令和4年4月第4週
4月18日(月曜)
昨日時点で沖縄県の「確保病床の使用率」は55%と五割を超え、政府の分科会が示す「対策を強化すべき水準」を上回った。本日は全国で2万4258人の新規感染。北海道で5人、東京都で3人、千葉県で2人、宮城県で2人、愛知県で2人、兵庫県で1人、埼玉県で1人、大分県で1人、山口県で1人、山梨県で1人、岩手県で1人、島根県で1人、広島県で1人、栃木県で1人、沖縄県で1人、福岡県で1人、茨城県で1人、高知県で1人、総計27人の死亡の発表有り。東京都では新たに3479人の感染が確認されるも、先週月曜より1000人余の減少となり、本日に至る七日間平均も6568.4人で前週比86.5%。大阪府の新規感染者951人も前週同曜より少なくなったが、府知事の吉村洋文氏は同居家族が新型コロナウイルスに感染し、濃厚接触者となり、自身は無症状なれども明日以降は登庁を控え、自宅で待機する由。神奈川県で2609人。北海道で1766人、埼玉県で1511人、福岡県で1406人、千葉県で1030人等の新規感染が発生したが何処も減少傾向で、愛知県は786人と先月22日以来の千人未満。
政府が公表した最新状況に拠ると、国内で3回目のCOVID用ワクチン接種を受けた者は6106万1041人で全人口の48.2%に相当。70代以上の80%が3回目の接種を受け、60代でも70%を突破する一方、20代は26.9%、30代は29.5%と三割未満で、40代も38.3%と低く、50代は56.8%に留まる。少なくとも1回の接種を済ませた者は総計1億292万8875人で全人口の81.3%、2回目を終えた者は1億112万8009人で全人口の79.9%。5歳から11歳を対象にした接種で1回目を済ませた者は76万492人で全体の10.3%、2回目を受けた者は34万2832人で全体の4.6%だが、実際は「此れ以上に接種が進んでいる」可能性や「今後に増加する可能性」が有り、全人口には「ワクチン接種の対象年齢に満たぬ小児」も含まれる由。
前回に接種率が低かった地域を見ると、大阪府では1回目を終えた者が687万1980人で77.74%。このうち2回目も終えたのは676万5947人、76.54%で、3回目迄完了した者は378万9113人、42.87%相当。沖縄県では1回目を終えた者が105万2424人、70.86%。このうち2回目も終えたのは102万8225人で69.24%、3回目も済ませたのは53万5053人で36.03%との事。
4月19日(火曜)
厚生労働省が東海大学等に委託し、SARS-CoV2検査を行う病院や診療所、衛生検査所等の全国1191施設を調査。ウイルス濃度等を変え、中身が分からないようにした6種類の試料を各施設に送り、「PCR検査等で正しく判定出来たか否か」を確かめた所、正答率は試料事平均で93%から99.4%。全体としては良好だったが、検査精度を保つために国が作成を求めている検査手順などを定めた「測定標準作業書」に就いては衛生検査所の8割以上が作成していたのに対し、「病院では65.0%、診療所では24.4%と医療機関で低い」傾向を認めた由。調査した東海大学の名誉教授で、新渡戸文化短期大学副学長の宮地勇人氏は「医療機関は診療で忙しいと思う」が「検査の失敗を防ぐ為」に「標準作業書の作成、検査職員の教育等を徹底して欲しい」と苦言を呈している。
