第三章 少年期・家庭教師編:ゲオルギス・ゲルナンド
<Side:アルト>
「ど、どうしてここに!?」
アルトは驚き混じりにゲオルギスに問いかける。
「どうしてって…そりゃ…ここは俺の治める街なんだから、
いてもおかしくはないだろ?」
それはそうなのだが…
無論、アルトが聞きたかったのはそういうことではない。
「いや!そうじゃなくて!
なんでここにいるってわかったんですか!?」
アルトはゲオルギスに連絡するような便利な通信手段など持ち合わせていない。
だいたい、そんなものがあったらもっととっくの前に助けを求めていた。
「ああ!そういうことか!
二人が帰ってきたっていう報告を受けたから、
門の方に迎えに行ったんだけど二人ともいなかったし、
道中でも会わなかったから変だな…って思ってたんだ。
そしたら、あの派手な爆発が見えてね。
あれ、アルトの魔術だろ?」
どうやら、アルトが威嚇目的で放った魔術…
あれが意図せず狼煙や信号弾の役割を果たしてくれたらしく、
ゲオルギスはそれで駆けつけてくれたようだった。
「(危なかったし…マジで助かった…)」
一息ついて…ゲオルギスに礼を言おうとした
その時…アルトが作った土壁が崩れ…
いや、破壊された。
「(なんだ!?)」
あの壁は急ごしらえとはいえ、アルトはかなりの魔力を込めた。
それなりの硬さはあったはずだ。
にもかかわらず…容易く破壊された。
「あん…?
ガキを捕らえたって連絡がきたのに、
三人ともやられてんじゃねえか…」
「(新手…!?)」
昨日は三人だった。
だからといって、今日も三人とは限らない。
口ぶりからして…
手段はわからないが、
奴らはこいつに連絡を取っていたのだ。
「(ずるいぞ!俺にもそんなのがあればあんな気持ち悪い思いしなくて済んだのに…!)」
そんな場合ではないのはわかっているが…
アルトはどうしてもそう思わずにいられなかった。
「こいつらやったのはてめえかぁ?兄ちゃんよ。」
その男は…一瞬のうちにゲオルギスの目前に移動し、問いかけた。
「(!?…今の動き…
まったく見えなかった…
まさか…闘気ってやつか…!?)」
ゲオルギスと向かい合っている男は…かなりのガタイで…
まるで巨人か何かと見紛う程度にはデカい。
ゲオルギスは背が低いわけでもないはずなのだが、
ゲオルギスの倍近くの背丈がある。
そんな巨体であるにもかかわらず…
アルトが目で追うことすらできない速度で移動した。
一度は助かった…と安心していたアルトであったが…
現れたさらなる脅威にその表情は凍り付いていた。
「ええと…そもそも君は誰だい?
私もあまり状況は把握していなくてね。」
ゲオルギスは顔色一つ変えず言ったが…
余所行きの口調なのか口調に違和感がある。
「(なんで…なんでそんなに平然としてんだ…?)」
ゲオルギスと向き合っている男はかなりの手練れだ。
それこそ、先ほどまでアルトが戦っていた相手とは比べ物にならないほどに。
そんな相手と向き合っているのに、ゲオルギスは顔色一つ変えていない。
アルトからすれば、まるで危機感が足りていないようにしか見えなかった。
「ああ…?…そうか、まだ名乗ってなかったな。
俺あ…グラント。」
「…もしかして、『凶刃』のグラントかい?」
「お?知っているのか?
俺の名前も売れたもんだが…
そうさ、俺は天神流の超級剣士。
『凶刃』のグラントだ。」
「(天神流?…超級剣士?…
なんだ…?…それは…?)」
なんのことかはさっぱりわからない。
だが、一つ確かなのは…この男は敵だ。
つまりこのままでは…
ゲオルギスや自分たちが危険だということがアルトにはわかっていた。
「(どうする…!?
どうすればいい…!?
