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四十五狂目 『紅の尻』

今回の還暦型決戦兵器の武装は、モロ平野先生の作品『OBS(オヤジ武装システム)』にインスパイアされております!


寛大にも、このアイディアを利用していいとのご許可を頂き、書かさせて頂いた次第です!


とても他人とは思えない、同じくオッサンをモチーフにした素敵な物語!


そんなモロ平野先生のハマったら抜け出せない、癖になる作品もぜひお読み下さいませ!


OBS(オヤジ武装システム)https://ncode.syosetu.com/n2494dk/

 超軽井沢で朝チュンを迎える。


 ベッドには残念ながら昼香クンではなく、あのミツエのババアが、大きなイビキをかいて呑気に寝転がっていた。


 乾燥させたヘチマのような乳房がとんでもないことになっているが、敢えて細かい描写はすまい。


 “無の境地”になれるからこそ、まだ私も耐えられるのだ。


 思い出すと…頭痛が。


 口の中の中に仄かに残る苦味から、強い樟脳しょうのうの臭いを連想し、泥だらけの牛蒡ゴボウをしゃぶらされているような悪夢が引きずりだされようとするところで記憶に蓋をする。


「…今日こそ、決着をつける」


 私は朝日を見やってそう決意する。


 還暦型決戦兵器になったところで、特に何かが変わるわけでもなかった。


 もしかしたら頭に大砲をつけられたり、肩にリボルバーを搭載させられたり、はたまた100kgぐらいある竹刀を装備させられたりするかもと覚悟していたのだが…まるでそんなことはなかった。


 見た目はいつも通り。ダンディすぎるトトイチの副店長こと小石堕のままだ。


 あの奇妙な博士は「時が来れば解る」…なんて勿体ぶったことを言っていたが、もしかしたら改造するなんて大嘘に騙されたかもしれなかった。


「……このクソババアはあと3時間は起床すまい。今のうちに昼香クンと朝食にでも行くとしよう」




☆☆☆




「小石堕さーん!」


 ホテル前の噴水で待っていると、昼香クンが走って来る。

 大きな麦わら帽子に白いワンピースだなんて、エロゲに出てきそうな姿…グッとくる。すばらしいぞ。昼香クン!


「お待たせしました〜」

「僕も今来たところだよ」

「でも、せっかく超軽井沢に来たのに…。どうして一緒にお泊りしちゃダメなんですかぁ」


 プクーと頬を膨らませる。昼香クン。いい。実にいい。そのリスみたいな頬にむしゃぶりつきたい!


 そりゃ、私だってそうしたいさ。しかし、あの悪魔が…ここは上手く言い訳をしなければ。


「フフ。朝から待ち合わせデートというのいいものだろう」


 そうだ。ミツエのババアが一緒に来ていることは当然、昼香クンには内緒だ。


「でも、私は独りでホテルだなんて寂しいですぅ!」

「その代わり、好きなものを買ってあげるからさ」

「ホント? ならドイ・ヴィットンのバックと、ジャネンの財布と、クソテタル・デブタンのヒールが欲しかったのぉ♡」

「よしよし。全部買ってあげよう」

「やったー♡ ありがと、愛している♡」


 ふぅ。これでまた闇金に借りねばならないが、今さら数百万の借金が増えたところで特に何も変わるまい。問題はない。


「ではとりあえず、まずは朝食にしようか…」

「はぁーい!」


 私は昼香クンを連れて、ホテルの朝食バイキングへと向かう。




☆☆☆




 1階のバイキング会場。和洋中と何でも揃っており、入口にまで美味しそうな匂いが漂ってくる。


「さあ、なんでも好きなものを…」

「はぁーい♡ お腹もうペッコペコー!」


 私はトレーと取り皿を手にする。


 やはり朝は日本人として和だろう。鯖の塩焼きと豆腐の味噌汁は外せない。スクランブルエッグもいい。小松菜のマヨネーズ和えも美味そうだ。


 納豆とネギは定番中の定番だが…ふふ。キスをする時に問題ありそうだから今回はパスかな。

 

 と、彼女の方を見やると、何を思ったのか給仕しているコックに近づいていく。 


「…昼香クン?」


 昼香クンは、ドンッ! と、コックの目の前で足を踏み鳴らす。


「おい! こんなクソ不味そうな朝飯食えるかよぉッ!」


 え?


