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令和コロナ騒動実録  作者: 澤村桐蜂
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令和4年4月最終週~5月第1週

4月25日(月曜)

 本日は東京都で3141人、神奈川県で2807人、北海道で1867人、埼玉県で1593人、福岡県で1543人、全国で2万4839人の新規感染。東京都で5人、長野県で5人、兵庫県で4人、宮城県で3人、北海道で2人、沖縄県で2人、神奈川県で2人、福岡県で2人、秋田県で2人、茨城県で2人、鹿児島県で2人、千葉県で1人、埼玉県で1人、大分県で1人、岩手県で1人、広島県で1人、滋賀県で1人、静岡県で1人、香川県で1人の総計39人の死亡を確認。

 政府が公表した最新状況に拠ると、国内でCOVID用ワクチンの3回目接種を受けた者は6438万9878人。ワクチン接種の対象年齢に満たぬ小児も含めた全人口に対して、50.8%まで上昇した由。3回目の接種率を年代別でみると70代は88%、65歳から69歳は80.1%と八割を超え、60歳から64歳は74.1%。50代は61.4%で40代は42.7%、30代は33.2%、20代は30.1%で、年齢と共に接種率が低下。少なくとも1回の接種を受けた者の総計は1億307万8089人で全人口の81.4%、2回目の接種を終えた者は1億135万4923人で全人口の80%に相当。このうち5歳から11歳の小児を対象にした接種で1回目を受けた者は90万5723人で全体の12.2%、2回目の接種を受けた人は52万8275人で全体の7.1%との事。

 国内で認可されているCOVID用ワクチンの有効期限は、当初6ヶ月と定められていたものが、昨年に9ヶ月へと延長された。其れでも昨今は「使用されずに有効期限を迎えるワクチンの廃棄が不可避の見込み」と報じられる自治体が続出していたのに対し、今月22日に厚生労働省は「Pfizer製の有効期限を1年に延長する」旨を自治体へ通知。厚労省曰く「有効期限はワクチンを一定期間保存した後の情報(データ)を集めて製薬会社(メーカー)が設定するもの」だが「適切な方法で管理されている場合は、時間がたっても品質が保たれている」事が確認された為に「申請を受けて、薬事上の手続きを行った」との事。Moderna製の有効期限に関しては9ヶ月の儘で変更の予定は無い様だが、希望者の多いPfizer製を長く使える様になる意義は大きかろう。

 今夜に厚生労働省の専門家部会が会合を持ち、「PfizerとModernaのワクチンを4回目接種に使用するか否か」を審議。厚生労働省は部会での議論を踏まえて「(いず)れも使用を認める」方針を定め、明後日に専門家で構成される分科会に諮った上で「無料で受けられる公的接種」にも位置付ける見込み。先に報じられた通り、ワクチン使用の対象は「3回目から5ヶ月が経過した者」とする方針だが、接種を推奨されるのは「60歳以上の者」と「基礎疾患を有する者」に限定される模様。

 4回目接種の間隔や対象に関しては接種が先行する諸国間でも一致して居らず、昨年12月30日に世界で最も早く接種を開始した以色列(イスラエル)では「60歳以上」か「18歳以上の重症化危険性(リスク)を有する者」或いは「医療従事者等」とし、3回目からの間隔を4ヶ月として施行。対して本年2月に接種を始めた独逸(ドイツ)では「70歳以上」か「5歳以上の免疫不全が有る者」、「介護施設の入所者」は全て3ヶ月間隔だが、「医療従事者等」は6ヶ月。3月に始まった仏蘭西(フランス)の接種は「80歳以上の者」や「免疫不全が有る者」で3か月、同じく3月に始まった英国の接種は「75歳以上」か「介護施設で暮らす高齢者」、「12歳以上の免疫不全の有る者」を対象に概ね6ヶ月で実施。米国では先月末から「50歳以上」或いは「臓器移植を受ける等で免疫不全の状態に在る者」を対象に、4ヶ月間隔で緊急使用が許可された由。

