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おっさん騎士、逆行転生してドラゴンの妻となる  作者: 未羊


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第88話 魔力測定

 マキュリの合図で教室に入ってきたのは、王国の文官たちらしい。中でも人材を管理する人事関係の部署で働く文官たちなんだそうだ。なるほど、見るからにひょろそうな奴らばかりだ。

 それはともかくとして、教卓の上に置かれた水晶玉は何なんだろうかな。

 俺が疑問に思っている中、マキュリが教卓に再び近付いて手を置きながら俺たちの方を見る。


「この水晶玉は、かつてドラゴンから託されたと言われる水晶です。これで諸君の魔力を計測していくので、前から順番に出てきなさい」


 ドラゴンから渡されたと聞いて、俺の頭にはドラゴニルの事がすぐに過った。

 そして、すぐに隣に座るブレアに視線を送る。ブレアはそれに気が付いたみたいだが、首を横に振っていた。

 ブレアは知らないようなので、傍流であるクロウラー伯爵家には伝わっていないようだった。ドラゴニルなら何か知ってるんだろうかな。

 俺はそう思いながら、教卓の上の水晶へと再び目を向けた。

 さて、前の方からという事は、俺たちの出番はかなり早い方になるようだ。

 そんなわけで、俺たちの座っている場所の反対側の端っこから順番に魔力測定が始まる。

 マキュリの説明では、魔力に応じて光の強さと色が変わるという事らしい。まあ、魔力のない俺には関係のない事だな。

 最初の方の学生たちは反応が乏しかったせいか、がっくりしながら測定を終えて席に戻っていた。


「そこまでがっかりしなくてもいい。魔力を持っている人物はそう多くはない。弱々しく反応が出るだけでも大したものだと思って欲しい」


 マキュリがフォローを入れているが、その学生たちはどうにも聞こえていない感じだ。席に戻ってから落ち込んだままなんだからな。

 だが、魔力測定自体はそんな事にお構いなしに続けられていく。

 で、いよいよ俺たちの番となった。最初はセリスだ。

 セリスは緊張した面持ちで教卓の上の水晶玉に手をかざす。すると、水晶はやや強めの緑色の光を放っていた。


「ふむ、風属性の適性があるようですね。しかも、そこそこ強力なものです」


 マキュリの言葉を聞いて、教室の中が騒がしくなる。

 それも当然だろうな。ここまで魔力ありの反応は出てたが、そこそこという単語がくっ付いているとしても強力とまで言われたのは初めてだからだ。

 その興奮の冷めやらぬ中、


「よし、次はあたしだな」


 ソニアが自分の席から立ち上がった。そして、足早に教卓の前まで歩いて行くと、自信満々に水晶玉に手を置いていた。行動が早えよ。

 ソニアが水晶玉に手を置いた瞬間、セリスの時と同じように強い光が水晶玉から放たれる。


「ほう、今度は黄色い光、雷のようですね。これまたずいぶんと強いな」


 女性陣二人が続けて強い魔法適性を示した事で、マキュリも唸っているようだ。周りの文官たちも驚きながら記録を取っていた。

 そんなざわめきの中、近くに座っている俺たちに学生たちの注目が集まっていく。やめろ、そんな目で俺たちを見るな。


「アリスさん?」


 俺の態度を見たブレアや戻って来ていたセリスが不思議そうな顔をしている。


「次、ブレア・クロウラー、出てきなさい」


「あら、そういえばわたくしの出番でしたわね。行って参りますわ」


 だが、ブレアが名前を呼ばれた事でうやむやとなった。

 そして、名前を呼ばれて席を立ったブレアが、水晶玉のところまで移動する。

 ブレアが手をかざせば、予想通りの強い赤色の光が放たれていた。


「素晴らしい魔法の才能ですね。ここまで強い火属性の適性は見た事が……、いえ、ドラゴニル・フェイダン公爵が居ましたね」


 褒めるのかと思いきや、ここで唐突に出てくるドラゴニルの名前である。

 そういえば、ドラゴニルの奴も魔法を使っていた気がする。ブレアに教える時に見本で使っていたのは火の魔法だった気がしたが、そういうわけだったのか。

 それにしても、マキュリの表情が気になるな。ドラゴニルの事をよく知っているという事なのだろうかな。

 魔力測定が終わったブレアは、ドヤッと言わんばかりに得意げな顔をしている。あまりにも堂々としたドヤ顔に、他のみんなは思い切り引いていた。反感を食らわなかったのはさすがだよ。


「次は、アリス・フェイダンだな。出てきなさい」


 そんなどこか気まずい空気の中、ナリザスは淡々と俺の名前を呼んだ。さすが後方支援型の騎士というか、仕事人間だな。ドラゴニルのとこのドレイクもそんな感じだったぜ。

 正直言って憂鬱だ。俺にあるのは魔物を滅する力であり、魔力はまったくない。そんな状態を全員の前で晒すわけだからな。とはいえ、まだまだ計測待ちの学生が居るわけだから、とっとと終わらせるために俺は普通に歩いて水晶玉へと近付いた。

 ごくりと息を飲みこみながら、俺は水晶玉へと手をかざす。俺の予想通りならば、水晶玉はうんともすんとも光らずに終わるはずだ。

 しばらく待つも、うんともすんとも光らずだった。うん、予想通りだな。

 俺が自分の席へと戻ろうとしたその時だった。

 水晶玉が突如として眩い光を放ったのだ。その光はほんの一瞬だったのだが、教室の中は騒然となってしまった。

 一体何が起きたっていうんだよ!

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