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<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム-  作者: 海道 左近
第六章 アイのカタチ

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第二十話 《天死領域》

(=ↀωↀ=)<よーし、ストック開放して二話投稿しちゃうぞー


(=ↀωↀ=)<二話目なのでまだの方は前話からー

 □決闘都市ギデオン


「る、ルーク君! あ、あれは……!?」


 ギデオンの中心に立つ巨大なサンダルフォンの姿に、霞は怯える。

 そんな霞の前に出て庇いながら、ルークは思考を巡らせる。


(あれは事前に聞いていたハンニャ女史のサンダルフォンと特徴が一致します。レイさんは穏便に話が進みそうだと仰っていましたが……何かあったみたいですね)


 一先ずレイとシュウに連絡を取ろうと、ルークは【テレパシーカフス】を取り出して……その悲鳴を聞いた。

 その悲鳴が聞こえたのは唐突だった。

 街のどこかから聞こえたのではなく、すぐ傍で突然生じた悲鳴。

 その悲鳴は、ルーク達のほんの一〇メテル手前に――突如として現れた(・・・・・・・・)逃げ惑う人々(・・・・・・)から発せられていた。


「え? あれ!?」


 ルークは困惑する霞を抱きかかえて、逃げ惑う人々の進路から外れる。

 人々の方も困惑している様子だったが、あのサンダルフォンから少しでも離れようと一目散に逃げていく。

 そんな周囲の様子を見ながら、ルークは思考を加速させていく。


(人間の集団転移? 何らかのスキル? あのサンダルフォンが引き起こしたこと?)


 事前にハンニャのことを聞いていたルーク達も、サンダルフォンのスキルまでは知らされていない。

 そもそもシュウですらそれは知らなかったし……フィガロも同様だ。

 フィガロの場合はハンニャに尋ねていれば知れていただろうが、それをしていない。

 いずれ決闘する相手の手の内を先に知ることをアンフェアだと考えたのが理由だ。


(……だけど、ありえない。これだけの人数を大規模に瞬間移動させるスキルに、どれほどのコストがかかる?)


 ルークが知る限り、瞬間移動とはこの<Infinite Dendrogram>でもコストの重いスキルだ。

 霞のタイキョクズの瞬間移動は彼女のモンスター限定であり、長距離になるほど指数関数的にコストを増大させる。また、<超級>であるフランクリンも短距離の配置置換スキルである《キャスリング》のために、それにのみ特化したモンスターを多数製作していた。

 無条件に長距離を瞬間移動できるのは、ルークが知る限りは<超級エンブリオ>であるテナガ・アシナガの必殺スキルくらいのもの。

 この現象を引き起こしたのは<超級エンブリオ>のサンダルフォンと見て間違いはないだろう。

 しかし、あの巨体を持ちながらこれほどの人数をまとめて瞬間移動させているとなれば……明らかに性能が異常だった。


(それでも実行できているのなら、それは何らかの複雑な条件付きか、そもそも純粋な瞬間移動ではない。あるいは、その複合。……彼女の<エンブリオ>を思い出す)


 ルークの脳裏をよぎったのは、かつて相対したユーゴーとキューコだ。

 キューコの《地獄門》は、限定条件下ではあるがランカーのビシュマルを含む格上の<マスター>達を瞬殺している。

 ルークはサンダルフォンが引き起こしている現象にも似た気配を感じていた。


(メイデンとアポストルの違いはあるけど、どちらもチャリオッツ系列)


 <マジンギア>を芯としなければならなかったキューコとは違い、サンダルフォンは自らのみであの巨体を形成しているという違いはあったが同系列と言える。


(けれどやっていることはテリトリー系列に近い。メイデンやアポストルの場合、ハイブリッド先の特徴が形状くらいしか残らない? あるいはこの二体が例外的なのか。どちらにしてもこの現象はチャリオッツ系列ではなく、アポストルの特性によるものと考えるべきだけれど……)


 アポストルの特性が何かはあまりにもデータが不足しており、ルークでも推理することが出来ない。

 ゆえに、今はこのスキルの正体についての把握に努めた。

 

(瞬間移動がコスト的にありえないのなら、別の現象? 例えば……幻覚?)