 国際医療福祉大学教授の松本哲哉氏は、4回目の接種に関して「()ず高齢者に対象を絞る事は世界的な傾向」だが、更に海外では「重症化し易い人を中心に追加の接種を進めて重症化を抑えていく」様に「方針を転換してきている」と指摘。「何回も打たなければいけないとなると、不安や不満も多くなって来る」が「高齢者が何故、打たなければいけないのか」等を「科学的な根拠も含めて分かりやすく説明」して「打った方が良いと理解して貰える様な説明が必要」。「4回目を打てば終わりなのか」「今後も接種が必要なら、どれ位の間隔で打って行くのか」等の疑問に対して「明確な情報(データ)が無いにしても、国は今後の感染の予測も踏まえて国民に説明して行くべきだ」と主張している様だ。()(せつ)()(もっと)もだが、何分(なにぶん)にも未知の部分が多く、実行するには却々(なかなか)難しい話では在る。


4月26日(火曜)

 内閣官房の発表に拠ると、昨日の時点で政府の分科会が示す「対策を強化すべき水準(レベル)」を上回る都道府県無し。本日は全国で4万500人の感染、65人の死亡、200人の重症者が報告された由。我が国で行われる4回目接種の対象者に関し、要件の一つが「2回目接種から5ヶ月」と内定した件に就いては昨日の項に記したが、3回目接種に関しても同様に昨夜の専門家部会で再検討が為された結果、短縮が決定。Pfizer製ワクチンは12歳以上、Moderna製は18歳以上の(いず)れの世代に於いても、今後は「2回目からの接種間隔を現在より1ヶ月短縮して5ヶ月とする」方針を厚生労働省が決定した由。「オミクロン株では従来株に比べてワクチンの効果が低下し易く、より有効性を維持する」目的で「米国と以色列(イスラエル)の情報を分析した結果、安全性も確保出来ると判断した」との事だが、期限切れワクチン廃棄の問題と無関係では在るまい。

 移動や会食の機会が増加する大型連休を前に、本日に全国知事会が第36回新型コロナウイルス緊急対策本部会議を開催。会長を務める鳥取県知事の平井(ひらい) 伸治(しんじ)氏から「新規感染者数も下がりきらず、非常に難しい連休を迎えるが、経済を回しつつ感染の再拡大を起こさないような方策を話し合いたい」。東京都知事の小池(こいけ)百合子(ゆりこ)氏から「重要なのは感染の連鎖を断ち切る(ため)の3回目のワクチン接種だ」。神奈川県知事の黒岩(くろいわ)祐治(ゆうじ)氏から「外食の際は認証を受けた店でマスクをする等、基本的な対策を呼び掛けたい」等の発言有り。

 更に知事会は「感染再拡大の抑制と社会経済活動の両立に向けた緊急提言」を取り(まと)め、「現在の感染動向に対する分析と具体的対策の提示」「感染抑制と社会経済活動の両立」「オミクロン株の特性等を踏まえた対応方針」「新たな変異ウイルスによる感染拡大に備えた対策の検討」「基本的な感染対策の再徹底」「感染状況に応じた具体的対策」「時短要請に伴う協力金制度の見直し」「新たな行動制限緩和の検討」「検査試薬及び検査キットの供給体制の確保」「PCR等検査の無料化」「事業継続計画の策定等の要請」「水際対策の緩和等」。

 ワクチンに関しては「3回目接種の取組」や「12歳未満の子供への接種」、「4回目接種に係る早期の情報提供」。或いは「保健・医療人材の確保」に「保健所機能の強化」、「自宅療養者への対応」、「感染者・濃厚接触者の療養期間等の見直し」、「治療薬の活用促進等」や「医療提供体制の確保のための財政措置等」、そして「感染患者の受入れに対する財政支援の強化等」に「感染患者受入れ医療機関等の安定経営に向けた財政支援」「入院待機施設への支援拡充」「罹患後症状(後遺症)に係る医療提供体制の整備」、「高齢者に係る対応の強化」、「看護師の処遇改善」と「検査に係る診療報酬の見直し」。

