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おっさん騎士、逆行転生してドラゴンの妻となる  作者: 未羊


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第87話 魔法の勉強が始まる

 俺たちの知らないところでいろいろ起きているとは思わず、10日間の自主訓練期間を終えて、1年の後半へと突入する騎士の養成学園。

 今年の年末には来年の新規学生を受け入れる事になるので、学園長をはじめとして、教師陣はみんなとても忙しそうにしていた。結局、10日間の休みなんてものは存在しなかったのである。なにせ新しい教師も選定しなければならないのだ。騎士団も含めてご苦労な事だ。

 さて、半年経った事で、俺たちは希望があれば前線型と後方支援型との間でクラス替えができる事になっていた。ところがどういうわけか、そういう希望が出る事はなかったようだった。この事態には教師たちも首を傾げているようだった。

 しかし、俺たちの方はなんとなく事情を察せていた。

 この状況を決定づけたのは、言うまでもなく自主訓練中の俺とブレアの戦いだ。完全にやり過ぎたのである。だからこそ、もう見たくないみたいな心理が後方支援型の面々にはあるのだろうな。むしろ、よく前線型の連中が離れなかったと思うぜ。


 さて、一年の後半ともなれば、いよいよ魔法の話も出てくる。魔法に関しては俺の出る幕はないが、授業であるからには俺もしっかり聞かなければならない。できない事を聞かなきゃいけないのはつらいわけだが、何かに応用できるかも知れないから聞くだけは聞いておくとしよう。

 しかし、授業の最初の方は実技に関してはいつも通りだった。

 変化があったのは午後の座学の方だ。見慣れない人物が教室に入ってきたのだ。

 当然ながら、室内はざわめきに包まれた。隣にはナリザスが居るので、おそらくは王国騎士団の人間なのだろう。


「こほん、静粛に。まずは新しい教師を紹介しよう」


 ナリザスの言葉で、隣に立つ人物が一歩前に出てきた。今さらに言うがその人物は女性だ。


「諸君たちとは初めてだな。まずは紹介させてもらいましょうか」


 堂々とした態度ではきはきと喋り始める女性。その態度たるや、実に惹き付けられるものがあった。


「私は王国騎士団、魔法隊所属のマキュリ・アクエリアスだ。この後期から諸君に対して魔法関係の授業を行う事になる。諸君の中には魔法適性がない者が居るかも知れないが、戦いの中ではきっと役に立つ場面がある。覚えておいて損はない」


 背筋がしっかりと伸びており、教室全体に響き渡る、実に聞き取りやすい声だった。ただ、一番前に座る俺たちには耳が痛くなるくらいの声の大きさだった。真横に居るナリザスは涼しげな顔をしているが、おそらくは慣れによるものだろう。きっと最初は耳を押さえていたはずだ。

 とりあえずだ。マキュリの自己紹介が終わり、いよいよ魔法に関する授業が始まった。


「魔法というものを使うには、まずは体内の魔力の流れというものを感じ取る必要があります。魔力を感じ、それを意図的に扱う事によって、初めて魔法を使う事ができるようになるのです」


 マキュリの授業の最初はこのようなものだった。ドラゴニルがブレアに対して説明していたものと同じような感じだった。

 ドラゴンも人間も同じような魔法の使い方をするのであるなら、おそらくはどの生物にも当てはまる事だと思う。

 それにしても、魔法の話は使えないと割り切っていたからつまらないかなと思っていたが、思いの外興味が湧いてくる。もしかしたら俺が持つ魔物を滅する力にも応用は利くかも知れない。

 にしても、一度ドラゴニルから話を聞いていたはずのブレアの方が、少し飽きてきている感じだった。さすがに一番前の席でそれはどうかと思うぞ、ブレア。


「そして、魔法を使う上で重要なのはイメージです。どういったものを出すのか、それがしっかりできるようになれば、詠唱や言葉といったものがなくても魔法を使えるようになります。何にしても、使えるようになるまでは管理の訓練が必要になりますからね。剣の道も魔法の道も、短期間で身に付くものではありません、覚悟して下さい」


 マキュリの締めの言葉に、教室の中は一気に静まり返ってしまった。

 なぜなら、そこでマキュリの雰囲気が一気に変わったからだ。あくびでもしようものなら、それだけで何かの魔法を飛ばされるんじゃないかという恐怖が、教室全体を覆っているのである。


「それでは、初級となる魔法の教本をお配りします。全属性の魔法が記載されていますが、すべてを使えるようになるわけではありません。誰しても得手不得手があるように、属性にもそういったものが存在しますからね」


 ナリザスが魔法で本を浮かせて一人一人に配っている。こういった使い方もあるのか。

 俺が見入っているように、他の学生たちもナリザスの的確な運搬魔法をじっと見つめていた。


「ナリザスが今使っているのは、風魔法の一種です。魔法というのは使い方次第でどうとでも化けますからね。身に付けられるよう一生懸命頑張りなさい」


 マキュリのこの言葉によって、初めての魔法の授業が終わった。


「では、全員の魔法の素養を見るために適性検査を行おう」


 マキュリが合図をすると、ぞろぞろと教室に数名の人物が入ってきたのだった。

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