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第25話 鶏小屋。

 





 国王との謁見を終えた後、王都を後にしすぐに村へ帰った。


 そして村長2人と各区長を呼び総勢22名に今回の一件の説明をする。



 村の更なる発展計画。

 移民を受け入れるメリットデメリット。



 なるべくわかりやすく、理論的に説明し皆の理解を得る。

 意外にもかなりすんなり受け入れてくれて、逆に嬉々として予備の食糧を集めてくれるそうだ。

 今までほとんど税金として徴収はしていなかったからこそなのかもしれない。

 だけど、『いずれ徴収するからね!』……と事前にいってあるから大丈夫だろう。多分。



 しかしながら1年経った今では幸い、農作物の収穫量は中々のものになっていた。

 生活を維持するだけの量は十分獲れている。

 むしろ王都の味を知ってしまった今の俺にはよほどこの村の方が充実しているのではないかと思い始めていた。


 だけど今回行動して思ったけど、結果何事もないにしても、大きく動くときは一応区長までには伝えた方がいいな。

 もし反対意見が多数出た場合、後の祭りってことになりかねないしな……。



 まあ食糧の収集は2,3日あれば終わるだろう。


 基本的には『じゃがいも』をメインに準備してもらうことにした。

 これさえあればとりあえず飢え死にするのを回避できるだろう。

 下手に他の野菜を集めても全員に行き渡らなくなるし、不平不満がでてきてしまうからだ。



 とりあえずはこんなものだろう。



 国王には準備でき次第すぐに戻ると伝えてあるので、3日後くらいにはまた王都に行くことになるかな。

 ただ、持って行く量が量だから今回は荷馬車を何台も使わなければならないだろう。



 ……約束しちゃったしあの3人にも声かけなきゃだよなぁ。



 ーーーーーーー

 ーーーーー

 ーーー




「シルーフィアー」



 畑で作業している2人に声をかける。

 流石に1年も農作業をしているからか、様になってきている。



「あ! 戻ったのね!」


「おう。さっきな」


「お帰りなさいチサノ様!」


「ああ、ただいま」


「畑まで来て、どうしたの?」



 2人と挨拶をして、質問される。



「ああ。国王様と話をしてきたんだけど、3日後くらいにまた王都に行くから2人にも手伝って欲しくてね」


「え! 行く行く!」


「手伝います!」



 2人とも即決すぎるな……。



「あ、ありがとう。食糧を王都に運ぶのを手伝って欲しいんだ。遊びじゃないからな」


「うん!」


「はい!」


「ちなみに2人は馬車には乗れるのか?」


「うん。私達も昔は何度か王都にいったことがあるから乗れるよー」



 どうやら王都に必需品やらを調達しに行く時は乗ったことがあるらしい。

 こんな女の子でも乗れるなんてすごいな。村の男どもは何やってんだ。ちなみに俺はできません。



「なら荷馬車の操縦は任せた!」


「うん!」

「はい!」



 3日後に、といい一旦別れる。


 次は、っと。




「おーいヘラーおつかれー」


「あっ、チサノさん! お疲れさまです! 帰ってきたんですね」



 狐の少女も畑で作業をしていた。



「ああ。でも3日後にまた王都にいくから手伝ってくれないか?」


「は、はい! お任せください!」


「ありがとう。ちなみに馬車には乗れる?」


「馬車……私、操縦はやったことなくて……」



 ちょっと俯き哀愁を漂わせている。



「そ、そうだよな……じゃ、じゃあ向こうでも積荷の運搬とかあるかもしれないし、その辺を手伝ってくれないか?」


「そ、それでよければ……」


「大丈夫だ。ありがとう」



 さすがにシルとフィアを連れて行ってヘラを連れて行かないってなると可哀想だからな……。

 まあ荷物の積み降ろしとか色々あるし人手が欲しいのは事実だ。女の子だけど頑張るんだ! 飴と鞭だ!



「よし、じゃあ3日後に手伝ってくれな」


「はい!」



 そういい、ヘラと分かれ畑を後にした。



 よし、後何人かに声かけてひとまず俺の仕事は終わりだな……。

 馬の数に限りがあるから増やし過ぎはできないし、あと数人ってとこか。もちろんダンテとアルフは頭数に入れておこう。








 ※※※※※※※※※※







 馬車要員を確保し、俺は屋敷へと戻った。




「よし、俺に与えられた時間は三日間か」



 俺は屋敷裏の畑のさらに隣の土地に足を運ぶ。

 スキルを使う為の簡易的な小屋が建っており、当たりには畑が広がっている。


 さすがに屋敷裏の土地も余裕がなくなってきたな。

 これからのことを考えると全然敷地が足りないな……。

 しかし余っている土地の前に立つ。



「よし! とりあえず作業開始だ!」





 そう。

 俺は『鶏小屋』作りを開始する——。






 『鶏』を育てるにあたり、だいたい1坪あたり2羽〜5羽くらいが目安だ。


 ゆくゆくは広い養鶏場を作るつもりだけど、まずはここからだ。【召喚】も試してみたいしな。

 ちなみに養鶏場にもいくつか種類があってそれぞれメリットデメリットがあるけど、今回は小学校とかによく設置してある鶏小屋をイメージすると分かりやすいかな。

 それのスーパーミラクル簡易バージョンを作ります。はい。




 まずは木材を調達する。

 そして寸法を決め切断する。


 大きめに作りたいので、長め大きめ多めで作成する。

 簡易的な小屋とはいえ広さは大切だ。



 後はとんかんとんかんしてくっつけて網を張る。


 日本なら電動ドリルとかで楽々だったけど、今は自力でとんかんとんかんするしかない。

 DIYは道具を揃えないと俺には厳しいか……。



 一日中かかりっきりで、やっと完成しました。



 ……大変だなぁ。

 DIY的なことはあんまり得意じゃないからなんとなくの知識だっけけど、簡易的な小屋でも大変や……。

 1日中作業してこのクオリティ……。



 ちなみに完成したのは長方形の『小屋』って感じではなく、屋根が三角になっている『A型小屋』である。


 簡単な作りのわりにちょっと大きめに作ったけど……一応10羽くらい入っても大丈夫かな……?



 中には『止まり木』『餌箱』『巣箱』等も設置しておく。



 餌は麦や野菜くず、とうもろこしなどを配合したものを準備する。


 もちろん虫等を与えればそれはそれはお祭り状態になるが、用意するのは手間がかかりすぎるので断念だ。



「よしっ!」



 これでとりあえずは一通り完成した。

 あとは実際に『鶏』を『召喚』するだけだ。




「は〜とりあえず今日はもう遅いから明日だな〜」






 俺は新たなスキルを明日使用することを決意し、屋敷へと戻る——。







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