 事業者に対しては「地方創生臨時交付金等の弾力的な運用と拡充」、「雇用調整助成金等における全国一律の特例適用」や「中小企業の事業支援」、「事業者の資金繰り支援」、そして「観光支援策等の推進」。社会の中でも「人権を守る対策」「生活困窮者への支援」を行う様、政府に求めた由。官僚として(かつ)ての自治省、現在の総務省へ勤めた後に全国最年少で鳥取県副知事に就任した経験を持つ平井氏が指揮を執った為か、現状に於ける諸問題が上手く整理されていると感じたが、国へ注文を付ける以外にも知事諸氏の御活躍を願いたい。


4月27日(水曜)

 以色列(イスラエル)の研究者達が「Pfizer製のCOVID用ワクチンを4回接種した場合の効果」を分析し、一昨日にNature Medicine 誌上で研究結果を発表。同国最大の健康維持機構(health maintenance organization)で国民の凡そ半分が利用しているとも言われる団体、Clalitに加入する60歳以上の者で「3回目接種から4ヶ月以上が経過」した「60歳から100歳」を対象とすると、今年1月10日以降の40日間に4回目の接種を受けた者は32万8000人余で、受けなかった者は23万4000人余。此の中でCOVIDに罹患した者の経過を比較した所、4回目接種完了者は3回目迄の者よりも入院の危険性が64%低下し、死亡の危険性は78%低下。研究者達は「オミクロン株の流行中も高齢者の入院や死亡の危険性リスクを大幅に低下させる」4回目の接種の効果が証明されたとの結論に至った模様。

 斯様(かよう)な報告も踏まえて、本日に厚生労働省の分科会が開かれ、我が国に於ける4回目接種に就いて討議。「3回目接種から5ヶ月が過ぎた者」が必要条件で、推奨されるのは「60歳以上」若しくは「基礎疾患を有し、重症化危険性(リスク)が高い者」とする迄は既定路線だが、基礎疾患の有無を自治体が把握するのは困難」との問題有り。厚労省は「60歳以上には接種券を送る」等で個別に接種を呼び掛け、基礎疾患の問題に関しては「病名や症状をhomepage等で明示」して「自ら自治体に申告する」事を求め、「判断に迷った場合は掛かり付け医に相談して貰う」等の方法を検討中との事。

 4回目接種の対象となる基礎疾患は慢性の呼吸器疾患や心臓病、腎臓病、肝臓病。インスリンや内服薬で治療中、或いは合併症を伴う糖尿病。鉄欠乏性貧血を除く血液疾患、癌を含む免疫の機能が低下する疾患、ステロイド等の免疫機能が低下する治療を受けている者、免疫異常に伴う神経疾患や神経筋疾患。神経疾患や神経筋疾患が原因で身体の機能が衰え、呼吸障害等を呈した者。染色体異常、重度の身体と知的の障害が重複した状態の重症心身障害。睡眠時無呼吸症候群。当方の専門領域と関わる所では、重度の精神疾患。肥満の程度を示すBody Mass Index(BMI)が30を超える重度肥満、其の他に主治医が「重症化危険性が高い」と判断された者も対象になる模様。

 本日に政府の新型コロナ対策分科会が会合。従前(じゅうぜん)の感染対策について「自主的な行動抑制や基本的な感染対策、緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置」で「感染者や死亡者の人数を欧米より低く抑えて来た」一方、「国内総生産の回復が遅れ、自殺者数の増加等教育を含む社会経済への悪影響が顕在化している」との認識が示され、更にそのうえで大型連休のあとに感染が急拡大して深刻な医療逼迫が想定される場合の対応を四つに大別(たいべつ)

