おひるね
きいちゃんも少し大きくなり、気をつけてそーっとおろせばおふとんでおひるねができるようになりました。
今日は、しごとがお休みのお父さんが、きいちゃんのおひるね当番になりました。その間、お母さんは台所でお昼ごはんの片づけを、とうくんはほかのへやでブロックあそびをしていました。
片づけがおわって、お父さんときいちゃんがねているへやをのぞいたお母さんは「うふふっ」と思わずわらってしまいました。ふたつならんだおふとんに、みぎてを上にあげるようにのばし、左手は体のよこにつけた、まるでおうだんほどうを手をあげてわたっているみたいなすがたのお父さんときいちゃんがいたからです。そっくりなポーズをしている二人があまりにもかわいらしく思えて「こんなにかわいいすがたをお父さんは見られないのよね?あら、それはかわいそうね。そうだ!しゃしんをとっておいてあげれば、お父さんも見られるわよね」と考えたお母さんは、いそいでカメラを出してきました。
「カシャ!カシャ!」
何まいもしゃしんをとりました。
「とうくん!とうくん!ちょっと来てみて!」
そして、小さいこえでとうくんをよびました。とうくんは「そんなにあわてて、どうしたのかな?」と、ふしぎそうなかおをしながらお母さんのよこにやって来ました。
「うわぁ!お父さんときいちゃん、二人そっくりだね!」
「ねっ?そっくりでかわいいでしょう?」
それから少しのあいだ、お母さんととうくんは、しずかにお父さんときいちゃんのねているすがたをニコニコとながめていました。
べつのお父さんのお休みの日。お母さんはまたカメラでお父さんたちのおひるねのしゃしんをとっていました。でも、こんどはとうくんをよびません。だって、ふとんの上には、このまえと同じくおうだんほどうをわたるポーズをしたお父さんときいちゃん、そしてとうくんがねていたのですもの。