令和4年11月第4週
11月21日(月曜)
厚生労働省が発表した本日の新規感染者は空港検疫込みで4万2424人となり、先週同曜より五千人近く増加。死亡は宮城県6人、東京都6人、北海道5人、埼玉県4人、大阪府4人、千葉県3人、岩手県3人、群馬県3人、青森県3人、兵庫県2人、広島県2人、愛知県2人、神奈川県2人、秋田県2人、三重県1人、和歌山県1人、奈良県1人、富山県で1人、岐阜県1人、岡山県1人、栃木県1人、滋賀県1人、福岡県1人、長崎県1人の総計57人で累計は4万8338人に達するも、重症者は昨日より3人減って259人。東京都内では新たに4619人、大阪府内では1834人が感染。
本年9月から始まったオミクロン株対応型ワクチンの接種に関しては、政府発表の最新状況に拠ると、現時点で国内に於ける接種完了者は1676万3428人で、全人口に対する接種率は13.3%に到達。磯崎官房副長官は記者会見で、COVIDは「新規感染者数が増加傾向」に在り、流行性感冒も引き続き低い感染水準だが増加の兆しが見られ、同時流行が懸念されている」と発言。両感染症に対するワクチンに関して「同時接種そのものを推奨している」訳では無いものの「厚生労働省の審議会で安全性と有効性を議論いただき、実施可能としている」と説明。記者団が「岸田総理大臣は新型コロナとインフルエンザのワクチンの同時接種を行うのか」と質問したのに対し、「インフルエンザワクチンは既に接種済」「5回目の新型コロナワクチンも今後、適切な時機で接種することになる」と述べた由。
先の経済再生担当大臣、山際大志郎氏が旧統一教会との密接な関係を問題視され、曖昧な答弁を繰り返した挙句、大臣辞任に至った経緯に関しては既報の通りだが、其の後も岸田政権に於いては、葉梨康弘氏が自身の務めていた法務大臣の地位に関して「死刑の判子を押した時だけnewsになる地味な役職」で「今回は旧統一教会の問題に抱きつかれてしま」った等と無用の戯言を吐き、二日後に辞任。更に寺田稔氏が「自身による関係政治団体への貸付金600万円の政治資金収支報告書不記載」「昨年の衆院選で公選法違反の運動員買収」「地元の寺田稔竹原後援会が故人を会計責任者とする報告書を提出」「関係政治団体が受け取った寺田稔宛て領収書11枚の筆跡が酷似」等の疑惑が相次いで報じられた事に伴い、総務大臣の椅子から降りる事となり、僅か一ヶ月のうちに3人の閣僚が交代。閣僚辞任の連鎖が将棋倒の如く止まらず、衆参両院で始まる予定の補正予算案審議が開始時刻を大幅に遅らせ、衆議院のみで行われる事になる等と国会も混乱。
岸田総理は「当初は辞任を否定し、本人から世間に弁明させるとの態度で状況を静観」「世間の反発が強まった後に事実上更迭」の対応を繰り返し、葉梨寺田両氏が自身の股肱たる岸田派所属だった事も有って 「私自身、任命責任を重く受け止めています」と謝罪した上に、野党から「総理御自身が身を引く事を考えるべき」と難詰された。公明党代表の山口那津男氏から寺田氏に関して「説明をするように努力をされていたと思いますが、なかなか不透明感が残ったなと」、佐藤国対委員長は「もう此れ以上、足を引っ張る様なネタを政府の方から提供しないで貰いたい」と与党内からも苦言を呈されたが、更に「母親に支払った事務所の賃料が税務申告されていない」との問題を抱える秋葉復興大臣に野党側が追及の狙いを定めたとの情勢で、「政権浮揚には内閣改造しかない」との声も上がる今日此頃。
11月22日(火曜)
本日の新たな感染者は12万1460人で、東京都内は1万2758人、北海道内1万1394人は過去最多。大阪府は6138人で、山形県2207人と岩手県2115人も過去最多との事。本日に第107回となる新型コロナウイルス感染症対策諮問委員会。所謂、厚生労働省の専門家会合が開催。会議の席上で提示された資料に拠ると、11月21日迄の一週間に於ける全国の新規感染者数は、前週と比べて1.18倍に増加。増加幅は先週よりも狭まるも増加傾向が続き、首都圏の1都3県では東京都が1.17倍、神奈川県が1.21倍、埼玉県が1.22倍、千葉県が1.28倍と増加。関西でも大阪府が1.12倍、兵庫県が1.10倍、京都府が1.17倍。東海でも愛知県が1.29倍、岐阜県が1.21倍、三重県が1.24倍。奈良県で1.32倍、青森県と岩手県で1.30倍等となり、山口県と徳島県を除く45都道府県で増加。人口10万人当たりの直近一週間の感染者数は北海道が全国最多1120.66人と千人を超え、次いで長野県が907.27人、山形県が895.39人、宮城県が847.74人、福島県が795.41人等と北海道や東北で多くなり、東京都は435.73人、大阪府は314.79人、全国では473.60人。
