第七話 灯台
追記
(=ↀωↀ=)<うっかり投稿時間間違えてしまった
□【聖騎士】レイ・スターリング
無数の紅黒の影を操り、今もフィガロさんの動きを抑え続ける【暗殺王】。
奴を倒せば、影も消えて……フィガロさんは扶桑月夜を倒すことができる。
俺は【暗殺王】の姿を探すが……その姿は敷地内の見える範囲のどこにもいない。
もっとも、動き出した影と暗さを増す空のために、視界はひどく悪い。
それに……、
「…………放置はしていても、俺を逃がす気はないらしいな」
今や紅黒の影はこの戦闘領域を壁のように囲ってしまっている。
見える範囲で影が紅黒に変化していないのは、扶桑月夜と俺の足元だけだ。
扶桑月夜は護るため、俺は……逃がさないため。
逃走としても、死亡としても、俺を手放す気は皆無らしい。
俺としても逃げる気はないが。
……まぁ、囲っている紅黒の影については、相手が影なので聖属性の《聖別の銀光》をかけたシルバーで突撃でもすれば……あるいは破れるかもしれないけどな。
しかしそれをやると、【暗殺王】が潰しにくるだろう。
【絶影】に相当するジョブという話なので、頭の中でほぼマリーに置き換えてシミュレーションしているが、マリーならば俺が動き出そうとした直後に死角から俺の首を獲る。
【暗殺王】にも可能だろう。
もっとも、俺を逃がすつもりはないだろうから、また【気絶】させるのだろうが。
「…………?」
いや、待て。
なんだ、その違和感は。
俺を逃がさないつもりなら、なぜ俺が目を覚ました時点で【気絶】させておかない……?
いや、そもそも最初から…………。
「ッ……」
俺が思考している最中、フィガロさんの身体の一部が紅黒の影に触れる。
触れた端から皮膚の色が滲み、何かダメージを受けているようだった。
僅かに速度の落ちたフィガロさんを、飲み込むように影が殺到する。
フィガロさんが脱するより早く、紅黒の影はフィガロさんを飲み込み――、
「――■■■ッ!!」
――《フィジカルバーサーク》の発動と共に【グローリアα】を抜いたフィガロさんによって近づいた端から蒸発させられた。
【グローリアα】が発動させているのは光のブレスを放射する《終極》ではなく、刃に光を纏わせた《極竜光牙斬》だ。
その攻撃力は凄まじく、光に触れた影が完全に消滅している。
あるいは、そのまま切り込めば影を強引に破り、扶桑月夜に肉薄できるだろう。
しかしそれは扶桑月夜と【暗殺王】はそれを百も承知だろう。
近づけば、影と《月面除算結界》によって全周を完全包囲される。
如何にフィガロさんといえど、それらをあの手に持った刃だけで全て切り払えはしない。
『ならば、ここはあの剣ではなく、他の調整が利く飛び道具で戦った方がよいのではないか? 先ほどは弓矢も鎖も使っておっただろう』
それも道理だが、恐らく無駄だ。
調節できるような威力の飛び道具では、身に纏った《月面除算結界》によるダメージ減衰で致命傷を与えられない。
そして、致命傷以外のダメージでは、あの【女教皇】にはダメージにならない。
やはり、あれを破るには影と結界の外から、影の防御とダメージ減衰を経ても奴を倒し切れる《極竜光牙斬・終極》を使うしか…………。
「……待った」
ネメシス、さっき何て言った?
