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弟子になるか?

読みたいマンガと小説が多すぎる!

俺は、向き合ったロゼに向けて、今一度聞いておくことを聞いた。


『勇者の名前と人数を教えてくれ』

「えっ」


なんで今更? という顔をされたが、すぐに頷くとベットの上から降り、机の引き出しからある紙を出してベットの上に置いた。


『こ、これは?』

「コンちゃんが欲しがった、勇者様の情報だよ?」

『いや、待て。 紙は高級なはずだろ?』

「ここをどこだと思ってるの?」


あぁ、そうだったな、ここはホーヘンハイマ、紙を作ることが特産だったからな。


うんうんと、頷きながら紙を見た。


そこには、三枚の紙に三人の顔の絵が描いており、特徴と名前が書いてあった。


一人目は、黒髪ロングの子で、名前は鹿波結衣。 王都の方では『聖女』と呼ばれているようだ。

二人目は、黒髪をオールバックで、名前は田高裕樹。 王都では、というよりか『光の勇者』というのが浸透しているみたいだな。

で、三人目なんだが、黒髪ショートの子で、名前は明科蒼。 それ以上は書いていない。


ムムッと、顔をしかめていると、ロゼが覗き込んできた。


「どうだった?」

『あぁ、わかったけど……この子は、どうしたんだ? なぜ、特徴と名前しか書いていないんだ?』

「それは知らないよ? なんの権限もない冒険者がそんなこと書けるわけないでしょ?」

『まぁ、そうだな』


うーん、もしこの子が、この二人と比べてそんなに悪い能力ってわけじゃないんだろうけど、それをこの国に求めるのは、苦だよな〜。 魔道士が一番いいと思っているぐらいだからな〜。


「深く考えてるけどどうしたの?」

『いや、お前にとって、魔導とはなんだ?』

「え? そんな当たり前のこと聞くの?」

『いいから』


頭おかしくなったの? と、本当に心配するような目で見られているが、お前が思っているのは、魔道であり、俺が言う魔導ではないはずだ。


「私自身、魔道士になりたいからだけど、魔法を極めることでしょ」


いや、そこでドヤ顏されても困るからな。


『違う』

「えぇぇえ!!」


いや、違うからな。 魔導は、三つからなる異なる系統のものを全て会得してやっと、魔導の真髄に辿り着けるものなんで、そこに至ったものはいないんだよなぁ。


はぁっと、深いため息をついた。


『説明するのがめんどくさいから、簡単にまとめるぞ?』

「いいよ」


聞く気がないのか、そっぽを向いていた。


『たく、聞く気がないなら話さないぞ?』

「え、嫌だ」

『どっちだよ!』


もうなんかめんどくさい。


『魔導とは、ある三つの系統を極めることを言うんだ』

「三つ?」

『そ、三つの系統は全て似ていて非なるものだから、魔導師になり得たものはいないんだ』

「へぇ〜」


他にも言い加えるなら、人間を辞めないと魔導師の道にすら入ることが許されないだろうけど。


そして、俺は覚悟を決め、ロゼにこう言った。


『なぁ、俺の弟子になるか?』

「えぇ!? いいの!?」

『よくなければこんなことは言わねぇだろ?』

「それもそうだよね。 それに、さっきと矛盾してるよね。 さっきは、普通に接してくれって言ったけど、それだと、主従関係がはっきりするんじゃないの?」

『いや、そんなことねえよ。 俺の場合は、弟子にあれこれ求めないから、あと、さっきも言ったけど、今は、俺が従魔。 べつに弟子にならなくても、魔法ぐらいは教えてやるよ』


ふんっと、そっぽを向いてそう言った。


「フフ、コンちゃんの照れ屋さん」


俺はべつに照れてないぞ。


「わかった。 いいよ、弟子になってあげる。 そのかわり、私が強くなるまで守ってね?」


ロゼは俺に可愛らしい命令をしてきた。


そんな命令を出さなくても、強くなるまで意地でも守ってやるってのに、まぁいいか。 俺は俺の役目を果たしてロゼの目の前から消えればいいんだしな。


『あぁ、俺は俺の役目を果たす。 お前はお前の役目を果たせ』

「うん!」


ロゼは、俺に向かって手を差し出してきた。 それに俺は、前足を出して握手をした。


で、師匠って何すんだ? 弟子を取ることも誰かを育てること自体が初めてだけど。 う〜ん、()()()に聞いてみるのが早いかもな。


『ロゼ、ここからロープソンまで、何日ぐらいかかる?』

「え? ロープソン? む、無理だよ、ロープソンに行くまでに死んじゃうよ。 行商人も乗合馬車もあそこまで絶対に連れて行ってくれないんだから!」


え? ロープソンに行くだけだぞ? 駆け出し冒険者でも余裕であそこまで行けるだろ。


「無理だから! ロープソンは、ベテラン冒険者でも、帰って来れない時があるぐらい高難易度の場所だよ?」

『そうなのか?』

「そうだよ!」


ロゼは、ものすごく慌てた様子で言ってくる。 ちょっと待てよ、またあそこで何かあったのか?


『ロープソンで何かあって、行けなくなったのか?』

「な、何にもないよ。 元から高難易度の場所だよ。 天然の迷宮って言われてるぐらいなんだから!」


マジで? あいつのところに行った後、俺の家に行って好きな装備をあげようと思ったけど、あいつのところまで行けないんだったら、最初っから、計画を立て直さないと行けないな。


特になし!

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