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令和コロナ騒動実録  作者: 澤村桐蜂
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令和4年3月第4週

3月21日(月曜)

 春分(しゅんぶん)の日を迎えて三連休も終わろうと()う本日に、全国で2万7701人が感染。千葉県で8人、京都府で7人、東京都で6人、愛知県で5人、福岡県で5人、埼玉県で4人、栃木県で3人、北海道で2人、大分県で2人、滋賀県で2人、茨城県で2人、兵庫県で1人、大阪府で1人、宮城県で1人、岩手県で1人、広島県で1人、愛媛県で1人、神奈川県で1人、秋田県で1人、長野県で1人、青森県で1人、香川県で1人、鹿児島県で1人の合わせて58人が死亡した旨の発表有り。人工呼吸器や集中治療室等を用いた治療を要する重症COVID患者は951人で、症状が改善して退院した患者の累計は国内で感染が確認された556万7723人と客船の乗客や乗員659人を合わせて556万8382人。今月17日中に行われたPCR等の検査回数は、自主検査を除いて7万5609件だった由。

 東京都では3855人の新規感染を確認。先週月曜より900人余を減じて今年1月17日以来の四千人未満となり、7日間平均7449.1人は前週の86.3%。3855人を年代別に見ると10歳未満が786人で最も多く、全体の20.4%に相当。65歳以上の高齢者は175人で全体の4.5%。都の旧基準で集計した人工呼吸器、()しくは人工心肺装置を使用する重症患者は昨日と同じ46人。大阪府では新規1638人の感染が報告され、重症者は昨日と同じ127人。東京や大阪、愛知を含む18都道府県に適用されていた蔓延(まんえん)防止(ぼうし)(とう)重点(じゅうてん)措置(そち)は、本日の期限を(もっ)て解除。日本全国で重点措置中の地域が存在しない状況となったのは今年1月8日以来、(およ)そ2ヶ月半()り。

 措置解除後は「感染者数が或る程度、増えて来る」可能性が高く、現在も「()だ第六波の途中」と認識すべき。と云う東京(とうきょう)医科(いか)大学(だいがく)特任教授の濱田(はまだ)篤郎(あつお)氏の指摘に関しては先週18日の項に記したが、事実、海外では「感染が十分に収まり切らぬ(まま)、再び増加する」国や地域も存在する模様。Oxford大学の研究者等が運営するwebsite、“Our World in Data”に拠ると、世界全体で新たに報告される感染者数は先月(まで)は減少傾向を示していたが、今月に入って再び増加。1日当たりの感染者数を一週間で平均した値を見ると、英国では今年1月上旬に18万人を超えた後、2月下旬に2万7000人余に減るも、3月18日時点では8万1000人余に増加。仏蘭西(フランス)では1月下旬に36万人を超え、3月上旬には5万2000人余となった後は増加に転じ、3月19日時点で8万6000人余。独逸(ドイツ)も2月中旬に20万人超、3月初めに13万人余から再上昇、3月19日時点ではおよそ21万7000人。

 亜細亜(アジア)に於いては、2年前に湖北/Hubei省、武漢/Wuhan 市で「世界で最初の感染拡大」を認めるも、以降は2年近くに渡って「多くても1日200人程度」を維持して来た中国に今年2月から増加傾向を認め、3月19日時点で2300人余に増加。韓国では今年1月中旬に4000人を下回るも、3月19日時点では40万人余りと過去最多水準となり、1日当たりの感染者数では世界で最多。越南(ベトナム)でも直近2ヶ月で凡そ27万人と急増する一方、今年1月中旬には80万人を超えていた米国では、3月19日時点では3万人余へと減少した由。

 烏克蘭(ウクライナ)ではAzov海に近く、哥力米(クリミア)半島と露西亜(ロシア)本国とを結ぶ位置に在る東部Donetsk 州の要衝、Mariupolで露国の包囲軍と対抗する烏軍が激突。激しい市街戦を展開された後、昨日に同地の市議会が「露軍が女性や子供、高齢者等の市民、凡そ400人が避難する芸術学校を爆撃した」事を発表し、烏国大統領のVolodymyr Zelensky氏が「多くの人が瓦礫の下にどれだけの人が生存しているか分からない」が「此の爆撃を行った操縦士(パイロット)を我々は必ず撃ち落とすだろう」と宣言した由。首都Kievでも露軍がミサイル攻撃。同地の市長にして元WBO世界重量(ヘビー)級王者の拳闘選手、Vitali Klitschko氏は本日に「購物(ショッピング)中心(センター)が攻撃され、8人が死亡」「集合住宅や学校、幼稚園等も被害を受けた」と訴えるも、露国防省は「烏軍の火箭(ロケット)砲や弾薬が確認され、基地として使われていた」故の攻撃だったと主張。

