令和4年5月第2週
5月2日(月曜)
内閣官房は昨日の全国47都道府県の情報を発表。「確保病床の使用率」「重症確保病床の使用率」を含む「医療提供体制等の負荷」、「PCR検査の陽性率」10万人当たりの「新規陽性者数」「感染経路が不明な人の割合」を含む「感染の状況」に関し、政府の分科会が示す「対策を強化すべき水準」の目安を上回っている自治体は無かった由。
本日に政府が公表した最新状況に拠ると、国内でCOVID用ワクチンの3回目接種を受けた者は6726万4156人で、全人口の53.1%に到達。年代別で見ると12歳から19歳は12.7%、20代は32.9%、30代は36.4%で、40代は46.3%、50代は64.9%、60歳から64歳は76.4%、65歳から69歳は80.7%、70代は88.6%、80代は91.4%、90代は89.7%、100歳以上は86.4%との事。少なくとも1回の接種を受けた者は総計1億320万4264人で全人口の81.5%、2回目接種完了者は1億153万2326人で全人口の80.2%。5歳から11歳の小児を対象にした接種に関しては、1回目が99万8350人で全体の13.5%、2回目は65万6366人で全体の8.9%とされているが、実際は更に接種が進んでいる可能性が有り、また全人口には接種対象年齢に満たぬ小児も含まれる由。
また本日は全国で1万9353人の感染。埼玉県で5人、兵庫県で3人、北海道で3人、千葉県で3人、東京都で3人、大阪府で2人、愛知県で2人、熊本県で2人、奈良県で1人、広島県で1人、愛媛県で1人、神奈川県で1人、群馬県で1人、長崎県で1人、鹿児島県で1人の合わせて30人の死亡。各地の新規感染は東京都で2403人、北海道で1805人、神奈川県で1590人。福岡県で1145人、埼玉県で1045人。千葉県では3ヶ月半振りに千人を下回り、585人となったとの事。
三年振りに感染対策上の行動制限が課されぬ大型連休を迎え、大手の麦酒製造各社が業務用の麦酒を増産。東京都新宿区の明治神宮外苑等で、三年振りに麦酒庭園の営業が始められた由。
NTT DOCOMOが携帯電話の基地局から私事権を保護した形で集めた情報を用いて、NHKが分析。「15歳から79歳」を「15時台の人数の平均を基に割合で比較」した結果、今月1日迄の三日間に「都道府県を跨いで移動した者」の人数は、4都府県に緊急事態宣言が出されていた昨年の大型連休に比して全国平均で30%増加。感染拡大前、2019年の同時期と比べても76%に回復。「他地域から訪れた人数」は感染拡大前に比して埼玉と神奈川が88%、東京が87%と首都圏が上位を占め、続いて愛知が84%、沖縄と京都と大阪が83%、千葉が82%、福岡78%、兵庫77%、奈良と北海と滋賀が76%等。大都市圏と周辺、観光地として人気の地域が軒並み高くなる一方、秋田が57%、青森が58%、岩手59%、長崎と福井と鹿児島が60%等と低い等と地域差も見られた模様。
感染第六波で広がったオミクロン株のBA.1系統と、より感染力が高いとされるBA.2が組み合わさり、英国の保健当局が「感染が広がる速度はBA.2より12.6%速い」と試算したXE系統に関し、検体遺伝子の解析から「先月16日に米国から羽田空港に到着し、検疫所の新型コロナウイルスの検査で陽性となっていた50代の男性」の感染が確認された旨、厚生労働省から発表有り。国内では「本年3月下旬に米国から成田空港に到着した女性」のXE感染に続いて2例目。当該男性は咽頭痛や頭痛を訴えるも症状は軽く、先月23日に検疫の宿泊施設での療養を終えて施設を出た模様。
また東京医科歯科大学の准教授、武内寛明氏が率いる研究者集団は「先月中旬迄の約3ヶ月間」に「大学病院のCOVID患者116人」から検出されたウイルスの遺伝子を解析。先月中旬に患者2人から「BA.2に新たな変異が加わったウイルス」を検出した由。新たな変異はデルタ株と同様、細胞に感染する際の足掛かりとなるスパイク蛋白質のL452と云う部位に見られ、ウイルスが検出された2人の症状は軽かったものの、海外渡航歴が無い事や遺伝子の特徴から「ウイルスは日本国内で変異した」可能性大。同様の変異が有るウイルスは英国などでも確認され、増加傾向に在るとの事で、武内准教授は「感染力が高い可能性は考えられる」「此れ迄と同様、感染対策を続ける必要が有る」と語った由。
