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令和コロナ騒動実録  作者: 澤村桐蜂
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令和4年7月第2週

7月4日(月曜)

 本日は全国で1万6808人の感染。沖縄県で4人、三重県で2人、福岡県で2人、京都府で1人、千葉県で1人、東京都で1人、熊本県で1人、福井県で1人、群馬県で1人の合わせて14人の死亡。人工呼吸器や集中治療室等を用いた治療を要する重症COVID患者は62人。6月29日に行われた自主検査を除くPCR検査などの数は速報値で5万2994件で、30は4万8904件。

 東京都の新規感染者は2772人で先週月曜より1255人増え、神奈川県は1814人で1062人増。大阪府の1150人は前週同曜の2倍に近く、府内で初のBA.4系統感染も確認された。福岡県の1003人も十四日連続で前週同曜を上回る値となり、()つ六日連続の千人超を記録した由。

 政府が公表した最新状況に拠ると、国内でCOVID用ワクチンの3回目接種を受けた者は7847万4745人で全人口の62%に到達。3回目の接種率を年代別で見たならば、12歳から19歳は31%、20代は45.9%、30代は49.6%、40代は58.7%、50代は76.1%、60歳から64歳は82.9%、65歳から69歳は82.5%、70代は90.6%、80代は94.2%、90代は93.9%、100歳以上は90.8%。

 5歳から11歳を対象にした接種で、1回目を受けた者は137万6310人で全体の18.6%、2回目は126万3571人で全体の17.1%。60歳超の国民等を対象に、5月から行われている4回目接種を受けた者は全国で87万9183人となるも、感染増加の背景として「国内に於ける感染の主流がBA.2系統からBA.5系統に移行しつつ在る」事が指摘されており、東京では25.1%、大阪では8.6%が検出されている由。

 感染制御学が専門の大阪(おおさか)大学(だいがく)教授、忽那(くつな)賢志(さとし)氏は「ウイルスの広がり(やす)さは、BA.2よりBA.5の方が上」で「葡萄牙(ポルトガル)では、4月下旬からBA.5が広がり始めて」「1ヶ月位で流行の頂点(ピーク)に達し」た。抑々(そもそも)免疫(めんえき)逃避(とうひ)の特性を有するオミクロン株に対しては「デルタ株に比べても、ワクチンの感染予防効果が大きく落ちて」いるが、更にBA.5は「BA.1、BA.2に感染して得られた免疫も回避する特性が有りそう」と懸念されて居り、実際に「海外では再感染の事例(ケース)も増えている」。BA.5の感染拡大で「より感染が広がり易い」と考えられる反面、ワクチンの重症(じゅうしょう)()予防(よぼう)効果は不変(ふへん)との見解を表明。


7月5日(火曜)

 本日は全国で3万6189人の感染。20人の死亡。人工呼吸器や集中治療室等の治療を要する重症COVID患者は60人。東京都の新規感染は5302人で、今年4月28日以来の五千人超。大阪府も4523人で、5月10日以来の四千人超。愛知県2481人、沖縄県2266人、神奈川県1939人、福岡県1864人、兵庫県1595人、熊本県が過去最多の1589人、千葉県1327人、埼玉県1089人と続く。

 島根県の新規感染者数も過去最多の755人で、()の54%に相当する410人が出雲(いずも)保健所管内で確認される事態となり、出雲市では新型コロナの感染が急拡大。市長の飯塚(いいつか)俊之(としゆき)氏が会見を開いて「出雲市にとって緊急事態だ」と訴えるに及び、業務の逼迫した出雲保健所を支援する為に、県から事務職員50人が派遣された由。愛媛県の582人も過去最多で大都市圏以外にも感染が広がっている事が懸念される。

 本日に財務(ざいむ)(しょう)が、昨年度に()ける一般(いっぱん)会計(かいけい)の決算を発表。税収は67兆379億円となり、過去最多の前年度を6兆2000億円余も上回って二年連続で過去最高を更新し、このうち法人税は円安等を背景に企業の業績が回復傾向に在る事から前年度と比べて2兆4000億円以上の増加。所得税も雇用環境の改善を受けて2兆1000億円余、消費税も個人消費の持ち直し等で9000億円余の増加となった由。昨年度はコロナ禍への対策として合計36兆円規模の補正予算を組んだ結果、一般会計の総額は142兆円を超過。一方で57兆6000億円を超える新規国債の発行に頼る厳しい財政運営が続き、歳出では約22兆4000億円が使われずに繰り越された。未曾有(みぞう)の事態が続いているとは言え、前年度も30兆円超の(くり)(こし)金が発生した事も含めて「予算編成の在り方が問われる」との批判も()()しか。