 国際的人権団体、Human Rights Watchは「マリウポリでは現在迄に3000人超の市民が死亡した可能性有り」と本日に報告。国連難民高等弁務官事務所(United Nations High Commissioner for Refugees; UNHCR)も「露国侵攻を受けて烏国から国外に避難した者が353万人を超えた」と発表。停戦交渉に進展は見られず、露軍の攻撃が激化する中で、本日に欧州連合(European Union; EU)は「烏国に対して5億ユーロ、日本円で650億円余の追加軍事支援を行う」方向で合意したそうだが、更に市民の死傷者が増える事が懸念される情勢。


3月22日(火曜)

 本日は全国で2万231人の感染。71人の死亡。東京都の新規感染3533人は先週火曜の半数以下で、大阪府は998人で今年1月11日以来の千人未満。

 昨日の重点措置解除に関し、後藤厚生労働大臣は記者団に「全国的な感染者数は頂点(ピーク)時の半分程度に迄、落ち着き」、「病床使用率や自宅療養者数も地域差は有るが、明確な低下傾向」が確認される一方で、専門家からは「今後、既存のオミクロン株がBA.2に置き換わる」事で「再度増加に転じる可能性も指摘されている」と発言。年度末や新年度をを迎えると卒業式や春季休業、入学式や花見等の人が集まる行事、就職や進学に伴う移動が多くなるとして「感染危険性(リスク)の高い行動を控え、マスクの着用や手洗い等、基本的な感染防止策の徹底を(こころ)()けて欲しい」等と呼び掛けた由。感染対策の一環として、政府は「希望すれば無症状の者でも抗原検査等を無料で受けられる」制度を設け、今月末迄の継続する予定で運用して来たが、新型コロナ対策担当大臣の山際(やまぎわ)大志郎(だいしろう)氏が「経済社会活動の回復に向けて検査の重要性が高まっている」として、無料検査の体制を6月末まで延長する旨を発表。「年度末や春休みで若年層を中心に活動が増える」事を想定して、「飲食や催事(イベント)、旅行等の場面で、基本的な感染対策の徹底と合わせて抗原検査の積極的な活用を検討して欲しい」と語ったとの事。

 自民(じみん)(とう)幹事長の茂木(もてぎ) 敏充(としみつ)氏は、烏克蘭(ウクライナ)情勢に伴う物価の高騰(こうとう)対策に就いて「107兆円余りの過去最大の新年度予算案が成立する時節(タイミング)」だが「最優先すべきは一日も早い迅速(スピーディー)な執行」で、「穀物や水産物の価格高騰や安定供給の課題」も在り、「丁寧に木目(きめ)細かく対策を執って行く」。「必要な対策が有れば、躊躇無く機動的に実行して行くべきだ」と述べた一方で、「年金生活者を支援する新たな給付金を設ける」との政府与党方針に関しては「色々な人が困難に直面しており、誰かに限って対策を打つ訳では無い」等と弁明した由。しかし、「来月分から新年度の年金支給額が0.4%引き下げられる」と決した後に「一人当たり5000円を支給する」と云う話は「夏の参議院選挙目当ての(ばら)(まき)と言わざるを得ない」との批判が有り、本日に立憲(りっけん)民主(みんしゅ)(とう)は厚生労働省へ「検討の中止を求める」との要請文を提出。今回の年金支給額の引き下げは「2016年に成立した年金制度改革関連法に基づくもの」で「政府・与党は自らの政策の誤りを認めるべき」「政治が責任を持って年金の最低保障機能の強化に取り組む必要が有る」として、与野党協議を行う事も提案された模様。

 本日に政府が公表した最新状況に拠ると、国内で対SARS-CoV2用ワクチンの3回目接種を受けた者は4447万2895人で、全人口の35.1%。接種日別に見ると、3回目接種が実施された回数が最も多いのは先月26日の112万1293回。少なくとも1回の接種を受けた者は1億215万3541人で全人口の80.7%、2回目を終えた者は1億50万6158人で全人口の79.4%。5歳から11歳の小児を対象にした接種に関しては、少なくとも1回を受けた者が19万3503人、2回目を終えた者は僅かに13人との情勢。

 米英等が開発したワクチンの輸入に依存せねばならぬ現状に対して、政府も拱手(きょうしゅ)傍観(ぼうかん)ばかりでは無く、本日に東京都千代田区の独立行政法人、日本(にほん)医療(いりょう)研究(けんきゅう)開発(かいはつ)機構(きこう)内に先進(せんしん)(てき)研究(けんきゅう)開発(かいはつ)戦略(せんりゃく)センターを創設。Strategic Center of Biomedical Advanced Research and Development for Preparedness and Response、略称SCARDA。同中心(センター)では、COVIDの如き感染症のワクチンの研究開発について「国内外の最新の研究開発の情報」を収集し、基金を設けて「産学官の有望な研究計画に集中的に資金を投入する」事で国産ワクチンの開発を支援する予定。本日閣議後の会見で科学技術担当大臣の小林(こばやし)鷹之(たかゆき)氏が「経済安全保障上も重要な国産ワクチンの研究開発を大きく前進させて行きたい」と語り、将来的には「緊急時に於けるワクチンの迅速な開発」も可能とするべく、政府は支援の対象となる研究課題の公募も開始された模様。

