第十九話 死合
□■王都アルテア・市街地
アルター王国の王都は混乱の只中にあった。
突如として、街の中に現れて人々を襲い始めた異形の軍団。
蜂に似た人型の怪物。<超級エンブリオ>である【真像改竄 イデア】によって改造された上級職素体イデア――【アピス・イデア】。
その総数は、五〇〇体を優に超える。
『BUBUBU……』
「きゃああああ……!?」
黄色と黒の危険信号に彩られた改人達は街中に散りながら、目についたティアンに襲い掛かり、槍と見紛う体器官で貫き、殺傷していく。
「クソッ! これ以上やらせるか!」
王都の衛兵が剣を抜き、【アピス・イデア】に斬りつけるも……体を覆う頑強な殻には僅かな傷しかつかない。
そうした衛兵の抵抗を容易く薙ぎ払い、【アピス・イデア】は殺傷を繰り返していく。
放たれた【アピス・イデア】は量産型の改人であるが、そのステータスは亜竜クラスを上回り、Cランク補正――ティアンの二倍程度のステータス補正――を得た五〇〇レベルの<マスター>に匹敵する。
王都の衛兵に太刀打ちできるものではなく、王都に滞在していた<マスター>でも苦戦を強いられるほどだった。
しかしその中で、僅かながら抗戦できている者達もいた。
『BUBUBU……BU?』
犠牲者を求めて王都の大路を進む三体の【アピス・イデア】の中心に、鳥の鳴き声のような音を上げながら一本の矢……鏑矢が落下する。
その直後、
「合わせ……斉射ァ!」
鏑矢の軌道に沿うように、数千の矢が【アピス・イデア】達に降り注ぐ。
それは《五月雨矢羽》と呼ばれる、天地の上級職【強弓武者】のスキル。
一射で一〇〇の矢を放つそのスキルを三〇人で放ち、三〇〇〇の矢として重ね合わせる。
自分達の一〇〇〇倍の数の矢に穿たれ、身を覆う殻も貫かれ、三体の【アピス・イデア】は絶命する。
直後、【アピス・イデア】は内部から膨張し、大爆発を起こした。
「やはり、こいつらは死ぬと爆発するようだな」
「……見た目だけでなくそんなところまで昔の特撮っぽいですね」
爆発する【アピス・イデア】を見ながら、二人の女性がそんな言葉を交わした。
彼女達は王国のクランランキング第三位にしてPKクランである<K&R>に所属する者。
その中でも多数による射撃を担当する集団戦術グループのリーダーとその補佐だった。
<K&R>の集団戦術グループはレベル上げ途中の未熟な者が多いが、指揮する彼女達はベテランだ。
それこそ、未だ<K&R>が<K&R>でなく、狼桜の率いるPKクランとして天地で暴れまわっていた頃からの猛者であった。
「部隊戦術グループもあの爆発に苦労してるっぽいです。何人か道連れでやられたっぽいです」
「ならば私達はこれからも距離をとりつつ、確実に仕留めていく。それで、うち以外に対抗できてるところは?」
【盗賊王】の放った改人による王都テロに際し、王都に本拠地を置くクランである<K&R>はログイン中だったメンバーで即座に対応を行っていた。
メンバーのほぼ全てが戦闘ビルドである<K&R>は、この状況において一大戦力として【アピス・イデア】に抗っていた。
「ティアンは戦力差がひどいっぽいです。おまけに王城でも騒ぎがあったみたいで、騎士団はそっちに集中してるっぽいです」
リーダーが城へと視線を向けると、城からは黒々とした煙が立ち上っている。
明らかに攻められていた。
「部隊戦術グループが一隊だけ王城にも向かったそうですけど、何か『炎の怪物にでくわした』って報告の後に連絡が途絶えました。フレンドのリスト見てもログアウト中なんでやられたっぽいです。どうします?」
「……どの道、私達の戦術は屋内じゃ使えない。そっちは他の<マスター>に任せよう。それで、他のクランは?」
「<月世の会>は熟練の戦闘メンバーのほとんどが例の護衛に回ってるっぽいです。残りの人員じゃあの蜂人間の相手は無理っぽいです」
「あの事件でうちを壊滅させた<月世の会>が……か」
