魔皇、王子を見つける
階段を登ると、広間に出た。右側には門があり、そこが出口なのだろう。左側を見ると、真ん中に噴水のような円形のオブジェがあり、その周りを階段取り囲むように作られていた。
広間には衛兵が数人いた為、すぐに囲まれた。
「囚人が逃げ出した!!すぐに他の衛兵に知らせろ!!!囚人以外は殺しても良い!!」
一人の衛兵が指示を受け、奥の詰所らしき所に走っていく。
多くの兵士を殺したい訳ではないので、その者の頭を魔弾で吹き飛ばした後、隠蔽魔法を使い、四人で階段を上がっていく。
広間では、衛兵が混乱しているが、またすぐに別の使いを出すだろう。何よりあんな大きな声で叫ばれたら、それに気づき勝手に集まってくるだろう。
今のうちに王子の元に向かう方が良いだろう。
「王子はどこやろな。三階か四階あたりや思うけど」
大抵、どこの城の階層も似たような造りになっている。
二階が大広間で、王との謁見場所。その上は、召使いや王直属の上級兵士の部屋、その上に王子達の部屋、といったところだ。
ただ、今回は急いでいるので、「探知」の魔法を使い、生命反応を探す。
「おった。三階やな」
その探知に引っかかった三階の部屋に大して、魔力探知を広げ、内装を確認する。内装、空間の詳細が分かれば、転移出来る。
「イザベラ、今から二人の死を笑た奴のとこに飛ぶ。そいつはお前が殺れ。その変なオーブがあっても、俺が何とかしたるさかい安心し」
どれぐらいの効力があるかわからないが、俺には効かないだろう。アイラ、ティティアにも効かないと思うが、一応魔抗壁を張り巡らせる。何かあれば、怒らない自信がないからだ。
「はい。地獄を見せてやりましょう」
表情を見るかぎり、油断している様子もない。
これなら大丈夫だろう。
「ほな行こか。アイラ、ティティ、頼むで」
「お任せ下さい」
「まかせて!!」
四人に転移魔法を使い、ほの王子の部屋へと移動する。
光に包まれ、目の前が真っ白になった数秒後、その部屋に出た。
そこには銀色の甲冑を着た男と、黒いローブを羽織った奴がいた。
「ハハハ!!!やはり来たな!?下の喧騒は聞こえていたからな!!何かあったのだろうと思い、ペルーノを部屋に呼んでおいたが正解だったようだな!!」
下の喧騒を聞き取っただけでここまで行動出来たのは合格点だ。ペルーノとやらが、魔道士らしき奴か。そいつの手には話に聞いていたオーブらしき物がある。
次の瞬間、黒い煙のような物が俺たちの周りを取り囲んだ。
「タナトス様!!これです!!これに包まれて力が・・・あら?」
俺が作った魔抗壁に阻まれ、その煙は俺達を包むことが出来ない。やはり、魔力で出来ている。
魔力で包みこみ、対象の魔力を制限するのだろう。体内には魔力が溢れているが、その力を抑えられれば、自然と体力等も抑えられてしまうだろう。
「な、なんだ!?何故効かない!?おいペルーノ!どういうことだ!魔力が強い奴程効くんだろ!?何故こいつらには煙が届かないんだ!!!」
「た、タナトス・・・だと・・・!?」
魔道士ならば、俺の名は知っているだろうな。人間界で使われている魔法のいくつかは、俺が作ったものだからな。
「た、タナトスってあの、魔皇のタナトスか!?何故そんな奴がここにいるんだ!!」
「色々確認したいことがあるんや。お前らはこっからもう逃げれへんで。覚悟せぇ」
タナトスの逆襲が始まる・・・