 法務省曰く、人権侵害の疑いが有るとして昨年に調査を始めた事案は8581件で、このうちで新型コロナウイルス感染症に関するものは前年より50件余を加えて232件。この中には「ワクチンを接種していない患者に、病院の院長が繰り返し重要性を説明した」「感染していないのに、知人が感染していると嘘を伝えたりする」等で救済措置を講じた事例(ケース)も有った模様。(インター)(ネット)上の人権侵害に関して、昨年に法務省が「違法」と判断して接続業者(プロバイダー)等に削除を求めたのは399件で、過去最多の一昨年に比して180件程度の減少。


3月23日(水曜)

 医療逼迫(ひっぱく)の判断基準として内閣官房の発表した全国47都道府県の情報に拠ると、一昨日の時点で「確保病床の使用率」は大阪府が50%、昨日も同じく大阪府が51%。政府分科会が示す「対策を強化すべき水準(レベル)」の目安を上回るも他の地域は五割未満に留まり、大阪でも遠からず低下しそうな情勢。本日は全国で4万1038人の新規感染と122人の死亡。東京都内で6430人、大阪府内でが新たに4790人が感染したと報告されたが、(いず)れも先週同曜より減少を認めた由。

 本日に開催された第77回新型コロナウイルス感染症対策諮問(アドバイザリー)委員会(ボード)所謂(いわゆる)「専門家会合」に於いて提示された資料に依ると、昨日に至る一週間の新規感染者数も全国で前週比0.79倍と先月中旬以降、1ヶ月余り減少傾向が続いている模様。一昨日に蔓延防止等重点措置が解除された地域のうち、首都圏の1都3県では東京都と千葉県で0.81倍、神奈川県で0.76倍、埼玉県で0.91倍。関西では大阪府で0.66倍、京都府で0.73倍、兵庫県で0.71倍。東海では愛知県で0.72倍、岐阜県で0.73倍と減少。他の地域でも北海道で0.95倍、青森県で0.96倍。茨城県で0.98倍、栃木県で0.90倍、群馬県で0.88倍。石川県で0.79倍、静岡県で0.81倍。香川県で0.78倍、熊本県で0.63倍と重点措置が解除された全ての地域で(よこ)()いから減少。「人口10万当たりの直近1週間の感染者数」で評価すると東京都が最も多く、340.56人で、次点が茨城県が337.53人。埼玉県が322.27人、神奈川県が321.68人、沖縄県が290.84人と続き、全国では231.81人との事。

 しかし、全ての地域で重点措置が解除された後も(なお)「昨夏の頂点より多い新規感染者数が減らぬ」情勢を踏まえて、専門家会合の場では、全国の感染状況に関して「全年代で減少が続くも、新規感染者数に占める10代以下の割合は増加傾向で依然として高水準」で「介護福祉施設や医療機関で高齢者の感染も続く」、「昨夏以降の感染第五波とは異なり減少速度は緩やか」「BA.2系統のウイルスに置換が進むと再び感染増加に転じる可能性有り」「蔓延防止等重点措置の解除、春季休業や年度替わりに退陣接触機会が増える事にも注意が必要」等の指摘有り。当面は「平時への移行期間」で「基本的な感染対策を徹底して、出来るだけ感染者数の減少を継続させる」事が必要と判断された今後は「65歳未満への接種も極力、前倒しして行う」。年度末から年度初めに向けて「一つの密も避け、外出の際は混雑した場所や感染危険性の高い場面を避ける」。「軽い発熱や倦怠感等の体調不良が有れば、外出を控える」。「不織布マスクの正しい着用や手指の消毒、換気等の感染対策を徹底する」等の対応が肝要との事。

 専門家会合後の記者会見で座長の脇田(わきた)隆字(たかじ)氏が語った所に依ると「欧州(ヨーロッパ)では感染の反跳(リバウンド)が起きて」いる故に「日本でも反跳が起きる可能性に就いて十分に考えて置く必要が有る」。「ワクチンの効果等が減衰」「蔓延防止等重点措置が終わった事で接触が増える」「東亜細亜(アジア)での感染拡大」等の要因が影響するものと考えられるが、「反跳が起きた際に重点措置や緊急事態宣言等の強い対策が如何(どう)()う時に、如何云う内容で執れるのかを(しっか)りと話し合って置く必要が有る」等が議論された由。ワクチンの4回目接種に関しては「3回目の接種の効果が一定の期間が経つと低減する」との報告を(かんが)みると「基礎疾患が有る人や高齢者等、重症化危険性の有る人への4回目接種は恐らく必要になる」。「海外の資料(データ)(しっか)りと集めて必要性を検討する」が「3回目よりは接種間隔が短くなる」可能性も有り、「間に合う様に準備も促す必要も有る」。花見時季(シーズン)の到来に就いては「家族で体調を確認しながら弁当を食べる」のは「普通に考えて危険性が高い行動とは思えない」が、「花見だとお酒も入って長時間になる事が有る」かも知れず「何処(どこ)に危険性が有るのか考える事が大切だ」との事。

