第一話 この状況を理解できる人がいるなら私に教えてください。
初投稿作品です!
自分が好きなことについて、表現してみました!
ちなみに、作者も実際に、役者をやっております(笑)
これを見て少しでも演劇に興味を持っていただけたらと思います。
そして、どんどん面白くしていきますので、序盤のシリアスさは勘弁してください(笑)
第一話 この状況を理解できる人がいるなら私に教えてください。
「んんっ…!」
足にジンジンとした痛みが広がる。
でも、私はその痛みを無視して、状況を確認するために辺りを見回す。
辺りはいつの間にか真っ暗だ。1メートル先も見えないくらいに。夜になったのか?いや、そうじゃない、と思う。だとしたら、きっと、着地に失敗して変なとこをぶつけたに違いない。
あー、やっちゃったか、私?
これがあの世というやつなのかぁ。思ったより真っ暗だなぁ。
まあ、自業自得ってやつなのかな。自分勝手にしすぎたのは確かだし。
私がいなければ誰が部長やるのかな?ま、きっと誰かがやるんだろうな。
そして、私のいなくなった部で、よくわからない前衛的でアーティスティックなものをやればいいんだ。
はぁ、落ち込む…。もっと、部活やりたかったな…。
というか、この状況なに?死んだのに、誰か使いの人とか説明とかないの?埃っぽいし、少し変な臭いがする…。例えるなら体育倉庫の臭いだ。あれ、よく見ると辺りに何か置いてある?なんだろこれ?
「……だ。」
「……かよ。」
はたと気がついた。誰かの話し声が聞こえる。こちらに近づいてるみたいだ。もしかして、あの世の水先案内人ってやつ?!
「確かここにしまったはずだけど…。」
「どこだよ!ったく!また団長にどやされるぞ!」
近づいてくるのは大人の男の声だ。なんか二人して関係ない話をしてるのは分かる。こんな適当な感じの人たちに私あの世に送られるのぉ…?
ガラッ、ガラガラガラ!
戸を開くような音が聞こえたと思った瞬間、強い光が前方から差し込んでくる。暗闇に慣れきった私の目はその明かりに耐えられるはずもなく、
「うわっ!まぶしいっ!」
と声をあげた。そしたらなぜか、
「うわっ!誰かいるっ!」
と、一人の男。
「ド、ドロボー!?」
と、もう一人の男。
なになにどゆこと?!状況はそっちのほうが把握してんでしょ?!
「お前、こんなとこで何やってんだ!」
「ち、ちがいます!私、死んだからここに連れてこられたんです!」
「…は?何言ってんだ?生きてるじゃねえか!動いて喋ってんだろ!それとも実は幽霊ですだなんて言うんじゃねえだろうな!」
「そ、そんな嘘でごまかされると思う、なよ…!」
「いや、嘘じゃなくて、公園でブランコ乗ってて、着地にミスって変なとこに…って、え?私、生きてるって?…やった!私、まだ生きてた!!」
「お前は何訳わかんねえこと言ってんだ!とにかくそこから出てこい!」
「わ、わかりましたから、そのライトこっちに向けないでくださいよ!
眩しいんですって!」
「あ、ああ、これか。」
前の男が明かりの向きを下にしたことで、ようやく周りを少し見ることが出来た。
そこは、まるで物置き部屋だった。とても狭い部屋で、辺りには所狭しと物が置かれていた。男によると、私はどうやら生きているみたいだけど、どうやってこんなとこまで来たんだろ?まさか誰かに連れ去られてきた、とか?
っと、こんなこと考えてる場合じゃない。
私は、床に置かれた物を踏みつけないよう、ゆっくりと摺り足をするように前へ歩を進める。
男二人がいるところは廊下なのか、この部屋よりかは幾分明るかった。
男たちは私に不信感を抱いてるみたいで、私が部屋から出てくるのを黙って見ていた。
「ふう。やっと出てこれた。それにしてもなんだってこんな狭いとこに…。もう、身体中ホコリだらけだよ。」
私は身体中についた埃をぱたぱたと叩いて落とす。
「なんだ、お前ヒト族か。珍しいな。」
「し、しかもまだ子供みたいだよ…?どうする、ポッキー?」
スカートについた埃を落としながら、二人の話に耳を傾けていると、気になるワードが聞こえた。ヒトゾクってなに?人族ってこと?
眩しさを少しこらえながら顔を上げ、改めて男二人に目をやる。
そして、即座にヒトゾクの言葉の意味が分かった。なぜなら、男の一人は猿の顔で、もう一方は、亀の顔をしていたからだ。
「…!?あ…えっ…うっ…?!…そぉん…。」
バタン!
「お、おい!お前どうしたんだよ?!」
「あ、あわわっ!た、大変だ!大変だよぉ~!」
私はあまりの驚きに人生初の気絶をしてしまったのだった。
読んでいただきまして、誠にありがとうございます!
ある程度定期的に続きを執筆しようと思いますので、期待してくださっている方、楽しみにお待ちいただけたらと思います。