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伝説となったニンジン

作者: 陰宗

昔、昔、あるところに一本のニンジンがいました。そのニンジンは真っ白でヒョロヒョロとしていて、お世辞にも美味しそうとは言えませんでした。


彼を育てた農家のおじさんは、


「こんなんじゃ、商品にならないよ。捨ててしまいましょう」


と言って捨ててしまいました。


ニンジンは嘆き悲しみました。どうして、僕はこんなに弱そうな、ヒョロヒョロとした状態で生まれてしまったんだ。こんなんじゃ、誰にも食べてもらえない……。それに、僕はこんなにも真っ白だから、誰にも美味しそうだとは思ってもらえないんだ。僕がもっと力強くて、綺麗なオレンジ色だったらみんなに喜んでもらえたのに……。美味しく食べてもらえたのに……。


しばらくして、ニンジンは旅に出ました。長い長い、自分磨きの旅です。みんなを、美味しい!と笑顔にさせるためニンジンは色々なところに行き、自分を磨きました。北は北海道、南は沖縄まで。色々なところを旅しました。次第にニンジンは大きく、太く、育っていき立派なニンジンとなりました。しかし、その真っ白な姿だけは変えることが出来ませんでした。


自分磨きの旅から帰り、地元にあるアゴおばさんのお弁当屋さんに向かったニンジンは言いました。


「アゴおばさん!アゴおばさん!僕を美味しいお弁当に変身させてくださいな」


アゴおばさんは言いました。


「あんたみたいな、真っ白なニンジンは無理だよ。あんたの店は白カビが生えたニンジンを出すのか!って怒られちまう」


ニンジンは悲しくなりました。どうせ僕なんて、誰からも必要されないんだ。もうこんな人生こりごりだ!ニンジンは行くあてもなく走り出しました。


山を越え、谷を越えニンジンは走ります。走って、走って、走って、ニンジンはとうとう倒れてしまいました。もう僕もこれでおしまいか。ニンジンは悔しがり、悲しくなりましたが、疲れ果ていたので涙すら出ませんでした。


足音が近づいて来ます。見ると、男の子と女の子の二人組です。彼らは言いました。


「We need an idea for a new cartoon character.」


「I agree. How about a vegetable?」


「That sounds OK. But, for a stronger impact, give it wings to fly. 」


「Good idea.」


(意訳)「僕たちは新しい漫画のキャラクターで良い案がないか探してるんだ」


「そうなんだ。野菜とかどう?」


「それは良いね!だけど、インパクトがあった方が良いよね。羽根を生やしたらどうだろう!レッドブルのように!」


「良いアイデアね!めっちゃクールじゃない!」


どうして英語なんだろう。ニンジンは思いましたが、すぐに、どうでもいいやと考えるのをやめました。彼らはそこでニンジンを手に取ります。白銀のボディーが輝く、美しいニンジンです。


「そうだ!真っ白いニンジンに羽を生やしたらどうだろう!」


「それは最高にクールね!」


そうしてニンジンは、違う意味で受験生のみんなを笑顔にさせましたとさ。めでたしめでたし。


補足ですが、アゴおばさんは、センターの時買ったお弁当屋さんの名前です。


初見の時ビビりましたね。1ページめくったらいきなりニンジン。ってか、笑うわ!どうしたらニンジンに羽を生やすという発想に至ったのか。平成最後のセンター試験だからって張り切りすぎぃ!


個人的には古典の玉水物語も良かったです。百合百合感がたまらん。


ただ今AIも連載してます。興味持ったら読んでください!


だれか、ツイッターとかで拡散してくれないかな(チラッ)。


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