米国のNovavaxが開発したCOVID用ワクチンに対し、本日に厚生労働省が18歳以上への使用を正式に承認。後藤厚生労働大臣は閣議後会見で「海外からの輸出規制の可能性に備えてワクチン供給の安定性を確保する」と共に、当該製品が「実績が有る組換蛋白ワクチン」で在る事も踏まえて「ワクチンの種類の多様性を図る」為に「1億5000万回分を去年9月に購入した」と説明。「メッセンジャーRNAワクチンに対するアレルギーが有る方」への接種に用いる目的で「来月下旬から6月上旬」に「合計10万回分を配送する」旨を自治体に伝え、「1億5000万回分の更(さら」なる活用方法」に就いて「審議会に於ける今後の議論の内容も踏まえつつ」「確りと検討」して行くとの事で、松野官房長官からも同様の発言有り。
Novavax製ワクチンは、昨年2月の時点で「1回目、2回目の接種」に加えて「3回目の追加接種」での使用が申請されたが、当時は海外での承認事例が無く、厚労省は診察手続を大幅に簡略化する特例承認を認めず、通常の手続きで審査を行った。しかし、其の後に南阿弗利加で行われた治験に於いて、「感染を防ぐ中和抗体の値」が2回目接種の180日後に対して「3回目の35日後では53倍に上昇した」事が確認され、現在は専門家部会でも「1回目から3週間空けて2回目を接種」「更に6ヶ月以上が経過すれば3回目の接種」を了承済。PfizerやModernaがmessenger RNA、AstraZenecaがviral vectorの技術を用いてワクチンが産み出され、其等が現在迄に日本国内で使用されて来たのに対し、Novavax製ワクチンの製造では遺伝子組換技術を使い、ウイルス表面に存在するスパイク蛋白質を人工的に作り出す。其れを接種の形で投与し、人体に於ける免疫応答を惹起するものだが、後藤氏も言及していた如く、従来から帯状疱疹やB型肝炎等のワクチン製造に応用され、接種が行われて来た歴史を持つ。
一昨年12月から昨年2月にノババックス社や米国の大学等から成る研究者集団が、米国と墨西哥で18歳以上の約3万人を対象に臨床試験を行い、昨年12月15日付でNew England Journal of Medicine誌上に結果発表。「3週間空けて2回接種を受けた」後は「発症を予防する効果が90.4%」、「中等症や重症を防ぐ効果は100%」。当時はアルファ株やベータ株が主流だったが、斯様な変異株に対する「発症予防効果は92.6%」だった旨の報告有り。副反応出現の頻度は他のCOVID用ワクチンよりも低いとされて居り、接種部位に疼痛等の症状が出た者は1回目の接種後に58.0%、2回目の接種後には78.9%。接種した部位以外に何らかの症状が出た者は1回目の接種後に47.7%、2回目の接種後に69.5%。倦怠感は1回目に25.6%と2回目に49.5%で、頭痛は1回目に24.9%と2回目に44.5%、筋肉痛が1回目22.7%、2回目に48.1%。発熱は1回目0.4%、2回目5.7%等だが、何れも1日から2日程度で収束する事が多く、心筋炎や血栓症の増加は確認されなかった模様。一昨年の秋に英国で18歳以上の約1万5000人を対象に行われた臨床試験では「発症予防効果は89.7%」、「6ヶ月を経ても全体的な有効性は82.7%だった」とノババックス社は報告している。
当該ワクチンの管理に於いては摂氏2度から8度を保つ事が要求されるが、通常の冷蔵庫で対応可能な温度で医療機関や自治体の接種会場への輸送や保管も容易。有効期間は9ヶ月間との事で、欧州委員会や英国の規制当局等からも条件付きの販売承認を得るも、米国では本年1月31日に食品医薬品局(Food and Drug Administration; FDA)に緊急使用許可が申請されるも許可は出されたとの報道無し。日本で承認された場合は武田薬品工業が山口県の工場で製造し、流通を担う予定との事。若年層の3回目接種率が低い件に関しては昨日の項にも記したが、3回目の職域接種の為に「厚生労働省が職域接種で2回目迄より多い1200万回分のワクチンを確保」して「所謂現役世代への接種を促す」も、開始から2ヶ月が過ぎた昨日の時点で「申請された職域接種の計画は全国で凡そ585万回と確保量の半分程度」に留まっているとの報道有り。国内では「塩野義製薬も開発番号S-268019なる組換蛋白ワクチンを開発中」と聞くが、此等の新兵器を有効活用し、コロナ禍に終止符を打てる日は来るのだろうか。