この状況を切り抜けるには…)」
アルトは高速で思考を巡らせるも、妙案は浮かばない。
その間に…状況は動いた。
「へえ…そうなんだ。
通り名は知ってたけど、そこまでは知らなかったよ。
ちょっと親近感を覚えちゃうけど…
まあいいや。かかっておいでよ。」
「言われなくてもそうするぜ!
仕事の邪魔をする奴は消してもいいらしいからなぁ…!」
その瞬間、グラントと名乗った男の剣を持つ腕がブレた。
「逃げ…」
だが、警告も魔術も間に合わない。
その時、ゲオルギスの手が…ゆっくりと動き…交錯した。
「(あ…ああ…ゲオルギスさんが…ってあれ?)」
「はっはっは…遅えんだよ!…馬鹿…が…」
グラントと名乗った男は剣を振り下ろした姿勢のまま…
その身体は斜めにずれた。
「は…?…え…!?」
アルトが驚きを隠せないでいると、
その反応に…側にいたグレアが当然だとばかりに頷く。
「当然よ。
叔父様は天神流の『剣王』ゲオルギス・ゲルナンド…
この国どころか大陸でも最高峰の剣士。
あんな有象無象に負けるわけないじゃない。」
「(天神流…?…剣王…?…
よくわかんねえけど…つ、強…)」
勝負は一瞬で決した。
無論、あの男が弱かったわけではないはずなのだが…
しかし、それ以上に…
ゲオルギスの強さは…圧倒的だった。
「すまないね…二人とも。
あまり子供に見せたい光景ではなかったのだけれど…
話も聞かせてほしいし、
後は衛兵に任せて…とりあえず屋敷に戻ろうか。」
…
アルトたちはゲオルギスと共に、領主邸に戻ってきた。
帰ってきたアルトたちはしばらくの休息の後、
応接間でゲオルギスに一連の流れを説明した。
すると…
「なるほど…そういうことか…」
ゲオルギスは何か心当たりがあるかのような口ぶりだった。
「何か…心当たりが?」
「ああ…
アルトにはグレアが俺の姪だという話はしたよな?」
「ええ、聞いた覚えがあります。」
「なぜ姪がこの屋敷にいるのかは疑問に思わなかったか?」
言われてみれば確かにそうだ。
グレアにも両親はいるだろうし、
よっぽどのことでもなければ、わざわざ親戚の家に何日も留まることはないだろう。
「グレアは俺の一番上の兄の一人娘だ。
グレアの実家…というか俺の実家でもあるんだが、
ゴルディアス侯爵家は今、政争が激化している。」
グレアの実家はゴルディアス侯爵家というらしい。
貴族の位は上から順に、大公・公爵・候爵・辺境伯・伯爵・子爵・男爵・士爵。
侯爵家は王族の縁者が占める大公家を除けば、上から二番目に高い位の大貴族であり、
ゴルディアス侯爵家はアルトたちの暮らす北部地方一帯を統括する地方領主であった。
「(ええ…グレア、マジモンのお嬢様じゃねえか…)」
お嬢様だとは思っていたが、
思っていたよりもお嬢様だった。
ゲオルギスは話を続ける。
「政争…まあ、平たく言えば後継者争いだな。
当主であった俺の父が正式に後継者を決める前に
三年前、急逝した。
当主が病死してから泥沼の後継者争いが始まったんだ。」
世襲できない士爵以外の貴族は基本的には長男が家ごと貴族位を継ぐことが多い。
だが、必ずしもそうではなく、
次男以降の男子や女子、その他にも養子でも優秀な場合は継ぐこともあるらしい。
だが、そうすると一つの疑問が浮かぶ。
「あれ?ゲオルギスさんはその争いには参加しなかったのですか?」
ゲオルギスの剣の腕は優秀なんてもんじゃない。
優秀度合いで後継ぎが決まるのなら、
ゲオルギスが継いでいてもおかしくないのでは?
