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楽して生きれるほど甘くはない世界で。  作者: 成田楽


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25話《不明瞭》

 ポケットに入ってる小箱はあと一つ。


 物があることに鬱陶しさを感じるが、これも仕方のないこと。


 これで喜んでもらえるのなら安いもの。


 二人の部屋を出てからも、念のため人を避けて歩いていた。


 バレて問題事になったところでどうだっていい。どうだっていいが、せっかくできた友人を裏切ってまで表立った行動をする必要はない。


 思うがままに動けない。そのことに、気分が上がらない。


 でも、たまにはまったり向かうのも良いだろう。


 目的を作ってしまうから駄目なんだ。過程を気にしてはいけない。


 結果さえ思い通りになればそれでいい。


 気楽にいくんだ。時間はたっぷりあるんだから。


 今日は色々あった。


 レイジとベックの二人と一緒に行った武器屋は楽しかった。


 知らないものが沢山あったし、レイジは愉快で面白かった。


 店主も気さくな人で接しやすかったから、また誘われたら行ってもいいかもしれない。


 でもあの水の魔道具は失敗だった。今度から気を付けるとしよう。


 あぁ、わかってるって。


 ……下位互換の代用品は持ってても意味ないもんな。


 そもそも使わないだろうけど。


 それとこれとは話が違うか。


 まあ、その話はもう終わりにしよう。


 ……あの後、まさかフェーレからネックレスを貰えるとは。


 思い出せば昨日、露店でフェーレからプレゼントをもらえるとなっていた。


 無理矢理レイジに連れられて行った魔道具エリアで爆発を見たりしてすっかり忘れていた。


 ネックレス……どうしようか。


 見た目は好みだが、やはり不都合だ。


 でも付けないわけにもいかないし、これについてはあいつに相談するか。


 指輪はどうだったんだろうか。渡した意味があったのか?


 感謝はされたが、念のため感想でも聞くべきだったな。


 ん?


 …………


 それならいいか。よかったよ。


 にしてもまさか君がフェーレに……あぁ、やっと着いた。


 地味に奥の方なのが面倒なんだよな、ここ。


 鍵は……かかってないみたいだな。


「入るねー」


「もう入ってるように見えるのはオーちゃんの気のせいです?そういう言葉は入る前に言うべきだと思うのです」


「いつものことなんだからいいじゃないか」


「玄関から来るとは思ってなかったですからビックリです」


「色々あってねー。とりあえずこれ貰ってよ」


「……指輪とかです?」


「正解。よくわかったね」


「どんな心変わりです?ロアがこんなイケたことできるとは思えないのです」


「オーちゃんだから言うけどさ、実は武器屋の店主がただでくれたものなんだ」


「……ちょっとでも嬉しく思ったじぶんが馬鹿だったです」


「嬉しく思ってくれたなら御の字さ。それで、ちょっとした相談というか、お願いがあってね」


「……?」

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