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優しい魔皇の冒険記  作者: たんたん
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魔皇、反撃

檻を派手に魔法でぶち壊した。

その音で、兵士や衛兵達が殺到するだろうが、関係ない。


「イザベラ、一個だけ確認やけど、なんでお前は無傷なんや?」


それだけが疑問だった。今のうちに不明要素は消すべきだ。


「簡単な話です。弄ろうとしてたのですよ。まぁ、襲おうとした奴らはさすがに殺しました。オーブが無ければ、私は負けません。しかし、配下の動きがおかしく、念話にも応じませんでしたので、様子を見ておりました」


それも疑問だった。他のヴァンパイアが俺を知らないのはおかしい。そのオーブを持っていた魔道士とやらに後で確認しなければいけない。

だがその前に。


「アイラ、ティティ、お前らは手出すな。アルヴィとザラミアに魔皇の背中を見せたらなあかん。お前らはイザベラを守れ。変なオーブ持っとるらしいし、もしかしたら魔族専用の強力なやつかもしれんさかい」


普段、俺が怒ると慌てて止めに来るが、今回は気持ちを汲んでくれた。


「御意。この身に替えても・・・」


「黙れ。また俺に家族が死ぬとこ見せたいんかお前は」


「も、申し訳ありません・・・イザベラとティティには、指一本触れさせません」


ビクっと身体を震わせた後、怯えたように頭を下げるアイラ。ティティもアイラを心配しながらも身体を震わせている。

申し訳ないが、今は謝る気も出ない。後でちゃんと謝ろう。


牢獄を出ると、奥に階段が見えた。その階段から、ドタドタと小煩い音が聞こえてきた。


「な、何だ今の音は!?」


やはりここは城だな。俺が思っている通りだったなら、ゼオンには後から謝らなければいけない。まぁ、謝る気はないが。


何十人もの甲冑を着た衛兵が降りてきた。

手には剣や槍、大盾、勢揃いだ。


「き、貴様!ここで何をしている!?ど、どうやって入ってきた!?」


「黙れ、クズ共が」


偉そうな口をほざいているくせに、腰が引けている。なんとまぁ、情けない。これで衛兵が務まるのか?


「イザベラ、アルヴィ達のことを笑いながら言うた奴はここにおるか?」


俺がすることの一つ、そいつは必ず見つけなければならない。たとえこの城にいなくとも、必ず探し出す。


「い、いえ、ここにはおりません。金の長髪の若い男でした。装飾の入った甲冑を着てましたが・・・」


それだけ聞ければ、後はこいつらに聞けば良い。


「おい、ここに金の長髪の奴おるやろ?どこや?」


「そんな輩は知ら」


『どこや?』


魔族や精霊族、人間の魔道士の中には言霊を操る者がいる。言葉に魔力を乗せ、対象の魔抗力によって成功率や効果の強さが変わるが、効果が出た場合、恐ろしい程従順になる魔法。

操言(マリ・オラ)


「う、うぁ・・・その方は第二王子のセルシオ様です」


「な、き、貴様!!何故答えている!?」


周りの衛兵がその男を取り押さえるが、無駄だ。

効果時間は数分、必要なことを聞かなければならない。


「そいつはどこや?」


「くそ!!魔術か何かか!!」


一人の男が操言に捕えられた男の口を塞ぎ、数人が腕や足、胴体を抑える。だが意味はない。念話でも聞けるからな。


『王子はここより上層、王子のお部屋にて普段過ごされている』


『今はどこだ?』


『時間的にも、今は王子の部屋だ』


『ご苦労』


その言葉を最後に、彼の頭は爆発した。

押さえ込んでいた奴らは怯え、肉塊と化した彼を突き放した。


「無残な死に方したとしても、仲間を捨てるように手ぇ離したらあかんやろ」


「だ、黙れ!!殺した奴が偉そうにほざくな!!」


「クズが」


奴らに向かって腕を伸ばし、手を広げた。手をグッと握り、奴らの空間を抉りとるように魔力を固めていく。俺が嫌いな奴によく使うオリジナルの魔法の一つ。


次元握殲(エル・デスペラーデ)


「な、なんだ!?うわぁぁ!!ぎゃああああああいいいあああああああ!!!!!!!」


目に映るのは黒い円形の魔力が奴らを内側にゆっくり押し潰すような感じだ。

これは強力な魔力により、時間、空間に歪みを起こす。一瞬で押し潰される彼らは、時間の歪み、また魔力により、痛覚にも影響を及ぼし、痛みが遅れてゆっくりやってくる。

身体という身体が、じわじわ潰されていく痛みを、ほんの数秒、しかし永遠とも言える長さで食らい続ける。

さらに、この魔法はその魔力が壁になり、逃げることも出来ない。


今ので半分は消した。数千人程度までは楽に広げられるが、その分魔力を込めねばならず、建物や土地自体に影響を及ぼしかねない。


「どかんねやったら殺す。どくんやったらさっさと逃げ。応援呼んだら全員殺す。好きに選べ」


チャンスはやった。後はこいつらが選ぶだけだ。


「お、王の元には絶対に行かせ・・・」

頭を弾けさせた。チャンスはもうない。


「おいで、『カロン』」


召喚魔法、それは太古から存在する魔法。

召喚するには基本的に条件が二つ。

一つはそれらを呼び出せる程の魔力があること。

二つ目、服従させる為に、徹底的に打ちのめすこと。

カロンは魔界から繋がる獄界に生息し、悪しき魂が輪廻に入り転生する際に道案内をする者。

ただそれは普段の仕事であり、俺が召喚した時は別の仕事をしてくれる。


「後は頼んだで、カロン。狩り終わったら、好きにしてええで」


それだけ言い残し、俺は二階へ向かう。


「な!?い、行かせるか!!!」


数人が俺の前に立ちはだかろうとするが、無駄だ。

カロンからは逃げられない。


「行くで。皆はよおいで」


その場にはもう、俺とアイラ、ティティ、イザベラと共に、王子の部屋に向かう。



魔皇、敵を滅殺



魔界、人間界、精霊界以外にも、世界がたくさんあります!

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