 ルークが最初に考えたのは、先日相対した隠蔽能力に特化した<超級エンブリオ>のようにこちらの感覚を誤魔化している可能性だった。

 逃げ惑う人々は、どこか別の場所にいる人々の姿と声を見せているだけなのではないかという推測。

 ルークはコートに擬態したリズに命じ、リズの一部を細い糸にして風に流した。

 糸は逃げ惑う人々に触れて……それは少なくともリズの知覚では実体ある人間だった。


(感覚欺瞞ではない。少なくとも、広範囲に展開した上であのクラスの感覚欺瞞が出来るはずはない。そしてこの視覚が感覚欺瞞でないのなら、この大通りのあちこちで同じように人々が何もない空間から飛び出している。……?)


 そこで、ルークは気づく。

 この大通り……それこそ一直線に何百メテルと続くこの道。

 けれど、人が飛び出してくるポイントは限られている。

 目算だが、ルークの一〇メテル手前、一一〇メテル手前、二一〇メテル手前と一〇〇メテル刻みだ。


(もしかして……)


 ルークは糸を、今度は八方に伸ばした。

 すると、リズが反応する。


[とちゅう で べつ の ばしょ に でた]


 リズもまた、人々のように移動していた。

 しかも、一定以上伸ばした糸の先だけが。

 ルークも移動した位置を目視し、その距離を計算し、そして理解する。


一〇〇メートル四方(・・・・・・・・・)正方形(・・・)。この範囲から出ると、別の場所に移動している)


 一辺が一〇〇メテルの正方形で区切られた範囲。

 その構図に、ルークはサンダルフォンを目視する直前に見たものを思い出した。


「すみません、霞さん。もう一度タイキョクズを見せて……あれ?」

「ふきゅ~~…………」


 ルークが霞に話しかけたとき、霞は顔を真っ赤にして気を失いかけていた。

 ルークが加速した思考でここまでの推理に費やした時間は一分もかかっていないが、逆を言えば一分近くの間……霞はルークに抱きかかえられていたのだ。

 霞の頭は沸騰しそうであった。

 仕方無しに、ルークはそのまま霞が手に持ったままだったタイキョクズを覗き見る。

 そこには先刻見たときと同様、スライディングブロックパズル状態のギデオンが映っていた。

 その地図とルークの記憶を組み合わせると、ここから北に一〇メテルほどの位置にギデオンの北門があることになっている。


「…………」


 ルークは自身の考えを確かめるため、人が飛び出してくるポイントに歩を進めた。

 途中、小石を蹴ってみるが、それは何事もなく十数メテル転がっただけだった。


「……なるほど。ライフラインが寸断された様子もないから生物だけ、……生物とその持ち物だけ、か」


 服を着て手荷物をもったまま現れる人々を見ながら、ルークは確認するように呟く。


「加えてタイキョクズの反応からすると……<エンブリオ>も、かな」


 そうして、こちらに雪崩れ込んでくる人々と入れ違いに彼らの来た方向へと移動する。

 数歩の後、ルークが立っていた場所は先ほどまでの大通りではなく……北門(・・)だった。


「……そういう、スキルか」


 自身の推理を実証した後、ルークはレイとシュウに連絡を取りはじめた。

 自分の見つけた答え(・・)を伝えるために。


 ◆◆◆


 時はまた少しだけ、遡る。


迷宮形成(・・・・)――幽閉完了(・・・・)


 必殺スキルを使用した直後のサンダルフォンはそう呟いて、両目を開く。

 双塔の天頂にそれぞれ一つずつはめ込まれた宝玉が、今のサンダルフォンの目だった。

 左右の宝玉からは別の景色が見えている。


 右の宝玉で見る景色はスキル発動前と同じギデオン。

 人々は一定の距離を移動するたびに瞬間移動している。


 左の宝玉で見る景色はタイルの模様の如くバラバラにかき混ぜられたギデオン。

 人々は地続きに移動している(・・・・・・・・・・)