7月6日(水曜)

 本日は東京で8341人、大阪で4621人、神奈川で3038人。愛知で2737人、福岡で2366人、沖縄で2241人、埼玉で2043人。兵庫で1877人、千葉で1659人、熊本で1443人、京都で1010人。全国で4万5821人の新規感染と12人の死亡が確認された由。

 全国的な感染者数の増加に対し、厚生(こうせい)労働(ろうどう)(しょう)は今夜、全国の自治体に医療提供体制の整備等を進める様に通知。具体的には「発熱患者の検査等に対応可能な医療機関を拡充」「検査キットを事前に配布する準備を進める」、「高齢患者の増加も想定して病床確保や臨時の医療施設を開設する準備を進める」「高齢者施設から要請が有れば医師や看護師を派遣する体制を確保」。「自宅療養者が急増した場合に備え、地域の医療機関と連携して往診」「回線(オン)接続(ライン)に依る診療や健康観察の仕組みを整備」等を行いつつ、熱中症の患者が増えても「救急搬送が困難に(おちい)らぬ様に新型コロナと通常医療を両立する」等が求められる由。

 内閣官房副長官の木原(きはら)誠二(せいじ)氏も、記者会見で「1週間の新規感染者数が前週比1.56倍」と全国的に上昇傾向に転じ、「大都市では病床使用率の上昇傾向を認める」と説明。「3回目接種等で獲得した免疫が徐々に減衰(げんすい)」「オミクロン株が新たな系統に置き換わる」等に()り、更なる感染者増加も懸念される情勢に対して「全国を対象とした新たな観光(かんこう)需要(じゅよう)の喚起策」、県民(けんみん)(わり)の拡大版として計画されていた全国(ぜんこく)旅行(りょこう)支援(しえん)に関しては「足元の状況は考慮しなければならない」と述べ、直近の新規感染者数や病床使用率等も踏まえつつ今月前半に判断する意向を示した由。

 熊本市のKM Biologicsは、自社が開発中の新型コロナウイルス用の不活化ワクチンに関する臨床試験から得られた速報値を公表。昨年10月から凡そ二千人を対象に行った臨床試験の結果、「有効性を分析する対象となった18歳から40歳迄の約120人」に於いて「3回接種後にウイルスの働きを抑える中和抗体の値が目標値よりも上昇」。「発熱や倦怠感等の副反応が日常生活に影響が出る水準(レベル)で報告されたのは0.1%」「インフルエンザワクチンと同じ程度の安全性が確認出来た」等の結果を受け、社長の永里(ながさと)敏秋(としあき)氏は「此れ迄とは違う(タイプ)のワクチンの実用化により若い世代の接種率を向上させ、感染を抑制して社会生活の正常化に貢献したい」と発言。本年9月に国への承認申請を行い、年度内の供給開始を目指すとの事。また国産のCOVID用ワクチン開発が難航した事を教訓とし、厚生労働省は「将来的に世界的な流行が懸念される感染症に対し、国産ワクチンの開発を支援する」方針を決定。具体的には新型のインフルエンザやコロナウイルス、欧米を中心に感染が広がるサル痘、小頭症を引き起こすジカ熱等の8種類が提案され、(いず)れも部会で了承された由。今後はワクチン開発に当たる製薬企業や研究機関を公募し、今年3月に創設された「先進的研究開発戦略センター」が財政支援を行う事になる由。

 世界保健機関(World Health Organization; WHO)の発表に()ると全世界で検出された新型コロナウイルスのうち、先月中旬の段階でBA.5が40%程度、米国では今月初め(まで)の1週間で過半を占めるに至り、感染増加の主たる要因と推定される。英国の保健当局から「BA.2と比べ、BA.5は35.1%速く広がっている」、東京都のモニタリング会議から「先月20日迄の1週間で、BA.5が疑われる事例(ケース)が25.1%を占めていた」との報告有り。「免疫(めんえき)回避(かいひ)の性質を持つ」とも言われるBA.5を主軸とし、感染第七波は更に猖獗(しょうけつ)を極める可能性大。


