10話 お姉ちゃんと俺2
お風呂シーンです。苦手な方は飛ばしてお読みください。
俺は今日買ったアイスクリームに目をつけたキャラがプリントされているTシャツを左手に、お姉ちゃんに借りたショートパンツと替えの下着を右手に持ち、お風呂場に向かった。
このショートパンツは黒地に白のラインが入っているお姉ちゃんがよく履いていたやつだ。
そう思うとなんかえっちだな。
お姉ちゃんも2階から降りてきて、1階にあるお風呂場に来た。
「お待たせ岬!さあお姉ちゃんと一緒に入ろー!」
いや脱ぐの早いな。
お姉ちゃんはすでに上下脱いでいて、下着だけの姿になっていた。
大っきい。足もスラッとしていて、出るところは出るというモデルさんみたいな体型だ。
前に入ったのは小学生の時で、しかもよく覚えていないから、ほとんど初めて見た。
お姉ちゃんはブラジャーに手をかけて脱ごうとする。
「待って待って!もう脱ぐの?」
「いやいや脱がないと入れないでしょ」
「いやそうだけどもさ!もっと恥じらいというか何というか…」
俺の言葉が聞こえないかのように下着も上下脱いでしまい、生まれたままの姿になってしまった。
まずい!目が離せない…!
でもこれ以上見てるとお姉ちゃん的にも恥ずかしいだろうし嫌だろう。
俺は自分のズボンに手をかけて脱いだ。
「まだー?お姉ちゃんが手伝うー?」
「いいからお風呂行ってて!」
「むーしょうがないなー」
俺はお姉ちゃんがお風呂場のドアを開けて中に入るのを見届けると、パーカーを脱いで、中のキャミソールも脱いだ。
最後にパンツも脱ぐと、俺も生まれたままの姿になってしまった。
いや、俺の場合は生まれたままの姿ではないか。
胸を片手で抑え、お風呂場のドアを開けるとお姉ちゃんがこちらを向いて待っていた。
「お、お待たせ」
「なんでおっぱい隠してるの?」
「逆になんでお姉ちゃんはそんなにオープンなの!?」
「えーだって女の子同士じゃーん」
「まあ見た目はそうだけどさ…」
「えいっ」
「あ!ちょっと!」
胸を隠していた手を掴まれ、お風呂場の椅子に座らされてしまう。
正面にある鏡に自分の裸が映る。
こうやってまじまじと見たことは無かったから、ついつい見入ってしまう。
もう一つの椅子に座ったお姉ちゃんが横並びになる用に移動してきた。
は、裸が近い…。
おっぱい大きい…。
「じゃあ体洗っちゃおうか。岬?おーい」
「え!?な、なに?どうしたの?」
「私の胸見すぎだよ。自分にもそんなに立派なのがあるのに」
まずいばれた!
俺は顔を逸らして俯く。
確かに自分にもあるわ。
今度は自分の胸に見入ってしまう。
待て待て!俺どんだけ性欲強いんだ!
一旦落ち着こう。
よし。もう大丈夫な…はず。
「いや、本当に見るとはね…」
「ち、違うの!下向いたらたまたま胸があっただけ!」
「へー。そっかそっか」
お姉ちゃんがニヤニヤした顔で見てくる。
違うのにー!まあ途中から見入ってしまったけどもさ。
なんて落ち着かない風呂なんだ!
「ほら、自分の胸に見惚れてないで。洗い方教えるからさ」
「み、見惚れてないってば!」
「まずは髪を洗うからね。はいこれ私が使ってるやつ」
「ありがとう。でも前に使ってたやつまだあるよ?」
「だめ!これで洗うとツヤも出てサラサラになるからこれからはこれか私が許可したのだけ使うこと!」
「は、はい」
お姉ちゃんはシャンプーを俺の手に垂らすと、有無を言わせない勢いでそう言う。
でもこれすごくいい匂いだ。
確かにお姉ちゃんが目の前を通る時とかいつもいい匂いだし、これで洗ってたんだなあ。
「とりあえず髪は適当に洗っちゃおう」
「ここはこだわりとかないんだね」
「うーんヘッドスパとか行ったらあるけど、素人が洗うなら普通に洗えば大丈夫だよ」
俺は髪にシャンプーをつけて洗っていく、こんなに髪が長かったことは一度もないため、洗っているとすごく新鮮な気持ちだ。
洗い終わってお姉ちゃんを見ると俺より髪が長いためか、まだ洗っていたため少し待つ。
下を向く。
足小さいなあ。
何cmだろ。あ、そういえば今日靴買うの忘れてた…。
母さんも忘れてたみたいだし、明日とかにお姉ちゃんにお願いして一緒に行こうかな。
やることが本当に多いなと思う。髪も切らなきゃだし、靴や服ももう少し買わないといけないだろう。
「岬、はい手出して。これはコンディショナーね」
「コンディショナー?」
「そうコンディショナー。髪を表面にバリアを張って守ってくれるって言えばわかるかな?」
「そういうのがあるんだ。初めて見た」
「シャンプーみたいにゴシゴシしなくて大丈夫だからね。全体に馴染ませるみたいなイメージでいいから」
「はーい」