 いまの昼香クンが…言ったの?


「フォアグラ! キャビア! フカヒレの姿煮! シタビラメのムニエル! 超松坂牛のステーキとかねぇのかよ!!」

「ええっと、昼食のコース料理ならともかく、朝食には…」

「んな話、聞いてねぇんだよ! 作れ! 今すぐ! 私はそれが食いたんだよ!!」

「あ、あの…」

「食・い・た・い…んだよッ!!」


 昼香クンは、コックの胸ぐらを掴んで前後に揺する。


「お、お客様! そんな無茶を言われても困りますぅ!」

「何が困るんじゃ! こちとら、客ぞ!? 客ぞ!? 金なら払うちゅーとるけん! さっさと作って持ってこんかい!!」


 及び腰のコックの尻を蹴り飛ばし、昼香クンは両手の中指を立てて…


 ウソだ。信じられない。彼女がこんなことをするなんて…


 私が唖然と見やっていると、餓狼のような彼女は振り返って、そして舌を出してコツンと自分の頭を叩く。


「てへ☆ お腹すいてて、ちょっと気が荒くなっちゃった♡」

「そ、そうだったんだ…」


 ちょっと?


 いや、あれはそんなもんじゃなかった気が……


 待て待て。人間、お腹がすくと怒りっぽくなる人もいるしな。昼香クンもそういった類の人なのかも知れない。


 それに今の笑顔は素敵だ。大丈夫だ。問題ない。可愛いマイエンジェルのままだ。


 …と、次の瞬間に何やら厨房で悲鳴が聞こえる!


「お、お止め下さい!」

「知るもんかい! どぉりゃあぁッ!!」


 ガシャガシャンと皿が砕ける音が響き渡る!


「な、なにごとだ!? は、はおッ!!」


 厨房の中を盗み見ると、ミツエがいた! それよネグリジェ姿のミツエが!

 

 それがコックの両脚を掴み、ジャイアントスイングを繰り出しているのだ!


「アタシャ、朝っぱらから鳥の餌なんて食いたかないんだよぉ! フォアグラ! キャビア! フカヒレの姿煮! シタビラメのムニエル! 超松坂牛のステーキとか出さんかーい!!」

「お止め下さい! お止め下さい!!」

「“おマメ”下さいだぁ?! 朝っぱらからから下ネタ言ってんじゃないよ! このCo“c”k(侮蔑スラング)野郎が!!」


 あまりにも酷い有様だが、ミツエは最速度に達したタイミングでコックを放り投げる!!


「チッ! 動いたら腹が減ったわ!」


 ミツエはツバを吐き捨てると、手近にあったビーンズを無造作に口の中に放り込む。あんだけ文句言って暴れていたのに食うんかいと思ったのは私だけではないはずだ。


「しかし、そ、そんな馬鹿な…。ミツエがこの時間に目覚めるなんてありえない」 


 あんなに爆睡していたのに…これでは計画が滅茶苦茶だ!


「あ、あなたは…」

「あーん!? この小娘は!」


 さ、最悪だ! ミツエと昼香クンが最悪の状況で出会ってしまった!!


「マイダーリンを誘惑しにこんなリゾート地まで来たんかい! このストーカー娘がぁッ!」

「誤解ですから! 苦下さん! やめて!!」


 ミツエが昼香クンの髪を鷲掴みにして引っ張る。


「性悪女にはこうだよ!!」

「あなたこそなんで超軽井沢に!?」

「なんだって!? アタシがどこで何をしようがアタシの勝手だよぉッ!!」


 ミツエは昼香クンの両脚を掴んでジャイアントスイングをかます!


 ってか、昼香クン! ちゃんと両手で後頭部を抑えているってことは未経験者じゃないってことなのか?!