「あそこの集団戦闘は教祖のデバフが前提っぽいですからね。うちだってあれがなければ、きっと五分に近い戦いは出来たんじゃないかなーって思いたいです」
「……次、<月世の会>以外の……例の<デス・ピリオド>は護衛だろうから、<AETL連合>などは?」
「他は集団で対抗できてるクランはいないっぽいです。<AETL連合>も人数が減ってる上に、他の都市に散ってたみたいで……」
「肝心な時に……」
少し前まで自分達の一つ上にいた巨大クランの現状を思い、リーダーは顔をしかめた。
「あ。でも<バビロニア戦闘団>は動いてるっぽいです。決闘六位の仮面さんと、舎弟のヒポクリフ乗りが蜂人間相手に戦ってるのを集合前に見ました」
「<バビロニア>か……。彼らは数こそ少ないが、個々人の戦力は天地のカンストと同格だ。頼りに出来る」
「…………あー、それは強いですね」
「思い出したか」
「……はい。天地の戦場っておっかなかったですね」
「王国に来てから少し鈍っていたからな。戦争前だ、あの蜂人間共を相手取って勘を取り戻すとしよう」
「はい。……それにしても、タイミング悪かったっぽいですね」
「オーナーのことか?」
「はい」
補佐の言葉に、リーダーは肩をすくめて苦笑する。
「オーナーに頑張りを見て欲しかった、というところか?」
「それもあるんですけど、やっぱりオーナーと姐さんがいるといないじゃ、グループのテンションの上がり具合が全然違うっぽいです」
「まぁ、これまでの狩りは二人のどちらかが私達を率いていたからな。二人共いない状態で集団戦をやるケースはなかった。しかし、タイミング次第でこういうこともあるさ。二人がいなくても……私達だけでもやれるか試されているのが、今だ」
リーダーは「それに……」と言葉を続け、
「あちらもきっと……死合の真っ最中だろう」
その視線を遥か西方……国境地帯の方角へと向けた。
◇◆◇
□■国境地帯・森林部
クロノがトムへと【ジェム】をばら撒き、その点火によってアバターを焼却する寸前。
一台の車が、二人へと突撃してきた。
「何ッ!?」
クロノはその車の接近に気づけなかった。
それはそうだろう。その車には地を駆ける音も、木々にぶつかる音も、空気との擦過音すらもなかったのだ。
まるで幽霊の如くおぼろげに、その車は全てをすり抜けて一直線に突っ走ってきた。
その車に、クロノは見覚えがあった。
(この<エンブリオ>は、あの時の……)
それは一昨晩、<K&R>のサブオーナーである狼桜を襲撃した際に現場から取り逃した車型の<エンブリオ>……トミカのオボログルマだった。
あの時のように必殺スキルを発動させた状態で、オボログルマはクロノと倒れたトム目掛けて一直線に進んでいる。
クロノは咄嗟に飛び退き、トムはオボログルマが通り過ぎる際に助手席のドアから何者かに車内へと引きずり込まれた。
直後、オボログルマのすぐ後方で【ジェム】が点火し、《クリムゾン・スフィア》がオボログルマのリアを炙った。
「ひぃ!? ちょっと熱かった!? もしかしてオボログルマって、熱とかはすり抜けられないの!?」
「トミカさん、自分の<エンブリオ>の性能は把握しておいた方がいいですよ?」
涙目で悲鳴を上げるトミカに、助手席に座った人物は穏やかにそう言った。
引きずりこまれた後、後部座席に放り込まれたトムはその人物を見て驚いたように声を上げる。
「君は……」
「トムさん。端的に二点だけ教えてほしいのです」
その人物は、指を二本立ててそう言った。
「彼とあなたの関係。それと、彼が一連のランカー襲撃犯で合っているかどうか。その二点です」
トムはその質問に少し考えて、答えを口にした。
「……僕がデスペナルティになると、彼が王女を誘拐する関係だ。それと、彼が襲撃犯で合ってるよ」
「分かりやすい説明、感謝します」
理由を省いたトムの答えにも納得して頷きながら、その人物は助手席のドアに手をかける。
