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大したもんじゃないさ

毎日一話

街に入る時に、街の名前が書いてある看板があったが、名前がホーヘンハイマだったから、俺が最後にいた樹精霊(ドライアド)の森(俺が適当につけた)だから、西から東へ三百キロあたりか。

変な魔法とともに遠い場所まで飛ばされたなぁ、俺。


「コンちゃんどうしたの? 」

「キュー(なんでもねぇよ)」

「そっか、今からどこに連れて行かれるか心配なんだね」

「キュ!(違うわ!)」


クソ、会話が出来ねぇから歯がゆいな。 ちょっと本気で、念話が出来るようにしないといけねぇな。

ていうか、ホーヘンハイマなら、こいつの容姿も納得いくな。 青髪に蒼瞳のやつなんて、王都にはいないけど、この辺境なら居てもおかしくないな。


「? どうしたの? 何か納得したような顔して?」


少女は、コテンと首を傾けた。


うん、可愛らしい。でもな、あんまりそういうポーズやめといたほうがいいぞ。 いらない虫が寄ってくるから。


「何のことかわからないけど、着きました! 冒険者ギルドですよ! コンちゃん!」


やっぱり冒険者ギルドか。 冒険者ギルド又は冒険組合とか呼ばれてるけど、俺は登録だけして、依頼とか受けてなかったからなぁ〜。 登録抹消されてんだろうな。


「入りましょう! 受付で従魔登録をしましょう!」


元気だな、今から少し痛いことをされるってのに……


扉を開けるとカランカランと、入ってきたことを示す音が誰もいないギルドに響いた。


「誰もいないね」


少女は、受付の前まで行き呼びベルを鳴らした。


「はい! すみません、今すぐ行きます」


奥から女性の声がし、パタパタと急ぐ足音が聞こえた。


「あら、ロゼさん! 初冒険お疲れ様でした」

「ありがとうございます」

「あれ? この子はどうしたんですか?」


受付の人が、俺を真っ直ぐに見ていた。


「え〜っと、拾ってきました! 従魔登録をお願いします!」

「え? えぇ、わかりました」


そう言うと、おもむろに受付台の下を探って、とあるものを取り出した。


「これは?」

「これはですね、従魔登録をするための魔道具です。 それでは、登録をするので、手のひらを出してください」

「は、はい」


少女は、手のひらを魔道具の前に出した。


「それじゃあ、狐さんは、この上に」


そう言われて、俺はめんどくさいと、ため息をつきながら魔道具の上に乗った。


「それじゃあ、ロゼさん魔力をこの魔道具に流してください」


そう言われるままに、ロゼは魔力を流し始めた。

すると、俺の魔力にロゼの魔力が入ってくるのを感じた。


これが、従魔登録をしている状態なのか、なんかむずがゆいな。

他人の魔力が融合していって、最大魔力量が少し増えているような、いないようなよくわからん。


「はい、登録完了しました。 これで、この子が誰かと登録しようとしてもできないようになりましたので」

「ありがとうございます!」

「いいえ、そちらこそお疲れ様でした」


ふぅぁ〜、なんだ? 急に眠気がやってきたぞ? 従魔登録のせいか?


とりあえず、宿に着くまで寝ることにした。


「ふふ、寝ちゃいましたね」

「コンちゃんの寝顔、可愛い」


俺の意識は深い闇に落ちていった。



♦︎


「あ、起きた?」

「キュ(あぁ)」


よし、念話を試すチャンスだ。


『あ、あー、大丈夫だな』

「えっ!? コンちゃん、喋れるの!?」

『今、念話を使えるようにした』

「え!? すごくない!?」

『そんなことはいいけど、もう、喋れないからな』

「もっと喋ってよ!」


そんなこと言われても、本当に魔力がないから、今日はこれ以上無理なんだよな。


『また明日な』

「むぅ、しょうがないな、じゃあまた明日ね」

「キュ!(ありがとな!)」


俺がいた、ベットの上から降りて、ベットの下に潜り込んだ。


案外いいもんだな。

多分、忘れる。 忘れてたらごめん……

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― 新着の感想 ―
[良い点] ロゼちゃんがキツネになったグレンくんを想いやっているところが良いですね! [気になる点] 質問ですが、キツネになる前のグレンくんとロゼちゃんの 年齢はだいたい10代前半〜20代前半くらいで…
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