世間の大半は続けて休みを取っている様だが、今日は連休の谷間にして暦の上では平日。故に、当方は一日だけ出勤。予約は少なかった筈だが、連休で受診出来ないと思うと調子を崩す患者が当日予約で来院。更に「此の機会に家族への病状説明を」と希望される患者への対応に通常の倍の時間を要する等の状況が重なって少々疲労。何とか乗り切って、明日から再び三連休。
5月3日(火曜)
本日は全国で3万481人の感染、55人の死亡。東京都は3357人の新規感染を確認したと発表。大阪府では昨日の新規感染者が926人と少なかったのに対し、本日は3318人と三倍以上に増えたが、其れでも前週同曜より減った由。愛知県も昨日が814人、本日は1930人に増えたが、全体としては減少傾向と判断されて居り、本日に蹴球J1の名古屋Grampus Eightは観戦から遠ざかっていた贔屓を呼び戻すべく、本日に愛知県の豊田球場で行われた本拠地試合に「抽選で当選した一万人の観客」を無料で招待。久々に球場が4階席まで埋まるも、試合は1対1の引き分けに終わった由。
福岡県では1856人の新規感染者が報告されるも、6日連続で前週同曜を下回り、福岡市では本日から三年振りの博多どんたく港まつり。博多三大祭の一つで800年余の伝統を有する祭りも世界的大流行の中で一昨年、昨年と中止が続き、今回も行進の人数は例年の半分に抑えられるも、凡そ100団体の8000人余が威勢良く市内を練り歩き、祭は明日も続く由。他に沖縄県1761人、北海道1718人、兵庫県1362人、千葉県1035人、神奈川県1028人、埼玉県1021人の新規感染を確認。
和歌山県白浜町の白良浜海水浴場では「本州一早い」と言われる海開きが行われる一方、大型連休は後半に突入。3年振りの「行動制限が無い黄金週間」で混雑する東京国際空港。通称、羽田空港では、感染拡大を防ごうと空港内に設けられた検査所には飛行機搭乗前の旅行者が多数訪れ、PCR検査や抗原検査を受ける光景が見られた由。事前に予約を済ませれば、第1ターミナルの4階と第2ターミナルの地下1階に設けられた検査所にて無料で検査が受けられ、此の体制は今月22日迄、維持されるとの事。
5月4日(水曜)
4日は全国で2万6469人。東京都内で2999人、北海道内で2090人。神奈川県内で1780人、福岡県内で1557人に大阪府内で1545人。埼玉県内で1267人、沖縄県内で1201人、兵庫県内で1182人、愛知県内で1127人の新規感染。そして東京6人、埼玉5人、和歌山2人、宮城2人、北海1人、愛知1人、福岡1人、青森1人、鹿児島1人で総計20人の死亡が発生した由。
中国では昨日、上海/Shanghai市の当局が「無症状の感染者が4722人、有症状者も260人確認された」と発表。当初は無症状だったものの後に症状が出た者を差し引くと、新たな感染者は合わせて4831人となり、本年3月31日以来の五千人未満。減少傾向が維持されるも、当局は「状況が依然厳しい」として市内各地で外出制限を続行。今月1日には「市内の高齢者施設の入所者が死亡したと誤認され、遺体を収容する袋に入れられ、誤って葬儀場に搬送されそうになる」事件も発生。SNS上で批判が相次ぎ、施設の院長や当局の幹部を含む4人が免職処分となった由。首都の北京/Beijingでも連日、50人前後の新規感染者が報告されて居り、同国の連休は本日で終了するが、明日以降も在宅勤務の要請、店内飲食禁止等の措置が継続される模様。
先月に新西蘭の首相、Jacinda Ardern氏が訪日して「新西蘭はワクチンの接種率が高く、新型コロナの管理は安全な段階に入っている」「安全に観光に来て貰う為の基盤となる検査体制が整った」等と語っていたが、其の言葉通りに同国では水際対策の緩和が進展。日本や米国等、短期滞在に査証を不要としている60ヶ国以上からの観光客や留学生に対し、一昨日から「ワクチン接種の証明と検査の陰性証明」を条件に自己隔離無しの受入を再開した由。
