令和5年2月第3週
2月13日(月曜)
本日の新たな感染者は空港の検疫等を含めて423人。一日当たりの新たな感染者が1万人を下回るのは7204人を記録した昨年6月27日以来で凡そ7ヶ月半ぶりとの事。東京都内で新たに810人、大阪府内で新たに624人が感染。
国内で亡くなった者は千葉県で12人、神奈川県で11人、大阪府で10人、東京都で8人、三重県で4人、埼玉県で4人、愛知県で4人、兵庫県で3人、北海道で3人、大分県で3人、宮崎県で3人、岐阜県で3人、京都府で2人、佐賀県で2人、奈良県で2人、熊本県で2人、群馬県で2人、茨城県で2人、香川県で2人、鳥取県で2人、和歌山県で1人、山口県で1人、山梨県で1人、岩手県で1人、島根県で1人、徳島県で1人、愛媛県で1人、福岡県で1人、静岡県で1人の合わせて93人。新型コロナウイルスへの感染が確認され、人工呼吸器や人工心肺、集中治療室等を用いた治療を要する重症者は、昨日より5人減の286人。
政府は「来月13日からマスク着用を個人の判断に委ねる」とした上で高齢者等、重症化危険性の高い者への感染を防ぐ為に、「医療機関を受診する」際や「混雑した電車や乗合自動車に乗る」際等は引き続き着用を推奨する方針を決定。全国知事会会長と鳥取県知事を兼任する平井 伸治氏は本日、厚生労働大臣の加藤勝信氏と回線接続で意見を交わした際、此の件に関して「現場では学校も含め、色々な声が上がっているのも事実だ」「全部、個人の判断でと言われても困る」と訴え、「効果的なマスクの着用や感染対策を現場とも摺り合わせ、科学的根拠に基づいた国民への広報や、業界への指導を行って貰いたい」と政府に要求。対して加藤大臣は、着用を推奨する場面等を記した小冊子を作成する等して、周知徹底を図る考えを示した由。
従来型ワクチンで2回目迄を終えた12歳以上を対象に去年9月から始まったオミクロン株対応ワクチン接種に関し、本日に政府が最新状況を公表。此迄に国内で新型コロナウイルスのオミクロン株に対応したワクチンの接種を受けた者は5406万819人で、全人口に対する接種率は42.9%。このうち65歳以上の高齢者は2634万4233人で接種率は73.3%に達したとの事。
2月14日(火曜)
本日は新規感染3万1703人、死亡135人、重症270人。東京都内では新たに2232人の感染を確認。都は本日に対策本部会議を開き、五類移行前後の感染対策に関して協議。政府見解を踏まえ、3月13日以降のマスク着用に関しては「屋内、屋外を問わず、個人の判断を尊重」するが、「医療機関を受診」「高齢者施設等を訪れる」「混雑した電車や乗合自動車に乗る」の三場面は例外で、「施設利用や催事参加の際に事業者から呼び掛けられた」場合もマスク着用を推奨。「COVIDが疑われる症状を有する者」や「家族に検査陽性者が居る場合」は外出を控え、通院時等にマスク着用。
事業者に対しては「マスク着用は個人の判断」との原則を踏まえつつ、各業界団体が修正した指針を遵守する事を要請。十分な感染対策を行っている飲食店を都が認証する第三者認証制度の基準から「客や従業員にマスク着用を求める」条項が削除される一方、飲食店が客や従業員にマスク着用を求める事は容認。都立学校では「4月1日以降、マスクの着用を求めない」が、来月の卒業式に就いても「児童や生徒、教員に限りマスクを外す」方向となる模様。検査費用や外来診療費の負担は「国が決定する全国一律の方針を踏まえて対応して行く」事を原則とするが、無料のPCR検査や抗原検査、検査キットの無料配布は終了。一方で重症化危険性が高い者への感染、伝播を防ぐ観点から高齢者用に設置した臨時医療施設の運営は継続され、高齢者施設の職員に対する検査も続行。各種施設の職員に対するPCR検査や抗原検査の集中検査に就いては、「医療機関、高齢者施設、障害者施設、特別支援学校等では継続」とするが「幼稚園、保育所、小学校、中学校、高校では終了」。
