番外編 お金の使い道
( ̄(エ) ̄)<久しぶりに時系列が三章以降の話ですクマー
(=ↀωↀ=)<四章までの間にある話だねー
番外編 お金の使い道
□【聖騎士】レイ・スターリング
どこかの白衣が事件を起こしてから、デンドロ時間ではや十日。
俺とルーク、マリーのパーティは今もギデオンに留まっていた。
その間、何をしていたかと言えばギルドクエストと闘技場での模擬戦だ。
壊れた建物の建築資材集めや特定種のモンスターの討伐など、非常にMMORPGらしいクエストをこなしていた。
そして模擬戦については……うん、まぁ、勉強にはなった。
勝率が著しく低いことを除けば。
……仕方ないんだ。
相手がマリーまでならまだしも、兄やフィガロさん、おまけに何を面白がったのかフィガロさんの決闘仲間のランカーや迅羽まで模擬戦を挑んできたのだから。
負けるつもりはなかったが、流石にどうしようもないこともある。
こちらだけハンデとして蘇生系のアクセサリーと使い捨てのバリアアイテムを解禁されていても早々勝てないのだから、やはりランカーはランカーということだろう。どこかの白衣とは違う。
防御用のアイテムは全部壊されて削りきられたが、闘技場の結界内での勝負だったから使ったアイテムや壊れたアクセサリーも元通りになったのが救いだ。
【救命のブローチ】とその他アイテム合わせて一千万ほどのお値段だったので、それは本当に助かった。
さて、金額にして【ガルドランダ】の賞金十体分ほどのそのお金。
どう考えても大金であり、開始当初の俺には手が出ない金額だった。
しかし、今の俺には使っても問題のない額だ。
なぜなら、大きな収入が二回あったからだ。
まず、<ゴゥズメイズ山賊団>の賞金、そしてそれを全部突っ込んだあの賭けの配当が、ちゃんと入ってきた。
突っ込んだ六千万が、一・二倍になって返ってきて七千二百万。
どこかの白衣の起こした事件の後始末で数日遅れにはなったが、それでもちゃんと支払われたのがありがたい。
次に、ギデオン伯爵からの報奨金だ。
あの事件で戦った<マスター>には多額の報奨金が支払われた。
特に、あのとき中央闘技場から飛び出したルーキー勢や、最初から外にいた面子の金額は大きい。マリーも正体を知っているのが身内だけなので事件の報奨金は貰っていないが、あの事件とは別に何か仕事をしたらしくて伯爵からお金をもらったそうだ。
そして、俺や兄に支払われた金額も多額だった。
兄は『あのスーサイドシリーズのドロップと合わせて弾代を一割カバーできたクマー』と言っていたが……どんだけ使ったんだよ。
そういえば、今回の報奨金についてルークとこんな話があった。
あれは二日前のこと……。
◇◇◇
「レイさん、実はちょっとお願いしたいことがあるんですけど」
「ん?」
ギデオン伯爵からの報奨金と賭けの配当金を受け取り、「この大金どうすればいいんだろうなぁ」と悩んでいた俺に、ルークが話を持ちかけてきた。
「珍しいな、ルークがお願いなんて」
「はい、一人ではどうしようもないことなので。実は僕の転職についてなんですけど……」
ルークの転職。
それは女衒系統の上級職である【亡八】への転職だ。
条件は三つ。「【女衒】のレベルが50」、「配下の合計ステータスが一定以上」、そして「【女衒】として稼いだ金額が百万リル以上」だったはずだ。
ルークはこの内の前二つはクリアしていたが、最後の「【女衒】として稼いだ金額」がネックとなって転職できないでいた。
そのため、フランクリンの事件で【女衒】のレベルをカンストした後は、一時的に【従魔師】に転職して《魔物強化》スキルのレベルを上げたりしていた。
何か解決策が見つかったのだろうか。
「【亡八】に転職する糸口が出来たのか?」
「はい」
ルークは俺の問いに頷き、アイテムボックスから予め用意していたらしい金貨袋を取り出した。
「レイさんにはこのお金で僕に指名依頼を出して欲しいんです」
「……ああ、なるほど」
「【女衒】として稼いだ金額が百万リル以上」。その条件を普通に達成しようと思うとかなりの時間と労力が掛かる。
だが、自分でお金を用意して、第三者にお願いして自分を指名した依頼を出してもらえば……それはあっさりと解決するのだ。
今回の報奨金でそれが可能になったのだろう。
「僕への報酬の百万リルと、【女衒】ギルドへの手数料百万リル、合わせて二百万リルが入っています。それを持って【女衒】ギルドのカウンターで依頼を出してくれれば大丈夫です」
「ああ、わか…………【女衒】ギルドが報酬の半分持ってくんだ!?」
ピンハネしすぎじゃねえのかそれ!?