 第一は「此れ迄通りの対応」。蔓延防止等重点措置等の行動制限を行ったう上で、COVID患者は特定の医療機関で診療。保健所や自治体が療養者の隔離や入院調整を行う対応だが、「行動制限による社会経済への影響が続く」「一般医療に強い制限が掛かる」「2年以上、同じ対策が続く事に納得が得られ難い」等の難点有り。

 第二は「行動制限有り、医療の特別対応無し」。重点措置等の行動制限は行うが、COVID患者も可能な限り地域の医療機関や在宅で診療。入院調整は原則として病院や診療所の間で行い、保健所や自治体の負担を軽減する対応。課題としては「多くの医療機関でコロナの診療が行われる」事で「院内感染が増加」する、「治療薬を広く使える」様にせねばならないが、「コロナを特別に扱う対応を軽減する」一方で「行動制限が続く」事に「納得が得られ難い」。

 第三は「行動制限無し、医療の特別対応有り」。社会経済活動の維持に重点を置いて、重点措置等の行動制限は行わず、自主的な対応を尊重。一方で患者は特定の医療機関で診療し、保健所や自治体が療養者の隔離や入院調整を行う対応だが、診療に当たる医療機関が限られる事から「適切な医療を受けられない患者が増える」「医療機関の間で負担の大きさに偏りが起きる」「行動制限に依る社会経済への影響が続く」辺りで不都合が生ずる。

 第四は「行動制限無し、医療の特別対応無し」。重点措置等の行動制限は行わず、患者は可能な限り地域の医療機関や在宅で診療して、病院や診療所の間で入院調整を行う事に依って、社会経済活動は保たれる。保健所や自治体の負担も軽減されるが、院内感染が増加して入院先の確保が難しくなり、適切な医療を受けられない患者が発生する可能性大。

 分科会の会長、尾身(おみ)(しげる)氏は、会合後の会見で「既に保健所の機能や濃厚接触者の扱い等はオミクロン株の拡大以降、状況に合わせて緩和や効率化が行われて」来た。「四つの選択肢のどれかを選ぶ」と云うよりも「地域の状況に応じて考え方や対策を組み合わせる等、濃淡の有る対策を執る」事を「国や自治体が判断して行く」べきと述べた。また、同日に交わされた議論に関して「オミクロン株の感染が続く」事を前提と考え、中長期的には「重点措置等社会経済活動の制限は行わず、患者は可能な限り地域の医療機関等で診療する」方向を目指すべきとの意見が多かったものの「短い期間に急激に対策を緩める」事は避けて「段階的に進めるべきだ」との意見が大勢を占めたと説明。

 各々(おのおの)の立場や持論に応じて意見が異なる為に「分科会と云う場で見解を一致させ、一つの答えを示す」事は「難しくなりつつ在る」が、氏の個人的見解としては「市民に行動制限を要請する事を中心とした対策の時代」が終わり、中長期的には「科学技術やITを最大限(フル)に活用しながら」「行動制限を最小化して行く」事が求められる時期に入って行くと予想される由。新時代に我々が(あい)(まみ)えるのは希望か、絶望か。


4月28日(木曜)

 厚生労働省等の報告に拠ると、仙台(せんだい)市で感染が確認された或る患者の検体遺伝子を今月15日に国立感染症研究所で解析した結果、「此れ迄に国内外で確認されていない型」で在る事が判明。当該患者は先月下旬に発症するも重症化には至らず回復済で、直近に海外滞在歴は無く、国内で感染した可能性が高い模様。今回検出された病原体はオミクロン株の一型たるBA.1系統と、より感染力が高いとされるBA.2系統とが組み合わさったものだが、「スパイク蛋白質中の一部分を境にBA.1とBA.2に分かれている」ので、「スパイク蛋白質を含む大部分はBA.2だが、それ以外はBA.1」と云うXE系統とは異なる構造との事。