「それではトミカさん。このままトムさんを乗せて逃げてください。僕は降ります」
「え、あ、あの……!?」
「トムさん。お相手、貰ってもいいですか?」
「……ああ。どの道、僕にはもう打つ手がない」
相性差があるクロノに、それでも勝つために十全な準備を重ねたはずだった。
それでも討ち取れず、両手足まで損なった今、トムにはもう勝算がない。
それゆえ、彼に希望を託した。
本来なら自分の力で止めてやりたかった同僚の暴走を、他者に委ねることに抵抗もある。
だが、同時に確信もしていた。
加速の極みに達し、他者とは異なる時間世界を生きるクロノ。
その領域に足を踏み入れ、打倒しえる存在は……王国には彼以外にいないのだと。
「僕はここまで。……あとは君にバトンタッチさせてもらうよ」
「はい、最初から死合うつもりで来たので良かったです。ではトミカさん、ここまで連れてきてくれてありがとうございました」
笑顔でそう言って、その人物は走るオボログルマの助手席のドアを開けた。
直後、ドアが開くのを待っていたかのように、車内に向けて爆弾が投げ込まれた。
それは、既に加速状態でオボログルマに併走していたクロノの投じたもの。
外部からの攻撃を無為とするオボログルマに匿われたトムを抹殺するため、クロノは扉が開く瞬間を待っていたのだ。
投じられたのは、クロノの手持ちの中でも威力重視のダイナマイトに似た爆弾。
それは誰にも認識できぬ超々音速で車内へと放り込まれ、間もなく炸裂――
「――――《閃》」
――しなかった。
何事もないかのように、オボログルマの車内で起爆しないまま転がった。
「……何?」
加速状態のまま、クロノはその様子に目を見張る。
併走しながら車内を見れば、爆弾の傍に……断たれた導線が落ちている。
それが意味することは……爆弾が起爆するまでの一瞬に、何者かが爆弾から導線を切り離したということ。
だが、それよりも大きな問題は……。
(見えなかっ、た……?)
加速状態のクロノをして、切断の瞬間が認識できなかったのだ。
そんなことがありえるのかと、クロノは疑問を抱き……。
「……ッ!?」
その直後、クロノの人の肉体が己に迫る危険を伝えた。
それは瞼を閉じた目に突起物を近づけるような、肌の粟立つ感覚。
首の裏に伝わる、危機感。
「……!!」
クロノは、咄嗟に自らの必殺スキルを起動する。
《世界時間加速》と《主観時間加速》のAGIバフがそれぞれに倍化し、クロノのAGIは一時的に一〇〇万を突破する。
そして、最大加速のまま、振り返りもせずに全力で前進。
直後、微かな痛みが首の裏の皮膚に走った。
「ッ!?」
そのまま移動し続けて距離を取りながら、クロノは首の裏に右手の甲を当てる。
首は濡れており、……手の甲に付着した液体は赤かった。
それが自分の血であり、何者かに背後に回られて斬りつけられたのだと、クロノが理解するには少しの時を要した。
(……バカな)
どこの誰が……加速状態にあるクロノに気づかれず背後を取れるというのか。
恐らくは【獣王】ですら、AGIだけはクロノに一歩譲るというのに。
そんなことができる相手を、記憶から探して……。
「……そうか。一人、いたっけ」
一人の人物に……思い至る。
その人物の情報は、クロノも持っていた。
なぜなら、本来はその人物も一昨晩に襲撃するはずだったからだ。
しかし当時はログアウト中であり、結局相対することはなかった。
護衛のメンバーにも含まれていなかったため、今の今まで思考の外に置いていたが……。
「……ッ」
クロノは足を止めて、振り返る。
オボログルマを追うことも、追ってくる相手から距離を取ることも、クロノは選ばない。
オボログルマの<マスター>は、追ってくる相手の仲間。
コースを指示してクロノと彼を鉢合わせることも容易だ。
そして、オボログルマへの襲撃に意識を割けば、今度こそ首を落とされかねない。