『飛び道具……いや、「先ほどは弓矢も鎖も使っておっただろう」、か?』
それだよ。
鎖、そう、鎖だ。
フィガロさんが愛用する【紅蓮鎖獄の看守】は、《射程延長》と《自動索敵》のスキルを有している。
しかも、フィガロさんの<超級エンブリオ>のスキルによって強化され、《自動索敵》は《隠蔽》のスキルレベルをカンストしたマリーさえも発見していた。
見つけられなかったのはマリーが【絶影】の奥義である《消ノ術》を使ったときだけ。
だが、どうだ。
さっきまであの鎖は……扶桑月夜にしか向かっていかなかった。
この空間のどこかに隠れているはずの、【暗殺王】に向かっていかなかった。
つまり……【暗殺王】はこの空間にいない。
マリーの《消ノ術》のように完全消失でもしているとしても、効果時間が長すぎるし、影の攻撃も使い続けている。
MPやSPが持つわけがない。
それに、このエルルケーニッヒという<エンブリオ>は恐らくテリトリーに類するカテゴリー。
テリトリーの殆どはその<マスター>の周囲に影響を与えるものが多い。《射程延長》した鎖も届かない遠距離から、この辺りの影だけ操っているとも考えづらい。
だから、【暗殺王】はこの付近の、鎖に見つからず、さらにはフィガロさん自身にも気づかれない場所にいる。
『そんな場所が……あるのか?』
普通なら、ない。
だが、「どうしてそれができるか」という手段を無視して、今の結果とこれまでの推移から逆算すれば…………ある。
『!』
なぜ、フィガロさんも鎖も【暗殺王】を見つけられないのか。
なぜ、俺が目覚めてから今まで監視の一つも付いていなかったのか。
なぜ、俺がログアウトできなかったのか。
なぜ、この戦いの最中に俺が逃げられないように【気絶】させなかったのか。
なぜ、俺を放置しているのか。
全部、繋がった。
『レイ!』
――ネメシス!!
『応!』
俺の心の声に呼応し、ネメシスがその形態を黒旗斧槍へと変化させる。
同時に、俺は《聖別の銀光》を発動させ、黒旗斧槍の穂先に纏わせる。
「……!!」
銀の光を重ねた斧槍を静かに、されど渾身の力を込めて――俺の足元の影に突き込んだ。
光を纏った槍は、水面に沈むように影の中へとその穂先を突き抜けさせ――直後に何かが裂ける音と金属音が響いた。
『ッ!』
微かな静寂、その僅かに後……影の中から何かが斧槍の穂先を押し返してくる。
「――御明察」
最初に影から浮かび上がったのは双剣。
刃を交差させ、斧槍の刃を止めている。
ついで腕が、顔が、そして全身が影から浮かび上がる。
そう、俺の影の中にいた【暗殺王】がその姿を顕わにした。
「よくお気づきになられましたね。参考までに、どのような思考でこの答えに至ったかをお尋ねしたいのですが」
俺より僅かに年上らしい【暗殺王】は、斧槍の刃が届いたのであろう肩口から出血しながら俺に言葉を掛けてきた。
完全に不意を討ったつもりだったが、咄嗟に双剣で止められていた。
あれだけの影のコントロールに注力していただろうにその超反応。やはりランカー級の実力者だ。
だけど、
「俺の解答用紙より先に、気にすべきことがあるんじゃないか?」
今は――コントロールに全力を割いていない。
【暗殺王】の背後では、俺の攻撃の前より“僅か”に動きの鈍くなった紅黒の影。
そう、“僅か”、だ。
俺の攻撃を受け、俺と言葉を交わしていても、遜色は“僅か”。
――だが、あの人はその“僅か”を見逃すほど甘くない。
「■■■■ォォォッ!!」
僅かに鈍った影の隙間を縫うように、赤い目の【超闘士】が駆け抜ける。
数多の装備を脱ぎ捨てて、身に纏うAGI強化の下半身装備。
そして携えるは、最強のただ一刀。
駆け抜け、斬り捨て、僅かに反応の遅れた影を尻目に、屋根を上り、頭上へと跳躍する。
その位置こそが扶桑月夜の真上――最強の一撃を放てる唯一のポイント。