会合後の記者会見で、脇田隆字座長は、全国の感染状況に就いて「増加速度は稍鈍化」。「感染者は此迄10代以下が中心だった」が「少し頭打ちの傾向」で、「増加していた地域は頂点を迎える可能性が有る」との意見が出る一方、「別の変異ウイルスのBQ.1やXBBに置き換わる」「一旦、感染者数が頂点になっても直ぐには減少しない」可能性も指摘された。高齢者では「感染者数のゆっくりとした増加」が続き、「重症者や死亡者の増加に繋がるので注意が必要」。流行性感冒は「現在、緩やかな増加傾向で、非常に低い水準」で、年内の大流行よりは「来年、新学期になって学校活動が始まる時期に流行が大きくなる」、新たな変異株への置換でCOVID流行が拡大する際に「流行性感冒の流行が重なる」等の可能性も指摘された等の発言有り。
塩野義製薬が北海道大学と共同開発したCOVID用内服薬Ensitrelvir、商品名Xocovaは本年2月に承認申請。6月と7月に緊急承認の可否が審議されるも、有効性に関する判断が見送られて継続審議となっていたが、更なる治験結果の提出を経て、本日に改めて厚生労働省の専門家会議が審議。「発熱等の症状を改善する効果が認められた」「有効性が推定される」として使用を了承し、厚生労働省が承認。動物実験で胎児催奇形性を認めた事から妊婦への使用は禁忌、投与時は「避妊の徹底」が求められる。乳汁への移行が認められた事から授乳婦への投与、臨床試験が行われていない事から重度の腎機能障害や肝機能障害を持つ患者、小児も投与禁忌。 薬価は未定なれども、同系列の薬剤から一人当たり数万円程度と推定される由。
当該薬剤は「医薬品の緊急承認制度の第一号」「軽症の段階から服用できる初の内服薬」と持て囃される反面、「既にNirmatrelvir/商品名Paxlovidと云う有効な先発薬が存在する」「パキロビッドと比較してゾコーバは重症化予防効果を持たず、薬価が高い」「にも関わらず、厚生労働省がパキロビッドの処方に制限をかけ、政府が確保した200万人分のうち5万6000人分しか投与されていない」等の問題点は山積。しかし、日本政府は承認試験合格以前から百万人分の購入契約を結び、日本感染症学会と日本化学療法学会が緊急承認を求める提言書を厚生労働大臣に提出。日本放送協会を含む報道機関も「医療現場から望まれた薬」「game changerが現れた」と絶賛する等と挙国一致の体制が敷かれ、晴れて緊急承認を果たした暁には日本薬剤師会会長の山本信夫氏から祝辞を送られた模様。
加藤厚生労働大臣は「新たな治療の選択肢の1つとして、新型コロナ対策に寄与することを期待」「国内企業が製造販売するので、安定供給の観点からも大きな意義がある」、「流通システムができしだい、12月の初頭には医療現場で使用できるよう供給を開始する予定」等と述べたそうだが、既に裕福では無い我が国の血税が効果の乏しい薬の購入に費やされ、塩野義ばかりが肥え太る結果にならぬ事を願う。同社は今後、正式承認の取得を目指すそうだが、審査する側は国民の健康を背負っている事を自覚し、飽く迄も「瑕疵在らば承認取消」の厳しい姿勢で臨むべきだと存ずる。
