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イベント7 様々な場面2

赤組側北の砦


赤組が落とした砦には青組のプレイヤーが大勢向かっている。

どうやら北側で砦を早く落としたのは青組だったらしい。

「ちっ、キーパー討伐に手間取ったのが仇になったか」

赤組を指揮する人物は舌打ちし、向かってくる青組を睨んでいる。

「どうするんですか?」

「決まっている、砦内部にあいつらを引き込んで叩く。

 自動回復のある砦内部で戦ったほうが勝率は上がるからな」

赤組の指揮官は砦にこもって戦うことを選んだようだ。

「こちらの消耗具合はどうなってる?」

「かなりやられてます。

 あの3体のオーガを全体的に削っていくのは間違いでしたね。

 まさか全員パワーアップが控えているとは」

「そこは予想できなかったこちらの落ち度だ。

 とりあえず使えるポーションをかき集めて瀕死のプレイヤーに使え。

 もうすぐ青組が来るからな。惜しむとやられる」

「了解」

指示を受けたプレイヤーは歩き去っていった。

「青組もこちらが籠城を選ぶことは分かってるはずだ。

 さて、どう攻めてくる」



赤組側北の砦周辺


「さて、どう攻めるかな?」

「見事に籠城してますね、一人も外に出てない」

「斥候の話だと向こうはキーパーを倒してまだ間がないんだろう?」

「はい、5分くらい前に倒したって言ってましたけど」

「そうなると時間との勝負だな。

 時間をかけると砦の自動回復で全快されてしまう」

「かといって何も考えずに突っ込むと返り討ちでしょうね」

「そうなんだよなぁ」

青組の指揮官は考えつつ、

「こっちの戦力はどれくらい?」

「だいぶオーガにやられたのと、手前の砦に残ってるやつら引いて。

 今の相手と五分ってとこですかね?」

「五分かぁ。城攻めには3倍必要っていうけど難しいよなぁ」

手前の砦に残ってるのは主に生産スキルをサブに持ってるプレイヤーだ。

各砦周辺には採掘ポイントや採取ポイントが豊富にあるらしく、

それ目当てで残ってるプレイヤーが多くいるのだ。

「うーん、中央の砦から増援回してもらうか?」

「それはどうでしょうね。中央の道は相手本陣への最短ルートですから、

 なるべく戦力を集中させたいと思いますし」

「そうだよなぁ」

尚、中央の砦は手前も奥もすでに制圧してるという情報はまだ伝わってない。

「うむむむむむむむ」

指揮官はふいに空を見上げる。

そこには青い空が広がっていた。

「いっそ空から攻めるか?」

「はい?」

「今うちに空飛べるプレイヤー何人いる?」

「それは、何人かいますけど。どれもレベルの低い鳥型のプレイヤーですよ?」

「いや、飛べるだけでいいんだ。何も戦うわけじゃない」

「じゃあどうするんです?」

「これを使う」

そう言って指揮官が取り出したのは。


アイテム:モンスターほいほい

効果:使用すると煙が上がり、周りのモンスターが大量に寄ってくる

   効果時間は30分


「これを空から砦内部に落とす。

 近くのモンスターが群れで押し寄せるはずだ。

 これを使って30分たったら一気に攻め立てる」

「あんたえげつないこと考えるな」

「ちなみに、あのドクターまゆり製だ」

「それ大丈夫ですか?変な効果隠れてたりしない?」

「なーに、これの効果を受けるのは赤組なんだ。

 こっちに被害はないだろう」

「だといいんですけどね」

「よし!空飛べるプレイヤーを集めてくれ」

「本当にやるんですか?どうなっても知りませんよ?」

「やるだけやってみるさ」

青組の指揮官は鳥型のプレイヤーにアイテムを渡し指示を出す。



アイテム使用後


「お、成功したようだな」

「煙り上がってますね」

「あとはモンスターが集まってくれればいいんだが」


5分後


「お、集まってきたな」

「かなり集まってますね。これ大丈夫なんですか?」

「こっちには来てないし大丈夫だろ」


10分後

「さすがに迎撃に出てきたな」

「まぁあれだけ集まられたらねぇ。

 対処しないと砦の中に入ってきそうですし」

「これである程度消耗してくれればいいんだが」


20分後

「角砂糖にたかるアリってあんな感じなんですかね」

「見たことないからわからんなぁ」