フィガロさんはグローリアに湛えた光を、その輝きを最大へと高めていく。
「……ッ!!」
扶桑月夜は咄嗟に右手の短杖を投げ捨て、その両手を頭上に掲げる。
頭上に輝き始めた本物の月を仰ぐように両手を広げて、
「――《在るべき生への帰……」
必殺スキルの名を唱えるが――遅い。
扶桑月夜が宣言を終える前に、フィガロさんは刃を振るい終えていた。
両者の動作の起点はほぼ同時。
ならば、AGIで圧倒的に勝るフィガロさんの行動が――終の一撃が先に決まる。
即ち、最速且つ最強の――
「――《極竜光牙斬・終極》」
決着は一瞬の差。
紅黒の影を、展開されたバリアを、<超級エンブリオ>の“夜”を焼き尽くし――天空から打ち下ろされた光の柱は扶桑月夜を蒸発させた。
そうして、【超闘士】と【女教皇】……<アルター王国三巨頭>の戦いは、フィガロさんの勝利で幕を閉じた。
◇
フィガロさんと扶桑月夜の戦いの決着の後。
黒旗斧槍の穂先を向ける俺と、扶桑月夜を撃破したフィガロさんは、残る【暗殺王】と相対していた。
だが、
「お二方、本日はありがとうございました」
【暗殺王】は自分達の主を倒した俺達に、そう言って深々と礼をしたのだった。
「どういうつもりなのだ!?」
黒旗斧槍から戻ったネメシスが憤慨と疑問の混ざった声を上げる。
それは俺も同感で、てっきりこの後は教祖のリベンジに燃える【暗殺王】や信者との戦いになるんじゃないかとさえ考えていた。
しかし現実はなぜか御礼を言われてしまっている。
Why?
「月夜様は、暇潰しを望んでおられました」
俺とネメシスの疑問に答えるように、【暗殺王】は訥々と言葉を述べる。
「何分、先日のギデオンの事件にも参加しそこね、フラストレーションも溜まっていたのでしょう。私にも度々「暇潰しはないのか」とお尋ねになられていました」
……デンドロにログインしといて暇も何もないだろう。
「そこに、あなたのような面白き<マスター>との邂逅があり、さらには<超級>との私闘、そしてデスペナルティに至る。この一ヶ月のフラストレーションを晴らす消閑には十分かと愚考します」
「暇潰し……」
「はい」
「…………扶桑月夜、デスペナってますけど」
「はい。その経験も良き暇潰しになるかと」
「……………………」
ああ、この人、あれだ。
主君の命令のために主君犠牲にしてもOKなタイプだ。
「【暗殺王】も相変わらずだね」
フィガロさんがそう言うと、【暗殺王】はまた恭しく頭を下げる。
「お褒めに与り光栄です」
「「『褒めてない』」」
俺とネメシス、フィガロさんのツッコミが被った。
……フィガロさんでもつっこむことあるんだ
「それで扶桑月夜は今……」
「月夜様でしたら、今頃はお部屋のお布団の上で「まーけーたー」とでも地団駄を踏んでいることでしょう。後ほどお夜食を差し入れればご機嫌もなおりましょう」
……子供かよ。
「ああ。肝心の月夜様もお倒れになられてしまったので、本日はお帰り頂いて大丈夫です。お手数をお掛けしました」
そう言って「こちらお車代です」と言って金貨袋を寄越してくる。
……いや、俺を運んできたのあんたらでしょうに。
「ただ、できましたら、どうして私に気づかれたのかだけはお聞きしたいですね。私としては灯台下暗し、効果覿面の隠れ家と考えていたのですが」
ああ、さっきもそんなこと聞いてきたな。
……まぁ、別に話してもいいか。
「複数の要因を重ねると、そうとしか思えなかった」
一つ一つは不自然ではないが、重ねるとこの答えにしか繋がらなかった。
「まず、フィガロさんの鎖があんたを見つけられなかった」
この時点で、《隠蔽》に類するスキルでなく、どこか鎖では見つけられない空間に隠れていると予想がついた。
「鎖が見つけられそうにない場所で思い浮かんだのが、あんたの操っていた影だった」
影を操るのだから、影の中に入るスキルくらいあってもおかしくないとは思っていた。