7月7日(木曜)

 昨日の定例会見で世界保健機関の事務局長たるTedros Adhanom Ghebreyesus氏は「オミクロン株のBA.4とBA.5が欧州や亜米利加(アメリカ)大陸で主流」となり「世界で確認された一週間当たりの新規感染者数が二週間前に比べて30%近く増えた」が、「多くの国で検査態勢が縮小している」状況も(かんが)みると「実際の感染者数は更に多い」可能性も有ると指摘。米国の疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention; CDC)に拠ると、7月2日の時点で同国内の新規感染者のうち、BA.5の割合は53.6%、BA.4の割合は16.5%で合計が70%を超えた由。

 日本国内では、本日に全国で4万7977人と先週に比して2倍の新規感染と15人の死亡が報告され、人工呼吸器や集中治療室の治療を要する重症患者は67人。東京都で8529人、大阪府で4615人の新規感染者数は前週比2倍以上。神奈川県の3130人が二日連続の三千人超となった上に福岡県2774人、愛知県2712人、埼玉県2434人、沖縄県2389人、千葉県2081人、兵庫県2007人と二千人超が並び、熊本県も1578人、それよりは数的に少ないものの佐賀県の694人と鳥取県の219人は過去最多。

 東京都は専門家で構成されるモニタリング会議を開き、現状の(まま)に感染拡大が進行すれば今月20日時点では1万5000人余、来月3日には5万4000人余に患者が増加すると指摘。凡そ5000床のCOVID患者用病床を増設する準備を始めると共に、家庭内感染を防ぐ為の宿泊療養施設を3000室加えて1万2000室に拡充する方針を公表。(おく)()せながらも都知事の小池(こいけ)百合子(ゆりこ)氏が現状に関して「第七波に入ったとも考えられる」と認める段階に至った模様。

 陸上自衛隊内の最上位たる陸上(りくじょう)幕僚(ばくりょう)(ちょう)吉田(よしだ)圭秀(よしひで)氏が「独逸(ドイツ)出張から帰国する前にPCR検査を受けた所、COVID陽性が確認された」との情報も伝えられる中、木原官房副長官は記者会見で「重症化防止を念頭に保健医療体制の維持・強化やワクチン接種などを着実に進めて行く」が「現時点では、都道府県から重点措置の適用要請は無く」、蔓延(まんえん)防止(ぼうし)(とう)重点(じゅうてん)措置(そち)等の「行動制限を行う事は考えていない」と説明。現時点で「全国旅行支援を予定通り推進するか、見送るか」も明言せず、引き続き検討するとの事。


7月8日(金曜)

 医療(いりょう)逼迫(ひっぱく)に関し、内閣官房が公表した昨日時点の情報に()ると、沖縄県の確保病床の使用率が51%に達し、政府の分科会が示す「対策を強化すべき水準(レベル)」の目安「50%以上」の目安を突破。本日も全国で5万107人の感染が報告されたが、死亡は29人に留まった由。

 8777人で前週金曜の2倍半となった東京都を筆頭に、全国各地で報告される新規感染者数は増加し続けている模様。一週間平均で比較すると、全国は先月9日迄が前週に比べて0.75倍、先月16日は0.87倍と5週連続で減少していたが、先月23日は1.00倍、先月30日は1.23倍、今月7日は1.78倍と増加が加速。沖縄県は直近1.23倍、東京都2.02倍、神奈川県2.00倍、埼玉県1.93倍、千葉県2.03倍。西を向けば大阪府1.92倍、京都府1.86倍、兵庫県1.86倍。東海だと愛知県1.78倍、岐阜県1.76倍、三重県1.74倍で、他は北海道1.17倍、宮城県1.58倍、広島県1.33倍、九州では福岡県1.92倍だが、島根県2.27倍、栃木県2.25倍、群馬県2.46倍、山梨県2.10倍、奈良県2.09倍、鳥取県2.24倍、大分県2.31倍と倍増以上の地域も散見。

