られた商人しか参加できないような希少オークションや会員制マーケットへの参加権だ。まぁ、場を乱さない程度にしか買えないがな。買占めは敵を作る。俺は売り手にとっても程好い買い手であり続けたい」
「……師匠も?」
「さあな。何かしらの特権は持っているんだろうが、俺は関知しない。他のメンバーの特権を知ることが不和の元にもなりかねないからな。俺の特権は俺自身が満足し、かつ控えめだから公言もしている」
……<セフィロト>がカルディナの要請で作られたクランだって話は聞いたことがあったけど、そういう対価があっての結成だったのか。
「さて、そんな訳で本題は終了だ。珠の商談は、相手が船に乗り込んでくる明日になる。商談自体は問題なく終わるだろう。君と違い、金で話が決まるだけだ」
「…………」
「ただし、珠を手に入れた後、それを誰かに奪われないとも限らない。君の仕事は、これから三日間……より正確には珠の取引が行われる明日から終着点のドラグノマドに着く明後日までの警戒だ。例の【殺人姫】がうろついているかもしれないし、他にも不埒な奴らが出てくるかもしれない。船内の警戒に当たってくれ。何かあればこの通信機で連絡をくれればいい。緊急時は自己判断での対処も任せる。ああ、食事や入浴で長めにログアウトする場合も事前に連絡を頼む」
そう言って、マニゴルドさんは通信機を私に手渡した。
「分かりました」
「それでは、よろしく頼む。俺は自室で休んでいる。今日は船の下見をしておくといい。それと君達の船室もとっているから、適度に休息してくれ」
そう言ってマニゴルドさんは私達用の船室の鍵を置いて席を立ち、レストランから出ていった。
なお、私達の分も含めて食事代は払ってくれたようだった。
「きまえのいいエロデブだった」
「……うん。まあ、なんというか……濃い人だった」
でも、キューコの暴言にも動じていなかったし、器は大きそうだった。
「ようせきっていみで?」
「…………」
……何だかキューコが姉さんのときより辛辣というか、オブラートに包まなさすぎる毒舌ばっかりだ。
愛人発言を気にして……いや、その前からこんなだったけど。
「ともあれドラグノマドまでの護衛、頑張らなければね」
「うぃ、まむ」
今回もエミリーが来るのかは分からないけれど、他にも珠を狙った者が動くかもしれない。
気を引き締めていこう。
◆◆◆
■【エルトラーム号】
ユーゴー達が【エルトラーム号】に乗船した日の夜。
日が暮れてからとある都市に停泊した【エルトラーム号】は、その都市での乗客を乗せて再び動き始めた。
砂の上を進むデッキの上で、景色を眺めながらその都市で乗船した三人の人物が話している。
「無事に乗船できましたね、オーナー」
「ああ。このような豪華客船の乗船手続きでも問題なし。やはり、カルディナでは秘密裡でさえ手配されていなかったか。……まぁ、倒されはしても顔は見られていなかったはずだからな」
「だったらこの船でも安心して活動できるっすね。やっぱりうちらが再起するならお金が沢山あるカルディナが一番っす。……あと、もうグランバロアで船ぶっ壊されて溺れ死ぬのはイヤっす」
それは男性一人、女性二人の組み合わせだった。
いずれも<マスター>であるらしく、左手の甲には<エンブリオ>の紋章がある。
メガネをかけた几帳面そうな美女と、顔に傷痕のあるいかにも盗賊という風な少女。
そして、オーナーと呼ばれた男。
彼は赤い髪の青年だった。
そして、獅子の如き鬣がついた紅いジャケットを着込んでいる。
髪が彼の地毛を思わせる色合いなのに対して、ジャケットの紅は血で染め上げたような色合いだった。
「まずは船の作りを確認しながら、目的の物を探すとしようか。ニアーラ、フェイ」
「はい」
「ラジャーっす!」
そうして、男は二人に向き直り、
「――ここが、俺達<ゴブリン・ストリート>の再興の始まりだ」
男――【強奪王】エルドリッジは強い決意と共にそう告げた。
To be continued
(=ↀωↀ=)<エルドリッジパイセン、すごく久しぶりの作中登場
(=ↀωↀ=)<そして被らないキャラ筆頭マニゴルドさん登場
○余談
【放蕩王】マニゴルド
金で手に入るものは食べ物でも愛人でも希少品でも金で手に入れる男。
逆に、金で手に入らないものは即座に諦める判断の早さ。
商人ではなく、買い手オンリーにして浪費オンリー。
世にも珍しい太ってしまった<マスター>。
元のアバターは美形だったので肉食系イケメンデブ。
仲間が旅行先のお土産渡すとお礼に金を出してくるのであげる側が渡しづらくなり、逆にお土産もらえなくなった男。
自称――俗物&『<セフィロト>でも下から数えた方が早い戦闘力』。
他称――俗物&『<セフィロト>第二位の矛と第三位の盾を持つ男』。