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第四章 少年期・学園入学編:興ッ奮しちゃうじゃないかぁ!…

累計2000PV突破ありがとうございます!

(累計1000PVの時は見逃した)

拙い文章ですが多くの方に読んでいただき感謝です!

高評価・ブックマークいただけると更なる励みになります!

(読んでいただけるだけでも嬉しいですし、

あくまで任意です!もちろん強制ではありません!)


これからも可能な限り、更新頑張りますのでよろしくお願いします!

<Side:アルト>


コンコン。

アルトが扉をノックする音が響く。


「(…あ、やべ。

ノック二回ってトイレの時のノックだったっけ…

いやまあ、いいか。)」


ノック二回はトイレノック。

ノック三回はプライベートノック。

ノック四回はビジネスノック。


というのが、国際的なマナーとして一般的だが…

それはあくまで前世での話。


この世界ではあまり関係がない。


「…入れ。」


一拍の間を置いた後、入室を促す声が返され…アルトは驚いた。


「(この声…多分、女の人…だよな?…

いや、悪いとかじゃないんだけど…)」


さすがにアルトもただ女性であるというだけでは驚きはしない。

応えた声は…その口調に反し、かなり若い声音だったのだ。


「(…まあ、いいや。

とりあえず入ろう。)」


気になるところはあったものの、

入室の許可は下りたので、

アルトは扉を開き…そして固まった。


「…どうした?

早く入りたまえよ。

なにか用なのだろう?」


高価そうな椅子に腰かけたこの部屋の主はそう促すが…

その声はアルトの耳には届いていない。

目にした部屋の主の…その姿で頭がいっぱいだった。


特徴的なのは…長く尖った耳。

そして…見目麗しい容姿。

それらの特徴を併せ持つ種族といえば…


「…森人(エルフ)!?…森人(エルフ)なのか!?」


そう、森人(エルフ)である。


アルトは思いがけない場所での、

森人(エルフ)との初邂逅(実際はフィリアたちと出会っているので初めてではないが。)に、

酷く興奮していた。


「あ、ああ…私は確かに君の言う森人(エルフ)だが…」


「うひょおお!……生森人(エルフ)キタコレ!

耳!…耳触らせてください!」


部屋の主が言い終わる前に

アルトは血走った目で部屋の主ににじり寄る。


「いきなりなんだね!?

気色の悪い!」


部屋の主は座っていた椅子を派手に倒し、

慌てて飛び退く。


だが、じりじりと距離を詰めるアルトに、

部屋の主は徐々に部屋の隅へ隅へと追い詰められていく。


「一回だけ!先っちょだけでいいから!」


「…あ、いや…ちょ、ま…

ひ、ひぃぃい!?」


部屋の主は逃げ場をなくし…万事休す。

…かと思われたが。


「いてててて!?

ちぎれるちぎれる!…って、何すんのさ!?」


アルトの耳はかなりの力で引っ張られ…

アルトはそれを為した人物を恨みがましい目で見つめる。


「ふん。

…いきなり他人の耳を触ろうとするんだから、

自分が触られたって文句は言えないわよね。」


グレアは唇をツンと尖らせ、

腕を組んだいつものポーズでそう言い放つ。


「いや、グレアのそれは触るんじゃなくて、

引っ張るとかちぎるって言うんだよ!

いてて…ちょっと耳が伸びた気がする…」


「…気のせいよ。

で、ちょっとは落ち着いたかしら?」


「…!

ごめん…」


先ほどまでのアルトは興奮するあまり、

衝動のままに行動に移してしまっていた。


それをグレアに指摘されたことで、

アルトはようやく普段の冷静さを取り戻した。


「どちらかと言えば…謝罪はそこの隅っこの人に言うべきじゃない?」


「隅っこ?…あ。」


部屋の隅では…未だに部屋の主が小動物のように縮こまっていた。



アルトが落ち着きを取り戻した後、

アルトたちは学長室に備え付けられている来客用のソファで向かい合っていた。


「…」


「…ホントすみません。

さっきのはどう考えても、僕が悪かったです。

だから、そんな目で見ないでください…」


部屋の主の無言のジト目にアルトは何度目かの謝罪を口にする。


「…変態。」


「うぐ…い、言い訳をさせてもらうと…

初めての森人(エルフ)についついテンションが上がっちゃっただけなんです…」


行動だけ振り返れば、

間違ってもいないのだが、

あまりにも不名誉な言われようにアルトは弁明しようとする。


「そ、そんなに森人(エルフ)が好きなのか?…

君らは見たところ、人族だろう?

