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屋敷の制服  作者: Nocam
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お嬢様

大学4年生になった里奈はそろそろ就職先を決めなければと思い大学の求人一覧を見ていた。


里奈の地元のとある有名な屋敷の使用人の求人が目に止まった。


給料もそれなりに高く、勤務時間は8:30〜17:00で空き時間は屋敷のスペースで自由に過ごすことが可能らしい。


注意事項に月曜から木曜の夜までは泊まり込みで食事は全て屋敷から全て出される事、服装厳守というものがあったが、給料の高さと空き時間は自由という点に惹かれて里奈はそこに就職したいと考えた。


応募人数も一人だったので、直ぐに諸々の手続きを済ませ、内定をもらった。面接官を担当していた2人の使用人もとても人柄の良い方だった。


里奈は安心して最後の大学生活一年間を楽しんだ。




4月1日


8:30に屋敷の指定された部屋で小規模ながら式と食事が行われるとのことだったので里奈はスーツ姿で屋敷へ向かった。


黒のジャケットとスラックス、スキッパーカラーのシャツ姿で里奈は8:00には屋敷に到着した。


式も終わり、他の使用人との食事もとても楽しい時間となりそのまま里奈はそのまま帰路に着いた。


研修などは特に無いようで、明日からは泊まり込みで少しずつ仕事を教えてくれるらしい。




4月2日


里奈は屋敷に着いてすぐに制服を受け取った。


真っ白なシャツと半袖のポロシャツ、黒のパンツ、ベルト、そしてネクタイ、リボン、蝶ネクタイ、ボウタイが入っていた。


ポロシャツは泊まり込みの間の勤務時間を終えた後の服装らしい。


就寝時の服装は自由で良いとのこと。


なんでこんなに色々入ってるのか疑問に思ったが、今日は首には何も巻かなくて良いらしい。


更衣室で黒のパンツを履き、シャツに袖を通す。


なぜかカフスボタンが窮屈で中々ボタンを留めることが出来なかった。


第一ボタンを開けたまま更衣室を出た里奈は第一ボタンまで留めるように言われた。


使用人も第一ボタンまできっちりと留めており、見ているだけでも息が詰まりそうになる程堅苦しかった。そしてダサい、、、


里奈はボタンとボタンホールをつまみ、ボタンを留めようとするがかなり窮屈で失敗してしまう。


ボタンを留めようとする時に首に当たる襟が固くて気持ち悪かった。


顔を上に向けながらなんとかボタンを留め終えた里奈は想像以上の襟の窮屈さに困惑していた。


使用人「曜日によって、ネクタイが変わるんですよ。今日は火曜なので何もつけない日ですね」


里奈「そうなんですね。すみません結構きついんですけど、サイズは合ってますか、、、?」


使用人「サイズはバッチリですよ。お嬢様が決めたサイズなので、そのシャツ以外は着ないようにして下さいね」


里奈「承知しました(なんでお嬢様が決めたんだろう、、、?)」


そして里奈は昼まで自由に過ごして良いと言われた。


指定された部屋で、携帯を触ったり、置いてあった小説を読んだりしながら時間を潰していたが、首を締め付けてくる襟が気になって仕方がなかった。


里奈「(服装厳守って書いてあったし、流石に第一ボタン開けたらダメだよね、、、汗も出て来て気持ち悪すぎる、、、そうだ一旦トイレに入って首を楽にしよう)」


トイレの個室で里奈は第一ボタンを外して首に当たる空気の気持ちよさを味わっていた。


そして5分ほどして第一ボタンをきっちりと留め、個室から出る。


鏡で自分の姿を見るとやっぱりダサすぎる、、、第一ボタンと襟が目立っている。


里奈「襟に何もつけてないからちょっと間抜けな印象になっている、、、苦しいし恥ずかしい、、、」


襟付きの服を好まない里奈にとってこの格好をさせられるのは精神的にもかなり窮屈だった。


そして昼食を終えた里奈は、車でのお嬢様の送迎についての説明を受けていた。


お嬢様は今高校2年生で今日は14:00に学校が終わるので、里奈ともう一人の使用人で迎えに行くとのこと。


一般人では到底買えないであろう黒塗りの外車でお嬢様の学校へ向かった。


学校の駐車場で待っていると、お嬢様が来たので里奈は車から出て自己紹介と挨拶をした。


お嬢様「よろしくね。シャツもいい感じね。とても似合ってる」


里奈「ありがとうございます(お嬢様は人のシャツ姿が好きなのかな?お嬢様もきちんと第一ボタンまで留めているし、、、)」


お嬢様の言葉遣いは今時の女子高生という印象が強かったが、振る舞いには上品さが溢れており、かなりしっかりとした教育を受けて来たのだろうと感じさせる。


お嬢様の制服は紺のブレザーとスカートで、赤いリボンを着けている。シンプルだけど可愛い制服だ。


そして里奈が気になったのが襟が首に食い込むほどのカッターシャツを着ている事だった。


里奈が着ているシャツよりも数段苦しそうだった。


ブレザーのボタンもきちんと全て留めている。


リボンはあまり上に上げておらず、第一ボタンが見えている。


車の中で里奈はお嬢様と意気投合していた。運転をしている使用人が上手く話を回してくれたおかげでもあった。


お嬢様「今度から里奈さんが学校の送り迎えしてよ」


里奈「私が、、?よろしいのでしょうか?」


お嬢様「うん。里奈さんと喋ってると楽しいしね」


里奈「ありがとうございます」


お嬢様「明日からお願いね」


里奈はお嬢様の送迎を明日から任される事になった。


朝は早くなるが、夕方は早めに勤務を終えて良いとの事だった。


屋敷に着くと里奈はお嬢様と話をしたりゲームをしていた。


お嬢様と過ごす時間は里奈にとっても楽しい時間となった。


ただシャツの襟が苦しすぎるのが難点だった。


その間もお嬢様は学校の制服のままで、里奈は窮屈そうなカッターシャツが気になっていた。




17:00


お嬢様「ポロシャツに着替えて来ていいよ。私も着替えてくる。後は自由時間だから」


里奈「もうこんな時間ですか。承知しました。」


更衣室でシャツを脱いだ里奈は首の開放感を味わっていた。


ポロシャツもかなり小さいサイズで、袖も短く、シャツ程ではないが襟が首に当たって気持ち悪かった。


それに真っ白なポロシャツも第一ボタンまで閉めると襟が目立ってシャツ姿とは少し違うダサさになっていた。


里奈「(ポロシャツもダサい、、、これもちょっと恥ずかしいな、、、)」


更衣室を出た里奈はお嬢様と会っていた。


お嬢様はブレザーは脱いでいたがシャツが相変わらず窮屈そうだった。


スカートも脱いでおり、黒いパンツに着替えていた。


お嬢様「ポロシャツもインしておいてね」


里奈「失礼しました」


お嬢様「良いね。すごく似合ってる。明日はネクタイだからね。楽しみにしてる」


ダサい中学生の制服みたいになっているのでは無いかと里奈は一人で羞恥心を感じていた。


お嬢様と夕食も済ませて22:00になり里奈は就寝した。


また明日からシャツを着なければならないと思うと少し憂鬱だったが、ダサい格好から解放され快適な布団で眠りについた。

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