速度を落として自宅を狙え!(8話)
「俺さ、最近家の段差で良く躓くから何か可笑しいなと思ってたんだよ」(和真)
「なんだ?ついに変な病気でも見つかったのか?」(栄牙)
「ついにってなんだよ!?どんな目で俺を見てるんだよ!?」(和真)
「え?言って良いのか?」(栄牙)
「やっぱりいいや…それでな」(和真)
「続けるのかよ…」(栄牙)
「俺の健康とは関係ない要因だったんだよ、実は…地震の影響で家が傾いて…」(和真)
「え?それって結構深刻じゃ…」(栄牙)
「るわけないだろ!!うそぴょーんべらぼ!?」(和真)
「人の家の前で何アホな嘘をついているのよ!!」(那々)
「おおー…靴でも容赦ないな?」(栄牙)
「大丈夫よ、こんなの挨拶代わりみたいなものでしょ?」(那々)
「そう言えばそうか」(栄牙)
「そんなわけあるか!?見ろ!靴の後が頬にくっきりついたじゃないかべぼばが!?」(和真)
「…因みに、何で今のは蹴ったんだ?」(栄牙)
「何でって、右の頬に跡が付いたから左にも付けてあげようと言う親切心から?」(那々)
「・・・那々って優しいよなぁ…」(栄牙)
「それほどでもある♪」(那々)
「三人とも…さっきから重蔵さんが物凄い形相で睨んでるよ?大人しくした方が良いんじゃないかな?」(八重那)
「お嬢様のご学友でなければ誅さつしてやるところだ…」(重蔵)
「やんちゃしたい年頃なんですよ、許してあげて下さい」(華)
「華さん…それ、私のセリフです…」(澪音)
「お嬢様のセリフを取るとは…おなごでも許さんぞ!!」(重蔵)
「ひぃぃ!?ごめんなさいぃぃ!!?」(華)
「「「ざまあみろ!良い子ちゃんぶるからだ!!」」」(栄牙&和真&那々)
「貴様らが一番罪深いわ!!」(重蔵)
「「「大変申し訳ございませんでした!!!」」」(栄牙&和真&那々)
「お、落ち着いて下さい、重蔵さん。彼らも悪気があってやっているわけではないと思いますので」(澪音)
「お嬢様がそう言うのでしたら…」(重蔵)
「そうだぜ、爺さん?若輩者のやることにいちいち腹を立てていたらきりがないぜ?気楽に行こうぜ!!」(和真)
「・・・お嬢様、この男の抹さつ許可を」(重蔵)
「和真さん!?いくらなんでも、いきなり馴れ馴れしくし過ぎですよ!?」(澪音)
「え?この爺さんとてつもない堅物みたいだろ?これくらいやった方が良いかと思ってだな…」(和真)
「物事には限度と言うものがありまして…」(澪音)
「「重蔵さん、遠慮なくやっちゃって良いですよ」」(栄牙&那々)
「ちょっと待てぃ!?お前ら、裏切るのか!?」(和真)
「すまんが、お前一人犠牲になれば丸く収まるんだ…やすい物だろ?」(栄牙)
「私は、元々あんたの味方になったことなんてないし」(那々)
「二人とも酷くね!?」(和真)
「・・・こんな風に愉快な人たちなのですよ?」(澪音)
「不快なだけなのですが…仕方ありません、お嬢様がそこまで言うのなら…」(重蔵)
「ありがとうございます、重蔵さん♪」(澪音)
「お嬢様に笑顔になって頂けるなら、この重蔵何だって致しますぞ!!」(重蔵)
「ここまで澪音至上主義だと鬱陶しそうね…」(那々)
「しっ!?黙ってろよ?折角丸く収まりそうなんだからな…」(栄牙)
「爺さん、澪音にべったりし過ぎて嫌われてるんじゃないか?」(和真)
「「おまっ!?」」(栄牙&那々)
「何を言うか!?お嬢様が私を嫌うわけがないだろう!?ですよね?澪音お嬢様!!」(重蔵)
「もちろんですよ。でもその…休日は実家に戻られてはいかがでしょうか?折角、父が暇を出しても屋敷に残られてしまっては意味がないですし…」(澪音)
「何を仰いますか!私が少し留守にした間に、お嬢様にもしもの事があったらと思うと…!?」(重蔵)