 そして人々にとって、左の宝玉で見える景色こそが今のギデオンだった。


 ◆


 この現象はルークが推測しかけたように、TYPE:アポストルの特性によるもの。

 メイデンが強者を倒すジャイアントキリングに秀でているように、アポストルもまた独自の能力傾向を有している。


 その特性の名は、ドミネイター。


 己の力を一点に集中させて強者を倒すメイデンの対。

 部分的にこの世界(・・・・)を掌握し、己を利する世界に作り変えてしまう支配者の力。

 メイデンwithインベイジョンワールドのカグヤのように、己の世界(ワールド)で世界を夜に染め上げるのではない。

 世界の一部を箱庭のように区切って、支配して、改変してしまう。

 “監獄”に巣食うアポストルが世界を糧に別世界の怪物を生み出すように、サンダルフォンは掌握した一〇キロメテル四方の世界で移動法則を改変する。

 《天死領域(サンダルフォン)》は生物とその所有物、そして<エンブリオ>の移動に関してのみ、一〇〇メテルごとの空間の繋がり(・・・・・・)を変えてしまう。

 サンダルフォンがバラバラにシャッフルした……左の宝玉で見ている景色のままに。


 ユダヤ教における『天使を幽閉する大天使』をモチーフとした力。

 かき混ぜられた世界を正しく把握できるのは、この幽閉空間の支配者であるサンダルフォン自身の視覚をはじめとした極一部のみ。

 数多の者にとって日常と変わらぬ景色のまま、脱出困難な迷宮となる。

 それは、ハンニャが望んだ力。

 己を裏切り、逃げ出したロックパンサーを――絶対に逃がさない(・・・・・・・・)ための力。

 かつては涙と小便を流しながら逃げ惑うロックパンサーを追い詰め、微塵に踏み潰すために用いた。

 それが今は、別の人物のために使われていた。


 ◆


『光学探査――【超闘士】フィガロ』


 サンダルフォンは、両の目で目的の人物を――主が望む人物を捜す。

 サンダルフォンは一歩ずつ歩きながら、三六〇度を見回し、フィガロを捜す。

 サンダルフォンはかき混ぜられた世界を確認しながら地続きに歩んでいるが、周囲からはまるで巨大な双塔が一歩ごとに瞬間移動しているように見えている。

 これが、フィガロと初めて会った時に背後へと一瞬で回りこめた謎の正体である。


「…………」


 変形したサンダルフォンの最上部で、ハンニャは無言のままギデオンの街を睨んでいた。

 その目には様々な感情が混在していたが、結局は悲哀と憤怒、そして狂気が全てを塗りつぶしていた。


『ハンニャ様。変形と《天死領域》の展開が完了しました。目標の光学探査も実行中です』

「…………」


 サンダルフォンの報告にも応じる声はない。

 しかし、サンダルフォンは知っている。

 自身の<マスター>であるハンニャの感情の暴走には、二段階あることを。

 第一段階は当り散らす怒り。

 心の底から激怒しているが、明確な目標が目の前になく、目標と類似性の高いものに感情を叫びながら八つ当たりする怒り。

 かつて、ハンニャをリアルで裏切ったロックパンサーを捜していたときの彼女。


 そして第二段階は、純粋な衝動。

 一切の言葉を発さず、目標を見つけて己の胸の炎が消えるまで言葉でも力でも止まらない破壊衝動。

 かつてこちらでのロックパンサーの姿を知り、レジェンダリアで見つけたときの彼女。


 この第二段階は、第一段階よりもはるかに恐ろしいとサンダルフォンは体験している。

 なぜなら、このときのハンニャはもう何も気にかけない。

 相手に怒りをぶつけ続ける以外の一切が意識から消滅し、第一段階では少しだけ残っていた周囲への配慮すら皆無となる。

 レジェンダリアでロックパンサーに報復した際、ティアンの被害者が出なかったことはただの幸運であると、ハンニャの凶器であったサンダルフォンは誰よりも知っている。

 そして言うまでもなく……今のハンニャの暴走は第二段階だった。


(きっと、この街は消えます)


 フィガロはロックパンサーとは違う。

 ここでの違いは人間性ではなく、戦闘力。

 <超級>でも実力者であるフィガロを潰し尽くすよりも先に、このギデオンがなくなる公算が高いとサンダルフォンは踏んでいた。


(……仕方ありません。それがハンニャ様のなさりたいことなのだから)


