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理想と現実
俺はなんて、浅はかだったんだろう…ちょっとした好奇心だったんだ、学校の裏の森に古い洋館があると聞いて俺は行ってみたくなった、だから仲がいい五人を誘って洋館を見に行った、あの時はこんな事になるなんて思いもしなかったんだ…何かあっても精々軽い怪我位だろうと思っていたんだ…。でもそんな考えは今となってはなんの意味もなさない〈理想〉でしかなかった。俺だけが助かって他の四人は死んでしまった、俺が必死になって守った物は、守りたかった物はいったい何だったんだろうか?友人を、愛する人さえ守れなかった、今俺の目の前にのこったのは友人の日記帳と友人や愛する人の死体だけだ、思い返せば後悔ばかりが浮かんでくる、まだ俺は友人に「ありがとう」と言っていない、愛する人に「好きだ」と「愛している」と言っていない、俺があの時、止めておけば、早く異変に気がついていれば伝えられた言葉、もう遅い 事は解ってる、だから俺が死ぬその瞬間まで一緒に居たい、「愛していると」言っていたい、わがままだと思うかも知れないけど許してほしい、俺は冷たくなった彼女に手を伸ばした…




