醜い私をアナタに愛してほしい!
“醜い私をアナタに愛してほしい!”
飲み会で知り合った、陰気な女に俺はこう言われる。
その飲み会で現れた、“一人の女。”
数人の男女が集まり、みんな初めて会う飲み会だったから
俺も楽しみにしていたのに、、、。
その中に、“地味で暗い一人の女が混じっていた!”
・・・しかも? そっと俺の隣に座ったこの女。
『“初めまして、陽香と言います。”』
『あぁ、宇貝です、よろしく。』
『“宇貝さんって、彼女は居るんですか?”』
『・・・い、居ませんけど、』
『“良かった。”』
『えぇ!?』
『“私にも彼女になるチャンスがありますよね?”』
『・・・・・・』
・・・出会って直ぐにこんな事言われたら、なんだか怖いよ。
しかも? “見るからに陰気で地味な女だし俺はこんな女に好かれたくない!”
俺はトイレと言って一回席を立ち、 戻って来ると席を変えた。
席を変えた俺を、“ジッと睨みつけるように女は俺の方を見ている。”
しかも? 他の男と全然喋らないし。
只管俺だけを見て、チャンスがあれば俺に近づいて来てこう言うんだ!
『“私ならアナタを幸せにできますよ。”』
『・・・・・・』
なんか不気味で気味の悪い女。
俺はこういう女が苦手だ!
それなのに俺は何故か? こういう女に好かれるらしい。
俺はその後、飲み会で知り合った別の女の子と二人で○○ホテルに
行く事になったのだけど?
あの女が俺達の後を着けていたらしく、○○ホテルに入る途中で、
俺に声をかけてきた!
『“どうしてそんな女と○○ホテルに行くの? 私の事を大事にするって
言ってたじゃない!”』
『えぇ!? そ、そうなの?』
『“この泥棒猫! 私の男に色仕掛けで誘って、醜い女!”』
『そんな言い方ないんじゃない? そっちこそ陰気な女じゃない!』
『こんな所で喧嘩なんてすんよ! 取りあえず場所を変えて、』
『もういいわよ! アンタにこの男くれてやるわ! じゃあバイバイ!』
『・・・えぇ!? ちょ、ちょっと待って、』
『“私の事、どう想ってるの?”』
『どうも思ってない! なんで俺の邪魔をするんだよ!』
『“邪魔なんて、ただ私は、、、”』
『もう帰ってくれ! もう二度と俺の前に現れるな!』
『・・・・・・』
*
・・・その1年後、その女はもう俺の前に現れることはなかった。
でもその代り、“俺は新しい彼女ができたんだ!”
『来週の土曜日、どっかに行かないか?』
『別にいいよ。』
『何処に行きたい?』
『“○○ホテル”』
『えぇ!?』
『お願い、アナタと一緒に行ってみたいの!』
『・・・べ、別にいいけど? 変わってるよな。』
『ありがとう。』
何故? 彼女は、○○ホテルに俺と行きたいのか不思議に思った
のだけど、、、?
その時の俺は、それほど気にもしていなかった。
*
『まさか? 私が顔を全て整形しているとは彼も思ってもみていないみたい!
あの時の地味で根暗で暗い女が、今の彼の彼女なんて彼は信じないだろうし。
私はやっと彼を私のモノにしたわ! もう彼を誰にも渡さない!
彼は私のモノ! これからもずっと私のモノ、、、。』
・・・俺はのちに、“今の彼女があの時の女だと知る!”
怖い話だが、彼女と付き合っていてもまさか? あの時の女だと
俺は今でも信じられないんだ。
こんなに気の合う女性は、今まで会った事がないぐらい俺とあの女は
相性がいいようだ。
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