 かつて、カグヤはネメシスに対してアポストルを「使命感の産物」と呼んだ。

 それは間違いではない。

 彼らアポストルは<マスター>の叶えなければならない望みを叶える道具たらんとし、どんな望みだろうとそこに一切の異論や反論を挟むことはない。

 ゆえに、彼らは支配者(<マスター>)使徒(アポストル)なのである。


 フィガロが姿を現したとき、全てが終わる――終わらせるのだとサンダルフォンは考えた。


 ◇◇◇


 □【煌騎兵】レイ・スターリング


「あの女化生先輩は、本っ当に余計なことをしてくれるよ!!」


 俺はギデオンの空をシルバーに乗って駆け回りながら、内心の感情を吐き出した。

 俺の左手には新聞紙が……この騒動の原因と思われる記事が握り締められている。

 朝起きて宿に置かれていたこの新聞を読んで、「まずいんじゃないか?」と思った直後にこの状況だ。


『……用事があるからと食事を断った男が他の女と上半身裸で密会していれば爆発もするはずだのぅ。火矢で直接射掛けるも同然だ』

「フィガロさんにその気はこれっぽっちもなかっただろうけどな!」


 ついでに言えば、女化生先輩とこの新聞社もこんな事態を引き起こすつもりは毛頭なかっただろうが結果は現状のとおりだ。


【玲二、そっちの状況はどうだ? 足元(・・)には辿りつけたか?】


 兄から【テレパシーカフス】での連絡があったので応答する。


【駄目だ! 走り回っても景色が切り替わるだけで辿りつけない!】

【ルークによると、空間が一〇〇メートル四方でバラバラに繋がっているらしいからな。おまけにハンニャも移動の真っ最中だ。遭遇できるかは運次第。ルークや<超級殺し>もまだ見つけていない】


 その空間のバラバラは、空にも適用されていた。

 俺以外にも何人かテイムモンスターで飛んでいる人を見かけたが、困惑している様子だ。


【……女化生先輩はまだ見つからないのか?】

【いないな。そもそもログインしていないかもしれない】


 女化生先輩なら<月世の会>の人海戦術なり、広範囲のデバフなりで被害を抑えられるかと思ったが、それも駄目か。……原因なのにどこ行ってんだよ、あの人は!


【迅羽は?】

【必殺スキルは使えないらしい。『観測情報と実際の照準がバラバラで狙いを定められない』とか言っていた。生物と<エンブリオ>だけが対象らしいからな。光学や魔法での観測とズレが出ちまうんだろう】


 だったら、見えている目標に魔法を打ち込めば……駄目か。

 相手は一歩ごとに瞬間移動しているも同然、外れてしまうだろう。

 その流れ弾が街に落ちる事を考えると、迂闊に攻撃もできない。

 兄のバルドルでも同様だ。

 

『相手は足の長さが一キロメートルもあるからのぅ。一〇〇メートルの移動が一歩で済んでしまう』


 サンダルフォンのスキル自体はルークがすぐに解いてくれたが、攻略法はほとんどない。

 ……あるいは、アズライトの【アルター】ならばこのスキル自体を斬れるか?

 いや、ギデオン内の生物の移動に関してのみ作り変えられているなんて理屈不明の状況に、さらに理屈不明の切断能力を持つ【アルター】をぶつけるのはまずいか。何が起こるか予想がつかない。

 アズライト達には既に事情を伝えている。

 あっちも対応に動いているだろうが、未だ状況に変化はない。


【……兄貴、フィガロさんは?】

【繋がらない。まだログインしていないが……ひょっとすると来ないほうがいいかもな】


 あるいはフィガロさんならばハンニャさんを説得できるかと思ったが、兄はそれを否定した。


【今のハンニャは、サンダルフォンのスキルを使って街をゆっくり闊歩してるだけだ。多分、フィガ公を捜してるんだろう。だが、見つけた時は、状況が動く】

【……どんな風に?】

【考えられるのは二つ。一つは、会話。もう一つは、問答無用の攻撃行動】


 ……生と死がはっきり分かれすぎた二択だ。


【後者の場合、最悪だ。ハンニャは狂戦士系統のバーサークスキルを使うだろう。STRもAGIも増したサンダルフォンが、フィガ公目掛けて街中を踏み荒らしながら暴れ回る】