特例承認も含めると、現時点で国内で承認済のCOVID治療薬のうち、軽症の段階から使える内服薬は先述したPaxlovidとMolnupiravir/商品名Lagevrio。軽症患者向けに使える初の薬剤として特例承認されたのが2種類の抗体、casirivimabとimdevimabを用いた抗体カクテル療法製剤で、商品名Ronapreve。対して、1種類の抗体を投与するのはSotrovimab/商品名Xevudy。同じく抗体医薬のEvusheld/一般名Tixagevimab+cilgavimabは、ワクチンの効果が不十分と考えられる者の発症予防にも有用。従前から他の疾患に使用されて来た薬剤の転用としては、エボラ出血熱の治療薬として開発された抗ウイルス薬のVeklury/一般名Remdesivir、ステロイド剤のDexamethasone/商品名Decadron等、関節リウマチ治療に使用されるBaricitinib/商品名OlumiantとTocilizumab/商品名Actemra。ゾコーバを除いても9種類が国内で使用可能となっており、打つ手が無かった数年前と情勢が異なるのは事実。
11月23日(水曜)
勤労感謝の日の新たな感染者は13万3361人、国内で亡くなった人は160人、重症者は266人。東京都内で1万2850人、大阪府内で6615人の新規感染が報告され、長野県内では過去最多4328人で先週水曜より507人増。感染者5人の死亡、17箇所での集団感染も報告され、昨夜に於ける全県の病床使用率は60.8%に達した。県は「寒い時期となり室内の換気をし辛くなっている事等で感染者が増えている」「マスクの着用や手洗い、手指消毒をこまめにする等、基本的な感染対策を徹底して欲しい」と呼び掛けた由。
COVIDと流行性感冒の同時流行が懸念される中、国は「発熱等の症状を有するも重症化危険性の低い者」に対して「先ずは薬局や電網で販売されるSARS-CoV2抗原検査キットで検査を行う」事を求めるも、流行性感冒に感染しているか否かの確認には結局、医療機関を受診せねばならぬ。今後の感染増加に備えて「医療機関のみで使用されて来た同時検査キットを、薬局や電網でも販売可能とすべし」との意見が出ていた事に関し、昨日に開かれた厚生労働省の専門家会合では「検査の精度が心配」「流行性感冒の陽性反応は発熱後、直ぐには検出されない恐れ有り」等の指摘が出るも、総じて言えば賛成意見が多かった由。指摘も踏まえた上で、厚労省は「医療機関への供給が最優先」を前提としつつも「同時検査キットの一般向け販売解禁」に向けた本格的な検討を始めるとの事。
11月24日(木曜)
国内の新たな感染者は6万108人。国内で亡くなった人は130人、重症者はで281人。東京都内では新たに5639人の感染が確認され、本日に都は専門家によるモニタリング項目の分析結果を公表。新規感染者数の7日間平均は22日時点で8966人と前週に比べておよそ950人増えて4週連続で前週比が100%を上回り、入院患者数も一昨日の時点で2698人と227人の増加。一方、専用病床をおよそ2000床増やした結果、病床使用率は前週より8.1ポイント下がり、35.6%に留まった由。以上の結果を踏まえて、専門家連は感染状況の警戒水準を4段階中の第2位、医療提供体制を第3位で維持。医療提供体制については「インフルエンザと新型コロナの同時流行が懸念される中、患者数の急増に対応できるよう外来を含めてさらに拡充する必要がある」と指摘したとの事。
昨年に「新型コロナウイルスに感染した60代の女性が県の宿泊療養施設で死亡した」件に関し、神奈川県の第三者委員会が報告書を公表。昨年5月26日に感染が確認された同県在住の60代女性は、翌日に県の宿泊療養施設に入るも6月4日朝、寝台の上で心肺停止の状態で見つかり、其の後に死亡。女性は前日に血中酸素飽和度の低下を認め、県側が電話で繰り返し体調を確認するも、夜間から翌朝の連絡をしなかった時間帯に容態が急変したものと見られる。県は弁護士を含む外部の専門家に依る第三者委員会を設置し、検証を進めて来た結果、当時の対応に関して「改善の余地は有る」が「死亡の原因となる様な不適切な点は無かった」とする報告書を本日に公表。再発防止策として「必要な患者には夜間も安否確認の電話をする」「医師の診察を速やかに受けられる様にする」等が提案された模様。