「お客様! 店内でジャイアントスイングはお止め下さい!」

「うるさーい! 有象無象がアタシに意見するんじゃないよッ!!」


 店員も料理も巻き込み、大乱闘が繰り広げられる!!


 なんでこんな目に遭わねばならんのだ…私は愛する昼香クンと優雅な浮気のひとときを過ごしたかっただけなのに!


『さて、少々騒がしい様ですが、本日のメーンイベント・モーニングショー!!』


 な、なんだ? いきなりナレーションが始まったぞ…


 モーニングショー? ディナーショーやナイトショーは聞いたことがあるが、朝食バイキングでそんなものが……


 ってか、ババアが大暴れしている最中やることか!?


駄辛柄ダカラヅカ歌劇団! ヒガンバナ組! 元トップスター! “百足ムカデ百合ホシユリ”のご登場です!!』


 な、なに?


 ムカデ…ホシユリ…だとぉッ!?


 華麗に舞台へと飛び出してきたのは、真っ白なタキシードに、腰回りにクジャクだかダチョウだかの羽根をやたらめったら付けた男装した女だった!


 ガッチリとポマードで固めた金髪!


 元の眉よりも絶対に片側に上がりすぎたシャープ過ぎる眉!


 赤いアイシャドーとラメで塗りたくられたマブタが照明を反射させる!


 そしてほうれい線を消すためにパテで盛ってるんじゃないかというぐらいに真っ白なパウダーで塗りたくられた顔!



──星よ、流れ〜♪ どこへ〜 逝くのか♫


──月の、時を〜♪ どこへ〜 向かうのか♫



 全盛期に得意としていた歌を高音ビブラートを効かせて響かせる!!


「キャアア! 百足様よぉ!!」


「なま☆百合サマァ!! 嬉死しちゃうぅ!」


 バイキングで我先にと美味い食材をゲットしていたババア共が黄色い声を上げだす!


「はぁい。ボクの可愛い子猫ちゃん♡」


 ☆百合がバチンとウインクして見せると、それだけでババアは痙攣して悶える!


「ま、マズイ…。そもそも朝っぱらから見るもんじゃない…」


 な、なんとか“ヤツ”に気づかれぬように、昼香クンを助け出して逃げねば…


「こんのぉ、オニババア! 人が下手に出てりゃ調子こきやがって!!」

「え、えー!?」


 振り返った私が驚いたのは、さっきまで一方的にやられていた昼香クンが、ミツエに向かってドロップキックをかましていたからだ!!


「こ、こんな小娘がぁッ!!」


 怒り狂うミツエの16文キックが炸裂する!


「よくも! オラァ!!」


 昼香クンの応酬の空手チョップの連発!


 な、なんで女子プロレスの様相に!? いつの間にか店員たちも長机で即席のリングを作り、どっちが勝つかに賭けて応援し始めている!?


「ひ、昼香クン! 今はそんなことを! ミツエなんかを構っているときじゃ…!!」

「小石堕さん! 私だけじゃなく、苦下さんまで超軽井沢に誘うなんてどういうことですか!?」


 額から流血している昼香クンが血走った眼で私を睨みつけてくる! 手には凶器のフォークを持ってひたすらミツエの頭部を攻撃していた!


「い、いや誤解だ! ほ、本当は…」

「なんだってぇ!? アタイとの蜜月のデートに、こんな小娘まで付いて来てたのはそういうわけかい!? どういう了見だい!? ダーリン!?」


 ミツエがホールドから逃げ、パイプ椅子で昼香クンをぶっ叩く!


「イタい! ひどい! やっぱり私とは遊びだってんですね! 大学の資金もマンション購入費も出してくれると言ってたのに! こうなったら追加で慰謝料も払って貰いますから!!」

「そ、そんな…」


 メチャクチャだ。苦下ミツエのせいで…メチャクチャだ。


「この小娘を抹殺して超熱海海に散骨してくれるわいな!! ん?! おががー!!」


 ミツエの頭にハイキックが炸裂し、マンガのように弧を描いて長机を蹴散らして、厨房に突っ込んだ!!