4月20日(水曜)
現在の感染状況に関して、専門家会合は「大都市部で減少傾向」となる一方、「秋田県、福島県、新潟県、長野県、愛媛県、宮崎県、鹿児島県で新規感染者数の1週間平均が第6波のピークを上回る」等と「地域によって感染状況に差が出ている」と分析。感染者数を年代別に見ると「全年代で感染者数は減少傾向に在るものの、横這いから微減に留まる」「先月から感染が拡大している沖縄県では10代以下の増加が顕著で、高齢者も増加」等の状況が報告された。
しかし、磯崎官房副長官から「現時点で、各都道府県から蔓延防止等重点措置等の要請は出て居らず」「直ちに都道府県を跨ぐ移動等の行動制限が必要な状況に在るとは考えて居ない」と発言。そして本日に東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏1都3県の知事。そして横浜市を含む5つの政令指定都市の市長が回線接続形式で会議。「第6波はピークのあとの減少が緩やかで今も横ばいの状態」「大型連休で人の動きが活発になるので、再拡大を防ぐための対策を徹底する必要が有る」等の指摘が為されるも、強い対策が国に求められる事は無く「若年者を含む3回目接種の推進」「検査キットの積極的な活用」「マスクの着用」「換気」等の基本的感染対策を徹底する程度で大型連休に突入する模様。
本日にKM Biologics等が会見。同社はCOVID用の不活化ワクチンの開発を進め、18歳以上を対象に臨床試験を行って来たが、此度、「生後6ヶ月から18歳未満の総計600人」を対象にした治験を今月中にも開始。効果や安全性に加えて適切な接種回数等を確認した上で、今年秋から年内にも「生後6ヶ月以上が接種出来るワクチン」として、国への承認申請を目指したいとの事。会見でKMバイオロジクスの永里敏秋社長は「6ヶ月以上5歳未満の子どもに接種出来るワクチンはまだないので、1日でも早く世に出していきたい」と述べた由。
新型コロナワクチンの3回目接種を目的に、国は大阪市に対して今年1月下旬に約30万回分のModerna製ワクチンを供給。今月25日に使用期限を迎えるも、このうちの凡そ8万回分は期限までに使用される目処が立たず廃棄予定。「Pfizer製の接種を希望する者が多い」「3回目接種を受ける者が少なく、完了者は対象者の半数程度に留まる」等の背景が有り、他の自治体でもモデルナ製が余る見込みとの事。更に東京都世田谷区では「小児用集団接種会場でワクチンを保管する冷蔵庫の電源が切れる」との状況で1900回分、江東区でも「医療機関への配送の際、受け取り時に誤って冷蔵庫に移さなかった」「冷蔵庫の設定温度を決められた温度より低くしていた」等が原因で1276回分を廃棄。
松野官房長官は、記者会見を通して「接種を促進する」と共に「有効期限の短いワクチンから使用する」等で「廃棄されるワクチンを出来るだけ少なくして頂きたい」と自治体に要請。「接種現場の負担を軽減する観点から、自治体で廃棄されたワクチンや廃棄予定のワクチンの量を把握する予定は無い」と語る一方、記者団が「使用期限の延長は不可能なのか」と問うたのに対して「有効期間は一定期間保存した場合に品質が保たれるか」「ワクチンを製造販売する企業で集められた情報に基づき、手続きを経て決定される」。「Moderna社のワクチンは現在、有効期間が9ヶ月となっており、此れに基づいて取り扱って貰う事になると承知している」と回答。安易に消費期限を延ばす訳にも行かず、さりとて貴重な舶来ワクチンが無駄になるのは如何にも惜しいが、今後の国産化が過不足の無い供給を実現して欲しいものだ。
