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エピローグ


―1年後―



「あー、何か花を買うのって恥ずかしいもんだな」


 奈美の墓前、暑苦しい空を見上げ、彼女の墓を見る。水をかけ、花を添える。俺が来る前に、もう花は添えてあった。多分両親だろう。


「………」


 手を合わせて、参る。


「…あれから1年か。早いな。……なぁ奈美、荒城の奴に彼女ができたんだぜ? 信じられねーよ。それに三嶋の奴は全国に行っちまった。すげぇよ、あいつ。……俺は大学に向けて猛勉強中って所かな? 忙しいよ」



 色々な事があった。…だけど、あの頃の事がまるで昨日のように思える。あの素晴らしい日々。


「さて、あんまり長居するのもあれだしな」


 俺は立って、奈美の墓を見た。思い出を振り返ると悲しくなる事もあるが、それ以上にあいつといた幸せの時が俺の脳裏に蘇る。辛気臭くはない。


「俺……強くなったかな? それとも、まだお前の事を引きずってるか? ………でも、俺は強くなったと思う。お前の心は俺の中にある。俺達はいつまでも一つだよ」


 嘘はついてなかった。もし、また新しい彼女が出来てもそう思うだろう。


「じゃあな。……絶対、いつか幸せになってお前に紹介するよ。………それがお前の望みでもあるのなら………」






 見上げれば、青空が広がっていた。雲ひとつない、晴天。



 その壮大さに一瞬心を奪われた。



 俺は歩く。未来へ一歩一歩。













               頬を伝う涙を拭いながら











                                     FIN

いかがだったでしょうか「たいせつなこと」。奈美の死を乗り越えて人間として成長した政吉。一生消える事のない思い出、しかしそれがあるからこそ彼は前に

進めるのかもしれません。これが悪い結末なのか、そうではないのかは、これを読んだあなた次第です。それでは、また機会があれば次の作品で会いましょう。

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