そう思ったゆえの発言だったのだが…
「俺は三男だから早くに出奔してたんだよ…
たしかに俺を後継者に…っていう声が上がったこともあったらしいが、
そのころにはもうすでに叙爵されてこの家を興していたからな。」
苦笑いしながらゲオルギスは言った。
ゲルナンド伯爵家はゲオルギスが一代で興した家らしい。
強さもそうだが、ゲオルギスはまだかなり若い。
「(たしか、父さんと同い年だって言ってたっけ…?)」
バルトと同い年ということは…今は二十七歳。
三年前の時点となると、二十四歳。
その若さで一貴族の当主となっているのだ。
そう考えると…
この男。とんでもない。
「話を戻すぞ?
俺には兄が二人と姉が二人いる。
姉の一人は他国に嫁いで行ったからこの争いには
関与していないから省くが、
後継者争いは残りの三人の間で起こっている。」
アルト的には『気の良い兄ちゃん』
っていう感じのイメージがあった。
どうにも解釈違いといった感じではあったが、
意外にもゲオルギスは末っ子だったらしい。
「まずは長男のグレン。
さっきも言った通り、グレアの父だ。
優しくて…いい兄なのだが、いかんせん貴族としては甘すぎる人だ。」
「(グレンか…名前の響きはグレアとよく似ているな。)」
この世界では…というか、これはわりと前世でもあったが、
親の名前の一部から子供に名付けるタイプの名付け方だ。
アルトもそのタイプ(英雄の名前にあやかったとも言っていたが)なので、
若干、親近感が湧く。
「跡目争いが始まった時、グレアはまだ四歳だった。
跡目争いは激しい。
巻き込まれて命を落とす者だって少なくない。
それを危惧したグレン兄さんはグレアを遠ざけ…
争いに参加していない俺の屋敷で預かることになったんだ。」
三年前に始まったという跡目争いは未だ続いている。
それはつまり…もう三年。
三年もの間、グレアは両親に会えていないのだ。
グレアはアルトと同じ七歳。
七歳の子供にとっての三年はとても大きい。
これまでのグレアの人生の半分近くの期間にもなるのだ。
「(あの荒れっぷりにも納得が…
…いや、いかないな。
本人も楽しんでたような気がするし。)」
まあ、荒れるにも原因があったのだ。
そのすべてを肯定するわけではないが、
さすがに同情はする。
「(…ってあれ?)」
アルトはふとあることに気づく。
ふと、横目で見たグレアの顔色はあまりよくなかった。
やっぱり少し休んだくらいでは疲労が取れていないのだろうか…と一瞬思ったが、
少なくとも、さっきグレアの方を見た時はそんなことはなかった。
だとすると…思い当たる原因はそこまで多くない。
「グレア…大丈夫?」
アルトは心配してグレアに声をかけた。
「ええ…大丈夫よ。」
グレアはそうは言うが、
とても大丈夫には見えない。
「(本当に大丈夫か…?)」
他人の事情にずけずけと踏み込むのが良くないのは
アルトにもわかっている。
だが、さすがに放ってはおけなかった。
「貴族の問題だし、
僕にグレアやその家の事情はわからない。
でもね、グレア。
寂しい時は寂しいでいいし、
辛い時は辛いでいいんだよ?」
「…言ったって…しょうがないじゃない…」
暗い表情のまま、グレアは消え入りそうな声で言う。
「そんなことは…」
ない。
アルトはそう言おうとしたが…
「ないわけない!」
暗い表情はそのままに、
まるで叫ぶようにグレアは言った。
「誰に…私の気持ちがわかるの…!?
わかるわけない!
わかるはずもない!
