have a story No.0003 耳にする事実
真美のあたたかい声と明るい笑顔に利用者たちの心をリラックスさせ、穏やかな時間を与えていた。
しかし、古びた施設の老朽化は進行していた。その老朽化は真美の心にストレスとして、蓄積していく。
利用者たちの安全と快適な生活を守るため、施設の改善を強く願っていた。
ある日偶然耳にした、修繕担当者同士の会話「しばらく、このままで修繕はしない」という、結論は真美の心に深く突き刺さる。
この問題にはもはや黙るしか方法がなかった。
我慢しながら日常を過ごしていたのだが、それも、限界が訪れる。
真美の身体にあられ始めたのだ。それは、自律神経が乱れ、長期休暇を取ることになるのだ。
他の同僚たちはそんな真美の心身や体調を「すぐ戻るだろう」と安易に考えていたが、真美の不在は学園に大きな影響を及ぼした。
水漏れ箇所増加、悪化は深刻になっていた。
理事長は真美の姿を最近見かけないことが、気になり、長期休暇が延び、やがて退職したことを知る。ここで働きたいと意思を伝えてきた彼女に、何があったのか、疑問を感じた理事長。
他の従業員に真美の退職理由を聞いても誰一人理由は知らず、退職理由を知る事が出来ずにいたのだ。