また同県の試算では「今冬にCOVIDと流行性感冒の同時流行が起きれば、受診希望者は一日に最大3万5000人に上る」そうだが、此れは県内医療機関の外来で対応可能な範囲を5000人分も超過する勘定。県としては医療機関に回線接続診療の実施を推奨するも、先月の時点で発熱外来を行っている医療機関に調査した所、回答が得られた1028機関のうち「COVID患者をオンライン診療で診ている」と回答したのは237施設。全体の2割程に留まり、理由としては「新たに機構を準備するのに手間や費用が掛かる」「直接診察をせずに正確な診断が可能かとの懸念が有る」等が挙げられた事から、今月に県は電網上で「オンライン診療指南塾」と題した医療機関向けの研修会を開き、オンライン診療を始めるための初期費用を補助する制度を設ける等を行い、改めて協力を呼び掛けた由。大阪府内では、新たに2644人が感染。
塩野義製薬の内服薬Xocovaに関して国が緊急承認とした件に関して一昨日の項に記したばかりだが、更に本日、同社は「開発中のCOVID用ワクチンに関し、製造販売の承認を厚生労働省に申請した」と発表。同社開発の組換蛋白ワクチンを用いて「1、2回目の接種を想定した臨床試験」が国内で未接種者約1000人を対象に実施され、「AstraZeneca社製か塩野義製の何れかを接種」した後に血液中の中和抗体価を比較した所、塩野義製が上回った。また「3回目の接種を想定した臨床試験」でも、Pfizer製のmRNAワクチンを2回接種済の者を対象に「Pfizer製か塩野義製の何れかを接種」して「中和抗体価はPfizer製と同等」。以上の臨床試験を通して「安全性に大きな問題は確認されなかった」との事。此の期に及んで従来株への効果を謳うのには周回遅れの感も受けるが、「オミクロン株対応ワクチン開発には先ず従来株に対応したワクチンの承認取得が前提」との事情が有るらしく、塩野義側としても「従来株対応型の承認を申請した後、変異株対応ワクチンの開発を進める」方針。初の国産ワクチン完成は政府の悲願でも在るが、費用対効果も含めて使用に耐え得るものが完成するのか否か、行く末を見守りたい。
地域の医療提供体制の強化策を盛り込んだ感染症法等の改正案は、参議院厚生労働委員会で自民党や立憲民主党などの賛成多数で可決。来週にも開かれる参議院本会議で採決が行われ、成立する見通しとの事。一昨日の国会で居眠りをしていた松本総務大臣の松本剛明氏が本日に「私自身、余り目が大きい方で無い」「少し物を話したりする前に考える時に目を細める癖が有る」、「ずっと質疑を拝聴させて頂いていた心算だった」等と弁解するも、野党側が追及を続けると一転して「今後そのようなことのないよう緊張感を持って審議に臨みたい」と陳謝。昨年の衆議院選挙で「秋葉復興大臣の公設秘書が報酬を受け取って選挙運動をしていた」公職選挙法違反の疑い有りと週刊誌に報じられた件に関し、昨日に秋葉大臣本人から電話で「しっかりと説明責任を果たしたいとの報告を受けた」旨を松野官房長官が公表。「報道されている点も含め、政治家としての責任において、適切に説明することが重要」との認識を示すも、秋葉大臣の事務所はJapan News Network(JNN)の取材に対して「事実関係を確認中」と回答。
昨日に岐阜市で自民党の政調会長、萩生田光一氏が講演。「こんなに国民が真面目にマスクをして、其れでも感染数は大体、世界標準になっちゃった」。「今回は行動規制を掛けないで、ウィズコロナで乗り越えていく」方針だが「今、国際会議に行ってマスクをしているのは日本人だけ」。「冷静に、科学的な知見に基づいて、コロナの対処の仕方を考えて行かなければいけない」と発言し、「早く変えるべし」「萩生田さん頑張れ」等と賛同の声が上がった由。華太瑠で開催中の蹴球世界杯の客席を観てもマスク未着用の観客が多い一方、台湾の統一地方選では屋外でもほぼ全員がマスクを着けて選挙を戦うとの情勢も有り、作家で医師の知念実希人氏は「なんでこんなデタラメ言うの」「アジアではけっこうマスクしているよ」とTwitter投稿。
