第5話 トウモロコシ・イチゴ
「シャクシャク……シャクシャク……シャク……」
うむ。うまい。うまいぞ。これぞ『トウモロコシ』だ。
シャキっと歯ごたえシャキっとコーンだ。
やっぱ色々試してたら勝手に覚えちゃったよ。
トウモロコシの中でも色んな品種を作れるようになってたけど、『ピュアホワイト』を作れるようになりたい。
あれは作るのにものすごく手間暇かかるし、採取量も多くない。そのかわりめちゃめちゃ甘くて美味しいのだ。
だが俺の能力さえあれば一瞬で作る事ができる! しかもコストもかからない!
最高じゃあないか、しかも美少女が2人もいるんだぜ! oh my god!
えーどれどれ今のスキルは、っと
「オープンウィンドウ」
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ユニークスキル【農畜産業】
スキル
【種創造】Lv:7
【種植え】Lv:6
【促進】 Lv:4
【収穫】 Lv:4
【開拓】 Lv:1
【園芸用品創造】Lv5
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うむ。
ちょっと成長したな。
【種創造】もそこそこ増えてきた。
『じゃがいも』
『大豆』
『きゅうり』
『トマト』
『とうもろこし』
『茄子』
『タマネギ』
結構増えたけどまだこれくらいか。
そんで、この中で『品種』が分かれている感じだ。
果物とかも増えてほしいけどいつ覚えるかなー。
ちなみに【開拓】というのを覚えたが、これはその名の通り土地を開拓してくれる。
木とか草とかが生えているところに使うと、『ずずずずずずず』という音と共に更地にしてくれる。
元々あった木や草などはある程度思った場所に移動できる。
そして更地やもともと何も無いところに使うとそこそこ思い描いた畑や田んぼとかを作れる便利スキルだ。
よーし、頑張れ俺のスキルよ、もっと俺を楽にさせてくれ。
※※※※※※※※※※
2人の少女がじゃがいも畑に水をやっている。
「ねえフィア、サカモト様のことどう思う?」
「えっ、な、何よ急に……」
「なんか不思議な方だよねー」
「あっ、そう、そうね……」
「フィアどうしたの? お腹でも痛いの?」
「い、痛くないわよっ」
「そう? ならいいけど。 なんかフィア最近変じゃない?」
「は?! ななな、何言ってんのよ、シルっ。そんなことないよ?」
「ほんとかなぁ〜? 特にサカモト様と一緒にいる時とかぁ〜?」
シルはにやにやしながらからかっている。
「いいいいいやいやいやそんなことない! ぜーったいない!」
フィアは耳をピンとたて、反応する。
「フィアって昔から分かりやすいよね〜。嘘つくとき尻尾丸めてるんだよ?」
「えっ! そんなことっ、えっ?! ……むぅ、違うの!こ、これは犬の本能なのよ! 血に逆らえないだけなのよ!」
シルは相変わらずにやにやしている。
いつもは大人しいのにたまにからかってくるのよね!
でもそうなるとフィアはいつもシルには勝てない。
「そっかそっか〜。じゃあ私がサカモト様、貰っちゃうよ?」
「え−−」
シルは何を言ってるのだろう。自分でもびっくりするくらい頭が真っ白になる。
なんで自分でもこんなに驚いているのかも、まだ分からない。
「じょ、冗談だよ? ほ、本気にしないでよ?」
「う、うん……。もちろんだけど……」
さっきとは打って変わって、フィアの耳と尻尾が下に垂れている。
「全くもう……ほんとに分かりやすい子」
「ごめん……」
「フィアはなーんにも悪くないよ」
「うん」
「さ! 水やり終わったし屋敷に行くよ! サカモト様が美味しいものくれるかもだよ?」
シルが先に歩き出す。
「あ、待って〜!」
フィアもおいていかれないようと歩き出す。
「……でも、もたもたしてたらほんとに取っちゃうかもよ……?」
シルの呟きは誰に耳にも届かずに空を切る−−。
※※※※※※※※※※
「よし、……を作れるようになった……これはあの2人が喜んでくれること間違いなしだ……ふふっ……ふふふふふ……」
あの2人は俺の虜になるだろう。俺なしでは生きていけない身体になるがいい……。ふふふ……あーっはっはっはっはっ!