「……フフン。こういう修羅場はキライじゃないよ」


 あの百足☆百合が、腰に手を当てたまま、得意そうに180度に開脚した長い脚をゆっくりと下ろす。


「奇遇だね。不純二。…いや、“あなた”と呼ぶべきかい?」


 俺を見て、☆百合は口元をニヤリとさせる。


「ぐ…。“涼子りょうこ”」


 そう。彼女の本名は、小石堕涼子。まごうことなき俺の妻だ!


「まさか気づいて…?」

「ハハ。気づかないはずがないだろう。このボクを誰だと思っている? 苦下ミツエ、間門昼香…この両者と不倫旅行をしていたのはとっくの昔にお星さまがお見通しさ!」


 朝っぱらから星が見えるか! しかもここは室内だ! それにもかかわらず、涼子…いや、ここは☆百合と呼んでおくべきだろう。☆百合は天井をビシッと指差す。


「私を…制裁しに来たのか?」

「まさか。見ての通り、仕事だよ。たまたまこの場に居合わせ、愛する旦那を取り戻そうとした…これを運命ディスティニーと呼ばずしてなんと呼ぼうか!!」


 胸に手を当てて、眉を寄せ苦しそうに空を見上げる。これはいったい誰に向かって呼びかけているのか。


「夫婦円満。子供も順調に育っている。それなのに何が不満だったんだい? 子猫ちゃん」

「いちいち芝居がかった台詞の言い回し…」

「それがボクの仕事だからね」

「いや! 仕事なら理解できる! だが、どうして家庭でもそんな格好をしているんだ!!」


 そう。彼女は“素”でこうなのだ! 常に劇団にいる時のように振る舞い、家にいるときも男装(もちろん装飾品も舞台に上がる時のままだ!)なのだ!!


「なぜ? ボクはトップスター! いついかなる時も太陽や、月や、星が輝くように! ボクも永遠に光り輝き続ける! それは意図してそうなったわけじゃない! 太陽は常に輝くからこそ太陽なのさ!!」

「歯を光らせるな! もう限界だ! 台所で大根を切りながら、そんな台詞を聞かされる身にもなってみろ!!」

「だからといって、浮気が許されるとでも?」

「そ、それは…」


 後ろめたい気持ちはある。だが、それに呑まれちゃダメだ。浮気は男を完成させるためにあるのだから! 私は浮気全肯定者だ!!


「…まあ、いい。ボクは君の罪を許そう。さあ、帰っておいで。ボクのハニー」

「そ、それが我慢ならんのだ。…私は“攻”だぞ!」

「何を言っているんだい?」

「万年騎乗位だなんて私は嫌だ! たまには正常位や後背位だって楽しみたいんだ!!」

「まだ、どっちが“上”か解っていないみたいだね…」


 ☆百合は額に手を当てて頭を左右に振ると、ニッと笑う。


「お仕置きの時間だ」


 クッ。私は彼女の“強さ”を知っている…。


 次の瞬間、私の脳裏にスパークして何かが走った!


 そう! サイボーグとされた時の記憶だ!


 『時が来れば解る』ってこういうことだったのか!


「そんな…そんなことが…」

「真っ青な顔をしてどうしたんだい、ハニー」

「涼子。もうお前の支配は受けない! 私は新たに甦ったのだ!」

「なんだって?」


 私は☆百合に背を向けて走り出す。


「ハハハ! なにを言うかと思えば! 不純二! そうやって尻を向けて、ボクから逃げ出すだけじゃないか!」


「逃げる? …とんでもない話さ」


 私はおもむろに下着ごとズボンを脱ぎ落とす。周囲から悲鳴が上がるがそんなこと構っていられない。


「…んん? 殊勝なことだね。“尻叩きの刑”を自ら受けやすくするとは。フフン。その潔さに免じて薔薇のトゲ付き鞭で叩くのは勘弁してあげよう!」

「その余裕が何時まで続くかな!」

「なに?」


 私は自分の左右の尻のひだを掴み、大きく開く!!