軽症、且つ危険性の低い陽性者が自ら回線接続で登録を行う陽性者登録中心の運用も終了。保健所や医療機関が感染者に行って来た健康観察も終了となり、今後は新型コロナウイルス感染症相談中心が作られ、発熱時の相談等に対応。37万食を確保した配食事業、43万台の酸素飽和度測定装置の貸与も終了となるが、医療への負荷を軽くする為に休日や平日夜間にも稼働する臨時回線接続発熱等診療中心を、high-risk群を守る為に高齢者施設への往診体制を維持して行く事も決まった模様。症状を訴えるも掛かり付け医を持たぬ者を対象にした発熱相談中心と自宅療養の人を対象にした相談窓口を統合し、新型コロナウイルス感染症相談中心を新設。透析患者や妊婦、基礎疾患を有する者等を対象とした入院調整は継続。今後は感染者の隔離が不要となる事から、約4000室の宿泊療養施設も原則廃止となるが、妊婦等を対象にした施設は例外。都内8箇所の高齢者等医療支援型施設、立川市の酸素・医療提供stationも維持される模様。
より多くの医療機関で患者を診療出来る様に介護人材の確保や院内の感染防止対策の費用の支援は「内容を見直した上で継続」するが、医療従事者に対する特殊勤務手当の支給や宿泊先確保の支援は終了。感染状況の報告は全数把握から定点把握に移行するが、新たな変異株の有無を確かめる為のゲノム解析は継続。従前は国が全額負担して来た大規模接種会場の運用を含めたワクチン接種、治療薬や外来医療、専用病床確保等に関する諸費用に関しては、「国が決定する全国一律の方針を踏まえて対応して行く」事を基本としつつも必要な補正予算を計上し、国が今後示す医療提供体制の方針に合わせて対応。此等の対策のうち、6月末迄の費用1775億円を盛り込んだ補正予算案も明日からの都議会で審議される予定との事。
本日に東京都医師会の会長、尾﨑治夫氏が会見。「屋外でマスクの着用は必要無い」が、屋内で外す場合は「部屋の換気が良くされて居る」か、「或る程度、換気が悪くても空気清浄機を置いてウイルスを除去する」等の「環境整備が必要」。業界毎に見直される予定の指針に於いては、「屋内での換気の状況や空気清浄機の設置」等に関して「個々人が判断し易い」様に、マスクを外す事が出来る「客観的な根拠」を盛り込んで欲しいと訴えたとの事。しかし、現実には変異株の発生や流入が起こる毎に国内の感染状況は今後も変動を繰り返すだろうし、一口に屋内と言っても状況は千差万別。指針中の基準を余り細かく設定し過ぎぬ方が汎用性は高まる様にも思われる。大阪府内では、新たに2383人が新型コロナウイルスに感染した由。
2月15日(水曜)
今日の新たな感染者は2万8772人。国内で亡くなったのは213人で、重症は258人。東京都内で新たに1858人、大阪府内で新たに1744人が感染。文部科学省が「本年の卒業式に於いて児童生徒や教職員は合唱時等を除き、マスクを着用しない事を基本とする」方針を示した事を受け、先週に高知市立城東中学校で「卒業式でマスクを外せるなら如何したいか」を調査。
同校の3年生130人を対象に各学級で挙手を用いて各人の意向を確かめた所、全体の54%に相当する70人が「外したくない」と回答した一方、「外したい」と回答したのは30人で23%前後で、同数の生徒が「迷っている」と回答。外すか如何か迷っていると答えた女子生徒は「入学の時からマスクを着けて過ごして来た」「しているのが当たり前で、外したら顔の心象が違うと揶揄われるのでは、と云う不安がある」と語り、外したいと言う女子生徒は逆に「学校生活の大半をマスクをして過ごして来た」故に「最後は外して皆の笑顔が見たい」と述べた由。高知市の公立中学校では来月14日に卒業式が行われるも、各学校はマスク着用に関する高知市教育委員会の方針が示されるのを待ち、対応を決める模様。
今月8日付の“The Lancet Infectious Disease”誌に東京大学医科学研究所の特任教授、河岡義裕氏を含む研究者集団の論文、“Antiviral and bivalent vaccine efficacy against an omicron XBB.1.5 isolate”。即ち「オミクロンXBB.1.5分離株に対する抗ウイルス薬及び二価ワクチンの有効性」と題した論文が掲載された。