なら…言ったってしょうがないじゃない!」
「(それは…)」
グレアの言うことも間違ってはいない。
グレアとアルトはせいぜい年齢が同じなくらいだけで、
生まれも置かれている環境も何もかも違う。
グレアがどんな風に感じ…
どんなことを考え…
どんな風に思っているのか…
その想いの百分の一すらアルトにはわからない。
だが…それがどうしたのか。
「グレア。」
「なによ!」
アルトはグレアの腕をつかみ、眼を見つめて言った。
「たしかに僕にグレアの気持ちはわからない。
でもね、グレアは今の僕の気持ちわかるかい?」
「…わ、わかるわけないじゃない…」
「正解はグレアは馬鹿だなぁ…って痛い痛い!
摘ままないでよ!」
「ふん!アルトが馬鹿な事言うから悪いのよ!」
グレアが掴まれていた手を捻って肉を摘まんできたので、
慌てて距離を取りつつ、アルトは続ける。
「いてて…まあ、話を戻すけど、
わからないのは当然なんだよ。
だって僕らは違う人間なんだし。
考え方も感じ方もそりゃ、何もかも違うはずだろう?」
「…それは…まあ…そうね…」
「だろう?
でもね…僕はわからないままでいたくなかったんだ。」
「…どうして?」
「うーん…なんていえば良いかな。
あくまで僕の個人的な考えなんだけど、
人と人の繋がりってさ、お互いのことをわかろうと…
理解しようとすることから始まると思うんだ。」
人間は自分の気持ちですら時折、わからなくなる。
他人の気持ちがわからないのなんてそりゃ、当然だ。
だが、わからないのとわかろうとしないのは全然違う。
お互いがそれぞれに歩み寄り、
理解しようとするその想いこそが大切なのだ。
そうアルトは考えていた。
「まあ、僕とグレアのファーストコンタクトはほぼ最悪に近かったし、
そういう段階ですらなかったんだけどね。」
「あ、あれはアルトも悪いのよ…!」
グレアは目を逸らしつつ、言った。
「なんにせよ、僕らは出会ってまだ日が浅い。
グレアの悪評は聞いたりしてたけど、
グレア自身のことはまだよく知らないってことに気づいたんだ。」
グレアの悪いところは
この数日で、たくさん目にし、耳にした。
だが、それがグレアのすべてではない。
ぶっきらぼうに見えても、意外と優しかったり…
強がっているわりに、意外と可愛らしかったり…
非常識なようでも、意外と常識的だったり…
上げだしたらキリがないほど、
アルトはグレアの悪いところ以上に良いところもあることを
先の誘拐事件で知ったのだ。
「グレアとは仲良くしたいし(家庭教師の仕事もあるし)
もっとグレアのことを知りたい。
だから、グレアの抱えている想いを聞かせてほしかったんだ。
そう思うのは…変なことかな?」
「!?…へ、変よ…アルトはずっと…」
「ハハッ…たしかに僕は生まれた時から
変だってよく言われてたけどね…」
ドストレートにディスられ、
アルトは苦笑いを浮かべる。
「まあでも、改めてもう一度言うよ。
辛い時は辛いって言ったっていい。
寂しい時は寂しいって言ったっていい。
無理に想いを押し殺して、苦しまなくていいんだよ。
僕にたいしたことは出来ないかもしれないけど、
側にいて話を聞くことくらいは出来るからさ…
グレアの想いを聞かせてよ。」
「…ッ…ゥゥッ!…」
アルトが言い終わる前に、
グレアは堪えきれなくなったのか涙を流していた。
「(よっぽど辛かったんだな…)」
グレアは誘拐された時ですら、泣いていなかった。
それくらい気丈な子だ。
そんな子がこんなにボロボロ泣いている。
抱え込んでいた想いはそれほどまでに大きかったのだろう。
グレアが泣き疲れ、意識を失うまで領主邸には少女の泣き声だけが響いていた。
…
「さっきも思っていたが、
随分と仲良くなったんだな…」
泣き疲れ、眠りについたグレアを部屋に送り届けて、
応接間に戻ってきたゲオルギウスが言った。
「(あ、そっか、ゲオルギスさん的にはそりゃ違和感あるか…)」
言われてみれば、誘拐事件の前はもっと仲が悪かった。
(正確に言えば一方的にボコボコにされていただけだが…)
一応、一連の流れは説明したが、
ゲオルギスからすれば、
帰ってきたと思ったら急激に仲良くなっているように見え、
不思議な気分なのだろう。
「でも、仲良くなるのはいいことだ。
グレアは友達いないからな。」
ゲオルギスはそう言ったが、
あの荒れ具合じゃ無理もない。
「(なんか俺の周りそんなやつばっかだな…)」
フィリアといい、グレアといい、
アルト自身も含め、アルトの周りには友達が少ない奴が多かった。
まあ、フィリアとグレアでは友達がいない理由のベクトルが
まったくといっていいほど異なるのだが。
「(フィリアとグレアを会わせたら、
絶対フィリアがグレアに泣かされるな…)」
どっちにも微妙に失礼なそんなことを考えつつ…
「あはは、まあ僕も友達は少ないですから、
あまり人のことは言えませんよ。」
アルトは苦笑いを浮かべてそう言った。
「そうなのか?