 COVID対策を巡って全国(ぜんこく)知事(ちじ)(かい)回線(オン)接続(ライン)で会合を持ち、「蔓延防止等重点措置が解除されるも、年度替わりの時期は人の移動が増え、感染の再拡大が懸念される」「引き続き感染対策を徹底する様に各々が都道府県民に呼び掛ける」との方針を確認。会長を務める鳥取(とっとり)県知事の平井(ひらい) 伸治(しんじ)氏から「オミクロン株が収まりそうで収まらない」が「行動を節度有るものにして、経済社会を回しながら感染を抑える事が必要だ」。大阪府知事の吉村(よしむら)洋文(ひろふみ)氏から「徐々に変異株の『BA.2』に置き換わっている」上に「年度替わりの時期で在り、注意が必要」。群馬県知事の山本(やまもと)一太(いちた)氏から「次の波がまた来る事を想定し、ワクチンの4回目接種を早期に検討する等、先手先手で対応して行くべきだ」等の発言有り。

 国内では18歳以上を対象として進行中の3回目接種に関し、厚生労働省は「12歳から17歳へのPfizer製ワクチン接種」を認めるか否かを、本日に専門家で構成される部会にて審議。会議は非公開で行われたが、厚生労働省に依ると、既に12歳以上が接種対象とされている諸外国、米国や以色列(イスラエル)の状況が報告された模様。米国では「先月迄の2ヶ月余で12歳から17歳の約280万人が3回目の接種を受けたと推定されるも死亡例は報告されず、心筋炎と診断された症例(ケース)は32件で、2回目接種後より発生率は低かった。「16歳と17歳ではオミクロン株の感染が拡大しても、3回目接種後に重症化を予防する効果が確認された」との研究結果が示されるも、「12歳から15歳が接種した際の有効性に就いては今の所、情報が無い」との事。部会では「安全性や新たな変異株に対する有効性に関する情報を引き続き収集する」事を求める意見が出された上で「接種可能年齢を12歳以上に拡大する」事を了承。厚生労働省は明日に専門家から成る分科会を開いて「無料で3回目の接種を受けられる公的な予防接種」の対象に12歳から17歳を追加し、来月にも接種が始まる方向で話が進んで行く模様。

 本日にModernaが、米国と加奈陀(カナダ)で実施された同社製ワクチンに関する臨床試験の中間結果を発表。オミクロン株が流行する最中(さなか)、生後6ヶ月から12歳未満の約1万1700人が参加した治験では成人の接種に比して有効成分を四分の一に減らし、4週間隔で実薬を2回接種する群と偽薬を接種する群に分けて調査した所、「生後6ヶ月から2歳未満」と「2歳から6歳未満」の両方で「成人の用量でワクチンを接種した18から25歳」と比較しても「同等か其れ以上の中和抗体が作られる」事が確認された模様。感染予防効果は生後6ヶ月から2歳未満で43.7%、2歳から6歳未満で37.5%だったが、「重症化や死亡の事例が無かった」為に重症化予防効果は検証出来ず。副反応として38℃以上の発熱を認めた症例は生後6ヶ月から2歳未満の17%と2歳から6歳未満の14.6%で、有効成分が成人の半量のワクチンを打った6歳から12歳未満に比して少なかった由。

 此の結果を受けて、同社は「生後6ヶ月から6歳未満」に対する緊急使用許可を米国の食品医薬品局(Food and Drug Administration; FDA)に申請する由。「4回目接種」、そして「低年齢への接種対象拡大」は我が国も避けては通れぬ問題になると見た。本日に烏克蘭(ウクライナ)のZelensky大統領が、日本の国会で回線(オン)接続(ライン)形式の演説。詳細は週末に記す。


3月24日(木曜)

 医療(いりょう)逼迫(ひっぱく)の度合に関し、内閣官房は、3月23日時点の情報を発表。全国47都道府県すべてのデータを発表。「医療提供体制等の負荷」と関連する「確保病床の使用率」「重症確保病床の使用率」等の5項目。及び「感染の状況」と関連する「PCR検査の陽性率」、10万人当たりの「新規陽性者数」、「感染経路が不明な人の割合」等の5項目。以上10項目の全てに於いて、政府の分科会が示す「対策を強化すべき水準(レベル)」の目安たる5割を上回った自治体は存在しなかった由。本日は全国で4万9929人の新規感染と126人の死亡が発表され、人工呼吸器や集中治療室等の治療を受ける重症者は891人。一昨日に行われたPCR等の検査数は、自主検査を除いて8万7301件。

