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きいちゃん



 きいちゃんは、体重がほかの赤ちゃんよりちょっぴり重く生まれました。赤ちゃんの体重は、ふつうはだいたい3000グラムくらいだそうです。3000グラムというのは、お店で売ってるお砂糖の袋が3つ分と同じです。でも、きいちゃんはお砂糖の袋4つ分よりももっと重かったのです。ですから、お母さんは「大きいからきっとミルクもたくさん飲んでくれるでしょう」と思っていました。ところが、きいちゃんは少ししか飲んでくれませんでした。うっくんうっくんと少し飲むと疲れてしまうのかすぐに眠ってしまうのです。生まれて病院を退院するまでのあいだに体重がどんどん減ってしまったので、病院の助産師さんから「体重がちゃんとふえるか心配なので、来週きいちゃんのようすを見せにつれてきてちょうだい」と言われてしまったくらいです。

 そんなふうにミルクを少し飲むとすぐにねむってしまうきいちゃんですが、ねむったと思ってお母さんがだっこからふとんにおろそうとすると「んぎゃー」となき出します。お母さんは「あら、まだしっかりねむれていなかったのね。つぎは、きいちゃんがおきないくらいよくねむってからふとんにおろしてあげましょうね」と思いました。でも、もう一度やっても「んぎゃー」。それからなんどやっても、お母さんがきいちゃんから体をはなそうとすると「んぎゃー」とすぐに泣き出してしまいます。一日になんどもなんども気をつけてそーっとねかせようとしてみたお母さんでしたが、そのたびにきいちゃんが泣きだしてしまうということがそれからもつづくようになりました。きいちゃんがなかなかふとんでねてくれなくても、お母さんはごはんのしたくをしたり、せんたくをしたり、うちのしごとをいろいろしなければなりませんでした。ですから、お母さんはかわいそうだとおもいながらも「きいちゃん、ごめんね。おせんたくさせてね」「きいちゃん、ごめんね。ごはん作らせてね」と、「ごめんね」「ごめんね」と言いながらうちのしごとをしていました。

 きいちゃんも、だっこをしてほしいのをガマン。お母さんもだっこをしてあげたいのをガマン。これは、お母さんがきいちゃんをおんぶをしながらしごとができるようになるくらいまでつづきましたし、また、こんどはどうしたらなかせずにおんぶからふとんにおろせるか、いろいろやってみるということがつづいていったのでした。

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