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笹木さん  作者: N
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1/1

考察のできる短編集です。是非皆さんの考察や感想、コメント等でお聞かせ願います。

自由に考察してみてくださいね

最近、隣の席の笹木さんがやけに冷たい。ついこの前まで、僕に積極的に話しかけてくれたじゃないか。しかも、大きな声で元気良く。




「笹木さん。」




笹木さんはそっぽを向いたまま、僕のことを無視する。




「どうして無視するの。」




返答がないどころか、顔すらこっちに向けてくれない。




「笹木さん。」





笹木さんは、僕の隣の席の女の子。同時に僕の好きな人でもある。ついこの前までは、仲良く話していたんだ。

笹木さんは、冗談だって言ってくれるのさ。


なのに、昨日から笹木さんは僕の話に答えてくれなくなったのだ。僕とずっと一緒にいるのが嫌だったのかな。でも、笹木さんもきっと僕に好意を寄せていたはずなんだ。





「笹木さん、今日は空が綺麗だよ。」





そう答えると、笹木さんはピクリと動いた。





「…空……見せて。」





やっと答えてくれたね笹木さん。やっぱり僕と一緒にいるのは嫌じゃなかったんだ。良かった。

白くて儚い、笹木さん。僕の大事な笹木さん。




「……そら、見せて。」





笹木さんと空を見れるなんて、なんて幸せなんだろう。





「笹木さん、ほら、綺麗な空だよ。」





せっかく窓を開けてあげたのに、笹木さんはこちらを見ない。なんて酷いんだ。

僕は期待してしまったじゃないか。


僕は笹木さんの腕を引っ張って笹木さんを窓のそばに連れて行く。




「笹木さん、ほら見て。」




窓のそばに来ても、顔も向けてくれない。笹木さんは、ずっと下を向いている。


本当に冷たいなぁ、笹木さんは。どうしちゃったんだ。


笹木さんの顔を覗き込む。彼女の頬に、数滴水が垂れた。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

笹木さん end

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【解説】



笹木さんは主人公に監禁されていました。


「空を見せて」


このセリフは、閉ざされた部屋に監禁されていることを表します。教室や、他の場所での出来事なら、誰かに空を見せてと頼む必要なんて、ありませんね。

白くて儚い笹木さん。健康的な白さではないのです。笹木さんに、日の光が当たっていないことを表しています。


空を見せて=自由にさせて


という意味です。



また、「最近冷たい」



このセリフは笹木さんに死期が近づいていることを表します。遺体は冷たいですよね。監禁され、笹木さんは弱ってしまったのです。

最後笹木さんからの返答が無くなったのは、何故でしょうね。

最初、主人公は「前は大きな声で元気に話しかけてくれたじゃないか。」と言っていますが、これは本当に元気に話しかけたのか、それとも主人公に必死に自由を懇願する少女の姿なのか、どちらなのかはご想像におまかせします。


また、「笹木さんは冗談も言う。」これは笹木さんが監禁時に「あなたのことは好きじゃない」とかそういう類の発言をしたと捉えられます。


「笹木さんは、僕に好意を抱いていたのだと思う。」


これは、少女に恋するあまり監禁してしまうような少年の思い込みです。彼は正気ではないのです。



「笹木さんの腕を引っ張って窓の辺りに連れていった。」



きっと少年は、笹木さんに逃げる気力も体力も生命力も無いことが分かっていたのでしょう。

窓の辺りに連れて行っても、笹木さんが逃げることは出来ません。笹木さんはもう、死の際なんですから。主人公は笹木さんを引きづるようにして窓の辺りに連れていきました。


笹木さんの頬に垂れた水は、涙ではなく雨です。


主人公が雨空を綺麗だというほど正気では無いことを示唆しています。



ーーーーーーーーーー

どうでしたか?分かりましたでしょうか。

宜しければいいねの程よろしくお願いいたします!

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