 東京都では本日に新規8875人の感染が確認され、先週木曜より400人余の増加。前週同曜を上回るのは今月3日以来だが、本日迄の7日間平均は6352.0人で前週の77.9%。都の旧基準で集計した人工呼吸器か人工心肺装置を使用する重症患者は、昨日より3人減って41人。都のモニタリング会議は本日、都内の医療提供体制の警戒水準を四段階中の最重度から1段階引き下げ、先週迄の「通常の医療が大きく制限されている」の短評も「通常の医療が制限されている状況である」に変更。感染状況に就いては、四段階のうち最重症との評価を維持。都のスクリーニング検査で「BA.2系統への感染が疑われる症例の割合」が「今月14日迄の1週間で38.5%」となり、前週から20.7ポイント上昇。「新規陽性者は緩やかな減少傾向」に在るも「BA.2系統への置換が急速に進んでいる」として、再拡大への警戒を呼びかけています。大阪府は24日、新たに4490人の感染が確認されたと発表。重症者は、23日より8人減って102人。

 3回目接種後も発症や感染を防ぐ効果が次第に低下するとの知見を踏まえ、英国や仏蘭西(フランス)独逸(ドイツ)以色列(イスラエル)では高齢者や医療従事者、重症化危険性の高い者等を対象に4回目接種を推進。本日に厚生労働省は専門家で構成される分科会を開き、「オミクロン株の感染が収束せず、再拡大する可能性も有る」として「4回目の接種をすべての希望者に行うことを想定」。近く全国の自治体に「接種券の配送や職員の確保等の準備を始める」事を要請する意向を示した。使用するのはファイザーとモデルナのワクチンで、接種間隔は6か月を基本としつつ、海外の動向を踏まえて検討する由。

 此れに対して、分科会では準備開始迄が了承される一方で「3回目迄の効果や費用を評価し、4回目が本当に国民全員に必要か否かを議論すべきだ」又は「対象者を重症化危険性の高い高齢者や必要不可欠(エッセンシャル)労働者(ワーカー)に絞るべきではないか」。或いは「4回目を公的な予防接種に位置付けるかも含めて考えないといけない」、「海外で推奨していない国も有り、情報も少ない」ので「有効性や安全性を十分に議論すべき」だが「準備をしつつ止めると云う選択肢も持った方が良い」等と議論百出。厚生労働省は今後、有効性や安全性に関する最新情報も踏まえた上で「4回目を実際に行うか如何(どう)か」の議論を続けるとの事。

 公明党の中央幹事会でも、同党代表の山口(やまぐち) 那津男(なつお)氏が「蔓延防止等重点措置は解除された」が、感染者数の高止まりや微増、欧州での再上昇を見ると「波は繰り返されると認識しなければならない」と指摘。「3回目の接種を加速する」と同時に「4回目の接種も視野に入れる必要が有る」等と発言した模様。

 烏克蘭(ウクライナ)情勢と関連して、今週21日の時点で露西亜(ロシア)外務省が「日本政府の決定」に不満を訴え、北方領土問題を含む平和条約交渉を中断する意向を表明。莫斯科(モスクワ)の日本大使館は「平和条約の締結交渉を露西亜側から一方的に継続しないと云う決定は極めて遺憾(いかん)」で「断じて受け入れられない」との声明を出し、岸田総理が「全て露西亜に依る烏克蘭侵略に起因して発生」した今回の事態を「日露関係に転嫁しようとする」対応は「極めて不当」で「強く抗議する」と語ると共に、外務省の山田外務審議官が露国駐日大使のMikhail Galuzin氏に抗議した由。露西亜の軍事侵攻に()って烏克蘭で市民の犠牲が増え続けている状況を憂い、本日の国連総会で二度目の露西亜を非難する決議案が採決され、賛成多数で採択。193の加盟国中、140ヶ国が賛成する一方、露西亜と叙利亜(シリア)、北朝鮮、Eritrea、白露西亜(ベラルーシ)の5ヶ国が反対。中国を含む38ヶ国が棄権。事務総長のAntónio Guterres氏も「露西亜に依る不条理な戦争」を非難した由。


3月25日(金曜)

 新規感染者数を一週間平均で比較すると、先月24日に至る1週間では前週に比して0.88倍。今月3日は0.92倍、10日は0.86倍、17日は0.90倍となり、昨日迄は0.76倍と六週連続で緩やかな減少傾向。地域毎に見ても、今月21日に重点措置が解除された18都道府県を含む44の都道府県で横這い、若しくは減少傾向が見られる由。21日以前に重点措置が解除された地域も大半は同様なれども、広島県は今月17日迄の1週間で1.09倍と微増を示した後、昨日は0.90倍に減少。沖縄県は今月10日迄の1週間は前週の0.86倍、今月17日は0.91倍と減るも、昨日は1.06倍と前週より増加。また昨日迄の1週間に於いて長野県が前週の1.10倍、鹿児島県も1.05倍と前週より僅かながら患者増加が見られた模様。

 内閣官房の発表に拠れば、昨日時点で全国47都道府県の何れも政府の分科会が示す「対策を強化すべき水準(レベル)」の目安を上回らなかった由。本日は全国で4万7470人の感染。115人の死亡が発表された。東京都での感染確認は7289人。重点措置解除から初の週末を前に、東京都知事の小池(こいけ)百合子(ゆりこ)氏は「皆さんの我慢が水泡(すいほう)()さない為にも、協力を引き続き御願いしたい」と本日の記者会見で語り、改めて「飲食を伴う会合は都の認証を受けた店を利用」「飲食は少人数で短時間にする」等の感染対策を継続する事を都民に要請。