台湾では先月から感染急拡大が続き、昨日に新規感染者が2万3102人。初の二万人超を記録したと発表されたが、其れでも海外から到着する者に義務付けられていた「旅舎等での隔離期間」を今月9日以降は「10日間から7日間に短縮する」事を決定。オミクロン株の潜伏期間が比較的短い事や経済活動等への影響を考慮しての決定との事だが、「隔離終了後も7日間は人が多く集まる場所に行くのを避ける」事等を求める規制は維持される模様。
5月5日(木曜)
本日は全国で2万779人、東京都で2320人。北海道で1854人、福岡県で1372人、沖縄県で1327人、神奈川県で1277人、大阪府で1243人の新規感染が確認された模様。
コロナ禍で「クレベリン」6商品を大量に売り捌いた大幸薬品に対し、本年1月の時点で消費者庁が「空間に浮遊するウイルスや菌を除菌」等と謳った広告表示に「合理的根拠無し」として4商品の表示中止を求める措置命令を出していた。更に先月、残る2商品に就いても同様の命令が出されるも、消費者庁と争う方針を示していた同社だったが、一昨日に「弊社商品の表示に関するお知らせ」なる一文をhomepageに掲載。「あたかも、本件6商品を使用すれば」「室内空間に浮遊するウイルス又は菌が除去又は除菌される効果が得られるように示す表示をしておりました」。「消費者庁からの求めに従い、資料を提出いたしました」が「当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められず」、「実際のものよりも著しく優良であると示すものであり、景品表示法に違反するものでした」等と述べて、自社の景品表示法違反を認めた由。
通常の使用では全く不可能な「空間除菌」に関する言い逃れが出来なくなり、遂に観念したかと思われる一方、同社は性能に問題は無しとの主張は撤回せず、回収や返品対応は行わず、販売も続ける旨を宣言。「連休初日の5月3日に声明を出す」「Google検索等を困難にする為に “noindex”を使用していた」等の対応に、電網上で批判が集中した模様。
三連休の最終日は夫婦の恒例行事として、妻と二人で柏餅作り。水を混ぜた上新粉を捏ね、蒸した後に擂粉木で搗き、餅にして適当な大きさの十個に分けてから平たく伸ばし、餡を挟んで柏葉で包み、再び蒸して完成。多少不格好で日持ちはしないが、其れも手作りの醍醐味か。味は上々(じょうじょう)で、今年も良く出来たと満足。明日は、また仕事だ。
5月6日(金曜)
昨日も政府の分科会が示す「対策を強化すべき水準」の目安を上回る自治体は無かった由。一週間平均の新規感染者数を前週と比較すると、全国では先月7日迄が前週に比べて1.04倍、先月14日は1.06倍と増加するも、先月21日は0.85倍、先月28日は0.94倍、昨日迄は0.67倍と3週連続で減少。大型連休中で検査数が少ない事も有り、感染者数は先週まで増加していた北海道や九州の一部等も含め、47都道府県の全てで前週より少なくなった由。5週連続で増加した沖縄も、先月28日は1.00倍と横這いで、昨日は0.94倍と減少したが、直近1週間の人口10万当たりの感染者数は617.73人と全国で最多。東京も3週連続で減少。
本日は全国で2万1628人の新規感染。東京都内では新た2681人の感染が確認されるも、先週金曜より1200人程度の減少で、前週同曜を下回るのは25日連続。人工呼吸器か人工心肺装置を要する重症COVID患者は8人で、昨日より2人減。直近の推移を踏まえた感染状況に関して、都の専門家達は「感染は拡大傾向には無い」と分析する一方、「大型連休の期間中は休診による検査数の減少、検査報告の遅延等の影響を受けた数値」と見るべきで「報告数の評価には注意が必要だ」と指摘。前週に続いて4段階のうち第2位の警戒水準を維持し、都内の入院患者や重症患者の数は減少しているものの「救急医療体制に未だ影響が残っている」として、医療提供体制の警戒水準に就いても4段階中第2位を維持した由。北海道では1668人、大阪府では1465人、沖縄県は1398人、神奈川県では1183人、福岡県では1181人、埼玉県では1020人の新規感染が確認されるも、愛知県は995人と千人未満。