4月21日(木曜)
昨日に政府の分科会が示す「対策を強化すべき水準」を上回っている自治体は無く、本日は全国で4万7131人の新規感染、51人の死亡を確認。東京都 の新規感染6713人は未だ高水準なれども、先週より約1800人程度の減少となり、都は感染再拡大を予防する為の「反跳警戒期間」を凡そ1か月延長する一方、「認証を受けた飲食店を利用する際の人数制限」を「従前の1集団4人迄から8人迄に緩和する」事を決定。大阪府の新規3565人も前週同曜に比して700人余も少なくなった。
本日に政府が関係閣僚の会議を開き、今月の月例経済報告を公表。景気全体に関して、先月は「持ち直しの動きが続いているものの、一部に弱さがみられる」と判断されていたが、今月は「新型コロナによる厳しい状況が緩和される中で、持ち直しの動きがみられる」と評価され、昨年12月以来の「判断の引き上げ」となった由。蔓延防止等重点措置の解除後は外食や旅行等に於ける個人消費が改善して居り、「公共投資」に就いても昨年度の補正予算の執行が進んで「このところ底堅い動きとなっている」等の状況が背景に存在する模様。「ウクライナ情勢による不透明感」「原材料価格の上昇や金融資本市場の変動、供給面での制約」等の懸念は有るものの感染状況、経済共に昨今は明るい便りが増えて来た印象有。
月刊MUの公式Twitterが、本日19時台に「なんだか混ぜて語られることも多いので断言しますけど、周囲のワクチン接種を妨げてはいけません」。「接種会場で妨害行為をするのはもってのほか」で「代替医療へ誘導してやんわり遠ざけることもよろしくありません」と投稿。昭和54年から「世界の謎と不思議に挑戦」し続けて来た「スーパーミステリーマガジン」からの反ワクチン活動に対する苦言に「ガンジーが助走をつけて殴るレベル」の新型、「月刊ムーが真顔で説教するレベル」等と一部で話題を呼んだ由。
嘗てムー誌の読者投稿欄を「自分は目覚めた戦士」だが「仲間の戦士を探しています」、或いは「自分は前世の記憶を取り戻した転生者」で「前世で繋がっていた仲間を探しています」等の葉書が埋め尽くし、其処に材を得た日渡早紀の漫画『ぼくの地球を守って』の発表後は更に過熱。平成元年に徳島県で小中学生女子3名が解熱剤を用いた過量服薬で救急搬送された後に「前世を覗くために一度死んで戻るつもりだった」と語る事件が起きた後、其の類の投稿を一掃する判断を下している事を知る者としては特に驚く事では無いが。此の手の雑誌を政治的、宗教的な特定の勢力に取り込まれず、しかし敵にも回さずに発行し続けて行く苦労は容易では無かろう、と改めて感じた。
4月22日(金曜)
新規感染者数を一週間平均で比較すると、全国では先月24日迄は前週に比べて0.76倍だったのが先月31日は1.17倍と増加に転じ、今月7日は1.04倍、今月14日は1.06倍と三週連続で緩やかな増加が続くも、21日迄は0.85倍と再び減少傾向。五週連続で増加傾向の続く沖縄県を始めとして北海道、山形県、鳥取県と島根県、香川県、長崎県、佐賀県、鹿児島県の1道8県で増加を確認。しかし、総じて言えば「3回目のワクチン接種率が50%近くまで進み、感染の経験者と併せて多数が免疫を獲得」「感染の危険を回避する行動が継続されている」「季節的に気候が温暖になり、窓を開けて換気が容易になる」等の要因から感染増加の勢いは削がれている模様。
