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令和コロナ騒動実録  作者: 澤村桐蜂
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令和2年5月第4週

5月18日(月曜)

 本日午後に安倍首相が二階幹事長らと官邸で会談。「国民の理解なくして前に進む事は出来ない」との認識で一致し、役職定年を過ぎても政府の判断で検察幹部の留任を可能にする「検察庁法改正案」を今国会で成立させる事は断念した由。

 この件に関しては、twitter上で多くの俳優や歌手から「#検察庁法改正案に抗議します」の投稿が相次いだ事に加えて、15日に元検事総長を含む検察OBからも反対の意見書が法務省へ提出された事が決め手かとの報道あり。仕事も学校も自粛続きで明日も分からぬが暇は有り余る状況下で、平時よりも国民の目が厳しくなるのは必至。国費と労力を割いて布マスク2枚、通称「アベノマスク」を各家庭に送ると言い出す、緊急事態宣言も遅きに失する等の失点も記憶に新しく、或いは新型コロナウイルスが長期安定政権を揺るがす事態となるのかも知れぬ。


5月19日(火曜)

 天台宗の角大師に肥後のアマビエ、宇都宮の黄鮒(きぶな)。コロナウイルス避けの期待を込めて、正光寺という所の住職が三者を描いた特製の護符を作り、頒布を始めた所、人気を呼んでいる由。角大師の御札については既知。アマビエの事も鬼太郎のアニメ5期を契機に調べたが、黄鮒の伝承は初めて知った。

 加藤勝信厚生労働相が本日閣議後に会見。感染対策で品薄が続く消毒用アルコールの転売を禁止するそうだが、流石に遅すぎる。政治批判を二日続けるつもりは無かったけれども、マスク転売禁止と同時に行うべきだったと思う。

 子供達向けのオンライン講習も取り入れつつ、何とかジムが再開。久しぶりの練習中に思い付いた連係。①彼我共に右構えの場合に、まず右サイドステップで彼の左足より外側に移動。②右カーフキック。通常の下段よりも低く蹴り、我の右脛骨で彼の左腓骨を打つ。③彼が下がれば、そのまま右足を前に下ろして左構えに転じ、左上段蹴り。右手のプッシュで自ら距離を作っても可。


5月20日(水曜)

 昨日は都内で新規5人の新型コロナウイルス感染者を認めるも、5日連続で20人を下回った由。関西では明日に大阪・京都・兵庫の宣言を解除する方向で検討が進められる一方で、夏の甲子園は中止が決定。戦後初。

 日本外国特派員協会が月刊会報誌「NUMBER 1 SHIMBUN」4月号の表紙に、東京オリンピックの大会エンブレムと新型コロナウイルスのイメージを掛け合わせたデザインを掲載。五輪組織委員会が「世界中に多大な被害が出ている中で配慮を欠いた行為」と批判し、著作権侵害に当たるとして協会に取り下げを求めたのに対し、デーブ・スペクター氏は「健全なパロディの範囲内」で「オリンピックマフィアが五輪に白ける人が多いことを客観視できてない」と痛烈に批判した由。


5月21日(木曜)

 緊急事態宣言の解除をめぐり、政府が専門家に意見を聴く「諮問委員会」が開かれ、大阪など関西2府1県で解除するとした政府の方針は妥当だとする見解が示された由。東京など首都圏の1都3県と北海道では宣言継続。

 緊急事態宣言下の5月1日と13日に東京高検の黒川弘務検事長が産経新聞や朝日新聞の記者と賭け麻雀に興じ、新聞社の手配したハイヤーで帰宅した事を週刊文春が報道。本日に黒川氏が辞表を提出した由。一昨々日に書いた検察庁法改正案の話も、元は政府が法解釈を変更して黒川氏を留任させた事に始まるそうだが、どちらにしても御粗末の一語に尽きる。


5月22日(金曜)

 本日の持ち回り閣議で、政府が黒川東京高検検事長の辞職を承認。当院では新型コロナウイルス感染者の入院は僅かで、今後はベッド数を減らした専用病棟の確保も一旦解除となる予定だが。

 2月3日の横浜港到着後に確認され、二週間の隔離中にも感染者の増加が続いて国内外から批判を浴びる等、その後に日本国中へ伝播したコロナ・ショックの序章とも言うべきクルーズ船、ダイヤモンド・プリンセス号で発生した集団感染。The Guardian紙上で「感染に沸き立つ鍋」と呼ばれた船内の患者を率先して受け入れた聖マリアンナ医科大学病院は、以降の3ヶ月も新型コロナ治療の最前線となった。

 同大の横浜市西部病院・救命救急センターのICUに収容された中等症から重症の患者数は、国内最多規模の40人前後に到達。新型コロナ重症者用に15床を確保し、相次ぐ院内感染に喘ぎつつ通常の救急診療も継続。完全防備の看護師が床上に(かざ)すiPadを介して、危篤に陥った患者さんと家族とが最後の別れを交わし、担当医師が死亡診断を下す様子もiPadで遺族に伝えられる日々が続いているとの事。


5月23日(土曜)

 新型コロナウイルス感染症を「ただの風邪」と軽視するボルソナロ大統領の下で、昨日にブラジルの感染者数が33万人を超え、アメリカに次ぐ世界2位に浮上。その後はロシアに追い抜かれたが、増加速度に検査体制が追い付いていないとの見方も有り、WHOは新たな中心地として同国を含む南米への警戒を強めている模様。

 メキシコの「コロナビール」や大阪の「コロナホテル」は早期から話題となったが、長野県佐久市の「味蔵コロナ食堂」も先々月から無言電話やネット上の書き込みが増え、看板を撮影すると笑いながら立ち去るような輩にも困っている由。コロナビールは逆に売上好調との報道も有るが、地方の食堂は災いを福に転じる事も難しかろう。


5月24日(日曜)

 晴れたので、久方振りに妻と外出。マスク着用率の低い家族連れと擦れ違いながら、市内の公園が一体となっている一帯を散策。緩やかに歩んでいても汗ばむような陽気だったので、古墳の上に在る神社を目指して丘を登ると喉が渇き、降りた後に飲んだ冷水が美味かった。ロコモコ丼とカレー弁当を購入して帰宅 。

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