本年2月の時点でBA.5の変異体BQ.1とBA.2の変異体XBBが全世界的にBA.5を含む其の他のオミクロン株に取って代わり、XBBの末裔にして米国で現在優勢なXBB.1.5は、BA.2やBA.を含む以前の変異株よりも高い免疫回避能力を有する。XBB.1.5及びXBBは、SARS-CoV-2に対するワクチンや治療用単複製性抗体の主要な標的で在るスパイク蛋白質の受容体結合領域に於けるアミノ酸置換の大部分を共有するが、XBB.1.5はXBBには見られない追加の置換、即ちS486Pを持つ。故に研究者達は「XBB.1.5に対する治療薬の有効性とCOVID-5ワクチンの効果を評価せねばならぬ」と考え、当該研究に於いて「COVID-19患者から分離されたオミクロンXBB.1.5に対する治療用単複製性抗体の有効性」が調査されるに至った由。
BA.2分離株と比較して、XBB.1.5分離株はposition 493に九つの追加変化、即ちG339H、R346T、L368I、V445P、G446S、N460K、F486P、F490S、そして野生型アミノ酸を有し、受容体結合領域のposition 361でCysteine、又はThreoninの何れかを記号化する混合集団で構成されていた。研究者達はvero E6-TMPRSS2-T2A-ACE2細胞を使って、単複製性抗体の50%焦点減少中和抗体価(50% focus reduction neutralisation titre; FRNT50)を設定。XBB.1.5に対する反応性を調べるとXBB分離株と同様、実験された全ての単複製性抗体、即ちimdevimab, casirivimab、tixagevimab、cilgavimab、sotrovimab、そしてbebtelovimabは最も高いFRNTでもXBB.1.5分離株を中和しなかった。
以上の結果からXBBと同様、臨床でXBB.1.5にはイムデビマブ-カシリビマブ、チキサゲビマブ-シルガビマブ、ソトロビマブ、及びベブテロビマブが無効で在る可能性が示唆された。
続いて研究者達は、抗ウイルス薬を評価。Remdesivir/商品名Veklury。Lagevrio/一般名Molnupiravir。Nirmatrelvir/商品名Paxlovid。Ensitrelvir/商品名Xocova。XBB.1.5に対するin vitro5%阻害濃度値を設定し、有効性を検証した所、「此等の抗ウイルス薬に対するXBB.1.5の感受性は、従来株の感受性と同等」との結果が示された。
以上の結果から、少なくとも実験的環境に於いては「レムデシビル、モルヌピラビル、ニルマトレルビル及びエンシトレルビルがXBB.1.5 、及びXBBの両方に有効」で在る事が示唆された。
最後に、研究者達は「回復期の患者」と「COVID-19用ワクチンを接種した人々」のXBB.1.5に対する血漿の中和能力を確かめた。「従来株用mRNAワクチンで4回の接種を受けた」群の血漿に於いては標本17件のうち11件、65%でFRNT50に依って示される対XBB中和活性が検出限界を下回り、17件中の9件、53%でXBB.1.5 に対する中和活性も検出限界を下回った。しかし「従来株とBA.4、又はBA.5に対する二価mRNAワクチン」を用いて「5回目の接種を受けた」群の血漿では18件中17件、殆どの標本がXBB.1.5. を中和した。「COVID-19ワクチンを接種するもBA.2打抜感染を経験した」人々の血漿標本からも、同様の結果が得られた。BA.2打抜感染を経験した10症例のうち8件、80%がXBB.1.5を中和した。全ての試験群に於いて、XBB.1.5に対する中和活性は従来株やBA.2に対する中和活性よりも相当に低かったが、XBB.1.5に対する中和力価の低下はXBBの其れと同等だった。
以上の結果から「XBB.1.5 は従来株用ワクチン、若しくは自然感染に依って誘発される体液性免疫を巧妙に掻い潜る」が「二価ワクチンがXBB.1.5.に対する体液性反応を改善し得る」事が示唆されたとの事。
2月16日(木曜)
本日に発表された国内の新たな感染者は2万1347人、東京都内で1454人、大阪府内で1354人が。国内で亡くなった者は172人で、重症者は254人。本日に「厚生労働省は新型コロナウイルス感染症の法令上に於ける名称を変更する方針」にて「コロナウイルス感染症2019」へと改名する案を検討中、若しくは同案で調整中等の報道有り。
