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おっさん騎士、逆行転生してドラゴンの妻となる  作者: 未羊


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第89話 魔力測定を終えて

 騒然とする教室の中、マキュリが改めて水晶玉を見ている。


「ひびが入っているという事もないですし、ちゃんと機能しているので問題はなさそうですね。……何だったのでしょうか、今のは」


 水晶玉に手を当てながら、マキュリは疑問の言葉を呟いていた。

 それは俺が聞きたい事だよ。

 結局のところ光ったのは一瞬だけだったので、見間違いだろうという事で残りの学生たちの魔力測定は続けられたのだった。

 無事に授業は終わったので、俺はブレアたちと帰ろうとして立ち上がったのだが、そこへマキュリがやって来て声を掛けてきた。


「アリス・フェイダン、あなたはちょっと私と一緒に来なさい」


「はい?」


「いいから、来なさい」


「……はい」


 マキュリの圧に負けて、俺は渋々了承せざるを得なかった。まったく、なんだってそこまで俺に執着するんだよ。


「ブレアさん、ちょっと用事ができてしまいましたので、先に戻っていて下さい」


「分かりましたわ、アリスさん。ささっ、みなさん、帰りましょうか」


 教室から出ていくブレアたちを、俺は虚しさたっぷりに手を振りながら見送ったのだった。


 俺はブレアたちと別れ、マキュリたちと一緒に職員たちの部屋へと連れてこられた。当然ながらその部屋には他の教師陣も控えていた。

 フリードは不思議そうな顔をしているが、ジークの方はものすごくウキウキした顔をしている。この辺にも、教師たちの性格の差が出ている。やめろ、ジーク。戦いたそうに俺を見るんじゃねえよ。

 それはさておき、マキュリとナリザスの二人は学園長と副学園長を相手に何やら話を始めていた。おそらくは、さっきの魔力測定の結果を話しているのだろう。

 こそこそされたら気になっちまうじゃねえか。

 学園長の正面で、俺はただその様子をじっと見守っていた。

 話が終わると、学園長と副学園長は揃って俺の方を見ていた。なんだよ、そのやっぱりなみたいな顔は!


「ふーむ、一瞬だけ強く光ったか。それは気になるな」


「わしも聞いた事はない。もし知っている人物が居るとすれば、ドラゴニルだろうな」


 学園長も副学園長も、俺を見ながらぶつぶつと話している。てか、やっぱりドラゴニルなのかよ。

 あいつは一体この国にどれだけの影響与えてんだ……。

 俺はこの状況に心の中で頭を抱えていた。とりあえず教師陣が目の前に居る状況では、なるべく下手な行動は取りたくないんだよ。絶対面倒な事になりかねないからな。

 必死に俺が耐えていると、


「ふむ、みんな揃って我のアリスに何の用だ」


「ドラゴニル?!」


 唐突にドラゴニルが現れた。どっから入ってきたんだよ!


「普通にドアから入ってきたが、何をそんなに驚いている」


 ドラゴニルが不思議そうな顔をしている。黙って入ってくるお前が悪いんだよ。


「今日から魔法の授業が始まると聞いていたのでな。アリスとブレアの結果を聞きに来たんだ。これでいいか?」


 俺たちが混乱しているのをよそに、ドラゴニルは淡々とやって来た理由を説明していた。

 ……何なんだよ、この温度差は。


「まったく、ドラゴニル! あなたは昔っからそうなんですよ。なんでも知ったかのように話して、私たちを驚かせるのをやめなさい!」


「ふん、誰かと思えばマキュリか、見違えたな」


「なっ……」


 ドラゴニルの不意打ちに、マキュリは思わず顔を真っ赤にしていた。なんとも予想外な反応だ。


「まったく……。そう言って私をからかうのはやめてもらいたい。娘の目の前でなんて事を言ってるんですか……」


 マキュリは顔を真っ赤にしたまま、ドラゴニルから顔を背けて文句を言っていた。ははーん、これはつまりそういう事なのか。

 さっきの魔力測定中にも意識していたような場面があったから、この態度と合わせて俺にすらすぐにピンときてしまった。

 だが、ドラゴニル相手じゃ話にならないな。こいつは鈍いどころの話じゃねえもの。

 俺はマキュリから視線をドラゴニルに移す。そして、首を傾げているドラゴニルを見て、ダメだこりゃと呆れた表情になってしまっていた。


「なんて顔をしているんだ、アリス。一体どうしたというのだ?」


「……なんでもありませんよ」


 ドラゴニルの質問に、俺は頬を膨らませて不機嫌そうに答えておいた。


「なんだかよく分からないが、とりあえず我にも魔力測定の結果を教えてくれ。魔力についての見識なら、我も負けてはおらぬからな」


 ドラゴニルにしては珍しく、戦い以外で興奮しているようだった。


「いいですよ。あなたもこの学園には深く関わっていますからね」


 マキュリが合図をすると、魔力測定の記録を取っていた文官たちが書類を机の上に並べていく。

 今年入学した学生たち全員分なので、いまだに反省させられているハーケンを除く39名分の書類なので、机からあふれそうになっていた。


「ふむふむ、では全部じっくり見させてもらおうか」


 ドラゴニルはソファーに腰掛けて、書類の一枚一枚ずつに順番に目を通し始めた。

 普通に書類に目を通すだけだというのに、一体何だろうか、この緊張感は。

 俺たちは息を飲みながら、ドラゴニルの様子をただ見守っていたのだった。

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