第一話「転校生」
こんにちは! 作者のコガネです。
息抜きも含めて2作品同時に進行することにしました!
こっちの作品はバトルありです。
もう一つの作品とは違った世界観が楽しめると思います。
では、良かったらこの作品も読んでいってください!
…この作品で「子金・緋音」がどんな人かわかります
俺の名前は「赤崎・蒼真」(あかさき・そうま)平凡な高校一年生だ。
変わった所と言えば…俺には能力があるって事だな。まあ、今俺の居る世界じゃ能力なんて当たり前だがな。
さて、軽い自己紹介が終わった所で、本編に入るか…細かいことはあらすじを読んでくれ。
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ピピッピピッピピッピピッ
「ん…朝か……ってもう半じゃねぇか!?」
土日休み明けから遅刻しそうな高校生がここに1人、冒頭でも言った通りの「赤崎・蒼真」だ。
蒼真は慌てて制服に袖を通すと、朝食抜きの早朝ランニング(登校)を開始した。
家を飛び出して、商店街を抜け、学校への坂を登っている途中…曲がり角から誰かかが蒼真の横に飛び出して来た。
「よぉ!お前も寝坊か!?」
蒼真の友、「嶋・孝正」(しま・たかまさ)だ。彼も同じく寝坊にて遅刻ギリギリな様だ。
「おい!お前の能力は使えねぇのか!?」
「無理だよ!俺の能力は物を変形させるだけなんだよ!」
「ちくしょうめ!」
嶋の物体変形能力に蒼真は文句を言いながら坂道を走り続ける…そして本当に遅刻ギリギリで校門をくぐった。
「ぜぇ…ぜぇ…あー…朝から疲れるぜ…」
「しかも今日朝会あったよな…最悪だな…」
肩で息をする男子二人組が下駄箱へと歩いていく。
ー体育館ー
とりあえず鞄だけを下駄箱に置き、蒼真と嶋は体育館に直行した。
ーで、あるからして、みんなもー
「ふぅ…校長話長げぇよ…」
長い校長の話に嶋は苛立っていた。それは1つ後ろの蒼真も同じだった。
「あー…足が痛くなってきた…」
蒼真も悪態をつき始めたが、校長の次の発言で二人だけでは無く、生徒全体がざわつき始めることになる。
ーはい、ではここで新たにみんなの友達になる人を紹介します。はい、舞台に上がって。
校長の合図で舞台に一人の女子が上がって来た。
「初めまして、坂野渚奈です!」
どよどよざわざわ
背中中部ほどまで伸びた赤い髪、はっきりした瞳、そして透き通る様ななおかつ元気な声が生徒全体をざわつかせた。
「転校生か…うちのクラスだったら最高なのになぁ…」
一つ前に居る嶋がこちらに話しかける様に独り言を言ってきた。
「んな訳無いだろ、そんな夢みたいな事無いからな」
「あーあ、つまんねぇな…」
ーはい、みなさん静かに。坂野さんは1年2組です。
「あ、なんだ俺のクラスか」
「そうだな、俺たちのクラスだな」
えええええ!?
ーコラ!そこ、静かにせんか!
驚きのあまり叫んでしまった蒼真達は校長に怒られた。そしてまたしばらく意味のない校長の話が続き朝会は終わった。
ー1年2組ー
「はい、今日からこの組みで一緒に勉強します。坂野渚奈さんです」
朝会で紹介されて、全校生徒をザワつかせた美少女が自分のクラスに居る。ここまでなら偶然が通じるが…
「じゃあ、あの席に座ってください」
教師が指さしたのは蒼真の隣だった。もはや偶然の域を超えてシナリオが設定されたゲームの様な状況になって来た。
(おいマジかよ…)
坂野は教師に指示された通り蒼真の隣の空いていた机に座った。
「よろしくお願いね!」
渚奈のテンションに着いていけず、唖然としていると斜め後ろから特にキツイ視線を感じた。
(すまんな、嶋よ…)
緊張と周りの視線の恥ずかしさから蒼真はこの日1日授業に集中するどころではなかった。
ー放課後、1年2組ー
「はぁ…今日1日授業まともに受けれなかった…」
「コノヤロ〜!俺は今日1日お前が羨ましくってたまらなかったんだぞ!?」
嶋は孝正の背中をバンバン叩いていた。
「なぁ、羨ましいぜ~、羨ましいぜ~」
「俺に言われても…」
「ねぇ、蒼真君」
教室の出入り口から蒼真を呼ぶ声がした。声の正体は渚奈だった。
「あ…えっと…どう…しました…?」
「そんなに堅くなんないでよ、今日一緒に帰れる?」
「っ!お前って奴は…!」
まさかの誘いに蒼真は固まりついてしまった。
「くそっ!俺は一人で帰るぜ!」
「あっ!おい、待ってく…」
嶋は蒼真の呼びかけを聞かずに教室を出ていってしまった。
「な…なんかごめんなさいね」
「い、いや、大丈夫だけど」
気まずくなったのか二人はさっさと帰路についた。
ー帰り道 住宅街ー
「へぇ、じゃあ坂野さんは治療魔法が使えるんだ」
「あー、もう、『さん』なんて付けなくていいって」
「ん…じゃあ坂野、お前家何処?こっちのほうなの?」
「いきなり変わりすぎ…まあ、いいけど、家はこっちのほうだよ」
帰り道を歩く間に二人はすっかり打ち解けていた。
「さて、俺の家ここだから。じゃあまた明日な」
そう言って蒼真は家の扉に手をかけた。
「待って」
「ん?どうした?」
急に坂野に呼び止められて扉から手を離す。
「ちょっと話したいことあるんだけど…」
半ば強引に坂野は家の中に入って来た。
ー家ー
「それじゃ、簡単に話しちゃうね」
「いや、まず家に強引に入って来た理由を…」
「あなたに来て欲しい所があるのよ」
「あ?来て欲しい所?」
「信じてもらえないかもしれないけど…私は別の世界から来たのよ。さらに坂野は偽名で、本名は『渚奈・リリーア』っていうの」
いきなりとんでもない話を始めた渚奈だが、蒼真はちょっとした遊び半分で話に付き合う事にした。
「へぇ、で?話だけは聞いてみるよ」
「ありがとう、それじゃ続けるね。まず世界っていうのは今わかってる範囲内で今5つあるのよ」
「それで?」
「それで、私はその中の一つの世界で、こことは別の世界から来たのよ」
「へぇ…」
「向こうの世界では、私は政府への抵抗軍の一員で、一司令官の娘なの」
「…うん」
蒼真は少しずつ違和感を覚え始めていた。
話が出来過ぎている…ただの嘘や冗談には聞こえなくなって来た。
「それで…あーもうめんどくさい、ちょっとこっちの世界に来て」
「は?」
鞄から渚奈は水晶玉を取り出すと、なにか呪文の様なものを唱えた。すると強い光を水晶玉が放った…
はい、こんにちは作者のコガネです。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
もしよかったら次回も読んでいってください。
ではまた次回!