従前は感染症法に於いて一類から五類とは別枠を設けた「新型インフルエンザ等感染症」に分類される「新型コロナウイルス感染症」として規定され、入院勧告や就業制限等の厳しい措置が執られて来たが、此の位置付けが5月8日に五類へと移行。諸々(もろもろ)が緩和されるのに合わせて「新型」の呼称を止め、特別視を減らして平時への移行を進める狙いが有る模様。来月以降に専門家を集めた部会で「新型コロナウイルスの感染症法上の名称」に加えて「病原体名の変更」に就いても本格的な議論が予定されて居り、厚生労働省としては「五類移行後の医療提供体制」「患者が支払う医療費の公費負担」も段階的に見直す方針で、来月上旬にも具体的な方針を示すとの事。
世界的には“COVID-19”の呼称が用いられて久しく、今更の感も有るが。言霊の幸う我が国を動かす為に、或いは必要な手順なのかも知れぬ。
2月17日(金曜)
本日は新規感染が1万8606人、死亡が141人、重症者は232人。感染者との濃厚接触が生じた可能性が有る場合に通知を行う筈が「接触しても通知されない」等の不具合が相次ぎ、昨年11月の機能停止に至った新型コロナウイルス接触確認アプリ、COVID-19 Contact-Confirming Application。略称“COCOA”に関し、本日に計数型庁と厚生労働省がapplicationの課題等を纏めた報告書を公表。
不具合が起きた一因として「アプリの開発や運用等で体制の整備が十分に為されなかった」事が挙げられ、「通知を受けても感染者と接触した場所や時間が分からない仕組み」、「接触通知の履歴を収集する機能を持たぬ」故に「アプリの効果を検証出来ない」等の課題有り。開発の初期段階から「デジタル技術の専門家と感染症対策の専門家等が密に意思疎通を取り、速やかに対応する必要が有った」と指摘する一方、「通知を受けた者が他人との接触を避ける等の行動を取った」として、一定の効果が有ったと評価された。
デジタル庁は将来の世界的大流行に備え、今回の報告書を今後のアプリ開発等に活用して行く方針との事で、本日にデジタル大臣の河野太郎氏も会見。COCOAについて「アプリの活用に向けての政治の統率力が欠如、或いは弱かった」「厚生労働省の中で、アプリを活用する為の体制を確りと組めて居なかった」と課題を指摘する一方で「可成の数が情報受診され、其れなりに世の中に行動変容を促した」点で「一定の効果は有った」と述べた。
東京都内で新たに1272人が感染。文部科学省が「卒業式に於いて児童や生徒、教職員は式典全体を通じてマスクを外す」事を基本とし、「マスク等の対策をした上で国歌や校歌の斉唱も実施する」様にと全国の教育委員会に求める一方、都の教育委員会は今月13日、都立学校に「感染防止の為に従前と変わらず国歌や校歌は歌わない」様に求める趣旨の通知を出した。矛盾とも思える姿勢に関し、都知事の小池百合子氏は「卒業式は多くの場合、声を出さない事が多い」点が「一番の判断材料になった」と聞いて居り、「マスクを外すにしても、発声は控えて行こうと云う判断の表れだと理解している」と17日の記者会見で擁護した由。
厚生労働省は17日、大阪府内で新たに1184人が感染している事を確認したと発表。愛知県豊田市の杜若高校で行われた卒業式には、3年生の生徒や保護者等合わせて500人余が出席。学校側が「卒業する3年生、約240人に就いては式典中のマスク着用を自主的な判断に任せる」とした所、2割程度に当たる凡そ50人がマスクを着用せずに出席。式典では感染拡大を防ぐ為に校歌斉唱は行わず、生徒達は予め録音された校歌を静かに聞いていたとの事。
2月18日(土曜)
本日の新たな感染者は1万7124人。東京都内からの報告は1146人で先週土曜より597人減、前週同曜を下回るのは32日連続。大阪府は1138人。国内で亡くなった者は千葉県で13人、神奈川県で12人、東京都で10人、福岡県で8人、埼玉県で7人、大阪府で7人、兵庫県で6人、熊本県で6人、愛知県で5人、静岡県で5人、三重県で4人、北海道で4人、栃木県で4人、長野県で4人、広島県で3人、鹿児島県で3人、京都府で2人、佐賀県で2人、奈良県で2人、山梨県で2人、岐阜県で2人、岡山県で2人、愛媛県で2人、滋賀県で2人、群馬県で2人、高知県で2人、和歌山県で1人、宮城県で1人、宮崎県で1人、山形県で1人、徳島県で1人、福井県で1人、長崎県で1人、青森県で1人、香川県で1人の総計130人。重症者は221人。