 総務省が(まと)めた「昨年度の全国の地方自治体の財政状況」に拠ると、歳出は125兆4588億円で、COVID対策費の増加に伴って前年度よりも約26%増加。COVID対策の関連経費は25兆6336億円で支出総額の五分の一を占め、「東日本大震災が起きた直後からの6年間で地方自治体が復興の為に支出した費用」と(ほぼ)同額。最も大きいのは現金10万円を一律に給付する事業の12兆8000億円、次いで経営が悪化した企業等への貸付金に4兆8000億円、営業時間短縮の要請に応じた飲食店等への協力金に1兆円。総務大臣の金子(かねこ)恭之(やすし)氏は閣議後の記者会見で「(ほとん)どの事業を全額国費で対応しており、地方公共団体の財政運営に大きな支障が生じたとは考えていない」「引き続き、地方の財政運営に支障が出る事がないよう適切に対応したい」と述べた。

 本日閣議で政府は4回目接種を念頭に「Pfizerから7500万回分、Modernaから7000万回分の追加購入」を行う為の費用等として6670億円、「内服薬等の確保や国産治療薬の開発支援の強化」に4397億円、「水際対策のための検疫体制の確保」に1479億円、そして「抗原検査キットの確保」に929億円。「住民税が非課税の世帯に対する1世帯当たり10万円の給付金」に掛かる追加の費用として1054億円。総額で1兆4529億円の支出を決定。政府は令和3年度予算に新型コロナ対応として国会の承認を得ずに用途を決められる予備費を5兆円計上していたが、今回の支出で9割以上を使い切り、残金は3814億円となるが、今週成立した新年度・令和4年度予算にも新型コロナ対応の予備費5兆円が計上されている。

 衆参両院の予算委員会は各々(おのおの)で理事懇談会を開き、財務省の担当者から閣議決定した今年度予算の予備費支出に就いて説明を受けた後で質疑応答。此処(ここ)で野党側は「後6日で今年度が終わる時節(タイミング)で、1兆4000億円を超える多額の支出を決定するのはおかしい」とか「国会での審議を必要としない予備費を用いる事が本当に適切か、疑わしい支出も含まれている」等と批判。衆議院予算委員会で野党側の次席理事を務める立憲民主党の重徳(しげとく)和彦(かずひこ)氏は記者団に対し「政府の独断で、5兆円もの予備費を(ほぼ)使い切る決定が()されたのは、議会制民主主義の危機だ」「新年度予算にも5兆円の予備費が計上されており、与党の夏の参議院選挙対策に使われる事が無い様、注視する」と語った由。

 今年2月に塩野(しおの)()製薬(せいやく)が国内の会社としては初の薬事承認申請を行った軽症COVID患者用内服薬に関して、後藤厚生労働大臣が閣議後会見で「薬事承認が行われる事を前提に、速やかに百万人分を購入」「以降も一定数量を購入する」との内容で、25日に同社と基本合意を交わした旨を発表。当該製剤が「海外で承認がされているものでは無い」故に「特例承認と比べ、慎重な審査が必要」との問題が残るものの、「早期実用化に向けて優先、且つ迅速に」審査を進めて「安全性や有効性が確認された場合には速やかに承認し、必要量を供給したい」。「出来る限りの国産治療薬の応援をして行きたい」と述べた由。

 昨日に専門家で構成される分科会が「4回目の接種に向けた準備を始める」事を了承。「PfizerとModernaのワクチンを使用」「3回目からの接種間隔は6ヶ月を基本としつつ海外の動向を踏まえて検討」等の方針を踏まえて、本日に厚生労働省は全国の自治体へ通知。「全ての希望者が対象になる」事を想定して「凡そ2ヶ月後の5月下旬」を目処に「接種券の印刷等の発送準備や会場の手配等を終える」様に、と伝えられる反面、分科会で慎重意見が相次いだ事から「4回目接種を実施するか如何(どう)かや対象者、3回目からの接種間隔等に就いては科学的知見や諸外国の実施状況も踏まえ、引き続き審議する」事とし、接種券を準備しても何時(いつ)発送するかは未定で「方針が決まり次第、速やかに知らせる」との事。

 国の支援に依って発行される引換券(クーポン)で、在住する都道府県内や隣県への旅行代金の割引、土産物等の購入に使用出来る観光需要の喚起策。所謂(いわゆる)県民(けんみん)(わり)に関して、本日に観光庁から発表有り。蔓延防止等重点措置が解除された事を機に支援要件が変更され、来月1日以降は「全国を六つの地域に分け、各地域内の旅行を支援対象と設定」。六地域の区分は北海道と東北の6県、関東の1都6県と山梨県、中部と北陸信越の9県、関西の2府4県、中国と四国の9県、九州の7県と沖縄県。従来より引換券の使用で助成される範囲や対象が拡大される事となるが、実施に際しては同一地域内の都道府県双方の同意を必要とし、今後は個別の協議を経て開始日等が決まる模様。割引を受けるには3回接種の完了、若しくはPCR検査等の陰性に関する証明が必要だが、居住している都道府県内での使用ならば「知事の判断で2回のみの接種でも割引を受ける事が可能」となる模様。