「仕方ないんですよ。【女衒】ギルドが公的なギルドとしてやっていくために税金も沢山掛かっているそうですし。それを嫌がってギルドを抜けて個人で【女衒】の仕事をやっている人もいるみたいですけど……そっちは王国だと犯罪になりますしね」
……【女衒】はジョブ自体がグレーゾーンだったらしい。
ちなみに商人系統の【奴隷商】も同様に多額の税金を納めた公的ギルド絡みの仕事のみ合法であり、個人の【奴隷商】は犯罪らしい。王国はその辺に厳しい……というか抜け目がないようだ。
閑話休題。
そうして、俺はルークから受け取った金貨袋を持って【女衒】ギルドでルークに指名依頼を出した。
依頼内容は何でも良かったが、何となく今朝のニュースで見たサーカスの象の玉乗りを思い出したので、「マリリンが玉乗りするところを見たい」とか書いておいた。
結論から言うと、もっと簡単な依頼にすればよかったと後悔した。
まずマリリンが乗れる玉を探すところから始まり、次にマリリンが玉乗りを成功させるまで特訓する必要があった。
そうしてマリリンが玉乗りを習得するには一昼夜を費やしたため……ルークとマリリンには悪いことをしてしまった。
しかし結果的に依頼は達成され、ルークは無事に【亡八】へと転職した。
◇
余談だが、俺が依頼を出した少し後から「酔狂な金持ちにモンスターの玉乗り見せて百万リルもらった奴がいる」という噂がギデオンに広がり、【女衒】や【従魔師】の間で玉乗りブームが訪れることを……このときの俺はまだ知らなかった。
◇◇◇
話を俺に戻そう。
配当金と報奨金を合わせて所持金が億を越え、お金に余裕ができた俺は色々な装備を買い集めた。
まず、最初のクエストの際に壊してしまった分のアクセサリーを兄に渡し、先に述べたような自分用の【救命のブローチ】なども購入した。
加えて、左手用の簡易義手を購入した。
この義手は端的に言えば「海賊が着けてそうな」フック型の義手だ。
腕に神経なりを接続するタイプではなく、長手袋のように断面に被せるタイプだ。
MPを通してフックの輪を狭めたり広げたりはできるが、微調整はできないし指もないので手のようには扱えない。
では何の意味があるかと言えば、これは馬の手綱をホールドするための義手なのだ。
俺にこれを売ってくれたアレハンドロさんによれば、戦争などで腕をなくした騎士や貴族が以後も乗馬するために開発されたのだという。
俺もシルバーに乗る必要があるので、この義手の存在はありがたかった。
問題点としては義手を装着した側は手綱の把握オンリーになるので、馬上戦闘のときは死角にならざるを得ないこと。そして形状の問題で【瘴焔手甲】の左手を装備できないことだろうが、これは今気にしても仕方がない。
ちなみに、レジェンダリアや黄河にはより高性能のマジックアイテムの義手が、ドライフには機械式の義手があるらしい。
しかしそれらはいずれも個々人に合わせてオーダーメイドで作成されるため、市場には出回ってこないのだという。
ないものをねだっても仕方がないし、今はこの義手で十分だ。いずれ左手を治す手立てが見つかるかもしれないし。
ただ、なぜかこれを装着してから周囲……特にネメシスが何か言いたげに俺を見ている。
やはり海賊っぽい義手だからだろうか。
それとお金に余裕ができたので、アレハンドロさんの店でガチャも回している。
内容は一日一回、十万リル一発勝負。
……俺はもっと回してもいいと思うんだが、ネメシスが「許容できるのはそこまでだ」というので仕方ない。