【……俺には、あのフランクリンの事件よりも余程悪い状況に思えるんだが】

【だから、最悪だと言ってるだろ】


 全くだ。兄がさっきからクマ語尾を一切使っていないのが、状況の不味さを証明している。


『……のぅ。今気づいてしまったのだが、踏み荒らすどころかあれが倒れただけでも大惨事ではないかのぅ』

「ああ。だから……止めるにしても手段が限られる」


 説得して止まってもらうか、……ハンニャさんを一瞬でデスペナルティにして倒壊前にサンダルフォンを消すか、だ。

 兄が迅羽に頼もうとしていたのは、あのサンダルフォンを倒壊させず、速やかにハンニャさんだけを排せるのがテナガ・アシナガの必殺スキルだけだったからだろう。……実際はサンダルフォンの必殺スキルによってその手は使えなくなってしまったが。

 だから今、俺達はサンダルフォンの足元を目指している。

 直接接触して、ハンニャさんを止めるために。

 けれど、兄が話していた過去の話のように、もはや誰の言葉も聞き入れてくれない状態だとしたら……。


「……ハンニャさんを、倒すしかないのか」


 昨日の、フィガロさんとの約束を楽しみにしていたハンニャさんを思い出す。

 きっと何事もなければ二人は穏やかに今日を過ごせていたのだろう。

 後味の悪い……何でこんなことになっているんだよ!


【……玲二、良い知らせと悪い知らせが同時にある】

【……何があったんだ?】


 兄の緊張した声音に不安と共に問いかけ、


【フィガ公がログインした】


 否応なく状況が動いてしまうことを理解した。


 To be continued

○余談


《天死領域》:

サンダルフォンの必殺スキル。

サンダルフォンを中心とした一〇キロメテル四方の空間が対象。

一〇〇メテル四方の正方形を一ブロックとして分割し、生物(及び所有物と<エンブリオ>)の移動に関してブロックの繋がりをシャッフルする。(高さによる分割はないので、正確には長方体のブロックと言える)

範囲内の生物は、ブロック間の移動がシャッフルされたブロックへの移動となる。

ただし、投擲物や発砲後の銃弾、魔法、ライフライン、光、音などには適用されない。


例1:ブロックの境界で剣を振っていた場合、別のブロックで刃が振られる。

例2:ブロックの境界で銃を発砲した場合、見える風景に弾が飛んでいく。


(=ↀωↀ=)<なお、上記の括りなので河川のある場所で使うとお魚が大惨事になる


( ̄(エ) ̄)<シャケが大量にゲット出来そうクマ


正しい視界を持っているのはサンダルフォン(及び少数の『地図』を能力とする<エンブリオ>)だけなので、見慣れた景色が迷宮へと変貌する。

逃がしたくない相手を逃がさないためのスキルだが、効果範囲が広すぎて大多数の無関係な人間を巻き込んでいるところにハンニャの情念の恐ろしさが顕れている。

なお、シャッフル自体は制御できないので『狙った相手のいるブロックと自分のいるブロックを隣接させる』といった器用な真似はできない。


(=ↀωↀ=)<知らなかったのか?


(=ↀωↀ=)<大天使からは逃げられない


使用条件は一応存在するものの、掌握した世界内で移動先をランダムに切り替えるだけなのでアポストルの支配改変の中では条件が軽い。

“監獄”にいるフウタのアポストルは生物までも直接支配改変の対象とするため、サンダルフォンよりも条件が重い。


余談の余談だが、このスキル自体はアポストルの特性による部分が大きいものの、エンジェルギアの『エンジェル』部分も無関係ではない。

エンジェルは『周辺の空間を把握』することに秀でた<エンブリオ>の枕に稀に付く単語である。(『自分の空間を展開』するテリトリーとはまた異なる)

そのため既出の<エンブリオ>では、霞のタイキョクズが進化の成り行き次第でエンジェルアームズやエンジェルウェポンになる可能性がある。


( ꒪|勅|꒪)<それだと【撃墜王】のカサンドラとかエンジェルカリキュレーターじゃねえノ?


(=ↀωↀ=)<んー、詳細は追々ですがあれはワールド・カリキュレーターで合っているのです

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― 新着の感想 ―
[良い点] 作中でもトップクラスでレイドボスっぽいよなぁってw
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