本日から回線接続の形で開催されている日本感染症学会で、新型コロナ対策分科会の会長、尾身茂氏が講演。現在の感染状況は「地域に依って差が有る」ものの「全国的に高止まりの状況」だが、「此れ迄の経験から、連休等を切っ掛けに感染が大きく増える事が分かっている」ので「大型連休に向けて感染が如何なるのか」が懸念される旨を指摘。更に大型連休を通して人の移動が増える中で「ワクチンの追加接種を引き続き進め、感染危険性の高い場面を避ける」様に呼び掛ける事が必要だと主張。感染が急拡大して医療逼迫の懸念が高まった場合の対応に関しては「社会経済活動は制限すべきで無いという意見も有る」が「危機が迫った時に再び、蔓延防止等重点措置などの強い対策を繰り返すのか」。或いは「其れ以外の対策が執れるのか」を「議論する時が来た」と述べ、今後に政府分科会等の場で議論して行く意向を表明した由。新型コロナ対策担当大臣の山際大志郎氏からも「大型連休を迎えるので、最大限の警戒を続けて乗り切って行かなければならない」等の発言有り。
厚生労働省は一旦「全ての希望者を対象に4回目のワクチン接種を行う」想定で準備を進めるも、先月の分科会で慎重な意見が相次いだ後は「4回目を実際に行うか如何か」も含めた詳細を「引き続き審議する」と保留に転じていた。其の後は「重症化危険性の高い高齢者や基礎疾患を有する者に接種対象を限定」した上で4回目を実施する方針となり、更に本日、「3回目からの間隔は5ヶ月にする」方向で検討されている旨の報道有り。当初、厚生労働省は接種間隔に関して「6ヶ月を基本とする」としていたが、世界有数の接種先進国たる以色列から得た情報に基づいて「3回目から6ヶ月後にはワクチンの効果が大幅に低下する」恐れ有りと判断され、前倒しが検討された模様。世界には「4ヶ月間隔で接種を行う」国も有る様だが、安全性確保との兼ね合いから「少なくとも5ヶ月を空けるべき」と見られた模様。厚労省は此の方針を来週にも専門家に依る分科会等に諮る事になる由。
本日に回線接続で開催された日本感染症学会にて、塩野義製薬が開発中のCOVID用組換蛋白ワクチンに関して発表。今回、公表された「20歳以上、約3300人が参加した臨床試験」の中間報告に拠ると接種部位の疼痛や疲労、頭痛等の副反応と見られる症状が報告され、1名には40度超の発熱が生じたものの「現時点で深刻な健康問題は見られない」との事で、安全性を確認。年齢やワクチン接種歴等で被験者を分け、各々を分析した所、何れの群でも「2回目の接種から2週間後には中和抗体の値が増えた」との事で、効果も確認された由。先に同社は「3回目の追加接種を想定した臨床試験」で「Pfizer製ワクチンと同等の効果を認めた」とする分析結果を発表して居り、「引き続き承認申請に向けて国と協議を進める」模様。KM Biologicsが開発中のワクチンに就いても一昨日の項にて紹介したばかりだが、実用化の暁には両社共に「Pfizer製やModerna製で強い副反応を経験した」者、或いは「副反応への懸念が強い」者への接種が当面の用途となるか。
地球の裏側、伯剌西爾は感染者累計が三千万人を超えて世界で3番目に多く、感染に因る死者数も世界で2番目に多い66万人余に上るも、今月に入って感染拡大が落ち着いたと判断され、緊急事態宣言の解除を宣言。首都の里約日内路では「昨年に史上初の中止」、「今年もオミクロン株の流行で2ヶ月延期」等の困難を乗り越えて、再び“Carnaval do Rio de Janeiro”を開催。凡そ2年振りの謝肉祭に現地は湧き、更に今夜から明日は最大の見せ場たる行進の予定。華麗な衣装を纏った踊手達が、大掛かりな山車と共に花道を練り歩く光景は「地上最大の見世物」の名に相応しかろう。
4月23日(土曜)