「【紅蓮鎖獄の看守】の《自動索敵》は亜空間には及ばないからね。手の内は知っていたし、『居るなら影の中だろう』とは僕も思っていたよ。ただ、僕は扶桑月夜の影の方だと思っていたけどね」
【暗殺王】の手の内は旧知らしいフィガロさんも知っていた。
しかし、そのフィガロさんをして、俺の影の中にいる【暗殺王】に気づけなかった理由はある。
「次に、俺を放置していたこと。これは二段階に分けて考えられる」
即ち、最初にこの本拠地で目覚めたときと、フィガロさんとの戦いの最中。
「最初、ここで目を覚ましてから仲居さんが食事に呼ぶまで、俺の傍には監視も何も付いていないと思っていた」
しかし、それはありえない。
俺を調べ、攫ってきたのだから……当然俺がシルバーを所持していることも把握しているはず。
その気になれば、目覚めて異常を察した瞬間に部屋を飛び出し、シルバーで空へと逃走するという手もあった。
俺に逃走手段があるのに、見張る人間がいないというのは如何にもおかしい。
「だが、実際には影の中に【暗殺王】がいた。逃走しようとしたときは即座に止めるため、さらに接触状態を維持することで俺をログアウトさせないために」
そう、あのときの俺がログアウトできなかったのは<エンブリオ>の効果範囲にいたからじゃない。
【暗殺王】が影の中から接触していたからだ。
「ええ。そこまでは合っています」
「次に、フィガロさんとの戦いのとき。なぜどう動くかわからない俺を放置していたのか。どうして、また【気絶】させておかなかったのか」
この理由は、俺自身にはない。
「その理由は……フィガロさんだ」
「僕?」
そう、そしてこれこそが……俺の影の中の【暗殺王】にフィガロさんが気づけなかった理由だ。
「そっちはフィガロさんの、「仲間がいると動きが鈍る」という欠点を知っているんだろう? だから、フィガロさんに「仲間」と認識される俺を動ける状態にしておくことで、フィガロさんの動きを抑制した」
『俺が不用意に動くことでフィガロさんが俺を全く無視できないようになり、さらに動きが鈍る』、という結果も狙っていたかもしれない。
「ただ、これの本命は動きの抑制じゃない。真の理由は別にある」
「それは?」
「……フィガロさんが俺を無視しているから、だ」
仲間がいると戦えないフィガロさん。
その回避策として、戦場内の仲間の存在を意識から外す。それでも動きは鈍るが、戦うことはできる。
だが、それはつまり……仲間の方にはまったく意識を割いていないということだ。
つまりは、
「俺の影の中にいる限り……フィガロさんはあんたを見つけられない」
戦うために俺がいる方向を意識の外に置いているから、俺の足元の敵には絶対に気づけない。
「さっき、灯台下暗しって言ったよな。正にそれだよ」
フィガロさんの意識が発見できず、《自動索敵》は影の中まで届かない。
あの状況下において、俺の足元はフィガロさんに絶対に狙われず、影のコントロールに集中できる最高の隠れ家だったのだろう。
「素晴らしい」
俺の推測を聞いていた【暗殺王】は、そう言って手を叩いた。
「一から十まで、あなたの言葉は私の思惑に合致しています。良い読みをしている」
「……どうも」
「月夜様だけでなく、私にとっても実に良い時間でした」
俺が述べたことは主の敗因だというのに、妙に嬉しそうだった。
やっぱこの人、あの女化生と別ベクトルで変だわ。
「それでは、私もそろそろログアウトさせていただきます。あちらで月夜様のお夜食をお作りしなければいけませんので」
満足したのか、【暗殺王】はそう述べた。
「ああ。何でしたらデスペナルティになさいますか?」
「……いや、いいよ。もう」
なんかドッと疲れが増してきたし。
……なんか横でフィガロさんが【グローリアα】抜きかけていたけど、俺の言葉聞いて引っ込めていた。