「それ以上回すと言うなら回した額と同じ額だけ私も食う」と言うので、俺も退かざるを得なかった。今のあいつにはその脅しを実行しかねないほどの胃袋がある。
ちなみにガチャについてだが、これまでCより上の当たりは出ていない。
元々S、A、Bは出にくい仕様になっているらしい。
これについてはあの日の俺とルークの運がおかしかったのだろう。
だが、そろそろAかBくらいの当たりはお目にかかりたいものだ。
「と言うかの、これだけ金があるなら大抵のものは普通に買えるではないか。なぜガチャを回す?」
「そこに未知があるから」
「……格好いい台詞は使わないで欲しかったのぅ」
何が出るか分からないというのは、それだけで魅力的だと思うのは間違いだろうか。
さておき、本日もまた十万リルを投入してガチャを回す。
すると……、
「……A?」
上から二番目のレアリティ、これは当たりと言ってもいい。
ようやく当たりが出たわけだが……正直俺は疑問を抱いた。
何に疑問を抱いたかと言えば、ガチャのカプセルだ。
以前、ルークがSを当てたときは虹色の鉱石の如きカプセルだったし、俺がシルバーのXを出したときもXという刻印はあっても普通のカプセルだった。
しかし今回は……明らかに普通ではなかった。
カプセルの色は黒、「A」の文字は赤色であり……なぜか溶けたような書体になっている。
しかもカプセルの表面に血管のように赤い筋が幾つも浮かんでいる。
トドメに「厳重な注意の上、お子様のいない場所でご開封ください」とか書かれている。
…………なにこれ?
「それなるは、呪いの宝櫃なり」
俺がガチャの横で首を傾げながらカプセルを見ていると、横からそんな声を掛けられた。
振り向くと、ゴシック調のドレスアーマーを身につけた少女が立っている。
「ああ、ジュリエット」
「ククク、一昨日の不死なる戦い以来だな、“黒紫紅蓮を纏いし光と闇合わさりし勇者”」
声を掛けてきたのは知り合いだった。
フィガロさんの決闘仲間であり王国の決闘ランキング四位、“黒鴉”のジュリエット。
俺も何度か模擬戦をしているが、見た目に反して付き合いやすい。
少しだけ言い回しに癖があるし、俺を変な二つ名で呼ぶけど。
「このカプセルについて知ってるのか?」
「然り。それなるは血と怨念に彩られた呪具を封印せし宝櫃。希少の等級を踏まえれば、強力なれど、使い手の心身を蝕む諸刃の剣となるやもしれぬ」
ふむ。これには呪われたアイテムが入っていて、Aの当たりだからかなりいいものだろうけど、呪いも厳しいかもしれないよ、と。
『…………』
「尋常なれば、呪いは使い手にのみ降りかかる。されど天に凶星在りしとき、その災禍は周囲にも及ぶ。その悲劇、努々忘却せぬことだ」
普通は装備した人にだけ呪いが掛かるけど、たまに周りの人にも迷惑掛かる場合があるから注意してね、か。
『……………………』
「分かった。じゃあ人のいない場所で空けるわ。忠告ありがとな」
「ククク、この忠告には礼すら不要。しかし“黒紫紅蓮を纏いし光と闇合わさりし勇者”がそれを望むならば、いずれ再び不死なる戦いをせむ」
「おう。じゃあまた今度模擬戦しようぜ」
そう言って俺はジュリエットと別れた。
さて、このカプセルを周りに人がいない場所で……。
「…………のう」
と、何やらしばらく無言だったネメシスが、何とも言えない表情で声をかけてきた。
「どうした?」
「御主、なぜ普通に会話できる?」
「ジュリエットのことか? あいつ装備はちょっと怖いけど良い奴だし話しやすいぞ」
「そうではなくて……ああ、うん。わからんのならいい」
……?