他にも「マスクは経済活動を行いながら、感染もある程度抑制できるコスパの良い対策ということがわかっていない」「感染拡大の中、マスクするに越したことはないんじゃないの」等、萩生田発言を疑問視する意見が多かった模様。文部科学大臣時代に「自分の身の丈に合わせて」発言で批判を買っても庇護し続けてくれていた安倍氏が亡くなり、極めて親しく関わっていたとされる旧統一教会からの支援も期待出来なくなった萩生田氏としては機会有らば己の存在感を国民に主張したい所だろうが、マスク脱着可否の基準に関しては政府も再三周知して来た通り。少なくとも「会議室内で各国代表が喧々(かんかん)諤々(がくがく)の議論を行う」様な状況に於いてはマスク着用こそが適切で在り、周囲に未着用の人々が居るのならば、日本の政治家として着用を呼び掛けて頂きたい。
11月25日(金曜)
本日に厚生労働省が発表した国内の新たな感染者は、空港の検疫などを含め11万7840人。死亡した感染者は100人、重症者は昨日より14人増の295人。東京の新規感染1万2938人、大阪5868人、そして岩手県でも2241人と過去最多となったが、昨日は祝日のため休診とする医療機関が多かった事も影響した模様。新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金は現在迄に約16兆円が交付されるも、制度の趣旨に反して「COVID対策との関係が薄い事業に支出されている」との指摘有り。今月22日に行われた経済財政諮問会議でも民間議員から「成果の検証を進め、経済情勢を見ながら順次縮減して行くべき」との提言が有り、鈴木財務大臣は本日の閣議後会見で「平時への移行も見据えながら、確りと検討して行く事が重要だ」と発言。
対して旅行代金の割引を受けられる全国旅行支援に関しては、当面は12月迄とされて来た実施期間を「感染状況を見極めた上で年明け以降も継続する」旨を、本日の閣議後会見で斉藤国土交通大臣が発表。放って置いても観光需要の高い年末年始は対象にはならず「年内は12月27日の宿泊分迄」で一旦は打ち切り。年明けの再開時期は今後に決めるとの事なれども、現行の制度では宿泊と交通機関での移動を組み合わせた商品の「割引額上限が1泊8000円」だったのに対し、再開後は「上限5000円」に引き下げ。旅行代金の割引率上限も「最大40%」から「最大20%」に引き下げられ、交通機関での移動を伴わない宿泊や日帰り旅行に対する支援も「上限5000円」から「上限3000円」に抑えられる模様。土産物店等で使える引換券は現行の紙、電子の混在から「原則、電子のみ」の運用に変更され、面倒を嫌う加盟店の撤退等も予測されるとの事で、一応の継続なれども規模は縮小。
本日に衆議院予算委員会では、今年度の第2次補正予算案の審議。自民党の赤澤亮正氏は、元陸上自衛官の女性が所属部隊で性被害を受けた問題に関して「自衛隊の精強性に重大な影響を及ぼす、極めて重要な問題」と語り、「戦略3文書の改定」に際して「同様の事案を二度と起こさない覚悟と決意が窺える記述を盛り込む」事を求めたのに対し、岸田総理大臣は「暴力事案を含むハラスメントは決して許されない行為」「改定に当たってはハラスメント対策を記載する方向で年末までに結論を出したい」と回答。立憲民主党の長妻政務調査会長は、旧統一教会の被害者救済を図る新たな法案に関して「被害者の弁護団が使えないと言っている法律を、使えると強弁しても説得力が無い」。「もう1段踏み込んだ条文にする覚悟は有るか」と追及。岸田総理は「憲法を始めとする日本の法体系の中で、被害者救済の為に何処迄、踏み込む事が出来るか」を「最大限追求して法律を仕上げたい」と応じた。