俺は手に出してもらったコンディショナーを髪につけて馴染ませる。
うーん男の頃はこの時点でもう体洗ってたのに。
ちょっとめんどくさいな…。
でもせっかくサラサラ髪なんだし少し頑張ろう。
コンディショナーを流し終えた俺は、再びお姉ちゃんの方を向く。
「髪はこれで終わりね。もし染めたりするならトリートメントとかもした方がいいけど、今はこれで十分かな」
「うーん染めるかはまだわかんないなあ。今週髪切りに行こうとは思ってるけど」
「切る時はまたお姉ちゃんに相談しちゃっていいからね。それじゃあ次は体を洗いましょー!岬にやらせたらすごいゴシゴシ洗いそうだから、今日は私が洗うからね」
「お姉ちゃんが洗うの!?」
「はらいいからいいから。まずは背中洗うから向こう向いて〜」
お姉ちゃんはそう言って手にボディソープをつけて背中に触れた。
ああっくすぐったいよお。
昔からくすぐりに弱くて、お姉ちゃんによく脇腹とか触られていたのを思い出す。
「岬くすぐったいんでしょ?ぷるぷるしたり体よじったりして面白いなあ」
「くすぐったいんだもんしょうがないじゃん!んんっ」
お姉ちゃんは背中からお腹へとどんどん洗う範囲を広げ、ついには胸まで手が届いてしまった。
人前でこんな女の子っぽい声出すの嫌なのに…。
お姉ちゃんのことだから、ニヤニヤして入念に胸だけ洗ってくるとかありそうだと思ってたけど、案外すぐに他の場所を洗い始めた。
流石に自分の弟にそこまではしないか。
いたずらしたり恥ずかしいことをしてきたりするけど、昔から面倒見もよくて、今もこんなふうに体まで洗ってくれるなんて本当にいいお姉ちゃんだよなあ。
太ももやつま先、お尻などが洗い終わったあと足を少し開くように促され、俺はその通りに足を開いた。
「ここから洗うの大事だから、ちゃんと見ててね」
「そ、そこもお姉ちゃんが洗うの…?」
「自分じゃわからないでしょ?」
「まあそうだけどさ…」
「このボディソープはあわあわだから大丈夫だけど、それ以外の時はちゃんと泡立てるんだよ」
そう言ってお姉ちゃんは俺のつるつるの下半身にあわあわの手を当ててくる。
最初はどうなるかと怖かったし、すごく恥ずかしかったけど、丁寧に洗い方を教えながら洗ってくれた。
お姉ちゃんはシャワーで洗い流すと、自分は体を洗うから先に湯船に入るように言われたため、俺は湯船に浸かることにした。
男の時は狭いと感じていた湯船も、今では少し広く感じる。
ふう…。色んなことがあったなあ。
でもお姉ちゃんが味方になってくれるのは本当に心強い。
俺1人だたったらお風呂でも大変なことになってただろうし、これからもわからないことが多いだろう。
母さんも助けてはくれるだろうけど、親に体のことを相談したりするのはやはり恥ずかしい。
その点お姉ちゃんは昔からずっと一緒に遊んだり、お互いに相談しあったりする間柄だから、心置きなく頼ることができる。
自分の体を洗い終わったお姉ちゃんは立ち上がって湯船の反対側に入ってくる。
流石に2人で入ると少し窮屈になるが、今はその窮屈さですら俺の心を温める。
◇
脱衣所にでた俺たちは、体を拭いて着替えに手を掛けた。
お互い裸なのはまだ恥ずかしいけど、これからは慣れていかないといけないんだよな。
パンツを履いてショートパンツを履いた俺はナイトブラを手に取った。
これはホックみたいなのついてないんだな。
普通に上から着ればいいのかな?
俺はお店の試着室で習った通りにブラに手を入れ、周りにお肉たちを集めていく。
よし。できた。やればできるな俺!
元男でブラをつけている自分を見られると、変態みたいで恥ずかしかったためすぐに上にTシャツを着た。
「お〜上手い上手い!ちゃんと女の子してるじゃん」
「う、上手いとか言わないでよ!試着室でいきなりブラに手突っ込まれて大変だったんだよ」
「あー確かにお店によっては割と容赦ないと言うか、普通に突っ込んでくるよね」
今着ているのはお姉ちゃんと同じようなTシャツにショートパンツだ。
太ももに布がないのはスースーするが動きやすく、思っていたより着心地がいい。
一通り女子トークを楽しんだ俺たちはリビングに向かうことにした。
いや、女子トークを楽しんでいる俺よ!それでいいのか!
でもこういう話をお姉ちゃんと出来て、恥ずかしさももちろんあったが、嬉しさもあった。
お風呂シーンでしたね。次のお話では家族との軽い交流を描きますのでお楽しみに。
編入の意味をよくわかっていないまま書いていたので、もしかしたらそこの名称だけ変えるかもしれません。
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