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イベント8 VSネクロマンサー

「なんかすごいことになってるわね」

「うわー、ゾンビさんがー、いっぱいだー」

アーサーとマリーンの二人は南の戦場のあり様を見て思い思いにつぶやいている。

「これどうするんです?戦闘に参加しても混乱が増すだけだと思うんですけど」

「ゾンビは私がなんとかするから、二人は術者を叩いて。

 ああいうのは操ってるやつを倒せばいいって相場が決まってるからね」

アーサーは赤組の陣営を眺め、

「あいつね」

一人のプレイヤーを見つけた。

「これはまた・・・」

「なにあれー、まっくろー」

二人はゾンビを操ってるプレイヤーと思わしき人物をみる。

そいつは黒いマントを羽織り、腕に包帯をつけ、眼帯をしており、いかにもな恰好をして妙なポーズを決めていた。

「じゃ、あとよろしく」

アーサーは大剣を担いで混乱を極めた戦場に突っ込んでいく。

「え、あれに突撃するんですか?」

「もぐらさんー、やるよー」

マリーンさんはすでに黒いプレイヤーに向かって動いていた。

「ええーい!なんとかなるはずだ!」

気合を入れて黒いプレイヤーに向かう。


「あのー、そこの黒いひとー」

マリーンが黒いプレイヤーに話しかける。

「む、我に何か用かな?」

「そうですー。黒いひとはー、あのゾンビさんをー、操ってるのー?」

「その通りだと言ったら?」

「倒れてもらいますー、<サンダーランス>」

いきなり魔法を唱え攻撃するマリーン。

マリーンの持ってる杖から雷の槍が飛び出す。

バリィ!

飛び出した雷の槍は黒いプレイヤーを貫いた。

しかし、

「まったく、いきなり攻撃してくるとは」

着ている服をパンパンと払うだけで、ダメージを受けたようには見えない。

「無傷ー、ですかー」

怪訝そうな顔をするマリーン。

「我が闇の力の前では、すべてが無力になるのだよ」

黒いプレイヤーはばさぁっとマントを翻し、

「我が名はネクロム!闇の魔法を極めんとするものだ!」

ビシィ!っと香ばしいポージングを決めるネクロム。

「なるほどー、ダメージ移し替えですかー」

「・・・え?」

「召喚したー、ゾンビさんにー、自分が受けたダメージをー、移し替えてるんですねー」

ポージングしたまま固まるネクロム。

「な、なぜわかった?」

「えー、だってー、サモナー系のジョブでー、ダメージ無効なんてー、それくらいしかないからー?」

「ふ、ふふふふふ。なかなか見る目があるようだな」

ネクロムは動揺している!

「だったら簡単ですー」

「ほう?」

「移し替える先がなくなるまでー、攻撃しまくればいいんですー」

「我がそれを黙ってされるままだと思っているのかな?」

ネクロムは持っている杖を振りかざし魔法を唱える。

「<インスタントリボーン>」

ネクロムの周囲の足元からゾンビ複数が現れる。

「どうするかな?我は何度でもダメージを移し替える先を出すことができるぞ?」

「<サンダーウェイブ>」

問答無用とばかりにマリーンを中心に雷の波がネクロムとゾンビに向かってほとばしる。

「<ダークプロテクション>!」

ネクロムは自身の周りに黒い障壁を展開する。

雷の波は障壁などお構いなしにネクロムとゾンビを飲み込んだ。

ザザザザザザザザザザザ!

「くっ!<ダークプロテクション>!」

ネクロムは障壁が割られる前にもう1枚障壁を張る。

ザザザザザ、パリィイン!

1枚目の障壁が割れた。

「まだまだ行きますよー」

ザザザザザザザザザザザ!

「いつまで続くのだこの攻撃は!?」

本来ウェイブ系の魔法は1回の波が広がるように攻撃する魔法だ、

しかし、マリーンは【魔力操作】のスキルを使い、<サンダーウェイブ>の効果時間を延ばしていた。

すでに周囲に召喚したゾンビは全滅していた。

「このままではまずいっ!ならば!」

シュバ!っとネクロムはポーズを決め、

後ろに向けて猛ダッシュした。

「え?」

「逃げるが勝ちだよ!さらばだ!」

戦っていた相手がいきなり逃げ出したことでマリーンは呆けてしまった。

後ろではアーサーがまだゾンビとついでに赤組を狩っているところだ。

「ま、まってー!<サンダーランス>!」

気を取り戻したマリーンは逃げるネクロムに向かって魔法を放つが、

「ふははははははこの距離ではそうそうあたらんよ!」

放った魔法は簡単に避けられてしまった。

「じゃあ近くなら当たるんだな?<ロックボール>!」

「何!?」

突如ネクロムの足元から石の塊が飛んでくる。

「まだゾンビが残ってるからダメージはこないよおおおおおお!」

ズシャアアアアア!

石の塊はネクロムに当たったがダメージはない。

しかし、ロックボールの素材として使用された地面に穴が開いており、

そこに足を取られて転んでしまった。

「ぐぬぬぬぬ、おのれ地面め。我の邪魔をするとは」

「はいー、捕まえましたー。<サンダーバインド>!」

追い付いたマリーンはネクロムに雷の縄が絡ませる。

「何のこれしき!ふっ!ぬっ!むぅん!」

ネクロムの筋力は低いのかマリーンの雷の縄が硬いのか、ほどくことはできなかった

「ふ、ふふふふふふふ。くっ!殺せ!」

「それお前みたいなのが言ってもなぁ」

「はいー、殺しますー。<サンダーボール>!」

「え、ちょっと?」

バリバリバリィ!

「んー?まだゾンビさん残ってるんですかー?<サンダーランス>!」

バリバリバリィ!

「あの、」

「<サンダーボール>!」

バリバリバリィ!

「だから、」

「<サンダーランス>!」

「<ファイアランス>!」

バリバリバリィ!ズドォン!

「ちょっと!?なんでそこのモグラまで攻撃してくるだい?」

「いや、なんとなく?」

「<サンダーボール>!」

バリバリバリィ!


「おーい、こっち終わったよー」

しばらくマリーンさんといっしょに攻撃していると、

アーサーの声がして、こちらに近づいてくる音が聞こえてきた。

「あーちゃんが終わったってことはー、次で最後だねー」

「なに、50体のゾンビがもうやられたのか!?」

自分が戦場を見ると、そこにはアーサー以外何も残ってなかった。

「あれ、青組のみんなは?」

「邪魔だから全部切った」

「えー」

何だこのバーサーカー。

「それより、そいつが術者よね?」

「そうだよー、ダメージ移し替えスキルでー、今まで倒せなかったー」

「なるほど、切ってないやつが勝手に倒れたのはそういうことだったわけね」

どうやら自分達の攻撃も無駄というわけではなかったようだ。

「ふふふふふふ、君たちがあのアーサーとマリーンだったのか。

 通りで手も足も出ないはずだ」

「いやお前速攻で逃げようとしたよな?」

「うるさい!我がこれで負けたと思うなよ!我が倒れても第二第三の」

「はいー、<サンダーボール>ー」

バリバリバリィ!

ネクロムはポリゴンになって消えて行った。

あとに残ったのは、バーサーカーと美女とモグラだけだった。

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