表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6、コンゼツ根絶計画  作者: 黒十二色
第三章 根絶計画を根絶計画
47/54

47、最初の半霊体

 もともと、世界には半霊体などという、灰色な存在は無かった。

 半霊体の発生は非常に珍しい現象である。何人も半霊体の人々がいて、その者たちが霊界に街をつくり暮らしていることを思えば、そう珍しくもなさそうに感じられるが、彼女たちは基本的に不老不死。死ぬほどの怪我を負っても死ぬことはないし、病気をすることもないため、地獄の終点行きでもしない限り、なかなか消えない。

 限定的であるとはいえ、現世で生活を営むことだって可能であるが、現世で普通の人間のように生活している者はごくごく少数である。

 現世で生活。果たしてそれは幸せか。

 幸せだと考える半霊体も多数居る。

 その中の一人が桃井もこであったりするのだが、そうでもない半霊体も多い。現状に不満を持って霊界で過ごす者も少なくない。たとえば時田まことのように根絶計画というものに大いに疑問を持つ者も居る。

 そもそも、最初の半霊体というのは誰で、どのようにして生まれたのか。

 それはそれは、はるか昔。

 霊界の支配者たる円魔は、一人の人間に恋をした。そこから霊界の全てが始まった。

 現世を生きる、女性だった。

 円魔という名の死の神は、その子を手に入れようとした。手に入れるために作り出した世界が、霊界である。

 もともと、天昇すべき魂と、転生すべき魂を選り分ける通路でしかなかった場所に、円魔の力で霊界を具現化させた。

 しかし、彼女を招いて霊界で何不自由ない暮らしをさせたにも関わらず、円魔にはこれっぽっちもなびかず、「帰りたい」と泣いて過ごした。

 それでも円魔は、彼女を帰さなかった。霊界で暮らせるように、半分人間、半分霊体のまま、そばに置いた。

 そして彼女は自ら命を絶つ。これで半霊体のできあがり。

 初めての半霊体が生まれた時の話である。

 円魔に与えられた力というのは、ものの本質を見極めたり、記憶や魂を操ったり、生きている者を霊界に招いたりといった力くらいのもので、つまり、どの道、円魔の力では、彼女はもう生きるも死ぬも無理な体になってしまった。そこで円魔は彼女を自由の身にした。

 彼女は現世に帰った。しかし年をとらなくなって、時折体が透けるようになる。死ぬこともできないし、人間世界にも溶け込めない。かといって霊界に行ってみても、やることがなにもない。

 彼女が欲しがったのは、自分と同じ境遇の者だった。

 同時に彼女は、自分と同じように自らを傷つける者を助けたいとも思った。

 そして、根絶計画というものが生まれた。

 人助けをさせることで、悲しい最期を遂げた人を幸せにしようと。半霊体の自分自身を救済をしようといった計画として。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