 名古屋(なごや)工業(こうぎょう)大学(だいがく)の教授、平田(ひらた)晃正(あきまさ)氏を含む研究者達は感染者数の推移やワクチンの効果、人流等の情報を基に、人工知能を用いて今後の感染状況を予測。置換が進むBA.5系統の感染力が従前の1.3倍だと想定した所、「東京都内の感染者数は今月25日が頂点で一日約1万8000人」との試算結果になったとの事。「人流が大幅に減る」等の感染者数を大きく減少させる要因が無ければ、「1ヶ月後の来月25日も一日に約1万5000人と高水準が続く」。同じ想定で東京都内の死者数を予測した所、「来月中旬には65歳以上を中心に1日26人が死亡する」との計算結果が(はじ)()された由。予測を(おこな)った平田教授(いわ)く「最大の感染者数は(だい)(ろっ)()頂点(ピーク)並みに()るのでは無いか」「4回目の接種で高齢者を重症化や死亡から守る事が此れから出来る現実的な対策だ」との事。

 四回目接種を受けた者は昨日迄に全国で約149万人となったが、厚生労働省は本日の専門家部会で、初めて接種後に死亡した者が報告された由。「6月27日にPfizer製ワクチンを接種した98歳の女性が亡くなった」「当該女性は施設で生活して居たが、翌朝の職員巡回の際に死亡が確認された」旨の情報がファイザー社から公表されるも死因は不明で、接種と死亡との因果関係も現時点で評価出来ないとの事。参議院選挙の投票が迫る中、本日午前に「奈良(なら)市で演説中の元総理大臣、安倍(あべ)晋三(しんぞう)氏が、元自衛官の男性に背後から狙撃される」「2発目の銃弾に倒れた安倍氏は奈良県立医科大学附属病院へ搬送されるも、今夕に死去」との重大事件も勃発(ぼっぱつ)。本件に関しては情報を収集、整理した後、別項にて詳述したい。


7月9日(土曜)

 本日は全国で5万5018人の新規感染。愛知県で3人、静岡県で2人、三重県で1人、京都府で1人、兵庫県で1人、北海道で1人、埼玉県で1人、大分県で1人、大阪府で1人の12人の死亡の発表。

 東京都では新たに9716人の感染が確認され、二十二日連続で前週同曜を上回った。大阪府も前週同曜の倍以上となる5567人で、府内の感染者が五千人超を記録するのは本年4月13日以来の4009人も4月16日以来の四千人超。福岡県3256人、愛知県3227人と三千人以上の県が複数存在し、二千人超は埼玉県内2546人、沖縄県2518人、千葉県2404人、兵庫県2139人と更に多い。

 熊本県は1643人、静岡県が1282人、京都府も1195人で、愛媛県の654人や鳥取県の289人も県内で発表された一日の感染確認の数としては過去最多となった。日本全土に第七波が来襲している事は既に(うたが)(よう)が無く、(しばら)く増え続ける事も止められぬとして、果たして重症者と死者が何処(どこ)(まで)、増えるのか。


7月10日(日曜)

 関係者の証言を総合すると、先々代の内閣総理大臣たる安倍(あべ)晋三(しんぞう)氏は本来、一昨日に長野県を訪れる予定だった模様。しかし、各地の選挙情勢を踏まえて「同日朝に羽田空港から大阪空港経由で奈良県に入って街頭演説」、「京都府でも街頭演説を行った後、夕に埼玉へ入る」日程へと昨日午後の時点で変更され、地元の支持者達にも周知された由。

 11時19分前後に安倍氏が奈良市の中心地、近鉄奈良線と京都線が交わる大和(やまと)西大(さいだい)()駅付近へ到着。集まった聴衆に手を振り、11時29分頃から応援演説を始めた直後、背後から接近した男性が自作の散弾銃を用いて氏を狙撃。現場の目撃者から「1発目はとても大きな音だけが聞こえて人が倒れると云う事は無かった」が「2発目が撃たれた瞬間に安倍元総理が倒れた」。(ある)いは「花火の様なドーンと云う音が2回した」後、「拳銃(ピストル)よりも大きい何か」を抱えていた容疑者は「逃げる様子も無く」()の場に(とど)まった等の証言が有り、また午前11時35分頃にTwitterへ投稿された画像では「背広(スーツ)姿の複数人が何者かを取り押さえている」と(おぼ)しき画像等が投稿された。警察は容疑者を殺人未遂の疑いで逮捕し、所持していた銃も押収 。