「でも砦モンスターで埋まってて見えなくなりましたよ」

「抵抗が少なくなったように見えるんだが気のせいか?」


30分後

「薬の効果が切れたみたいですね」

「なんか波が引いていくみたいにモンスターが散っていったな」

「あのまま砦に居座られたらどうしようかと思いましたよ」

「さすがドクターまゆり製だ。きちんと仕事する。

 じゃ、中の様子を見てきてくれ」

「え、いやですよ」

「え?」

「え?」


赤組側北の砦、青組が制圧




南の道中央


赤組側北の砦で無数のモンスターが砦に張り付いているころ。

ここでは両陣営のプレイヤーが衝突していた。


「動物型を後ろに通すなぁ!陣形を崩さず押せ押せ押せー!」

「どこでもいいから突破して切り崩せぇ!」

お互いの指揮官が叫ぶ。

戦場は熱気に満ちており、戦士たちが己の武器をぶつけ合い、

様々な魔法が飛び交っている。

どうやら実力は拮抗してるらしく、一進一退の攻防が続いている。

海沿いということもあり、水生型のプレイヤーも同じく戦っていた。

海面は魚が跳ねているのか白く荒れており、所々に水柱立っている。

遠くでは青組側の砦を破壊した竜巻が発生しているが、

どうやら赤組の大きな魚プレイヤーと戦っており、こちらの戦闘には参加していない。

そんな中、

「どうやら我の出番のようだな」

赤組の後ろの方で何やらポーズを取っているプレイヤーが一人。

「我が名はネクロム!闇の魔法を極めんとするものだ!」

周りの赤組プレイヤーは「あーこんな時代もあったなぁ」とか「ぐっ古傷が!」など

様々な反応を見せている。

「くっくっく、ここは戦場。死のにおいが満ち満ちておるわ」

一人芝居を続けるネクロムと名乗るプレイヤー。

周りは温かい目で彼のことを見守っている。

「さてと、では<インスタントリボーン>」

魔法を使うと彼の周りの地面から腕が生えてきた。

地面から這い出てきたそれは、いわゆるゾンビと呼ばれるものだった。


ボコ、ボコ、ボコボコボコボコボコボコボコボコボコ


その数、50。

さすがに周りのプレイヤーもその異様な光景に息をのむ。

「さらに<アンデッドブースト><アンデッドプロテクト>」

ネクロムは呼び出したゾンビたちにバフをかけて行く。

「これで十分だろう。さぁゆけ!我がしもべたちよ。

 やつらを蹂躙するのだ!」

「「ウヴァアアアアアアアアアアアア!」」

命令を受けたゾンビ達は走り出した。

そう、ゆっくりと歩くのではなく、スプリンターもかくやという勢いで走り出したのだ。

戦場に突撃していくゾンビ達。

それを見てまず混乱したのは、赤組だった。

青組と戦っていたら突然後ろからゾンビが全速力で走ってきたのだ。

「なんだあれ!新手の敵か!?」

「後ろからとか嘘だろ!」

「落ち着け!あれは味方だ!攻撃するな!」

指揮官が落ち着かせようと叫ぶが混乱はなかなか収まらない。

中にはゾンビに攻撃するものまで現れてしまった。

「うわあああああああ」

「ぬ、阿呆め」

ネクロムはつぶやく。

<インスタントリボーン>は込めた魔力の多さに比例する数のゾンビを作り出すアーツだ。

かなりの数を用意できるため一人で軍隊を作ることもできる。

しかしゾンビの思考力は弱く。一つ二つしか命令をすることができない。

今回ネクロムが下した命令は「全力で走れ」と「敵対する奴に攻撃しろ」だ。

本来ネクロムに敵対しているのは青組だけだったのだが、赤組のプレイヤーがゾンビに攻撃したことにより一変。

ゾンビ達は青組、赤組区別なく攻撃を始めてしまった。

ネクロムからバフを受けたゾンビ達は思いのほか強かった。

「うわああああああああああ」

「やめろ、やめろおおおおおおおおお」

「クッソ、こっちくるな、くるなあああああああああ」

ゾンビ達は無差別の攻撃で両陣営をひっかきまわし、戦場は阿鼻叫喚の地獄絵図と化してしまった。

お互いの前線の隊列や指揮系統は崩壊し、ゾンビから逃げ始めるものまで出始める。


「・・・なにこれ?」

ドリューはそんな光景を見て一言つぶやくのだった。

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[一言] 赤組側北の砦 が2つ存在してるけどこれ誤字?
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