クロノはそう判断し、迫る相手を迎え撃つことを決めた。
「…………」
加速状態は維持。
その上で、いつでも必殺スキルを発動できるように準備する。
既にクロノは理解している。
自らの通常の加速状態よりも相手の方が速いが、必殺スキルを使用すれば自分が上回る。
だからこそ、そのタイミングを逃すまいと……追って来る相手を立ったまま待つ。
しかし、自らを上回る速度を持つゆえにすぐ追いつくと思われた相手は、クロノの予想よりもずっと遅かった。
森の土を踏む音をゆっくりと鳴らしながら、一歩ずつ、ゆっくりと歩いてくる。
「お待たせしました」
森の木々の間からその人物――クロノよりも幼い見た目の少年が現れる。
背は低く、羊毛に似た質感のコートを着込んでいる。
腰の両側には大太刀を佩き、両方の鞘に兎の頭蓋骨と鮫の頭部を連ねた鎖が噛み付いている。
一目見れば忘れがたい特徴を持つその少年の名は……。
「やっぱり――カシミヤ、か」
少年の名は――【抜刀神】カシミヤ。
決闘でトムを破った第二位のランカーにして、クランランキング三位<K&R>のオーナー。
そして、“王国最速”と“断頭台”の二つ名を持つPKである。
「はい。貴方は……【兎神】クロノ・クラウンさんですか?」
「……ああ」
カシミヤに名を呼ばれたことを、クロノは別段驚きはしなかった。
一昨晩の襲撃の手口からクロノに辿りつくことは考えられる。
実際、カシミヤが知っていたのは、シュウ・スターリングがクロノだと言い当てた場に<K&R>のトミカもおり、彼女の口からカシミヤに伝えられたためである。
(……この分だと、最初から僕が目当てだったと見える)
カシミヤが自分をターゲットに定めていることをクロノは理解した。
今の問題は……クロノを狙うその動機。
しかし、それもすぐに思い当たる。
「なるほど。そういえば決闘五位の狼桜は君のクランのメンバーだったね。差し詰め、仲間の仇討ちに来たってところかい?」
「え?」
「……え?」
クロノがそれしかないだろうと思っていた動機に対し、カシミヤは首を傾げ、その反応にクロノも首を傾げる。
「いえ、狼桜さんの仇討ちはしませんよ? 扶桑月夜さんにもしていないですし」
三月に起きた王都包囲テロで、狼桜含む<K&R>を殲滅した<月世の会>のオーナーの名を出し、カシミヤはクロノの予想を否定した。
「狼桜さんもPKなので、誰かにPKされても仕方ないことなのです。もちろん僕もそうなので、クランの皆さんには『報復PKの必要は全然ないですよ』っていつも言ってて……」
「……なら、王国の<マスター>として、遅ればせながら王女の護衛に馳せ参じたとでも言うのかい?」
「それも……違うと思います」
「じゃあ、どうしてここに来たって言うんだ!」
トムを倒す直前に邪魔をした相手に対し、声を荒らげてクロノは問う。
そんなクロノに対し、カシミヤは少し困ったような表情で……、しかしハッキリとした声音で述べる。
「貴方を斬るためです」
「…………は?」
仇討ちでなく、護衛のためでなく、クロノを斬るためだけにここに来たのだと、カシミヤは言った。
「どういう、意味だい?」
「ええと、貴方はランカーを襲撃した人で、皇国で一番速いPKなんですよね?」
「だったら……?」
「僕よりも速い人を斬る機会なんてほとんどないので、今しかないと思ったのです。さっきも僕より速く動かれて、首を斬り損ねましたし」
クロノが自分よりも速いから、それを斬りたいという欲求のためだけにここにいるのだと、何の後ろめたさもない口調でカシミヤは言った。
その返答にクロノは額に青筋を浮かべながら、怒りと共に問う。
「お前……ふざけているのか!? 僕がどれほどの思いでここにいて! トムを倒そうとして! 戦争を起こさせまいとしているのか……分かっているのか!?」
「いいえ。さっぱり分かりませんし、知りません」
あっさりと、カシミヤはそう言った。
