キャラメイク
「よし、インストール完了」
今しがた5時間かけてインストールが終わったゲームは「Various Race Online」。
様々なVRゲームが出てきており通信技術も向上してる昨今、
5時間もインストールにかかるゲームはなかなかない。
Various Race Online
通称VRO。
その名の通り様々な種族になって遊ぶVRMMORPGだ。
人間やエルフ、ドワーフなどはもちろんのこと、犬、猫のような動物や、
スライムやゴブリンといった魔物にまでなれる。
人型以外の魔物や動物になった際にはアシストが入り動くことに支障はなく、
現実に戻ったときも体の動かし方に違和感なく過ごせる。
さらに人間と比較しても遜色ないAIがNPCに詰まれていたり、
現実の景色変わりないほどのグラフィックなど力の入れ具合が半端じゃない。
山の上から見た朝日などまさに絶景ともいえるもの。
このゲームは他のVRゲームとは一線を画すものだ。
と、上記はβ版のテスターの言葉である。
第1ロットが発売されてから1か月、第2ロットであるがようやく自分の手元にも巡ってきた。
「それにしてもいろんな種族かぁ、何があるんだろうな」
ワクワクしながらもVRヘッドギアをかぶり電源を入れログインした。
『キャラクターの設定を行います。名前を入力してください』
「名前かー、じゃあドリューで」
『〈ドリュー〉・・・・・・同一名称なしを確認しました〈ドリュー〉で決定しますか?』
「お願いします」
なぜ名前が〈ドリュー〉かって?
自分の名前が安藤隆二だから略してドリューだ。いろんなゲームで世界を救ってきたすごい名前だぞ。
『続きまして種族を決定してください』
来た、このゲームの目玉だ。
さてと何にしようかなぁ
ふむふむ、大まかに人型、動物型、魔物型の三種類あってそこからまた分かれていく感じか。
「せっかくだし人型以外から選ぶかなぁ。 狼とかかっこよさそうだしドラゴンとかあるのかな?」
ピコピコと出てきたウィンドウの中から探してみる。
「さすがにドラゴンはないか、たしかレベルアップで進化とかするんだっけか?」
β版の情報を覗いたときにあったような気がする。
「うーむこれといって面白そうなのがないなぁ」
人型以外の項目を上から流し見ていく。
「うん?ランダム?」
項目の一番下にあるランダムという文字
「ランダムねぇ」
調べてみるといろいろ設定した上でランダムにできるようだ
例えば人型の中からランダム、水中で生きられるもの中からランダムなど。
さらにランダムを選択した場合ステータスに少しだけプラスが付くようだ。
ただし、ランダムで作成した場合、キャラの作り直しをする際もう一度ランダムを選ぶことができない。
「ほぉこれは良い感じだな。 特にこれといったものもないしステータス目的でやってみるか」
というわけでランダムを選択。
設定は4足歩行で。
『続きまして職業を選択してください』
「これは魔法使い一択だな。 魔法とか使ってみたいし」
体に炎をまとわせながら突撃とかかっこよさそうだ。
『最後にスキル設定です、ランダムを選択しているため5項目のうち2項目を自動で設定します。
ランダム設定4足歩行により1項目を自動設定します。
また4足歩行により一部スキルが制限されます』
「うーんやっぱりそうなるか」
スキル設定は本来数あるスキルの中から5個スキルを選択するものだ
例えば「剣」のスキルを持っていれば武器に剣を装備しているときにいろいろ恩恵がある。
ただし種族によっては最初から自動的にスキル枠が設定されてたりする。
現在のスキルはこうだ
スキル1:【爪】※4足歩行による自動設定
スキル2:※ランダムによる自動設定(確認はできません)
スキル3:※ランダムによる自動設定(確認はできません)
スキル4:未設定
スキル5:未設定
「確認はできませんって、ゲーム開始してからのお楽しみってか?」
まぁいいかスキルはゲームの中でも覚えられるらしいし。
「うーん魔法は一個覚えるとしてあと何覚えるかな」
とりあえず【火魔法】を取っておこう。戦闘で腐ることはないはずだ。
そしてランダムとはいえ4足歩行型なんだ、おそらくスピードがあるやつになるはず。
「これかな?【敏捷強化】のスキルでどうだろう」
よしこれで決まったな。
『それでは、プレイヤーネーム〈ドリュー〉様。
ようこそVarious Race Onlineへ。
これからの旅路に幸あらんことを』
メッセージが流れた後、視界が暗転する。
さぁ!冒険を始めるぞ!
名前:ドリュー
種族:設定中
職業:魔法使い
HP:設定中
MP:設定中
SP:設定中
筋力:設定中
器用:設定中
敏捷:設定中
魔力:設定中
幸運:設定中
スキル:【爪】Lv1
【火魔法】Lv1
【敏捷強化】Lv1
【設定中】
【設定中】