 岸田総理大臣は正午頃に山形(やまがた)寒河江(さがえ)市で参議院選挙の応援演説を行うも、安倍氏狙撃の報を受けて急遽(きゅうきょ)螺旋翼航空機(ヘリコプター)で帰京。安倍氏の無事を祈ると共に「犯行の背景は()だ十分把握出来てはいない」が「民主主義の根幹である選挙が行われている中で起きた卑劣な蛮行で在り、決して許す事は出来ない」。「最大限の厳しい言葉で非難する」と述べた。傷付いた安倍氏に対する現場での救命措置と並行して、11時31分の時点で奈良市消防局に通報が入り、午前11時32分に救急隊が出動し、11時37分に現場へ到着。指揮隊2隊と消防隊2隊、救助隊1隊、救急隊1隊が出動した後、氏は医師搭乗の螺旋翼航空機に運ばれて、12時20分に医療機関に到着。昭恵(あきえ)夫人が奈良へ向かい、安倍氏の実弟で防衛大臣を務める(きし)信夫(のぶお)氏が「「輸血を含めて救命治療に全力を尽くしている」と語る中、安倍氏の死亡が確認された。

 搬送先の奈良(なら)県立(けんりつ)医科(いか)大学(だいがく)附属病院が、18時10分頃から会見。搬送の時点で「心肺停止の状態」で「(くび)に2つの銃創」が認められ、「心臓と胸の大血管が損傷していた」。「止血と大量の輸血の治療」を続けるも「午後5時3分に失血死で、死亡が確認された」等の状況を公表。「頸部の銃創2箇所は(いず)れも体の前側」で「左肩には銃弾が抜けたと見られる傷」が有り、病院到着の時点で「銃創は心臓に達する深さ」で「救命は可成(かなり)厳しい状態」と判明するも「20人以上の態勢で手術を行い」、「大きな傷は塞ぐ事が出来た」が「残念ながら心拍は戻らなかった」との事。

 早い段階で「容疑者は元自衛官」で在る旨が公表されて居たが、奈良県警察本部が「奈良市に住む無職の山上(やまがみ)徹也(てつや)」なる男性を殺人未遂の疑いで逮捕し、「今後は容疑を殺人に切り替え、全容の解明を進める」事。山上容疑者が「特定の団体に恨みが有り、安倍元首相と団体が繋がっていると思い込んで犯行に及んだ」が「元首相の政治信条に対する恨みでは無い」等と供述している事。容疑者の自宅を捜索して「事件で使われたものと似た手製の銃数丁を押収した」事等を発表。現場に「警視庁の専属のSPが1人配置され」「奈良県警の私服警察官等も含めれば総勢数十人の警備態勢が敷かれていたにも関わらず、容疑者の接近も銃撃も避けられなかった状況に関しては、今週9日に奈良県警察本部長の鬼塚友章氏が記者会見を開き、「警護、警備に関する問題が有った事は否定出来ない」旨を認めるに至った。

 事件が大々的に報道される中でも、容疑者が恨んだ団体に関しては文春や新潮等の週刊誌ですら明言を避けていたが、昨日の一部報道で世界(せかい)平和(へいわ)統一(とういつ)家庭(かてい)連合(れんごう)の名が浮上。旧名称は世界(せかい)基督(キリスト)(きょう)統一(とういつ)神霊(しんれい)協会(きょうかい)で、略称の統一教会で広く知られる新興宗教団体だが、テレビや新聞等の報道機関は其の後も団体名に関しては沈黙を守り続けた。本日は全国で5万4068人の新規感染と12人の死亡。参議院選挙の投開票が行われ、自民が圧倒的な一人勝ちの結果に終わった模様。此の事態も犯人は予期していたのか、全くの想定外なのか。或いは安倍氏の殺害さえ成功すれば、国の()(すえ)に興味は無かったのか。

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