◇
そんな訳で場所はいつもの<ネクス平原>である。
【ガルドランダ】のテストからこちら、大体アイテム関連で何か試すときはここに来ている気がする。
周囲百メートル以内に人がいないことを確認して、呪われたアイテムのカプセルを開封する。
中から出てきたのは【CBRアーマー】という上半身装備だった。日本語で言えば「呪われし血染めの再生鎧」か。
軽装鎧の一種なのだろうが……血のように赤く、非常に禍々しい見た目をしている。
防御力補正が200もあり、今まで俺の装備で最も頑丈だった【瘴焔手甲】より硬い。
加えて、《血流再生》Lv3という装備スキルがあり、これは秒間3ポイントずつHPを回復するらしい。そこまで強力でもないが、パッシブだし俺のMPやSPを消費しないらしいので有用だろう。
そんな訳で特典装備ほどぶっ壊れてはいないがそれなりに使えそうな【CBRアーマー】であったが、当然「カースド」と書かれている理由はある。
【CBRアーマー】
悪逆の錬金術師によって量産された鎧。
使用者に再生能力を与えるが、その源は鋼に犠牲者の血と共に練りこまれた怨念である。
それゆえ、装着者に対し怨念によって様々な呪いを与える。
・装備補正
防御力+200
・装備スキル
《血流再生》Lv3
・呪い
【出血】、【呪縛】、【衰弱】
※装備制限:合計レベル50以上
「来歴がおっかない上に……着た時点で血を流し、動けなくなり、ステータスも半減する、と」
要するにただの血袋製造機である。どう考えてもこんなの使えない。
それなりのメリットに対してデメリットがでかすぎる。何考えてこんなもん量産したんだ。
しかも幅広く着せて呪うためなのか、装備制限レベルが「合計レベル50以上」という優しさである。いらんわそんな優しさ。
どうしようかなぁ、これ。
売れるんだろうか……でも売ってもガチャの元取れなさそうだな。
「……【暗黒騎士】なら普通に着られるんだろうけどな」
先ほど会ったジュリエットもそうだが、暗黒騎士系統は呪われた装備のデメリットを軽減するスキルを持っている。
だから【暗黒騎士】なら良いのだろうけど……生憎と俺は【聖騎士】だ。
「え?」
「え?」
「…………ああ、そうだった。御主、【聖騎士】だったの」
「相方のジョブを忘れるなよ」
しかし、本当にどうしたものかな。
この着ただけで【出血】と【衰弱】が付く鎧は…………うん?
「なんか減ってないか?」
さっきからアイテムのウィンドウで説明書きを出しっぱなしにしているのだが、その文面が少し変わっている気がする。
そう、付与される状態異常が三つから二つに……あ、また減った。
【出血】だけになり、その【出血】も少しすると……消えてしまった。
さらに、《血流再生》のスキルもなぜかスキルレベルが1になってしまっている。
結果として、こうなった。
【BRアーマー】
悪逆の錬金術師によって量産された鎧。
使用者に再生能力を与えるが、その源は鋼に犠牲者の血と共に練りこまれた怨念である。
かつては装着者に呪いをかけていたが、怨念が雲散霧消してしまったため、呪いはなくなり、再生能力も弱くなっている。
・装備補正
防御力+200
・装備スキル
《血流再生》Lv1
※装備制限:合計レベル50以上
「……なんで?」
「不思議だのぅ」
どうして急に怨念が雲散霧消してしまったのかが意味不明だ。
まるで何かに吸い取られでもしたような……。
「「あ」」
俺とネメシスは揃って俺の足元を注視する。
そこには紫色のブーツが……怨念を吸収して貯蔵する【紫怨走甲 ゴゥズメイズ】があった。
【ガルドランダ】と違って意思のようなものは残っていないのだが、どことなく「ごちそうさま」と言っている気がする。
どうやら近くにあった怨念……【CBRアーマー】の怨念を吸い取ってしまったらしい。
「……お前、こんな使い方もあったのか」
さすがに全部の呪いの装備に有効ってわけではないだろうけど。
今回はたまたま封入された怨念が呪いの源だったから【紫怨走甲】で対処できた、というわけだ。
そうして、弱体化はしたものの、【CBRアーマー】改め【BRアーマー】は普通に使える鎧になった。
俺の今着けている軽装鎧より良い装備だったので、折角だから着用してみることにする。
「おお、見た目は尖ってるけど案外動きやすい」
思ったよりも気に入った。
《血流再生》のスキルもあるし、しばらくはこの装備でやっていこう。
「…………」
と、ネメシスが何かを言いたげにこちらを見ている。
「どうした?」
「……いや、御主が選んだのだから私は何も言わぬ」
「?」
何やら今日のネメシスは発言の歯切れが悪い。
悩み事でもあるのだろうか?