「ま、まさか…こんな公共の場で!」

「そのまさかさ! ぬぬぬぬうぅッ!」


 私は肩幅に脚を開いて気張る!!


 ミチミチミチ! 


「んあああああッ!!!」


 私は絶叫して泣く! なぜならば私は切痔持ちだったからだ!



──敵を倒すということは、己も痛みを伴う!


──その犠牲あってこその、パゥワーじゃい♡


──パゥワーを力にするんじゃーい!!



 あの老人のわけのわからん説明が走馬灯のように脳裏をかすめる!


 メチャッ! ポチャチャ!!


 尻の穴が裂け、流血と共に“弾頭”が出た感覚がする!!


「きゃ、キャアアアッ!!!」


 反対方向を向いているせいで昼香クンがどんな顔をしているかは想像する他ないが、彼女が赤面して顔を覆っているであろうことは想像するに難くない。


 これはこれで…イイッ! 私は新たな興奮の極地に到達しようとしていた!!


 そして、そんな絶頂と共に、別の物も噴出する時が来たのだ!!


「発射ぁぁぁッッッ!!!」


 私の尻から、秘められし力…つまりはミサイルが解き放たれる!!!


 鮮血の筋を纏い、☆百合に向かって!!!


「う、うおおおおおおッ!!!」



 チュンボボボボボボーン!!!



 それは大爆発!!!


 店も、☆百合も、ミツエもまるごと吹き飛ばす!!!!


 爆心地さながらの凄惨な現場の中、埃だらけとなった私は瓦礫の上に倒れた昼香クンを見つけた。


「……昼香クン。す、すまない。私は…私は…」


 彼女を抱き、私は超軽井沢で慟哭したのであった……。




☆☆☆




「…というわけでな、昼香クンは入院して治療している最中というわけだ。その代わりに私が登校している」


 セーラ服姿のオッサンは滔々とそんな話を語る。


「…理解していただけたかな?」


「わかるか!! 要はヒルカちゃんがアンタのせいで犠牲になったってことじゃねぇか!!」


「いや、あれは事故だったんだ」


「何が事故だ!! しかも、ヒルカちゃんがこんなオッサンと浮気旅行に行っていただなんてとんだトラウマ話を聞かせやがって!!」


「何を泣いているかは知らんが、少し落ち着きたまえ」


「泣くだろ! 好きな女の子のそんな裏話きかされたら! 超能力者だって泣くぞ!!」


「超能力者? なにをわけのわからんことを…」


 コイツにだけは言われたくねぇ!!


 ガシャーン!!


「え?」「な?」


 いきなり外の窓が割れた…。


「ま、まさか…。お前は! 生きていたのか!?」

☆還暦型決戦兵器カタログその(9)


・品番:『S-008』


・正式名称:『隠密工作特殊兵器ダンディ不純二号』


・生体名:小石堕こいしだ 不純ニ《ふじゅんじ》 59歳


・生体情報:身長182㎝ 体重78kg


・主兵装:内蔵式誘導ミサイル一式(通称“紅”)


・副兵装:リペアセット(尻穴用)


・移動方式:サイレントウォーク機能標準搭載


・攻撃力:800オヤジー


・防御力:1オヤジー


・機動力:1オヤジー


 白木卓郎博士が造りだした還暦型決戦兵器の一つ。

 外装には殆ど手を加えず、市街地に紛れ込み隠密作戦を行うことを想定しているために個としての戦闘能力自体は普通のオッサンのままである。

 素体が大柄なため、歩行時の音を消す処理が施されている。相手が人間ならば、寝ている相手を起こさずに移動することが可能である。

 正体がバレてしまった際の非常用の攻撃手段として、肛門部に高火力の誘導ミサイルを備えているが、単発式で連射は不可能(素体の負荷が大きいためもある)。また予備動作が必要となるため、戦闘用として使用するには難点が多い。

 放たれた際に赤い鮮血を纏い突き進む美しいミサイルの姿から、“紅”というコードネームが密かに付いている。

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