 停止中のGo Toトラベル事業に関しては、引き続き「感染状況を見極めたうえで再開の時期を慎重に判断する」との事だが、今年は治療薬開発や4回目接種の進展と共に「COVIDと社会経済活動の両立」を目指す動きも本格化して行く様だ。


3月26日(土曜)

 本日は全国で4万7338人の感染。東京都で18人、大阪府で15人、京都府で9人、埼玉県で9人、愛知県で9人、神奈川県で9人、兵庫県で7人、千葉県で7人、福島県で3人、北海道で2人、奈良県で2人、佐賀県で1人、富山県で1人、岩手県で1人、島根県で1人、広島県で1人、徳島県で1人、愛媛県で1人、石川県で1人、福岡県で1人、香川県で1人、高知県で1人、総計101人の死亡。国内で感染が確認された者は空港の検疫等を含めて634万2266人、客船の乗客や乗員が712人で、合わせて634万2977人。亡くなった人は国内で感染が確認された人が2万7718人、客船乗客が13人の総計2万7731人。人工呼吸器や集中治療室等で治療を受ける重症COVID患者は707人。今週24日に行われたPCR等の検査は自主検査を除いて7万3609件。

 東京都は7440人の新規感染を確認。先週土曜より4人減るも概ね同等か。本日迄の七日間平均は6274.9人で、前週の80.2%。7440人を年代別に見ると20代が最も多く、全体の約20%に相当する1487人。65歳以上の高齢者は382人で全体の5.1%。都の旧基準で集計した人工呼吸器か人工心肺装置を使っている重症COVID患者は35人で、昨日より3人減。大阪府では3645人の新規感染が報告され、府内の感染者累計は77万7597人となった。重症者は3人減って96人。

 今月7日から9日に掛けて、国際(こくさい)医療(いりょう)福祉(ふくし)大学(だいがく)が「都内在住の20代から60代の男女」を対象に電網上で調査を行い、3142人が回答。全国の3回目ワクチン接種率は昨日の時点で37.4%だったが、「接種を受けた」或いは今後「接種を予定している」と答えた者が72.5%に上る一方、年代別に見ると60代は90.8%だったのに対し、30代は62.5%、20代は59.4%と年齢が若くなる程に低下。また「今年1月と2月に同居家族以外と飲酒を伴う会合を行った」頻度に関する質問に対する回答は0回が72.3%、1回が12.8%、2~3回が6.9%、4回以上が4.3%となり、多くの人が会食を控えていた事が判明。

 (これ)()の結果を踏まえて、調査を行った国際医療福祉大学教授の和田(わだ)耕治(こうじ)氏からは「今後、感染の再拡大を抑える為には、3回目ワクチンの安全性や副反応に就いて、若い世代にも理解を得ながらワクチン接種を進める必要が有る」。「オミクロン株の潜伏期間は2日から3日」で在る事も考慮すると「体調を確認しながら例えば週に一二回、間隔を空けて参加する」等と「目安を示しながら、飲食を楽しめる期間を伸ばして行く」事が必要。重点措置が解除された今、「行政は市民と事業者に何を求めるのかを示す事が求められる」等の見解が語られたとの事。

 民間の気象会社に依ると、明日に東京都心や高知、福岡で桜の満開が予想される由。日本全国で蔓延防止等重点措置が全て解除された後に花見の時季が訪れる事となったが、NHKが「例年20万人以上が訪れ、全国各地の桜の名所として知られる」40箇所の管理者に「花見の時季に来場者の飲食を制限するか否か」を確認。結果は「少人数、短時間」等の条件付きも含めると食事を許可したのは35箇所、自粛を求めるのが5箇所。飲酒に就いては条件付きの許可が23箇所、自粛を求めるのが17箇所だが、飲酒を認める場所でも「大人数での宴会」は自粛が必要。昨年よりも制限を緩和した所が14箇所、全体の35%を占める一方、コロナ禍前は三百万人以上が訪れていた東京の上野公園を含む5箇所は「飲酒だけでなく食事も禁止」との対応を継続。

 就任したばかりの日本蹴球、Jリーグの議長(チェアマン)、野々村芳和氏が今週22日、一昨年からJリーグが感染対策として禁じている「声を出す応援」に就いて言及。「科学的な根拠を集めて専門家の意見を聞きながら考えたい」と述べ、見直しを検討する意向を示した。三年振()りに観客の人数制限を設ける事無く、今月25日にプロ野球が開幕。変則的となっていた延長戦に就いても延長12回迄、行う事となる模様。東京の野動物園は感染第六波の急拡大で今年1月11日から臨時休園となっていたが、重点措置の解除を受けて今週23日に再開。(ジャイアント)熊猫(・パンダ)のシャンシャンを見る為に事前予約した者達が開園前から行列を作り、25日からはシャンシャンの弟、妹に当たる双子のシャオシャオとレイレイの一般公開も事前抽選の一日2800人に限定して再開される事となった。