「そのお気持ちは大変嬉しく思いますが、今の日本ではそうそう命の危険に及ぶような事は起こらないと思うのですが…」(澪音)
「甘いですぞ、お嬢様!!隕石が降って来たらどうするんですか!?謎の武装集団に襲われたら!?政府の陰謀に巻き込まれたら!?そんな時に、私がいなかったらどうなさるんですか!?」(重蔵)
「そこまでの事が起こったら重蔵さんがいても変わらないと思うのですが…。分かりました、これからもお願いしますね」(澪音)
「もちろんでございます!!!」(重蔵)
「えっと…つまり、重蔵さんは澪音のスt」(華)
「しっ!それ以上はダメだよ!?」(八重那)
「それでは…改めて我が家をご案内致しますね」(澪音)
「良いか?中に入るのはお嬢様のご学友と言う事で仕方ないが…余計な物には触らないように。お嬢様に変な菌がうつったら大変だからな」(重蔵)
「重蔵さん、学校では日常として皆さんと接しておりますし、問題ありませんよ?」(澪音)
「なんと…やはり、私が学校について行ってお嬢様をお守りせねば…」(重蔵)
「・・・重蔵さん、私が安心して学校で勉学に励めるのは重蔵さんに家を守って頂いているお陰だと何度も申し上げたはずですが…」(澪音)
「それは分かっておるのですが…ぐぐぐ、私がもう一人おれば…」(重蔵)
「もう一人いたら澪音がストレスで倒れるんじゃないか?」(和真)
「お前は心の中でだけに留めると言う事を学ぼうな?」(栄牙)
「ふん、貴様らはただ単にお嬢様の傍に居られる私が羨ましいだけだろう?」(重蔵)
「重蔵さん!そんなこと…」(澪音)
「「「「めっちゃ羨ましい!!!」」」」(栄牙&和真&那々&八重那)
「あ…じゃあ、私も!!」(華)
「・・・華さん?別に、無理に乗る必要はない所だと思いますよ…」(澪音)
「何か仲間外れな気がして…」(華)
「ふっふっふ!羨ましいか小僧ども!!お嬢様のあんな姿やこんな姿を見れるのは、傍に仕える私にとっては何よりの褒章なのだ!!」(重蔵)
「あんな姿やこんな姿だと…!?」(和真)
「今ならこいつやっちゃっても正当防衛が通じるんじゃない?」(那々)
「さすがにそれはないんじゃないかな…」(八重那)
「重蔵さん、写真はないんですか?良ければ見せて…」(栄牙)
「「「一人だけおこぼれを貰おうなんて!?この裏切者!!!」(和真&那々&八重那)
「いや、だってさ…」(栄牙)
「あるぞ?いつも肌身離さず持ち歩いている秘蔵のコレクションがな!!」(重蔵)
「「「「なんだってー!?!?」(栄牙&和真&那々&八重那)
「見たいか?見たいだろう!?だが、貴様らなどには見せてやらんわ!!」(重蔵)
「そんな事言われて諦められるか!?こうなったら力づくで見るまで!!うおおおおお!!」(和真)
「甘いわ!小僧!!」(重蔵)
「ぐはぁ!?」(和真)
「おお!?那々以外に飛ばされるところを初めてみたなぁ…」(栄牙)
「・・・仲間がやられたと言うのに薄い反応じゃな?」(重蔵)
「調子に乗るなよ!奴は、我々四天王の中でも最弱」(那々)
「おま…それは言っちゃダメなやつだろ…」(栄牙)
「何か変なノリになってるね…」(八重那)
「何やらわからぬが…これが見たかったら私を倒してからにするのだな!!」(重蔵)
「重蔵さんもノリノリじゃねぇか…」(栄牙)
「元より、押し通るつもりだ!!」(和真)
「相変わらず復活早いわね…」(那々)
「吹っ飛んで無傷とか本当に人間か疑わしくなって来たな…」(栄牙)
「人類ですよ!?そこから疑わないで頂きたい!?」(和真)
「まあ、とりあえず…隙ありキック!!」(那々)
「はっは!良い蹴りだが、まだまだだな!!隙をつくと言うのは良い作戦だが、私にはそんなものは通じんぞ!!」(重蔵)