また昨年7月に「旧統一教会の友好団体と同一住所に事務所を置く世界平和連合宮城県連合会」に「秋葉復興大臣が代表を務める党支部が2万4000円を支出していた」事実が発表された収支報告書から確認された件に関しても野党から質問が飛ぶも、当事者たる秋葉賢也氏は「事務所で事実関係を確認している所」だが「今後、旧統一教会との一切の関係を持つ事は無い」との回答。野党側の更迭要求に対し、岸田総理大臣は「大臣として誠実に説明して行かなければならない」と述べ、罷免を拒んだそうだが、秋葉氏には「昨年の衆議院選挙で使用が認められた当人以外が氏名入りの入った襷を使う」公職選挙法違反の疑惑も有るらしく、遠からず事実上更迭になるものと予想。一方で岸田総理大臣は、今週火曜の項に記したCOVID用内服薬のゾコーバに関して「速やかに国民のもとに届けるよう努力しなければならず、週明け28日から本格的な供給を開始する」と述べ、夜には大手町の合同庁舎に設けられた自衛隊の大規模接種会場を訪れて、COVID用ワクチンの5回目接種。3回目と4回目に続いてModerna製なれども今回はオミクロン株に対応したものが用いられた由。
Laibo社が運営する調査機関、Job総研が「2022年 忘年会意識調査」を実施。先月26日から31日に全国の社会人男女へ電網上で質問紙調査を行い、得られた770名分の回答を解析した所、今年の職場忘年会の実施有無は「実施する」が31.4%で「実施しない」が68.6%。2018年は実施が73.5%だったが、2019年は49.5%に減少、日本がコロナ禍に突入した2020年には10.8%まで落ち込むも、2021年は18.7%と微増。今年は十月末の時点で31.4%の結果になり、「一昨年から職場忘年会の実施が増加傾向」なれども「未だ実施しない割合が大きく上回る」との結果。また第八波の最中たる本年に職場の忘年会を催す事に対しては「賛成」21.7%と「やや賛成」36.4%、合算すると58.1%が賛成派。対して「反対」21.7%、「やや反対」が20.2%で反対派は41.9%となったが、反対派の回答者323人中77.4%が「コロナ感染を懸念」と回答。年代別で見ると、賛成派の回答は20代が65.3%で最も多く、30代が54.1%、40代が50.4%、50代が44.1%と年代が上がると賛同者が減る傾向が見られた。勤務の形態で分類すると、賛成派の回答が最も多かったのは60.0%の「フルリモート」で、次いで「出社とリモート」59.7%、「フル出社」56.0%。
職場忘年会の本年開催に賛成する理由は「職場全員が職域接種のワクチンを打っているので、感染懸念は余り無い」「コロナ禍に入って2年実施されなかったので、今年は職場みんなで労い合いたい」「遠隔勤務で対面の意思疎通が減り、忘年会は貴重な場」「コロナ禍で忘年会文化も変化したが、やっぱり一年の締めで遣りたい」。反対の理由は「感染第八波の中、職場忘年会の実施は危険性が大きい」「職場忘年会で集団感染したら、年始の欠席率が多くなり新年から仕事が進まない」「今年からフル出社に戻ったので、十分に対面の意思疎通が取れている」等。賛成派の回答では20代が最多なれどもコロナ禍で就活をした世代も含まれることから、就職後に未だ職場忘年会を経験していない方も多く、職場忘年会の参加意欲を問う設問には「進んで参加する」が3割止まり。「気が進まない」等が6割の回答結果で全体的には職場忘年会への意欲は低く、「一種の伝統文化として毎年実施されてきた職場忘年会の価値はコロナ禍を境に大きく変化」「存在価値が薄れているように感じる結果」が示された由。
一方、民間の調査会社、東京商工ESEARCHが居酒屋等を運営する連鎖店16社を対象に調査した所、本年9月末時点の店舗数は合わせて5387店で、世界的大流行以前の2019年12月末と比べ1274店、率にして19%減少。度重なる「緊急事態宣言に伴う酒類の提供停止要請」等で売上が落ち込む中で一昨年に585店、昨年に390店が閉店。本年3月に全国で蔓延防止等重点措置が解除されるも、9月迄に299店が閉店。「特定の料理に特化して少人数の客を中心に受け入れる店舗」より「宴会等で大人数の客を中心とする店舗」のほうが影響が大きく、感染拡大前と比して店舗数が半減した居酒屋連鎖も存在する由。コロナ禍で「夜遅く大人数で飲む習慣」が薄れる傾向が続き、「賃料の高い都市部を離れ」て「より小規模な店舗に変化して行く」可能性も指摘されている由。五六年前に「古株の看護師が忘年会の席で酷く酩酊」「業務上の接点は皆無に等しい当方の足に獅噛み付いて女装を要求される」との事件に遭遇して以来、自分は指して親しくも無い連中との飲み会には出ない事にしている。