3月27日(日曜)

 自治体の職員等で構成される(ぜん)日本(にほん)自治(じち)団体(だんたい)労働(ろうどう)組合(くみあい)。略称、自治労が昨年11月から本年1月に掛けて、全国の公立病院で働く看護師や臨床検査技師等を対象に調査。「現在の職場を辞めたいと思っているか」との問いに7724人から回答が得られ、「常に思う」「しばしば思う」「たまに思う」と回答した者の総計は69.4%に上った。複数回答可の理由は「業務が多忙」が61%で最多、次いで「業務の責任が重い」の35%、「賃金に不満」の30%等。医療従事者であることで差別や偏見を経験したと回答したのは22.7%だった由。

 昨日の時点で国内のSARS-CoV2感染者は累計で634万人を突破。「国民全体の二十人に一人が感染済」との状況に於いて、厚生労働省や医療機関へ「感染後にもワクチンを接種した方が良いのか如何か」との問い合わせが増加。「既感染者がワクチンを接種した場合、未接種者と比較して再感染の確率が低くなった」との報告が有り、また別の研究で「感染から2ヶ月後には抗体価が3回目接種の直後と同程度になり、其の後に抗体価は低下する」との知見が得られている事等を根拠に、現状で厚生労働省は「接種を希望する既感染者」には「感染から3ヶ月後」を目安に接種する様に指導。更に、本人が希望すれば「感染から3ヶ月以内の接種も容認」との方針となって居り、当方が今月に従事した接種協力に於いても該当する事例を経験している。

 仏蘭西(フランス)独逸(ドイツ)では「感染から3ヶ月以上経った後に接種が可能」と我が国に近いが、英国では「発症、又は陽性と確認されてから4週間以上経った後」と期間が短い。更に米国では「感染後、接種までの最適な間隔を示す十分な科学的根拠は無い」との見解に基づいて「症状が収束して隔離を終えた後」ならば接種が可能とされる等、此の件に関しては諸外国でも対応が統一されている訳では無い模様。

 既報の通り、今週23日にVolodymyr Zelensky氏が、烏克蘭(ウクライナ)大統領として史上初めて日本の国会で演説。氏は「両国の首都は8193(キロメートル)離れていて、飛行機では15時間を要する」も「自由を望む気持ち、生きたいという気持ち、其れに平和を大切に思う気持ちに距離は存在しない」等と語り掛け、「露西亜(ロシア)が烏克蘭全土の平和を破壊し始めた時、世界中が戦争に反対」したが、日本は「()うした役割を果たす亜細亜(アジア)の指導的国家」として「露西亜が始めた此の残酷な戦争を止める為、烏克蘭の平和の為」に「()ぐに動き出してくれた」との謝辞が述べられた。

 氏が「チェルノブイリ原子力発電所に於ける危険」や「シリアと同様に化学兵器、特にサリンを使った攻撃が起きる可能性」に言及した事は福島原発、松本サリン事件や地下鉄サリン事件の記憶を日本国民の脳裏に蘇らせる効果が有ったと思われる。日本に求められたのは「平和を取り戻す為に露西亜に圧力を掛け、露西亜に対する制裁に踏み切ってくれ」た姿勢を維持する事、「他の亜細亜諸国と力を合わせ、状況の安定化に取り組」む」事で、派兵等の要求無し。演説は「烏克蘭に栄光有れ、日本に栄光有れ」の言葉、居並ぶ国会議員達の拍手喝采と共に幕を閉じた。

 露西亜では今週、大統領特使を務めていたAnatoly Chubais氏の辞任が判明。侵攻以降に辞任した露国政府関係者としては最高位の人物だが、露国の報道によると氏は現在、妻と共に土耳古(トルコ)に居る模様。直近の数週間、Putin政権の重要人物はペスコフ報道官とセルゲイ・ラブロフ外相を除いて殆ど公の場に姿を見せていない。烏国の大統領顧問、Mykhailo Podolyak氏はSergei Shoigu国防相、Valery Gerasimov軍参謀総長を含む最高幹部達の姿が「何処(どこ)にも見当たらない」のは興味深いと述べ、欧米では「Putin大統領が側近達の魔女狩りを始めた」と報道されるも真相は不明。

 今週24日に烏軍は、露西亜軍に占領されて同国の軍艦が複数停泊していた南東部Berdyanskの港で「露軍の大型揚陸艦を破壊した」と発表。当初、艦名は“Orsk”とされたが、翌25日に“Saratov”に訂正。波蘭土(ポーランド)を訪問中のJoe Biden大統領は昨日、露西亜の指導者を激しく批判した上で、Vladimir Putin氏を"butcher"と罵った。此の語は肉屋や食肉処理業者、即ち現在は使用が望ましくないとされる古い表現では屠殺(とさつ)(しゃ)其処(そこ)から転じて、虐殺(ぎゃくさつ)(しゃ)とも訳される様だ。

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