終末世界とぼっちねくろまんさー
腐臭が漂う大地にボロボロの城が立っていた。
太陽の光は紫の空に遮られ、月光よりも弱々しい光を辛うじて届けている。
城の玉座に皮膚は爛れ、片目が飛び出ており不衛生なローブを着た少女がただ座っていた。
彼女はネクロマンサーであり、死体を操ることができる。
そんな能力を持っていても、彼女は一人ただ時間が流れるのを待つだけだった。
彼女は元々お喋りで、操っていた死体とも毎日遊んでいたほど。この孤独という苦痛に彼女は300年以上耐え続けていた。
操る死体は彼女のいる部屋に山積みになっている。だが、彼女は死体を動かすことはしなかった。
300年以上が経っても城の内部にある死体は朽ち果てることはなく、形を保っている。
孤独を嫌う彼女は死体を操らなかった。
一言も喋ることなく、睡眠を取っているかのように思考を止めようと粘り続ける。それでも、彼女は1秒たりとも意識を手放せない。
――死にたい
彼女の願いはそれだけだった。
自害を何度も試したが、死ぬことは出来なかった。
飛び降りても、少しだけ体が動かなくなるだけ。酸素が必要なく、溺死も首吊りも意味がない。
ギロチンで首を刎ねても、頭と体を別々に動かすだけ。
彼女はこの世から消えたかった。
死にたくなった理由は単純に飽きたからである。
彼女はネクロマンサーになる前の姿を覚えていない。元々ネクロマンサーという存在であった。その程度の認識である。
そして、生まれた時にはもう人間は死滅していた。
昔はあれだけ楽しかった死体と遊ぶことも飽き、何もしなくなっていた。
ネクロマンサーの彼女は何もしない。
城の外には世界が広がっているのに彼女は見もしない。
ただ、自分が朽ち果てるのをひたすらに待ち焦がれるだけだった。
ついに彼女の願いは成就することはなかった。
あとがき
友達3です。前作に引き続きだらだらと解説しています。
今回のテーマは『思考の放棄』となってます。
みなさんはベットに入ってすぐに寝られますか? 時と場合にもよるかもしれませんね。疲れ切っている時にはすぐに寝られるかもしれませんが、それ以外では寝づらいかもしれません。
私は時々なるのですが、寝方を忘れるということはないでしょうか? 毎日やっている事なのに忘れるということは異常なはずです。寝方を忘れた日は数十分は寝付けないなんて事になります。みなさんはそんな経験はないですか? ない? そうですか。
さて、今回のテーマを解説しますとこのネクロマンサーちゃんは思考を捨てることで死(望み)へ向かおうとしています。しかし、300年粘っても効果はなし。これからも苦しみ続ける感じです。
そもそも死のうと思った理由が「飽きたから」。飽きたなら別の場所に行ったり環境が違う場所に行けばいいのになんで移動しないのでしょうね? うーん。と言った所が考察どころです。
この物語は現実世界への呼びかけを含みます。何を意図して書いたかを事細かにあとがきで書くのは読者の想像力を削ぐのであまりしません。ただ一言。
「あなたは閉じた世界で詰まっていませんか?」
話が二、三転するのですが、この小説の元となっているのは村岡作(未公開)「白の珈琲 黒のヨーグルト」という作品に出てくるキャラクターを元に書いております。たった二話しか書かれていない作品で、既に漬物状態になっていた物を利用しております。タイトルが「ねくろまんさー」と平仮名である理由はそういった事情があります。
それでは、ここまでお読みくださりありがとうございました!