政府はワクチン接種と共に、PCR検査や抗原検査を「感染対策の柱」と定め、去年12月以降に都道府県を通じて「無症状でも感染に不安を感じる者や旅行を控えている者等が無料で検査を受けられる検査所」の設置を推進。オミクロン株の感染が拡大した本年1月に検査キットの入手が難しくなり、検査が滞る事も有ったが、内閣官房の報告に拠ると、今月14日時点では全国で約1万箇所まで検査所が増加した由。総数で1月末の1.7倍となったが、特に都市部での増加が著しく、東京都では2.7倍の凡そ800箇所、神奈川県では1.7倍の644箇所まで拡大。
然れども、全国に於ける無料検査の件数は、1月下旬の一週間平均が1日当たり約6万6600件だったのに対し、先月末は約6万3200件と5%程度の減少。「経済活動の再開に伴い、寧ろ検査の重要性が高まる筈」と判断した国は「大型連休で旅行や行楽などに出かける前には積極的に検査を受ける」事を呼び掛けると同時に、「繁華街でコインパーキングに天幕を張り、臨時の検査所を設けて呼び込みを行う」「カラオケ店でも検査が受けられるようにする」等を実行し、少しでも検査を受けやすくするべく試行錯誤を重ねている模様。
京都市で開催中の日本呼吸器学会の中で行われた討論会にて、COVID後遺症が議題に上がった由。嗅覚や味覚の異常について、国の研究班の代表を務めた金沢医科大学の三輪高喜教授は「アルファ株が広がった昨年5月迄の3ヶ月間に入院」等をした「20代から50代」の207人を調べた結果、「半年後に於いても24日、12%相当に嗅覚異常を認めた」旨を報告。女性が三分の二となる16人、年代別では40代以上が17人と多く、「実際とは異なる匂いが感じられる」等の事例もケースも多かったとの事。三輪教授からは「中年で女性だと長引く可能性が有る」。「オミクロン株では嗅覚異常の割合が少ないとされる」が、現実に「患者は多い」故に「今後、増える可能性がある」等の指摘有り。高知大学の高松和史助教も「中等症以上を経験した者への質問紙調査」を通して、「693人のうち9.8%」が「退院から一年後にも何らかの症状が有る」と回答した旨を報告。7.4%が筋力低下、4.4%が呼吸困難と答えたらしく「コロナでの重症度と関わっていると考えられ、解析を続けて行きたい」との事。
4月24日(日曜)
本日に沖縄県では1311人の新規感染が報告され、県内での感染確認は15万3315人に達した由。同県を訪問した官房長官の松野博一氏は、県庁で同県知事の玉城"Denny”康裕氏と会談。松野官房長官は「沖縄県の人口10万人当たりの感染者数は全国で最も多く」感染状況が懸念される一方で、「3回目のワクチン接種率は全国でおよそ5割」なのに対して「沖縄県では4割を切っている」。「接種の加速化が鍵になる」と指摘し、「新型コロナに感染した場合、若い人でも重症化や所謂後遺症の心配も有る」。「高齢者は元より、若い人も3回目接種は重要」で「知事の統率力の下、県民に接種を更に呼び掛けて頂きたい」と要請。玉城知事も「大規模商業施設に接種会場を設置する」等と「身近な場所で接種できる環境整備を進めたい。関係機関とも連携を深めて行く」と応じ、更に松野官房長官は県内の市長会や町村会、医師会の会長とも面会して強力を求めたとの事。
先週17日迄に「十一日連続で新規感染者が2万人を超える」等と過去最悪の感染拡大が続いた中国の上海/Shanghaiでは市民が厳しい外出制限を強いられる一方で、SNS上に「適切な治療を受けられずに亡くなった」等の事例が報告されるも、当局が悉く削除。今週に入って漸く新規感染者数が減少に転じるも、感染が収束した訳では無く、情報統制も止まず。企業の生産活動再開に向けて感染対策の指針が公表されているが、「外部との接触を避ける為に従業員は勤務先での宿泊が必要」等の厳しい条件が課された事から、日系も含めた上海企業のうち、一部しか操業を再開出来ぬ状況が続いている模様。