11月26日(土曜)
蹴球のFIFA世界杯、華太瑠大会は今週23日に集団Eの日本対独逸戦。「練習相手として現地に派遣される予定だった19歳以下の日本代表のうち、4人が西班牙遠征中にSARS-CoV2感染」「10人全員がカタール入りを中止する」との波乱も乗り越えた日本が過去四度の優勝を誇る独逸を破り、2対1で逆転勝ちを収めた由。
中東で初の世界杯大会を開催する為、カタールは4万人から8万人を収容する蹴球場を7箇所新設したが、建設現場では「多くの外国人労働者が劣悪な労働環境で酷使された挙句に死亡した」との報道有り。また11月でも日中の気温が30度を上回る同国に於ける暑熱対策として「球場内に空調を用いて、選手や観客にとって快適な環境を提供する」手段が講じられるも、「密閉されていない広い球場に空調を効かせる事で大量の二酸化炭素を排出」「環境への悪影響が有る」との批判が生じた。同国の法律では同性愛が禁じられている事も批判の対象となり、欧州では複数のチームが差別に抗議し、虹色の下地に“ONE LOVE”と書かれた主将腕章を着用する事を計画。
仏蘭西では巴里や里昂を含む複数の都市で公衆観覧が中止される中、独逸でも大会自体の参加拒否を求める声が目立ち、一部リーグのFC Schalke 04は「カタールでの大会開催は歴史的な間違いだ」と公式Twitterで発信。丁抹代表はユニフォームの1つを黒を基調としたものとして抗議の意を示す中、日本蹴球協会の田嶋幸三会長は「飽く迄、蹴球に集中」、「今は蹴球に集中する時」で「他のチームも然うで在って欲しい」と語るに留まり、日本代表の当人達が何らかの意思表示を行ったと云う報道も寡聞にして聞かず。
一方、国際蹴球連盟(Fédération Internationale de Football Association, FIFA)の会長を務めるGianni Infantino氏は「移民労働者の事はとても悲しい事」なれども「欧州人は説教をする前に過去3000年、世界で行って来た事を謝罪するべき」で、「球が動き始めたら人々は其れ丈に集中するだろう」と反論し、更に“ONE LOVE”腕章に関しても圧力を掛けた模様。21日の時点で独逸蹴球連盟は「腕章が原因で選手たちが警告を出される事、退場させられる事は受け入れられない」として問題の腕章を着用せぬ様に要請したとの事。「選手や監督は失望」しつつも「他の方法を考える」意向を示し、また英蘭土は「21日の伊朗戦でHarry Kane 選手が別の主将腕章をつけて試合に臨む」「試合開始直前に選手達が片膝を地面に着ける」等の行動で差別や不平等に抗議。対するイラン代表も国歌斉唱の際に口を閉じて硬い表情のまま国歌を斉唱せず、母国イランで「Hijabの被り方を咎められて逮捕された女性が死亡」した事件に対して抗議の意思を表明した模様。
冒頭の日独戦に於いても、独逸代表は「試合前の写真撮影で代表選手達が口を片手で塞いで抗議」。更に観客席では選手に代わって同国の内務大臣、Nancy Faeser氏が“ONE LOVE”の腕章を着用して応援するも、蹴球の試合に関しては前述の如く、眼前の差別や不平等を黙殺した日本に敗北。独逸国内からも「蹴球に集中すべきだった」と批判の声が上がる結果に終わったが、個人的には独逸の選手諸君に敬意を表したい。
11月27日(日曜)
先月に総額440億弗、約6兆4000億円でTwitter社を買収、即座に先の最高経営責任者(chief executive officer; CEO)を解雇。自らがCEOの椅子に座ったElon Musk氏は今月19日、Twitter 上で“Reinstate former President Trump”は是か非かを利用者達に問うた。此の場合、“Reinstate”がDonald Trump氏を大統領に「復職」させる事を示すのか、それとも接続権の「復活」を指していたのかは判然としないが、約1,500万人以上が投票した結果、51.8%が賛成と答え、反対の48.2%を上回った。そして今月19日、凍結されていたトランプ氏のTwitter接続権(https://twitter.com/realDonaldTrump )が復活。