 SARS-CoV-2を含めたRNAウイルスに於いて天然の遺伝(いでん)()(くみ)()え、即ち「2種以上の同種、又は近縁ウイルス間で遺伝子の一部が組み換わったゲノムを有するウイルスが生成される」事象が起こり得るのは既知(きち)の事実。今回も「複数型のSARS-CoV2に感染した人体の中で遺伝子の組み換えが起きる」事に因り「複数のウイルスの特徴を持った新たな変異株」が発生したものと考えられるが、国立感染症研究所は「病原性等は調査中」なれども「現時点で感染の広がりは確認されて居ない」。「特に心配する状況では無いと見ている」との声明を出した由。

 所謂(いわゆる)COVID後遺症に関し、昨年12月の時点で厚生労働省は「診療の手引き」の暫定版を発行していたが、其れを改訂。此の度、正式な第1版として厚生労働省が公開した由。今回の手引きでは、感染後に少なくとも2ヶ月以上続く後遺症を「罹患(りかん)後症状」と呼び、「呼吸器症状」「嗅覚・味覚の症状」「精神症状」「疼痛」「脱毛等の皮膚症状」等と症状の種類毎に最新の知見や診療の流れを解説。リハビリテーションや社会復帰に向けた支援に就いても具体的な事例を挙げて紹介して居り、今後も内容を更新して行く模様。編集に当たった川崎市健康安全研究所の所長、岡部(おかべ)信彦(のぶひこ)氏曰く「後遺症が出た人は大きな不安を抱え」て居り、「其の不安が新たな病気を招く」事も有る故、「医療関係者には、此の手引きを活用して適切な治療に繋げて欲しい」との事。

 後藤厚生労働大臣は記者会見で、直近の感染状況に就いて「全国的に見れば緩やかな減少が続いている」ものの「地域別に見ると直近1週間の新規感染者数の平均が昨年末からのピークを上回っている県も有る」等と「感染状況の推移に差が生じている」。今後は大型連休に入って「旅行等の行楽や催事(イベント)、買い物等、移動、(ある)いは外出の機会が増える」と予想され、「感染防止策の徹底が必要な状況」が続くと指摘。「帰省や旅行の場合を含めてマスクの着用や手洗い、3密の回避、換気等の基本的な感染対策を徹底」すると共に「帰省する人は帰省前にワクチンの3回目接種」「(また)は近くの無料検査の拠点等で検査を受ける」、更に「若い人を含め、3回目接種を早めに受ける」事も「是非、御願いしたい」と呼び掛けた由。

 youtubeの首相官邸公式チャンネルにも今夜、「岸田総理から若い方々へのワクチン3回目接種のお願い」なる動画が投稿された。「高齢者の多くが3回目接種を終え、今後は若い世代の接種が本格化する」状況に就いて、総理自ら説明した上で「若い方々でも新型コロナに感染し、重症化する方も居る」。「感染後に症状が長く続く所謂(いわゆる)後遺症も有る」が、3回目接種には「感染そのものを防ぐ効果」と「感染した際の重症化を防ぐ効果」が期待出来る。実際に「接種を受けた方は、どの年齢でも大幅に感染が少なくなっている」と述べ、若い世代へ速やかに3回目接種を検討する様に呼び掛けた由。東京都も本日から来月8日迄、東京駅や品川駅、上野駅、新宿駅、池袋駅の五箇所に「COVID検査が無料で受けられる臨時の検査会場」を設置。東京都福祉保健局のhomepageから事前予約が必要だが、(いず)れの駅でも8時から20時迄検査で対応。他にも都内の約870箇所で無料検査の体制が整えられている模様。