「ないではないが……御主には言えぬ」
俺に言えないとなると女性ゆえの何かかもしれない。
なら、ここで突っ込むのも野暮だな。
「なら、いいや。飯でも食いに行こうぜ」
「…………応」
そうして、新しい装備を手に入れた俺達は意気揚々とギデオンに戻り昼食を食べに行った。
◆◆◆
■ドライフ皇国・<叡智の三角>本拠地
その日、どこかの白衣――フランクリンはギデオン周辺に飛ばした偵察モンスターからの映像をチェックしていた。
偵察行動は以前から行っていたのだが、最近は少し事情が違う。
先の事件を受けてギデオンに腕利きの防諜要員が配されたらしく、フランクリンの偵察モンスターが街中に入れなくなっているのだ。
それで近頃、ギデオンについては周囲のマップに偵察モンスターを配するに留めていた。
もうギデオンでフランクリンが計画を起こすこともないだろうが、ギデオンにはフランクリンが宿敵と見定めた男もいる。その動きを把握するためにも監視は必要だった。
さて、その宿敵だが、偶々フランクリンが偵察モンスターから送られてきた映像を流し見しているときに、映像の中に映った。
<ネクス平原>でガチャのカプセルを開封し、中から出てきた呪われてそうな鎧について何か思案した後にそれを着込み、そのままギデオンへと帰っていった。
「あの格好……」
右手に鬼の手甲。
足に亡者のブーツ。
左手は海賊の鉤フック。
上半身は呪いの鎧。
「…………うちの【魔将軍】閣下より【魔将軍】な見た目してるねぇ」
物凄く痛々しい極悪ファッションなのだが、本人が素でそれに気づいていない。
常時白衣の自分が言えることではないと自覚するフランクリンではあったが、流石にレイの格好については思うところがあった。
「……途中で誰か教えてやらなかったのかねぇ」
フランクリンは若干の憐れみを含んだ目でモニターの中のレイを見送っていた。
◇
さて、フランクリンの放った至極もっともな感想だが、考えてみて欲しい。
彼の周囲にいるのは常時着ぐるみの兄、スライムコートの【亡八】、ファンタジーなのにスーツ着ている【絶影】、性能にしか目がいってない脳筋、長すぎる義手義足の【尸解仙】、そして最近追加された中二病ゴシックドレスアーマー【堕天騎士】である。
他の<マスター>も似たり寄ったりだし、ティアンは「<マスター>だから」と流してしまう。
誰がレイにファッションのことで一言物申せるというのだろう。
内心、彼の装いにツッコミを入れた方が良いんじゃないかと思った面々も、自分を省みて何も言えなかったというのが事の真相である。
かくして誰にも指摘されないまま、レイのファッションはまた一段と暗黒面に染まっていったのだった。
End
( ̄(エ) ̄)<じ、ジャンルがMMORPGだから格好は自由クマ
(=ↀωↀ=)<ソーデスネ