なのに珍しい…」


アルトの言葉に部屋の主は驚いた表情を浮かべる。


「え?…そうなんですか?」


「人族は…亜人嫌いな者も多い。

ましてや、好きなんていう者は…よっぽどのもの好きしかおらんよ。」


部屋の主は苦々し気にそう口にする。


そもそも、亜人という呼称自体、

魔人族や森人族、獣人族などの人族以外の種族を人の紛い物として扱う蔑称だ。


今でこそ、人族は亜人とも共存しているものの、

そんな呼称が存在する時点で、

人族の亜人嫌いは明らかなのである。


「(そういや、ステラ先生に魔人族のこと聞いた時も似たようなこと言ってたな…

でも、正直なところ…

だから何だって話だよな。)」


人族は亜人嫌いが多い。

だからと言って、別にアルトが亜人嫌いになる理由にはならない。


魔人族であるステラを師と慕うアルトにとって、

種族の違いは大した問題ではなくなっていた。

(割と元からではあるが。)


「(そういや、グレアとはそんな話したことなかったな…)」


アルトたちの暮らしていたサザーランド王国は、

他の人族の国家と比べると、

比較的、亜人差別が少なく、

そこに暮らす者も一定数はいた。


だが、人族の国家である以上、

他の種族にとっては暮らしづらい部分も少なくなく、

その数はあまり多くはなかった。


そのため、普段から出会う機会も少なく、

話題に上がることもなかったのだ。


「グレアは森人(エルフ)好き?」


「別に…好きも嫌いもないわよ。

今日初めて会ったんだし。」


アルトのいきなりの問いかけにグレアはぶっきらぼうに返す。


「それもそっか…」


「なんなら…人族の方が嫌いね。」


「…え、そうなの?

それはなん…っ!?」


グレアの突然のカミングアウトに驚きつつも…

その仄暗い表情でアルトは察した。


「(グレアを誘拐した奴らも人族だったし…

グレアの両親も人族に…それも近親者に殺されたようなもんだからな…)」


グレアにとっては害のある同族よりも害のない他種族の方が

よっぽどマシなのだ。


アルトとは違う後ろ向きな原因ではあるものの、

グレアもアルトと同じく種族の色眼鏡では見ていなかった。


「(ん…?

でもあれ、ちょっと待てよ。)」


その時、アルトの脳内に一つの疑念が浮かぶ。


「ち、ちなみになんだけどさ…

もしかして、僕やゲオルギスさんのことも嫌い?」


アルトのこの問いは、

人族が嫌いなら…そこにアルトたちも含まれるのでは?という意図であり、

間違っても自分が好かれていると勘違いしたイタイやつではない。


アルトはグレアが人族を嫌いと言う原因も理解していたが…

自分が嫌われていないと断言できるほど自分に自信はなかったのだ。


「べ、別に嫌いじゃないわよ…

叔父様たちも…アルトも家族みたいなものだし…」


「ほっ…ああ良かった。

好きなんだね…」


グレアは一部の人族が嫌いなだけで、人族全体を嫌っているのではない。

それをグレア自身の言葉で確認できたことで、

アルトは安心したようにそう零す。


「は!?…な、なに言ってんのよ!

…す、好きなんかじゃない!」


嫌いじゃないと好き。

似ているようで…似て非なるその二つの言葉。


零したアルト自身にはそこまで深い意味はなかったのだが、

グレアはみるみるうちに顔を真っ赤に染めていき…


「好きなんかじゃないからぁ!」


学長室を飛び出して行った。


「(え…?

ちょ、どこ行くの!?)」


いきなり飛び出していったグレアの後をアルトは慌てて追いかけようとする。


「ま、待ってくれ!

ここに尋ねて来たということはなにか用なのだろう?

あの子の後を追うのは構わんが、

私もあまり暇ではないんだ…せめて、用件を済ませて行ってくれ。」


「(あ、そうだった…

忘れるところだった…)」


危うく、何をしに学長室を訪れたのかわからなくなるところではあったが、

部屋の主の言葉にアルトはかろうじて踏みとどまる。


「(でも、早くグレアを追いかけたいし、

なるべく手短に…)」


アルトは急ぎ気味に話を切り出した。

エルフの耳ってなんか触ってみたくないですか?

あの尖った耳…柔らかいのか硬いのか気になりません?

まあ、耳の外側には骨はないので…

多分、柔らかくはあるんでしょうけど…

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