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7話《予兆》

 授業が終わり、ベックはすっかり意気消沈したレイジと廊下を歩いていた。


「それにしてもこっぴどく叱られてたね」


 二人は配布された模擬刀を早々に壊し、それでも戦い続けていた。更に体慣らしの模擬戦だと言われていたのに片方が戦闘不能になるまで行っていた為、レイジはナチュレーザからお叱りの言葉を受けていた。


 ベックが意識を取り戻した時はレイジが叱られている真っ最中で、ベックもかなりの覚悟をしたが、今回は被害者ということもあり軽い注意だけで済んだ。


「ちっとばかしやり過ぎた……マジですまねぇ」


「いいよいいよ。別に怪我とかはしてないから」


「それはそれで悔しいけどな」


 友人に怪我をさせずに済んだ安堵と共に、自身の一撃で外傷を与えられなかった悔しさが心の中で絡まり複雑な気持ちになる。


「あ、お疲れ様です」


 レイジたちが遅れて教室に戻ると、ライアが声をかけてきた。


 その後ろにはいつも通りフェーレが付き添っている。


「大丈夫でした?」


「おう、なんとかな」


「すごい戦いでしたね。すっかり魅入っちゃっいました」


「そうか?」


 少し照れ臭そうにするレイジは、誤魔化すように話題を変える。


「あーそういや、隣のクラスに編入生が入ってきたらしいな」


「隣のクラスって、一組の方ですか?」


「いや、三組だ。噂によるとかなりのイケメンだって……」


 レイジはそう言ってから自身の安易な発言に後悔した。もし今の言葉を聞いてライアに興味を持たれてしまえば……


「へー、そうなんですね」


「あんまり興味無さそうだね?クラスの他の女子はイケメンだって聞いて、一目見ようと捜しに行ってたよ」


「私はそこまでそういうのには興味ないですし、フェーレもでしょ?」


「うん……」


「そうか」


 レイジは自身の頬が僅かに上がっていることに気付いているのだろうか。


「レイジ君たちは気にならないんですか?」


「別に男には興味ねぇからな」


「そうだね。それに、クラスは違くても同じ学年なんだから、どこかのタイミング出会えると思うよ」


「確かそれもそうだな」


 同じ学年とはいえ、他クラスと干渉する機会はそこまで多くない。偶然廊下ですれ違ったり、食堂でその姿が見れればいいと考えていた。


 しかし、そんな想定とは裏腹にその機会はすぐに訪れた。

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