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屋敷の制服  作者: Nocam
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ネクタイ

7:50にはお嬢様を車に乗せて学校へ出発しなければならないので、7:00に里奈は起床し、パジャマ姿で洗顔、整髪をしていた。


そしてこの使用人の仕事の中で唯一苦痛な制服のシャツに着替えていく。


今日はネクタイを結ばなくてはならないので、昨日受け取ったもう一枚の新品のシャツを鏡の前で着ていたが首にシャツの襟の跡が残っており赤くなっていた。


里奈「(あれだけ窮屈だったし当然か、、、今日もまた苦しいの我慢しなきゃいけないな、、、)」


昨日と同じで第一ボタンが中々留まらず顔を上に向けて必死になっている。


1分ほどかけてやっと留め終えた。


里奈「(もう既に苦しすぎるんだけど、、、やっぱりダサいし、、、)」


襟を立ててネクタイを結ぼうとするが、立てた固い襟が顎に当たって気持ち悪いようだった。


里奈はさっさと結んでしまおうと思いネクタイのパッケージに書いている通りにネクタイを結んでいく。


だがネクタイを結ぶのは里奈にとって初めての経験だったので中々上手くいかず、長さも調整できなかった。


里奈「(やっと綺麗に結べた。よし、昨日よりはダサくない、、、これ以上苦しいの嫌だからあんまりネクタイ上げないようにしよう)」


第一ボタンはきっちり留まっているのにネクタイは緩んでいるので違和感があることに里奈は気づかなかった。


そして7:45に車の前で待機しているとすぐお嬢様がやって来た。


お嬢様に挨拶をするが、お嬢様がいきなり里奈の首元に手を伸ばして来た。


里奈「(うぇ!?)」


一瞬で首を締め付けられ思わず変な声を出してしまった。


お嬢様「ネクタイ緩めちゃだめだよ。結び目は限界まで上げておかないと。もうちょっとキツくしてもいいんじゃない?」


そう言いながらお嬢様は容赦なくネクタイを締めつけてくる。


里奈「お嬢様、、、苦しいです、、、」


お嬢様「ここの制服なんだから私の言う通りに着ないとダメだよ。今の方がきちんとして可愛いから」


里奈「はい、、、承知しました、、、」


お嬢様「とっても似合ってるよ。じゃあ行こっか。運転よろしくね」


そう言って車に乗り込み、お嬢様と他愛もない話をしながら学校に向かった。


お嬢様「じゃあ行ってくるね。戻る時も気をつけてね」


里奈「ありがとうございます。いってらっしゃいませ」


お嬢様が学校へ入ったのを確認し、里奈は直ぐにネクタイを緩めようとネクタイに手を伸ばした。


緩め方もよく分からなかったので時間をかけて何とかネクタイを緩めることが出来た。


里奈「(苦しすぎてヤバかった、、、もう誰も見てないし、屋敷まで20分くらいあるし第一ボタンも外しておこうかな)」


第一ボタンも外し窮屈な襟から解放された里奈はご機嫌で屋敷まで戻った。


里奈は屋敷の何個か前の信号で苦戦しながらも第一ボタンを留め、ネクタイを少し上げておいた。


今日は16:00までお嬢様は学校とのことだったので、ちょっとした仕事を済ませ、時々トイレで首を締め付ける襟からの解放感を味わいながら自由時間を過ごしていた。


そして15:30にお嬢様の学校へ向かうため屋敷を出発した。もちろん第一ボタンもきっちりと留め、ネクタイの結び目も第一ボタンが隠れるまで上げている。


16:00を過ぎると直ぐにお嬢様が車までやってきた。


里奈「今日もご苦労様でした」


お嬢様「ありがとう。家までよろしくね」


屋敷に着くなりお嬢様から後で私の部屋まで来てくれと里奈は言われていたので、車を停めた後すぐにお嬢様の部屋に向かった。


お嬢様「朝私を降ろした後ネクタイ緩めたでしょ?」


里奈「え!?は、はい、、、申し訳ありません、、、」


部屋に着くなり直ぐネクタイの事について聞かれ、里奈は動揺していた。なんで分かったのかと思いながらも正直に答えた。


お嬢様「、、、第一ボタンも外したでしょ?」


里奈「はい、、、申し訳ありません、、、」


お嬢様「え?本当に第一ボタンも外したの?」


里奈「え、、、?はい、、、」


お嬢様「朝私がネクタイ上げた時と結び目の形が全然違うからまさかって思ったけど、、、第一ボタンまで外すなんて、、、」


お嬢様はとても残念そうな顔をしていた。


それを見た里奈は本当に申し訳無い事をしてしまったと感じた


お嬢様とは昨日今日の付き合いだったが里奈はお嬢様のことをとても気に入っていた。


里奈「(なんでお嬢様はこんなに服装に厳しいのかな?これ以上悲しませたくないし怒られるかもしれないけど思い切って聞いてみよう、、、)」


里奈「あの、、、お嬢様。お嬢様が服装にこだわるのには何か理由があるのでしょうか?」


お嬢様「うーん、、、里奈さんにはまだ内緒。いつか教えてあげる」


里奈「承知しました。失礼しました。」


お嬢様「でもルールを破ったのは事実だし、罰は与えるからね」


里奈「はい。本当に申し訳ありませんでした、、、」


そしてお嬢様はプラスチックの輪っかの様な物を取り出した。

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