昨日に訪問先の英国で、岸田総理大臣が演説。来月には他の主要七箇国並みに入国規制を緩める意向に就いて演説。現在は認められていない観光目的での外国人入国に関しても「早ければ今月にも、少人数の団体旅行に限定して認める」方向で検討している旨が報じられた。既に経済大国とは言えなくなった日本が外貨を稼ぐ有効な手段の一つが観光で在る事は論を俟たず、感染拡大さえ抑えられて居れば総理方針にも異論は無いが、連休明けの患者数が何処まで増えるか。何時頃迄に減少へ向かうかが、我が国の浮沈にも影響するだろう。
5月7日(土曜)
今日は全国で39327人の新規感染と27人の死亡。大阪府では前週同曜より3000人余も増えて、4192人の新規感染を確認。四千人超は先月14日以来で、東京都の3809人も超えて全国で最多となった。沖縄県の新規感染2375人も初の二千人超で過去最多を記録し、福岡県2209人、北海道2112人、神奈川県1661人、兵庫県1650人、埼玉県1398人、千葉県1049人が続いた。しかし、総じて言えば「感染は幾らか収まって来ている」と評しても、過言では在るまい。
JR東京駅では、昭和40年から半世紀以上に渡って此の時期に行われて来た修学旅行の出発式を再開。千葉県内の公立中学校6校、800人余の生徒が貸切の新幹線車両に乗り込み、JR東海の駅員に見送られて関西方面に出発。両国国技館を擁する墨田区でも、事前に抗原検査で陰性を確認する」等の感染対策を講じた上で久々に「腕白相撲」の大会を開催。小学生同士の好取組が場内を沸かす等と、明らかに昨年とは趣きが異なる。
布哇行きの団体旅行も二年振りに再開されて、今年の黄金週間を海外で過ごした者も多かったらしく、10万人が出入国する見通しの成田空港では今日明日に帰国の頂点を迎える見込み。全員を対象に抗原検査が行われる予定で、到着便が集中する夕方には多少の混雑を認めるも、大きな問題には至らなかった模様。取材に対して楽しい旅の記憶を語る帰国者も有れば、円安の影響で旅費に不自由したと訴える帰国者も居たと聞いた。
5月8日(日曜)
米国の国務長官たるAntony Blinken氏に関し、今週4日に国務省が「COVID陽性と判定された」事を発表。症状は軽く、当面は自宅で隔離をしながら回線接続で業務を続ける事となるが、直近の数日間に氏と対面で会っていない事から「Joe Biden大統領はCDCの指針に拠る濃厚接触者には該当しない」と判定された由。5日に英国の英蘭土と蘇格蘭、威爾斯に於いて、凡そ200の自治体議会、総計7000議席近くを改選する選挙が行われるも、与党の保守党は500近くの議席を失った模様。保守党が地盤として来た選挙区の幾つかで野党が勝利した事から「感染対策上の行動規制が続いた時期に、首相官邸では祝宴が行われていた」件への反発が続いているものと見られるも、首相のBoris Johnson氏は続投の意思を示している由。
5日に世界保健機関は「一昨年と去年の2年間でCOVIDの直接的、間接的な影響で死亡した者は推計で約1490万人」との分析結果を発表。感染を直接の死因とする者に加え、「医療機関が逼迫した結果、他の病気の治療が受けられない」等の間接的影響を受けて死亡した者も含む数値との事だが、各国から報告された同時期に於ける「COVIDに依る死者数」が約540万人だったのに対し、3倍近くに相当。今回の分析には「過去の情報から統計的に推定される死者数を実際の死者数がどれだけ上回ったかを示す超過死亡の手法が用いられるも「期間内2年間の死者数は約470万人で、同国から報告された約48万人の10倍近く」と報じられたのに対し、印度政府は「印度に於ける出生と死亡の届出は法律に基づいて管理されている」「非公式な情報を基にした正確性に欠ける予測に頼るのではなく、加盟国の正確な情報を尊重しなければならない」等と反発したとの事。
本日で日本の大型連休も終了。義父母も何処やらへ遠出している様だが、「一日遅れで明日に渡す為に母の日の贈物を探したい」と言う妻の御供で、隣街へ出掛ける。夕餉は越南料理店で生春巻やら米麺、空心菜の炒め物を食し、不思議な香りの越南焼酎や芒果果汁を飲んだ。令和二年の黄金週間に拙作を書き始めてから早二年間が経つも、未だ感染収束には至らぬが、其れは其れとして今夜は愉快に過ごした。