「私の蹴りをかわすなんて…」(那々)
「これはマジになるしかないな!!」(栄牙)
「全員で力を合わせるしかないって事だね!!」(八重那)
「よし!みんな行くぞ!!うおおおおお!!!」(和真)
「しゃらくさいわ!小僧!!」(重蔵)
「へぶしぶべ!!?」(和真)
「・・・一人で飛び出すとか馬鹿なの?」(那々)
「今みんなで行く流れだったよな!?何でみんなついて来ないんだよ!?」(和真)
「「「何か和真について行くのが嫌だった」」」(栄牙&那々&八重那)
「酷くね!?」(和真)
「・・・諦めると言う事で良いのか?」(重蔵)
「和真は四天王でさいj」(那々)
「もう良いっての!!重蔵さん、歳より相手とは言え賭ける物が物だ…本気でいくぞ!」(栄牙)
「わ、私も頑張るよ!!」(八重那)
「仕方ない…みんなで山分けよ?」(那々)
「さて…俺の本気を見せる時が来たようだな!!」(和真)
「「「間に合ってます」」」(栄牙&那々&八重那)
「だから何で俺だけ扱い酷いんだぼべぇ!?」(和真)
「和真ぁ!?おのれ…よくも和真をやってくれたな!?」(栄牙)
「・・・あ奴がいると話が進まない気がしてな…」(重蔵)
「「「わかってらっしゃる」」」(栄牙&那々&八重那)
「さあ…かかって来るが良い!小童ども!!」(重蔵)
「行くぜ!」(栄牙)
「やるわよ!!」(那々)
「うん!!」(八重那)
「お、俺も…」(和真)
「まとめて叩き潰してくれるわぁ!?」(重蔵)
「・・・何なんですかこのノリは…」(澪音)
「当人を置いてけぼりだね?」(華)
「華さん、先に私の家をご案内しますね」(澪音)
「わーい!楽しみ♪」(華)
「みなさん、終わったらあとから来て下さいね?」(澪音)
「小娘…やはり、やりおるな!?」(重蔵)
「お爺さんこそ!その歳でこんなに動けるなんてやるわね!!」(那々)
「今の所、俺らは牽制程度しか役に立ってないな!!」(栄牙)
「あの激闘に割り込むのはちょっと…」(八重那)
「俺に任せろ!うおおおおぶべるば!?」(和真)
「・・・一人突っ込んで行って両方から攻撃貰ってるバカがいるけどな…」(栄牙)
「何であれで無傷なのかな…」(八重那)
「和真だからとしか言えんな…」(栄牙)
「見事に誰も聞いてないね?」(華)
「そのようですね…では、参りましょう、華さん」(澪音)
「うん♪澪音を独占だぁ♪」(華)
「本当に、華さんはスキンシップが好きですねぇ」(澪音)
「澪音は良いにおいするし、柔らくて気持ち良いから大好き♪」(華)
「そう言って頂けると嬉しいです。毎日スキンケアは欠かせませんからね」(澪音)
「やっぱりそうなんだ?それで、どこの使っているか聞いても…」(華)
「ふっはっはっ!その程度か?小娘!まだまだ甘いわ!!」(重蔵)
「くぅ!これが経験の差だと言うの!?」(那々)
「が、頑張って那々!!」(八重那)
「負けるな那々!澪音の生写真がかかってるんだぞ!?」(栄牙)
「そうだった!負けられない!!やあああ!!!」(那々)
「ぬっ!?まだこんなに動けるとは…これは油断出来んな!?いくぞ!!」(重蔵)
その後、しばらくして澪音がすでにいなくなっていると気が付くまで激闘が続いたそうな…
「これだけ待たせてまた爺さんがハッスルしただけって…」(和真)
「言うな、そこは触れちゃダメな所なんだ、きっと…」(栄牙)
「最後までお読み頂きまして、ありがとうございます♪次話もよろしくお願いしますね♪」(澪音)
「おお!?一切触れずに締めに入ったぞ…?」(和真)
「だから、お前は拾うなよ…」(栄牙)
「また来年お会いしましょう♪」(澪音)
「「こんな半端でまた来年…だと!?」」(栄牙&和真)