米国の疾病管理予防中心(Centers for Disease Control and Prevention; CDC)は「今月18日迄の1週間に同国内で発生した新規感染者のうち、80.2%がオミクロン株XBB.1.5系統に感染している」とする推計を発表。前週の73%と比べると約7ポイントの上昇となるも、感染者数自体は今月15日の時点で1日平均が凡そ3万7000人、新規入院の患者数も今月14日の時点で1日平均3600人、死者数は今月15日の時点で1日平均が約400人と何れも先月中旬から減少傾向を保ち、今年5月11日に国家非常事態宣言解除の方針にも変更は無い模様。
今夕に防衛省が「北朝鮮から大陸間弾道弾(Intercontinental Ballistic Missile; ICBM)級の弾道弾1発が発射され、北海道渡島大島の西方に約200粁、日本の排他的経済水域(Exclusive Economic Zone; EEZ)内の日本海に落下した」と推定される状況に就いて発表。通常より高射角のlofted軌道で発射された弾道弾は最高高度が約5700粁、飛行距離が約900粁と見られ、飛行した軌道に基づいて計算すると「弾頭重量等の条件に依っては射程距離1万4000粁を超え、米国全土が射程に含まれる」可能性有り。
官房長官の松野博一氏は今夜に臨時の記者会見を設けて「今回の発射行動は国際社会全体への挑発を激化させる暴挙」にして「一連の北朝鮮の行動は、わが国、地域、国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認出来ない」。「関連する国連の安保理決議に違反するものであり、北朝鮮に対して厳重に抗議をした」等と発表。弾道弾発射が判明した後、我が国の内閣岸田総理大臣たる岸田文雄氏は「先日に受けた慢性副鼻腔炎手術後の経過観察」で品川区の診療所を訪れるも「必要な総理大臣官邸内での動きは続けられており、問題無いと認識している」との事で、総理自身も19時20分頃に官邸で記者団に対し「北朝鮮がICBM級を発射した事を受けて先程、国家安全保障会議の4大臣会合を開催した」、「国民の安心・安全が何よりも重要」で「今後とも情報収集や警戒監視に全力を挙げると共に日米、日米韓の連携を緊密に図(はか
って行きたい」と述べた由。
昨年に北朝鮮は「過去最多の37回」と嘗て無い頻度の弾道弾発射を繰り返したが、特に9月から10月は「戦術核運用部隊の訓練」として中距離、短距離の弾道弾発射が合計10回に及んだ。11月も「米韓空軍による大規模な共同訓練に対応する」等としてICBM級を含む6回の発射、12月18日に準中距離と見られる弾道弾を2発、23日に短距離を2発、31日も短距離3発を日本海に向けて発射。本年の元日にも短距離弾道弾1発を発射して居り、今年に限っても2回目での弾道弾発射となる。
米韓両国は先月31日に漢城で行われた国防相会談にて「核戦力等の抑止力で同盟国を守る拡大抑止の強化」を確認し、「合同軍事演習の規模拡大」でも合意。今月1日に両国の空軍が最新鋭隠密戦闘機F35、B1爆撃機を投入して朝鮮半島西側の黄海上空で共同訓練が行われたのに対し、今月6日に開かれた朝鮮労働党の中央軍事委員会の拡大会議で、北朝鮮は「軍の訓練を絶えず強化し戦争準備態勢をより厳格に整える」事を決定。8日の軍事行進で新型ICBM級「火星17型」等の新型弾道弾が登場。17日に北朝鮮外務省が「米韓両国が過去最大の規模で軍事演習を実施しようとしている」「前例の無い強力な対応に直面する」と両国を牽制する中、22日に米韓両国の図上演習、来月中旬からは定例の合同軍事演習が予定されていたとの経緯有り。