 一昨日に開かれた関係閣僚会議で、政府は「原油や物価の高騰を受けた緊急対策」を決定。更に本日の閣議で「対策実行の費用等として今年度に於ける一般の予備費、及び新型コロナ対策の予備費から総計1兆5110億円を支出する」事も決定。鈴木財務大臣は閣議後会見で「烏克蘭(ウクライナ)情勢等に伴う原油価格や物価の高騰」に因る「国民生活や経済活動への影響」に「緊急かつ機動的に対応」する為に「今回の予備費使用は緊急性があり、適切だ」と語ったが、野党側からは「観光の推進や中小企業支援等に新型コロナ対策の予備費を使うのはおかしい」「補正予算案に盛り込んで国会で審議すべき内容で、財政民主主義に反する」等の批判が続出。予算案に関しては、岸田総理大臣が出席した参議院内閣委員会でも、立憲民主党の小沼(おぬま)(たくみ)氏から「物価高騰を受けた緊急対策として政府が今年度の補正予算案で予備費を積み増す」としている件に関して「何故(なぜ)、予備費を積み増すのか」との質問有り。

 小沼氏が「コロナ禍、物価高に対して政府に予見する能力が無いのでは」との疑念も生じて居り、「具体的な()(もく)付け、事業付けを行う編成を徹底すべきだ」と(ただ)したのに対し、岸田総理大臣は「新型コロナ」と「露西亜(ロシア)に依る烏克蘭(ウクライナ)侵略」等の状況が「今後、如何(どう)()った道筋を辿(たど)り、国際市場にどんな影響を与えて行くかは十分に把握出来ない」。故に「補充する形で予備費を一応用意し、不測の事態に備えて置く事も国民の安心安全の為に執るべき方策だ」と述べ、理解を求めた由。野党側も想定内の反論とも思われたが、血税の用途を確認する事は民主主義に欠かすべからざる手順だろう。


4月29日(金曜)

 各地の自治体で発表された感染者数に基づき、日本放送協会(NIPPON HOSO KYOKAI; NHK)が行った比較分析に依ると、先月31日迄の1週間に於ける全国の新規感染者数は前週に比して1.17倍、今月7日は1.04倍、今月14日は1.06倍と三週連続で増加するも、今月21日は0.85倍、28日迄が0.94倍と二週連続で微減。東京都や大阪府等の人口が多い地域を含む26都府県で横這いから減少になる一方で、九州や東北の一部、北海道、北陸等の21道府県で増加を認めた由。感染拡大が懸念されていた沖縄県は今月14日に至る一週間が前週比1.17倍、今月21日は1.04倍と五週連続で増加していたが、28日は1.00倍と増減無し。一日当たりの新規感染者数は凡そ1372人で、直近一週間に於ける人口10万当たりの感染者数は654.39人と未だに全国最多が続いている模様。

 米国では昨日、Modernaが「生後6ヶ月から6歳未満を対象にしたCOVID用ワクチンの臨床試験で効果と安全性が確認された」として、FDAに当該年代に対する緊急使用許可を申請した旨を発表。同社の報告に拠ると、約6700人を対象にした臨床試験の結果、「接種後にウイルスの働きを抑える中和抗体の値が成人と同程度に増加」。オミクロン株が蔓延している時期の調査で「生後6ヶ月から2歳未満では51%」「2歳以上から6歳未満では37%の感染予防効果」を認めた。接種後の健康への影響に就いても成人と同様の傾向が見られ、新たな懸念は示されなかったとの事で、申請が承認された暁には18歳以上の4分の1量を2回接種する事になる模様。 

 本日は全国で3万6672人の新規感染、福岡県で6人、東京都で5人、大阪府で4人、神奈川県で4人、埼玉県で3人、岡山県で3人、福島県で3人、兵庫県で2人、千葉県で2人、熊本県で2人、茨城県で2人、北海道で1人、和歌山県で1人、大分県で1人、宮崎県で1人、岩手県で1人、愛知県で1人、石川県で1人、長崎県で1人、静岡県で1人の総計45人が死亡。人工呼吸器や集中治療室等の治療を受ける重症COVID患者は173人で、昨日に行われたPCR等の検査数は自主検査を除く速報値で7万65件だった由。遂に大型連休が始まるも、勤務先では未だに県外移動の許可が出ない一方、伝え聞く所に拠ると、今年はコロナ禍以前並みに観光地の混雑、高速道路の渋滞が予想されるとの状況。連休前半は県内の温泉宿、後半は自宅で過ごす予定と相成った。