「お前……!」
「それに、さっきも言ったじゃないですか」
クロノが怒りを向けても、平然とした顔で……カシミヤは自らの論理を述べる。
「僕も貴方も、己のやりたいことのために他のプレイヤーを殺すPKなのです。だからこそ、PK同士が死合う時は……相手の事情とか理由の重さを斟酌する必要はないですよね?」
「何……?」
「だって、いつも相手を殺して自分の都合を優先しているのがPKじゃないですか。それなのに、自分が殺されるときは斟酌してくれというのは、変です」
だから、PKである狼桜の仇討ちに来たわけでもない。
自分の都合で相手を殺すPKは、いつ何時、誰かに殺されたとしても……それが当然なのだから。
だからカシミヤも、今ここでクロノをPKする心算なのである。
事ここに至り、カシミヤにとってクロノの事情や心情は何らかの考慮をする必要すらない。
クロノが述べた「戦争を起こさせまいとしている」という言葉にすら、一切の疑問を向ける素振りすらない。
もしも管理AIとしての話せぬ事情まで含めた全てを話したとしても、カシミヤの答えは変わらないのだろう。
カシミヤにとって重要なことは二つだけ。
己より速い者を斬ること、そしてPK同士で死合うことの唯二つ。
そんなカシミヤに……クロノは一つのことを納得せざるを得なかった。
(カシミヤのリアルは子供だったはずだけど、……ああ、そうか。そもそも……)
そもそも、前提として……。
(まともな子供なら、国内最大のPKクランのオーナーなんてやっているわけがない)
カシミヤが今の地位にいるのは、成り行きだけでそうなったのではない。
なるべくしてそうなっている、ということを納得した。
「……ところで、<K&R>には『PK前に相手に許諾させる』ルールがあると聞いていたけど?」
カシミヤ自身が提言した、予告と許諾によるPKである。
カシミヤはその言葉に頷いた後……指を一本立てた。
「はい。だけどそれには一つ例外があるのです」
「例外?」
「『相手がPKだけならば、必要なし』。これはクランを作る前からの信条なのです」
既に述べたように、PKを相手にするときは一切の事情を斟酌せずに戦いを挑む。
だからこそ、カシミヤは王国最強のPKと呼ばれていたのである。
そう、エルドリッジやバルバロイ・バッド・バーンといった王国で名の知れたPK――全員と戦って倒したがゆえの、最強。
「なるほど。分かった。理解した。……もういい」
クロノは溜め息を一つ吐いて、――――カシミヤを睨んだ。
「お前を殺してから、トムを探して殺す。手順が一つ増えただけだ」
「はい。そうしてください。僕も貴方を殺します」
クロノは両手の懐中時計を握りしめ、殺意を最大に高める。
カシミヤもまた、両腰の大太刀を提げる鎖――自身の<エンブリオ>である【自在抜刀 イナバ】を動かし、二刀二腕二鎖という彼だけの抜刀の構えを取る。
あたかも西部劇の決闘の如く、二人は向かい合い、
二人は――――同時に消失した。
それが、死合の始まり。
管理AIのアバターにして、皇国最速を誇る【兎神】クロノ・クラウン。
王国の決闘二位にして、王国最速を誇る【抜刀神】カシミヤ。
最速の首狩り兎同士の――殺し合い。
To be continued
(=ↀωↀ=)<ただいまー(戦線離脱猫)
( ꒪|勅|꒪)<おかえリー
(=ↀωↀ=)<これからは両方に負けた身としてあとがきで観戦タイムだー
( ꒪|勅|꒪)<……もうちょっと頑張っても良かったんじゃないか、お前?
(=ↀωↀ=)<それはそれとしてカシミヤVSクロノ開始
(=ↀωↀ=)<両者共に、相手を倒すことで己の望みを通さんとする戦い
(=ↀωↀ=)<なお、カシミヤは相手がPKじゃなければ合意無しで死合しません
(=ↀωↀ=)<クロノが自分より速くても
(=ↀωↀ=)<『PK』じゃなかったらこうはなってなかったと思われる