まあ、正直言うと…アルトに家庭教師の仕事を頼んだのは、
グレアの友達になってやって欲しかったからもあったんだ。
こんな言い方もなんだが…
アルトさえよければ、これからも仲良くしてやってくれ。」
「ええ…もちろんです。」
…
その後もアルトとゲオルギスの二人で話は続いた。
一旦、話を整理しよう。
ゴルディアス侯爵家の跡目争いは
長男:グレン
次男:ガリウス
長女:ジーナ
この三人によって争われている。
グレンは長兄ということもあり、
領主補佐として領地の統治を行なっていたらしく、
前候爵亡き後も事実上、侯爵代理を務めており、
保守派の傘下の貴族や役人、民衆からの支持は厚い。
だが、本人の気質的にあまり積極的に争おうとせず…
この政争が長引いている原因の一因でもある。
ガリウスはゲオルギスほどではないにせよ…
三人の中では一番の武闘派だ。
強硬派の傘下の貴族や力を重んずる冒険者や騎士団からの支持を集めている。
しかし、気性が荒く素行不良な一面もある。
ジーナはゴルディアス領都、ゴルギスの街の町長を務めており、
商人や領都の民の支持が厚い。
しかもこの人はガリウスに負けず劣らずの強さを持っているらしい。
ここまで聞くと欠点がなさそうだが、
領都以外での支持はあまり得られておらず、
女性であるがゆえに軽んじられている傾向があるらしい。
この世界では個人間の能力に差はあれど、
闘気や魔力といったものの影響で、
ある程度のラインを越えると、男女間にそこまでの能力の差はないらしいのだが…。
「その三人が争っているのはわかりましたが、
僕らが攫われたのになんの関係が…?」
この跡目争いとアルトたちが攫われたことになんの因果関係があるのかという話だ。
「きっとグレン兄さん以外の候補者の手の者の仕業だろう…
グレン兄さんを後継者争いから脱落させるために
グレアを狙ったんだろう。」
「(俺もその可能性は考えたが…本当にそうなのか?)」
飛空艇の使用や超級剣士を雇っていたこと、
執拗な追跡など…誘拐に対する本気度が高すぎ、
ただの後継者争いにしては手が込み過ぎているようにアルトは感じていた。
アルトがその違和感をゲオルギスに伝えると…
「後継者争いも終局に向かっているということなのだろう。
後継者争いが激化すると…強硬な手段に走るものも現れる。」
との返答だった。
正直、たかが跡目争いに…と感じてしまうのは、
アルトが当事者ではないからなのだろう。
「(なんにせよ…争いなんてのは不毛だ。)」
兄弟同士で争う…そんな争いは早く終わってほしい。と、
この時のアルトは本気でそう願っていた。
…争いの終わりが何を意味するかも知らずに。