4月30日(土曜)

 卯月(うづき)が終わる本日は全国で2万5182人が新たに感染、14人が死亡した由。コロナ禍が長引く中で鉄道事業の経営は何処(いずこ)も厳しく、今月26日に東海(とうかい)旅客(りょかく)鉄道(てつどう)株式会社、通称JR東海。27日にJR東日本、28日にJR西日本が発表した昨年度決算は(ことごと)く赤字。紙不使用(ペーパーレス)への社会的要請も重なり、各社は相次いで回数券の販売終了を発表。斯様な情勢に対し、今月26日に開かれた「公共交通機関の在り方を検討する自民党の議員連盟の会合」に、全国知事会の会長を務める鳥取県の平井知事が出席。「公共交通機関は地方創生を進めるために必要不可欠」「一度、路線が廃止されれば容易に復活出来ぬ」として、「事業者に対する新たな補助制度の創設」「国の責任でJR各社への経営支援」等を求める要請書が手渡されたのに対し、議員連盟は事業者からも意見を聞いた上で政府への提言を纏める模様。

 航空大手のANA HOLDINGSも近年は利用者が大幅に落ち込み、昨年度決算の最終損益は1430億円余の赤字。燃料費高騰も重なって二年連続の最終赤字となるも、今年度は「国内線が8割まで回復する見込み」で、来年3月迄の業績は売上が1兆6600億円、最終利益は210億円の黒字に転換すると予想されている由。苦しい経営が続く中で航空会社は社員を外部に出向させて雇用を維持して来たが、需要が見込まれる大型連休に向けて、日本航空は外部に出向している客室乗務員、延べ1500人の客室乗務員のうち260人を呼び戻し、再び客室乗務に従事させるとの事。

 また感染拡大に伴って宅配需要が高まった結果、各地の高速道路で貨物自動車(トラック)の走行が増加し、道路休憩施設で大型車両用の駐車場が不足。「路肩駐車が増える等と安全面の問題も生じている」状況を鑑み、NEXCO東日本、中日本、西日本の三社は、今後3年間に「普通車との兼用駐車場を増やす」「照明や看板の場所を移す」等で合計1500台分のスペースを増やす事を計画するも「用地には限りがあり、大幅に駐車可能区域を増やすのは困難」との事。連休中の渋滞は不可避と考えざるを得ないが、当方は一昨夜に仕事が終わり次第、中間地点へ移動。前泊と翌日午前の観光を経て、昨夕には宿へ到着。温泉に入り、(うみ)(さち)()(ざけ)()麦酒(ビール)を味わった後、再び露天風呂に向かう予定。


5月1日(日曜)

 本日は全国で2万6960人。東京都内では先週日曜より1770人余を減じて3161人、大阪府内では前週同曜より480人減って2253人。神奈川県で1930人、北海道内で1854人、福岡県で1575人、沖縄県で1554人。愛知県で1428人、埼玉県で1202人、兵庫県で1043人、千葉県で1023人の新規感染が確認された。また栃木県からは「県内在住の基礎疾患を持たず、ワクチン接種を受けて居ない10歳未満女児が先月下旬に感染」「発熱等を認めるも軽症と判断され、保健所指示で自宅療養を開始した後に容体が急変」「救急搬送されて集中治療室で治療を受けるも、29日に急性脳症で死亡した」との報告有り。

 国立(こくりつ)感染(かんせん)(しょう)研究(けんきゅう)(じょ)は「昨年12月」と感染第六波の最中だった「本年2月から3月」の2回、「東京都、大阪府、宮城県、愛知県、福岡県の5都府県で総計1万6000人余」を対象にSARS-CoV2に対する抗体の保有率を調査。「()感染(かんせん)(しゃ)だけに備わる抗体を有する者」と「COVIDと診断された事が有る者」の比較から感染者の割合を推定した所、昨年12月時点では2.5%だったが、本年3月は4.3%に上昇。地域別では東京都で6.4%、大阪府で6.1%、愛知県で3.7%、福岡県で3.3%、宮城県で2.0%。東京都と大阪府、東西の二大都市で高く、また「ワクチンを1回でも接種済の者は4%」だったのに対し、「未接種者は10%で2倍以上の差が有った」との事。