…………斬ってもらえば良かっただろうか。
「ありがとうございます。此度のお礼はいずれさせていただきます。それでは……」
「あ、ちょっと待った」
一つ、聞きたいことがあった。
「どうなさいました?」
「あのさ、さっきのフィガロさんと化しょ……扶桑月夜の戦いだけど」
そう、あの戦いで、どうしても腑に落ちないことがあった。
「どうして……扶桑月夜は【救命のブローチ】を付けてなかったんだ?」
致死ダメージを無効化する、上級者同士の戦いでは半ば必須とさえ言えるアクセサリー。
しかし、《極竜光牙斬・終極》を受けた際の扶桑月夜にそれが発動する様子はなかった。
最初から装備してなかったのだ。
あれさえあれば、勝敗はまだ分からなかったかもしれない。
そう思っての問いかけだったが、
「それは月夜様が月夜様だからですよ」
【暗殺王】は笑顔と共にそう答えた。
答えはそれ以外にないと、心から言うように。
「それでは、またの機会にお会いしましょう」
そう言って一礼し、【暗殺王】はログアウトの処理と共に消えていった。
「……いや、私はできたらもう会いたくないのぅ」
……俺も同感だった。
◇
【暗殺王】がログアウトして、俺達はそのまま<月世の会>の本拠地から退出していた。
途中信者に襲われるかとも思ったが、予め触れでも出ていたのか、俺達は特に気にされていないようだった。
むしろ壊れた屋敷の修復作業の段取りで忙しいようだ。
……いや、帰り道に見ていたけど屋敷の壊れ具合凄い。
「これは<超級激突>の現場よりひどいんじゃないか?」ってレベルでぶっ壊されていた。
どうやら女化生が迎撃するまでフィガロさんは暴れに暴れていたらしい。
「それじゃあ、僕は<墓標迷宮>の探索に行くよ」
<月世の会>の本拠地を出たところでフィガロさんはそう言った。
どうやら、<月世の会>での大暴れと俺の救出はそのついでであったらしい。
「フィガロさん、今日はどうもありがとうございました」
「いいよ。レイ君にはフランクリンとゴゥズメイズ山賊団の件で頑張ってもらったから」
「?」
フランクリンはともかく、なぜそこでゴゥズメイズ山賊団の名が出るのだろう。
「じゃあまたね。しばらくはこっちで<墓標迷宮>に篭るけど、何か用事があったらシュウに言伝してくれればいいから」
フィガロさんはそう言って<墓標迷宮>へと駆けて行った。その足は速く、あっと言う間に見えなくなった。
「……よし、じゃあ俺もそろそろログアウトするかな」
リアルでは午後十時過ぎ。そろそろ明日のためにも準備して寝ておきたい。
……大分前から【空腹】や【尿意】といったアナウンス出てるし。
「うむ。明日からの大学生活、頑張るのだぞ」
「ああ。精々満喫してくるよ」
「……戻ってくるのだぞ?」
「え? そりゃ明日も夜にはログインするさ」
俺がそう言うと、なぜかネメシスは少しホッとした顔になった。
「それではおやすみだ、レイ」
「応。おやすみ、ネメシス」
ネメシスとそう言葉を交わして、俺は体感で一日ぶりにログアウトした。
◇◇◇
□■???
「やってくれよったなー、あの脳筋病弱貴族ぅ……。あとちょっとで前みたく元に戻せるところやったのにー」
「勝負は時の運と申します。前回と違い、戦闘開始が夜間でなかったのは大きかったですね」
「分かってて来たんやろなー。屋敷壊されてたら夜まで隠れるって戦術も使えへんし。ま、ええわ。まだ一勝一敗やし」
「そうですね。それで、どうなさいますか? ログインも出来ないことですし、今宵は早めのご就寝をお勧めしますが」
「そうやねー。春季休みも終わって明日は大学でもやることあるしなー」
「ええ、明日は大学でサークル勧誘のご予定ですからね」
To be continued
(=ↀωↀ=)<これにて四章の山場その一及び分割投稿①終了ですー
(=ↀωↀ=)<分割投稿②の開始までは一、二週間ほどお待ちくださいー