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えげつないね

 私は面倒くさいと思ってしまった。 巨魔獣兵器(ベヒモス)超電磁砲(レールガン)だけでも面倒なのに、あの、フードを被った女性の魔法?で動きを鈍らせてくる二段構え後面倒になってくる。 しかも、私たちが落雷を避ける場所、タイミングを合わせた完璧なものだった。 


「アオイ、あのひとを少しの間お願い」

「わかった、ロゼ、巨魔獣兵器をお願い」


 互いに相手を確認して、落雷がやんだと同時に私は巨魔獣兵器に、アオイはフードの女性の前に立った。  


「あなたの相手は私よ」


 私の声がわかっているかわからないけど、巨魔獣兵器の前に立った時に学園の時を思い出して足が震えていたが、今はもう足の震えは止まっていた。

 それに、私はもうあの時の私ではない、巨魔獣兵器に勝てるかどうかはわからないけど、コンちゃんの足を引っ張っていたあの頃と同じではないというところをみせる。

 私は、巨魔獣兵器の超電磁砲が来る前に倒し切らないと、私ひとりでは超電磁砲を無効化できない。 


「大丈夫、コンちゃんがいなくても私ならできる」


 そう呟いた私は瞬動で巨魔獣兵器の目の前まで移動した。 巨魔獣兵器は突然現れた私に驚いた様子を見せたがすぐに角で私を突き上げようとした。


「ほっ、よっ」


 突き上げた角を掴んで、突き上げられた勢いで空を飛んだ。 ただ、空から落ちるだけだと格好の的になることは分かっているから、土属性と火属性の複合魔法を巨魔獣兵器の頭上から落とした。


隕石(メテオ)


 巨魔獣兵器は頭上から赤々と燃え上がる巨大な岩が降ってきていることに気付き回避した。 巨魔獣兵器がこの魔法で仕留められないと分かっていた私は巨魔獣兵器の意識を空中にいる私から別のものに移したかっただけ。

 私は肉体を魔法で強化して、腰から短剣を抜いた。 これは、アリシアさんからもらったミスリルの短剣。 ミスリルの短剣でも巨魔獣兵器の皮膚を貫くことはできないと思うから、落下の速度をつけて巨魔獣兵器に刺すつもり。 巨魔獣兵器が回避した隕石が地面にぶつかった衝撃を利用して私は巨魔獣兵器の真上に来る。  そして、その落下のスピードを乗せて巨魔獣兵器を貫くはずだった。


「なっ!?」


 巨魔獣兵器の背中を完ぺきにとらえていたが、巨魔獣兵器の皮膚が思っていた以上に堅く皮膚に少しだけ傷がついただけだった。 巨魔獣兵器の硬さに舌打ちをしても考えることはやめない。 次、どうすればいいかを考える。 皮膚が堅いのであればどうにかして皮膚をやわらかくする方法はないかと考える。 


「あった」


 今、欲しい回答が見つかった。 私は短剣を傷ついた背に短剣を突き立てた。 もちろん刺さらない、少しぐらつくだけで短剣の剣先がずれるが無理矢理、剣先を傷ついた部分に合わせる。 

 そして、ミスリルの短剣を通して一点だけを熱する。


「ブモオオォォォォ!!」


 あまりの熱さに悲鳴をあげる巨魔獣兵器。 私は、皮膚を熱し終えると次は、そこを凍らせた。 一瞬で凍ったというわけではないけど、私の想像通りならこれで皮膚はやわらかくなったはず。 凍った背中をミスリルの短剣でたたき割って、そこに短剣を突き刺した。


「ブモモォォ!」


 短剣を突き刺した痛みに巨魔獣兵器が暴れる。 私を振り落とそうとしているけど、私は突き刺した短剣を放すことなくしがみついていた。

 そして、私は巨魔獣兵器の体内に焔魔法を使った。


「『原初の灯火』」


 巨魔獣兵器の体内に炎が荒れ狂い、内側から巨魔獣兵器を燃やし尽くしていった。 私は短剣を巨魔獣兵器の背から抜いて、巨魔獣兵器の背から降りていた。


「討伐完了」


 アオイの方を見ると、アオイはフードの女性が私の邪魔にならない様に牽制をしていたようだった。


「アオイ、終わったよ」


 にらみ合っているアオイにそう言うと、一瞬で私の近くまで来た。 アオイは今も燃えている巨魔獣兵器を苦笑いしながら見ていた。


「えげつないね、ロゼ」


 そう言われ、私も苦笑いを浮かべてしまった。

 巨魔獣兵器が燃えているときにフードの女性に動きがあるかどうか見ていたが何の動きもなく燃えている巨魔獣兵器をじっと見つめていた。

 そして、巨魔獣兵器が燃え尽きるのを見終えると、懐から小さい水晶玉のようなものを取り出した。 それは、とてつもなく禍々しく不思議な魔力を放っていた。

 その水晶玉に魔力が吸われていくようなそんな感覚だった。

 水晶玉を私たちに見せつけるように持ち上げ、それを砕いた。 砕いた水晶玉から息が苦しくなるほどの禍々しい魔力が周囲を覆った。

 その魔力が私たちとフードの女性との中間あたりに集まった。 その集まった魔力は可視化できるほどの濃密な魔力でどす黒い色をしていた。

 私たちは何かの攻撃かと身構えたがそれは攻撃ではなく別のものだった。 

 そして、それは攻撃よりも絶望的で恐ろしいものだった。


「嘘でしょ……」

「ありえない」


 私たちはうわ言のように今、目の前で起こっていることを認めようとはしなかった。 否、脳が認めることを拒んだ。

 目の前に広がる数十体の巨魔獣兵器の群れを見て……。

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