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四階の校舎から見えた
水平線は
いつも霞んでいて
まるで
ぼんやりとした
明日のようだった
夏服のスカートの
軽い生地
偽りなく真っ直ぐに
下りたプリーツ
切りすぎた前髪から
見える世界がまぶしくて
目を細めた
眠れない夜と
眠りたくない夜を
繰り返しても
走り来る朝に包まれ
運び出された 通学路
視線を時に
絡め 交わし
逸らし 見つめた
教室の中
オブラートに包んでも
苦い後味を知っている
刹那を装い
永遠だと信じきっていた
甘ったるさも
望むようには
望まれるようには
振る舞えない
私と彼女のつくる
境目のぬるい曖昧
同じノートを使っても
違うと叫びつづけた
尖った文字が
その名を
キュッと書き付けていた