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花水木
よろしくお願いします。
あの日、あなたが突然訪れたあの日、あなたは私にシンプルな花束を渡した。
それは白い白い花が咲いていた。
長い長い間、電話も手紙もメールすら一通も全くくれなかったあなたが玄関にいきなり現れて呆気にとられた。
あなたがいなくなってからどれくらいの日々が過ぎただろう。いろんな事が変わった。好きでも嫌いでもないから嫌いになってしまった花。
季節が変わる度に私に花束を渡していたあなた。あなたに渡された花が咲く度にあなたを思い出して何も知らずに泣いていた私。それがあなたの望みだったと知ったのはあなたらしくない涙目と涙声で謝られたときだった。
あなたに会いたいと強く思いすぎて幻を見てしまったのかと思ったあの日。
泣きそうなあなたを見て思ったの。
あなたが現れてまた変わると。
謝るあなたを見て思ったの。
嫌いな花々が愛おしいと。
泣いていないと真っ赤な目で嘘をつくあなた見て思ったの。
泣いていた日々が大切な思い出になると。
永続性、私の想いを受けて下さい、と泣いているせいでつっかえながら語る花束。
花水木。
ありがとうございました。