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ギルドにて

「とりあえずウサギ肉を納品しよう」

街に戻った自分は動物型ギルドに足を向ける。

周りは第2陣の初心者が多いのか初期装備の人達がたくさんいる。

「初期装備もない動物型って一体・・・」

スタート地点の格差に落胆しつつもギルドについた。

「すいませーんアイテム納品したいんですけどー」

「はーい、4番のカウンターに来てくださーい」

元気のいい女の人の声が聞こえた。

うーむやはりフクロウから人の声が聞こえるのは違和感がすごい。

とかなんとか考えながらも4番カウンターへ。

「はい、ここは動物型の方用のギルドです。納品ですか?」

4番カウンターに行くとリザードマン?というのか二足歩行の爬虫類の女の人が対応してくれた。

女の人とわかったのは声からだ、見た目はリザードマンなので性別がわからない。

「ウサギ肉持ってきたから納品したいんですけど」

「はい、ウサギ肉ですね。10個につき80Gで受け付けております」

「10個でお願いします」

「確認できましたのでこちら80Gになります。お受け取りください。」

これで所持金は120Gだ。

一応まだウサギ肉は持っているが持ってる数が半端なのでギルドに納品はできない。

薬草はどうしたって?知らん。

「あのー初心者におすすめのクエストってありますか?」

「初心者に?一応ウサギ狩りも初心者にはうってつけなんだけどそうねえ。 あ、これなんかどうかしら?」

と言って差し出してきたのは一枚の依頼書。

内容は


依頼:大フォレストベアの討伐

内容:西の平原の奥にある森に出てくる大フォレストベアの討伐

報酬:5000G


「いやいやいやいやいやいやおかしいでしょ」

「あら、間違えちゃった。ええっと、あ、こっちこっち」


依頼:ハチミツ採取

内容:西の平原の奥にある森にてハチミツを採取する

報酬:100G


「あの、森に入るってことはフォレストベアが出てくるってことでは?」

「そこは大丈夫。ハチミツが取れる場所とフォレストベアが出てくる場所は離れてるから」

本当だろうか。

「大丈夫大丈夫、ほら、これ地図ね。ここのマークがハチミツが取れる場所で、こっちがフォレストベアが出てくる場所」

地図を見てみるとハチミツは森に入ってすぐのところで、フォレストベアが出てくるところは森の奥のほうのようだ。

「なるほど、これならまぁ」

しぶしぶといった感じに依頼を受ける。

「よろしくお願いしますね!」

にこっとリザードマンスマイルを見せてきた。いや笑ってるんだろうけどよくわかんないよ。

「はい、行ってきます」

森に関してはウルフにだけ注意すれば何とかなるかな?

とおもいつつギルドを後にする。

そしてフラグというのはこうやって建築されるのだということを身をもって知ることになるのだった。



同時刻、森にて。

「おい! 急げ急げ」

森の中をプレイヤーと思わしき者たちが走っている。

プレイヤーたちの服装はバラバラであり、先頭を走っているのは軽めの服装。

後ろからは鎧を装備したプレイヤーとローブをまとっているプレイヤーが走っている。

何かと戦闘した後なのか装備はみなぼろぼろでそれらのHPバーは瀕死に近い。

「くそっなんでこうなった!」

声を荒らげながら鎧を着たプレイヤーが叫ぶ。

「お前のせいだろうが!だから嫌だったんだ!ウサギに勝ったくらいで調子に乗りやがって!」

軽装のプレイヤーは走りながらも文句を入れた

「お前だってノリノリだったじゃないか!」

「なんだと!」

「そんなことどうでもいいから今は走れ!」

ローブを着たプレイヤーは二人の仲裁をする。

今はそんなことで言い争っている場合ではないからだ。

すると

「うわ!」

ローブのプレイヤーが地面から出ている木の根につまづいて転んでしまった。

軽装のプレイヤーと鎧のプレイヤーは転んだプレイヤーに目もくれず走っていく。

「お、おい!待てよ!見捨てるつもりかよ!」

ローブのプレイヤーはこの世の終わりのような顔をして二人を見ていた。

その後ろから

「ぐるるるるるぅ」

「ひっ」

体は大きく、立ち上がったそれの身長は3メートルはあるだろう。

毛深い体毛に覆われていて大きな手がらは鋭い爪が伸びている。

ローブのプレイヤーの前で立ち止まったそれはじっと見つめている。

「く、来るな!<アクアボール>!」

ローブのプレイヤーはおそらく最後の1発であろう魔法をはなつ。

顔面に当たったそれはソレのHPバーを少し削ったのだがそれがよくなかったようだ。

「ぐるぅああああああああああああああ!」

攻撃されて怒り狂ったそれは大きな腕を振りかぶり

グシャア!

ローブのプレイヤーを一撃でポリゴンに変えた。

「ぐるるぅ、ぐるぅ」

一人死に戻りさせたくらいでは怒りが収まらないそれは残りの二人が逃げて行った方向を見る。

そしてゆっくりとした足取りで追いかけていく。

その方向はドリューの目的としていたハチミツが取れる場所と地図に書かれている方向と一致していた。

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