今回発射に関して、韓国の通信社は「軍からの情報に拠ると、火星17型が使用された可能性が高い」と報道。米国の総理官邸は「今回の発射は複数の国連安保理決議に対する明確な違反」で、「米国の国民や領土、同盟国に差し迫った脅威を与えるものでは無い」と判断されるも「此の地域の安全保障環境を不安定化させる危険性と緊張を不必要に高める」行動だとして強く非難すると同時に「米国は自国と日本、韓国の安全を確保する為に諸有必要な措置を執る」と宣言。同国の印度太平洋軍からも同様の声明が出されたとの事。世界的大流行後も北朝鮮では予防接種が行われる事も無く、国民の餓死や病死が多発していたと伝え聞くが、弾道弾の開発や生産に掛ける費用に不自由はして居ない様だ。
2月19日(日曜)
本日の新規感染は1万4239人、死亡は107人、重症は220人。今週14日に内閣府が2022年10〜12月期に於ける国内総生産(gross domestic product; GDP)の速報値を発表。物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比0.2%増、年率換算で0.6%増となり、2四半期以来の正の成長を示して「経済の正常化が緩やかに進んでいる」と評価される一方、市場の予想は下回り、力強さに欠けるとの評価が大勢を占めた由。政府の観光促進策「全国旅行支援」、入国規制の緩和、輸入物価の上昇、国内に於ける価格転嫁等の諸要因が作用し合う中で「物価上昇に賃金が追いついて居ない」「観光業等で人手不足が課題」等の指摘あり。
先に米国と中国、Euro圏に於ける昨年10月から12月迄のGDPが発表され、米国では先の3ヶ月と比べた実質の伸び率が年率に換算して2.9%。コロナ禍からの経済正常化に因り観光や飲食が好調なれども企業の設備投資が微増に留まり、急速な利上げの影響から住宅投資は大幅に減少。連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board; FRB)は物価上昇を抑え込む為に利上げを続ける見通しで、米国経済が景気後退に陥る事も懸念される由。当該期間の中国に於けるGDPは、内閣府による試算で前の3か月と比べた伸び率が年率0.0%と横這い。ゼロコロナ政策下に於ける厳しい感染対策は緩和された後も感染急拡大、主要産業たる不動産業界の不調が重なり、景気が停滞した模様。独逸や仏蘭西を含むEuro圏19箇国に於ける当該期間のGDP伸び率は先の3ヶ月と比べて0.5%高まり、7期連続で正の成長となるも、勢力価格の高騰や記録的な物価上昇が個人消費や企業活動の足枷となり、成長の進度は鈍化。
今週17日迄に、東南亜細亜の主要国が、昨年10月から12月迄の国内総生産の伸び率を発表。新嘉坡は前年同時期に比して2.1%の成長を示し、前期より伸び率が縮小するも、旅客増加等で旅舎や飲食業が回復。比律賓は7.2%、馬来西亜は7.0%、印度尼西亜は5.0%、泰国は1.4%と何れも正の成長。一方、国際通貨基金(International Monetary Fund; IMF)は「東南亜細亜、主要5箇国の本年に於ける成長率は4.3%」「前年より減速する」と予測。既に泰国と新嘉坡では輸出が減少に転じたらしく、何処も余り明るい話題ばかりでは無い様だ。
日本と韓国が中国本土からの入国者にPCR検査を義務付ける等の水際措置を実行したのに対し、「差別的だ」と反発した中国は、先月10日の時点で両国に対する査証発給を停止。先月29日に日本への査証発給を再開されるも、「中国人への短期査証の発給等を今月末まで延長する」とした韓国に対しては発給停止が続けられて来たが此の度、韓国に在る中国大使館が「今月18日から中国を訪れる韓国人への査証発給を再開する」と発表。理由は未公表だが、先週に韓国政府が中国からの入国者を対象にした短期査証の発給制限を解除した事を受けた措置と見るのが妥当か。
今週に伯剌西爾では、三年振りの通常日程を以て、里約日内路の謝肉祭が開催。17日の開幕式では豪奢な衣装を纏った「謝肉祭の王」が「街を開放する」鍵を受け取り、祭典の開幕を宣言。里市が「本年の謝肉祭は日本円にして凡そ1150億円の経済効果を齎す」と予測する等と地元の期待が高まる中、19日からは選抜された12団体、各3000人程度が特別会場、Sambódromo da Marquês de Sapucaíにて歌や舞踊の美を競い、巨大な山車と共に約700米の花道を行進。最高潮に達した興奮の宴は21日朝迄、夜を徹して続けられるとの事。