※※※※※※※※※※
「サカモト様いますかー?」
シルの声が聞こえる。
「2人とも、きたか」
「はい、水やりが終わったので遅くなってしまいました」
「いやいや。明日の朝、水やり終わったら来てくれとは言ったけどまだ朝の7時だぞ……。早すぎにもほどがあるだろ」
それだけハーレムエンドに近づいているという事なのだろうか。でも彼女のいた事の無い俺には1度に2人の少女と話をするというだけでいっぱいいっぱいなんだけどな。
もしこれ以上増えたらキャパオーバーしちゃうぜ。
「す、すみません! もう少し遅く来るべきでしたよね……」
「いや、全然大丈夫だからほんともっと早くても大丈夫だから」
謝るシルも可愛いな。
……フィアはさっきから一言も話してないけど、俺なんか怒らせたっけ? ハーレムルートから遠ざかってる?
「それはそうと、実はさっきいいものが完成したんだよ。それの味見をしてほしくてね」
「「いいもの?!」」
2人が声を揃える。
フィアも笑顔を取り戻している。そう、君には笑顔と華が似合うよ。
「そうさ! これだ! 女の子なんだからこれは食べた方が良い!」
2人の前に赤く染まる宝石のような果実を差し出した。
「サカモト様! これは?!」
フィアが食い気味で質問してくる。
「うむ。これは、『イチゴ』という果物だ」
「イチ……ゴ……?」
とフィア。
「果物といえば王国でも稀少とされている……」
とシル。
正確に言うと『野菜』に分類されるのだけど、日本じゃ果物として扱われていたし、『果実的野菜』って言われているからいいよね。
ちなみに品種は『とちおとめ』だ。
「さあ、食べてくれ。ほっぺた落っこちるぞ」
「「はむっ」」
本能で分かるのだろうか、ヘタの部分だけ残している。
「な、なんですかこれ! とっても甘い!! この前食べた『とまと』よりもずっと甘いです!」
シルが驚きと喜びを足して×100したくらいの表情をしている。
可愛いなぁもう。
「……あ、あのサカモト様、もっと食べてもいい?」
謙虚そうに聞いてきているが、それとは裏腹にフィアが耳をピクピクさせて尻尾をぶんぶん振っている。
どんどん食べて欲しい。愛してるぞ。
いちごを食べているだけなのに、「はむっ」「もにゅもにゅ」「むしゃむしゃ」という咀嚼音が部屋に響き渡る。
途中シルは「幸せ……」とか感想を口にしているけど、フィアに至っては無言でぱくぱく食べている。……もちろん耳と尻尾は稼働しているが。
「どうだ、フィア?」
もふもふのそれをピクピクと動かして反応している。
「す、好きですっ!」
「へ?」
「あっ、ち、違っ! 『いちご』が! 私、これ好き……」
び、びっくりした……。公開告白かと思った……。
まさかフィアに限ってそんなことあるはずないからな。
「そ、そうだよな。うまいよな。好きになってくれてよかったよ!これは『とちおとめ』って言ってな。俺の故郷でも有名な種類なんだ。これよりもっと甘いやつもあるから、いつか食べさせてあげるよ」
そう。俺のオススメは隠れた名作『ももいちご』だ。
酸味が少なく甘さをより感じられる一品だ。
今はまだ作れないけど、きっといつか作れるようになるだろう。
「絶対! 絶対だから! 約束!!」
「お、おう、約束するよ」
よほど気に入ってくれたのか頬を紅潮させている。
「でもサカモト様、こんな美味しいもの私たちだけ食べてもいいのですか? 他の人たちに申し訳なくて……」
「いいんだよシル。これは2人の仕事みたいなもんだ。もし大量に作って皆の口に合わなかったら嫌だろ? だから、それを防ぐ為に2人がいるんだ。だからこれからもたくさん食べて、感想を教えてくれ」
「そういうことなら……わかりました!」
「分かった!」
2人が元気よく返事する。
さっき言ったのは本当だけど、ほんとはただこの2人に食べてほしいからだ。
2人に食べてほしいのが割合的には多い。9:1くらいで。
「そうだ、2人とも。じゃがいもの調子はどうだ? ちゃんと育ってるか?」
「はい、もうかなり育っていると思います。一度見てほしいです」
「分かった。じゃあ今から畑に行こうか」
「ありがとうございます!」
最近2人は前より元気になった気がする。
やはり、『食』の力は偉大だな。
生産者として、嬉しい限りだ。
「よし! ふたりともいっくぞー!」
2人は返事をし、3人で屋敷を後にした。
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