 対して米国では、「本年2月に採取された約4万6000人分の血液」を検査し、統計的に分析した結果、疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention; CDC)が「米国人口の凡そ57.7%が感染した」と推定。年代別に見ると0歳から11歳では75.2%、12歳から17歳で74.2%、18歳から49歳で63.7%、50歳から64歳で49.8%、65歳以上で33.2%となっていて、若い世代ほど感染したと推定される人の割合が高くなっていた由。国立感染症研究所の報告に関し、厚生労働省の諮問(アドバイザリー)委員会(・ボード)の脇田隆字座長からは「日本では或る程度低い水準に感染が抑えられたと言える」が「自然感染に依る免疫が有る人が少ない」分さけ「対策の緩和で影響が出る可能性が有る」との指摘有り。

 今週も上海の感染拡大は続き、印度(インド)政府が中国人に発行した観光査証(ビザ)を今月20日以降は無効化。25日は上海の株式市場で代表的な株価指数の終値が5%を超えて大幅に下落し、一昨年6月以来の安値を記録。同日は上海で1万6980人の新規感染と52人の死亡が確認され、一日に確認された死者数としては過去最多を記録。コンテナの取り扱い量で世界最大、国際的な物流の要となっていた上海港でも「厳しい外出制限で貨物自動車の運転手が不足」「港の作業の稼働率が落ち、沖合で停滞する貨物船が増加している」旨の情報有り。北京でも先週後半から感染者が増え始めたが、27日に警察当局は「北京が間も無く都市封鎖される」と云う「嘘の情報をSNSで拡散させ、公共の秩序を乱した」等の容疑で、33歳の女性と48歳の男性を拘束した旨を発表。また中国外務省が、本年1月に再開されたばかりの北朝鮮との間を結ぶ貨物列車の運行に就いて「中国側での感染拡大の影響で一時停止を決めた」と発表。29日も上海で新たな感染者が1万181人確認され、47人が死亡。

 労働者の祭典たる“May Day”が近づき、中国でも30日から5連休が始まるも、各地の当局は「今居る場所で連休を過ごす様に」と呼び掛け、北京市の当局は、「5月1日から4日迄、市内の全飲食店に於ける店内での飲食を禁止し、外食を認めない」旨を発表。 多くの入場者が見込まれた北京環球影城/Universal Studios Beijingが休園となり、映画館等の娯楽施設も営業中止。連日1万人を超えていた上海の新規感染者数は30日に7872人へと低下するも、厳しい外出制限は続き、市民が自由な生活を強いられる状況も不変。台湾でも感染が急拡大していて、域内の新規感染確認が二日連続で5000人を超えたが、経済活動等への影響を抑える為、当局は「濃厚接触者の隔離期間を10日間から3日間に短縮する」方針を決定した由。

 テレビが「行動制限の無い黄金(ゴールデン)週間(ウィーク)」と連呼する中で、今年は「墨田(すみだ)()東京(とうきょう)天空(スカイ)(ツリー)が3年振りの営業」、愛媛(えひめ)(けん)松山(まつやま)()では「道後(どうご」温泉(おんせん)周辺に大勢の観光客が訪れ、観光名所の道後温泉本館も盛況」等と観光業も復活。世間は最大十連休とも聞いたが、当方は明日は連休の谷間で出勤せねばならぬ。()宿(やど)での滞在を切り上げ、帰路で「有料道路が渋滞」「高速道路の休憩施設に駐車場の空き無し」等の状況に(おちい)るも、誤差3時間程度で何とか帰宅。一日だけの出勤に備える。

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