現在もトランプ氏の最終投稿は約2年前、2021年1月9日の儘で止まっているものの、11月20日のfollower数は約6000万人に急増。凍結時の8877万人に肉迫して居り、自身に有用と判断すれば、再びトランプ氏がTwitterに戻って来る可能性は高いと言われている。現大統領Joe Biden氏はTwitterのfollower数で言えば約3650万人、瞬く間にトランプ氏に追い越されたが、折しも今月20日はバイデン氏が80歳を迎える誕生日で「マスクはバイデンに最悪のbirthday presentを贈った」と皮肉る者も居た由。
米国に於ける感染症研究の第一人者、Anthony Fauci氏はトランプ、バイデン両氏を含む歴代大統領7人の下で感染症対策に取り組み、首席医療顧問としてCOVID対策に当たるも、来月に退任を予定。今週22日にファウチ博士は官邸で退任前最後の記者会見に臨み、改めてワクチンの有効性を紹介した後、「社会的な分断や信条の違いからワクチンを打たない人」を見るのは「医師として心が痛む」。「私はコロナに感染したり、亡くなったりする人を誰も見たくない」と訴え、「最後の声明になる」が「自分自身や家族、地域を守る為にも打てる人は直ぐにワクチンを打ってほしい」と発言。疑わしい情報が出回る現状に対しては「誤った情報や嘘の情報に対抗するには、正しい情報を出来る限り多く発信し続ける事だ」と述べ、退任後は感染症対策に携わる次世代の育成に回る模様。今週24日に紐育のManhattanでは感謝祭を祝う行進が行われるもマスク着用等の規制が無くなり、大勢の見物客で賑わった由。
中国国内では20日、2万6000人の感染者が確認され、91歳の女性と88歳の男性の感染者が基礎疾患の症状が悪化して死亡。北京市の当局は不必要な外出の自粛を呼びかけ、中心部の繁華街、王府井では21日に多くの店舗が臨時休業。香香港政府の行政長官、李家超氏はAPECの首脳会議に出席する前後に各国首脳と会談を行い、香港に戻った後でCOVID陽性が確認され、同国内の感染者数は今週23日に2万9000人と過去最多を更新。24日に上海ディズニーリゾートが「感染対策のため10月末から閉鎖していた営業を、25日から再開」と発表するも、感染拡大を防ぐため一部のアトラクションを中止する可能性が有り、入園には48時間以内の陰性証明を求めると等と感染対策を徹底。
今週24日は全ての省や自治区等で、新型コロナウイルスの感染者が総計で約3万2000人確認され、二日連続で過去最多を更新。首都の北京でも24日の感染者が1800人余と4日連続で千人を上回って過去最多となり、感染危険性有りと判断された集合住宅や事務所用建造物ビル等を「一時的に封鎖する措置」が次々に執られた。また世界最大規模の新車の展示会、北京モーターショウの会場となるはずだった郊外にある大型施設が、臨時の隔離施設に転用。
そして一昨日に確認された首都北京の感染者数は初めて2000人を上回り、昨日は四千人を突破。同国全体では約3万8000人となり、四日連続で過去最多を更新。最大の経済都市たる上海では、厳しい行動制限などを伴う所謂、ゼロコロナ政策に反対する抗議活動が発生。Roiter通信が配信した映像には、大勢の人々が「習近平は退陣せよ」、「共産党は退陣せよ」等と声を張り上げ、警察官に取り抑えられる様子が記録された。厳しい言論統制が敷かれる中国で、習近平国家主席や共産党を直接批判する抗議活動が行われるのは極めて異例だが、北京を含む各地でもゼロコロナ政策に反対する抗議活動が起こったと見られている由。
当方の見る所、彼等は自らの不自由、或いは経済的困窮を訴えているに過ぎず「香港が切り崩され、習氏の一強体制が確立された今になって立ち上がっても、蟷螂之斧にも等しき反抗」と云うのが正直な感想。しかし、同国内では天安門事件以来の事態となっているのも事実らしく、或いは此れが蟻の一穴、天下の破れとなり、大いに歴史を動かすかも知れぬ。